2017年冬春モデル

ドコモのMONO MO-01Jは本当にお得なのか

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ドコモの2016-2017年新機種冬春モデルの中でも注目を集めた機種の一つに、初のドコモブランドとして発売された、MONO MO-01Jがあります。

一体何が注目されたのかというと、その端末価格の安さです。

税込み価格32400円が、端末購入サポート適用により、一括648円(税込)で販売されています。ドコモショップ、家電量販店、ドコモオンラインショップのどの販売チャネルでも、共通の一括648円です。

発表当初は本当に648円なのか、と疑心暗鬼の人もいたかもしれませんが、本当に648円で発売されてします。一括0円がなくなった今の状況でのこの価格は、確かに安いです。

MONOとは一体何なのか、本当にお得なのか、何か裏はないのか。

改めて検証していきたいと思います。

 

※MONOが発表された約半年後、ドコモより格安料金プラン「docomo with(ドコモウィズ)」が発表されました。これを受けてMONOが持つ役割はかなり変わってしまったのですが、それについては記事の最後で解説しています。

※MONOの最新機種「M-01K」が2017-2018年冬春モデルとして発表されました。docomo with対応機種として登場していますので、MONO M-01Jとは根本的に異なります。詳細は「ドコモ2017-2018年新機種の選び方」を参照ください。

MONO MO-0Jの製造メーカーはZTE

「MONO」は、初のドコモブランドスマートフォンとはいえ、製造しているメーカーはもちろん存在しています。

GoogleブランドのNEXUS 5XをLGが、PixelをHTCが製造しているのと同じですね。

大きく注目されることはありませんが、購入を検討するのであれば製造メーカーは気になるところです。

そんな今回のドコモブランド・MONOの製造メーカーは、ZTEが担当しています。

ZTEについては当ブログでも今まで取り上げたことはほとんどありません。唯一以下の記事で若干触れている程度です。

関連記事:「中国スマホは危険なのか/韓国・台湾スマホは選んでもいいか

 

ZTEは中国のメーカーです。

というと、抵抗がある人もいるかもしれませんが、すでにドコモで販売実績もあり世界的メーカーに上り詰めたHUAWEI(ファーウェイ)も中国メーカーですし、SIMフリー市場で圧倒的な人気を誇るZenFoneを販売しているASUS(エイスース)は台湾です。

Galaxy note7の失敗により元気がない韓国メーカーを尻目に、中華系メーカーは世界的シェアをどんどん伸ばしています。

基本的にMONOの価格の安さは、スペックを抑えてZTEが製造しているというところに集約されるのかもしれません。

 

MONOは新規でも機種変更でも648円

一括648円という記載にばかり注目が集まっていますが、当初、その一括648円が新規契約時の価格なのか、機種変更時の価格なのかが明確ではありませんでした。

そのため、実際の価格をドコモオンラインショップで確認したところ、新規契約でも機種変更でも、総額32400円から端末購入サポートで31752円が割引され、残りが一括648円となることがわかりました。

つまり、これからドコモに替えようと考えている人も、すでにドコモで利用中の人も、どちらも一括648円で購入できるわけです。

実は、この新規でもXiからXiへの機種変更でもFOMAからXiへの契約変更でも、どれでも648円という点が非常に大きいポイントなのですが、詳細内容は後述します。

 

MONO MO-01Jの詳細スペック

MONOの詳細スペックを見ていきます。

 

ディスプレイ 約4.7インチ HD/TFT
カメラ アウトカメラ 約1330万画素
インカメラ 約490万画素
OS Android6.0
バッテリー 2440mAh
ROM/RAM 16GB/2GB
質量 約138g
SIMスロット nanoSIM
主な対応機能 防水防塵(IPX7/IP5X)/Bluetooth/ハイレゾ/VoLTE
主な非対応機能 おサイフ/赤外線/ワンセグ/生体認証

 

ROM/RAM、バッテリーやカメラなど、各スペックにやはり若干の物足りなさは感じるものの、648円のスマホとしては必要最低限かつ十分すぎる性能ではないかと思われます。しっかり防水防塵にも対応していますし、VoLTEにも対応しているのはうれしいところです。

非対応機能のなかで注意点としては、ワンセグやおサイフケータイ機能です。ワンセグはともかくとして、おサイフケータイ機能は昨今利用している人もかなり増えてきていると思いますが、ドコモユーザーの場合にはdカードやdカード GOLDを利用してiD決済をすることもできますので、そこまで気にしなくても問題ないのではないでしょうか。

もちろん、そもそもそうした機能を必要としていなければまったく関係ありません。

 

MONOはドコモの格安スマホ対抗ブランド

MONOブランドには、とにかく価格を安くすることにより、格安スマホを取り扱うMVNOへの対抗にするという目的があるものと思われます。

MVNO市場では、格安スマホと言っても端末価格は2万~3万程度はするものが多く、最近はハイスペックで格安スマホとは到底呼べないような機種も登場していることを考えても、MONOの一括648円は格安スマホのお株を奪う安さだといえます。

スペックはある程度落としても、製造メーカーがどこであっても、とにかく安く抑えたいというユーザーには強い訴求力があるスマートフォンになるかもしれません。

データ通信専用プランなら月額料金0円から存在するMVNOにドコモが利用料金で対抗するのはほぼ不可能なので、端末価格で対抗してきたと考えるとよさそうです。

ちなみに、仮に端末価格が648円だったとしても、長いスパンで考えるとやはりどうしてもドコモの方がMVNOよりも料金総額は確実に高くなります

 

MONOのスペックで我慢できるユーザーであれば、格安スマホと格安SIMのセットで利用した方が間違いなくお得なので、最近人気のMVNO・LINEモバイルやシェアNo.1のOCNモバイルONEなどを検討してみてもいいでしょう。

どちらを選んでも、トータルコストはさらに安くすることができ、MONOよりも確実に使いやすいarrows M04ZenFone 3なども選択できるという大きなメリットがあります。

 

MONOは「安かろう悪かろう」なのか

それだけ安いということは、MONO MO-01Jのスペックは相当低いのではないか、実際のところ使い勝手が非常に悪い機種になってしまっているのではないか、と考えてもこれは仕方がありません。

「安かろう悪かろう」ではないのかという疑いは誰しもが持つところだと思います。

確かにスペックはかなり抑えてあります。ワンセグやおサイフケータイ機能など、ドコモのスマートフォンのほとんどが持つ機能も搭載されていません。

ただ、防水など必要最低限の機能は搭載されており、スペックも一昔前のことを考えれば十分すぎるスペックであるといえます。

最低限の利用ができればいいと考えている人にとっては気にならない、とまでは言いませんが、我慢できるレベルだと思います。

ただし、実際のスペックと操作性は釣り合わないこともあるため、実機を店頭で一度、量販店やドコモショップなどで実際に触ってみることをお勧めします。

私個人の感想としては、格安スマホ特有のタッチパネル感覚だな、と感じはしたものの、概ね普通に利用するには問題ない反応速度だと思いました。ただ、長期の利用には我慢できそうにありませんので、とりあえず買うとしても繋ぎ的な意味合いを求めたいところです。

mono01

 

MONOの安さは端末購入サポートが条件

格安の端末価格を実現するMONO MO-01Jですが、その安さには一つ、秘密があります。

それは、無条件で一括648円になるわけではなく、あくまで端末購入サポート適用後の金額が648円である、という点です。

極端に安いということは、どこかに必ず秘密があるわけです。

端末購入サポートについては、別記事:「月々サポートと端末購入サポートの違い」で解説しています。

要は、規定利用期間である12ヶ月間(購入月の翌月を1ヶ月目として12ヶ月を満了するまで)対象機種を利用し続ける必要があるので、約1年弱の間、簡単に別の機種に切り替える、ということはできなくなります。

ただ、基本的に1年間で別の機種に買い替える方が逆に珍しいともいえるため、それほど難しい条件ではありません。

基本的に普通に使いさえすれば条件は無事満たすことができるはずです。そしてその規定利用期間を超えたなら、いつでも好きな時に買い替えは可能になるので、実質2年間縛られる月々サポートと比べればまだ条件は緩いと考えてもいいと思います。

 

 

MONOは総務省の規制をかいくぐる

そもそも一括0円がなくなった背景には、国によるスマートフォン販売の方向性と総務省からの指導があったわけです。

これにより一括0円機種が販売できなくなったことで、一気にユーザー側の負担は増大するに至りました。

その割に料金プランの低廉化はなかなか進まず、ここまでは一部ユーザーを除いて、基本的に総務省の思惑が完全にユーザー側の負担を増大させる形になってしまっていました。

そこで、そうした総務省の規制をかいくぐる端末として登場してきたのが、MONO MO-01Jであるわけです。

一見、一括648円という価格は改めて総務省からの指導対象になるだけのようですが、「3万円以下の廉価端末は実質0円に近い割引を行ったとしてもガイドラインに抵触しない」とされているということで、つまりはガイドラインの抜け穴をついた戦略的な機種と言えます。

そもそも現在の総務省の方向性は、本来の目的からかなりずれたものになってしまっています。それもそのはず、総務省の思惑と大手3キャリアとの思惑が合致することはあり得ないからです。

大手キャリアは企業である限り利益を追求していかなければならず、結果、端末価格を安くする部分の規制ばかりが先走り、端末価格増、料金プラン微減ということで、結果としてはユーザー負担増、キャリア負担減、となってしまい、キャリア側ばかりを利する歪な形になってしまったわけです。

ということで、MONOは総務省から指導されるような点は何一つないはず、ということでしたが、ここまで何も問題は発生していませんので、今後も在庫がなくなるまでは継続して販売はされるものと思われます。

 

MONOを買うべき理由

MONOを利用するにあたってもっともおすすめできる層はどういうユーザーかというと、スマホをはじめて利用し、使い方もよくわからないがそろそろスマホデビューはしたい、という層です。

多少ドコモで料金がかかったとしても、使い方がわからないときにすぐに訪ねていけるドコモショップがあるのが何よりの魅力です。

ドコモの格安スマホやMVNOに対する最大のアドバンテージは、今も昔もアフターサポートだからです。

購入機種候補として、格安MONO MO-01Jは十分に検討の余地があります。

 

MONOを買うべき裏技的理由

さらに、少し裏技的理由を付け加えておきます。

MONOは、まだ格安スマホ/格安SIMを利用できそうにない・または検討中であるというドコモユーザーは絶対に買うべきです。

その理由としては、前述した通り、MONOは、新規契約時ばかりでなく、機種変更時でも一括648円になるからです。

そのため、もうそろそろ機種変更しようかな、と考えているユーザーは、「とりあえず」購入するべきです。

MONOを一括648円にするためには端末購入サポートが条件なので、事実上14ヶ月は縛られてしまう形になりますが、それは端末購入サポート解除料を払いたくない場合の話です。

MONOの端末購入サポート解除料は税込み15876円です。そこまで高くありません。ということで、この解除料をはじめから織り込んだ上でMONOを購入すればいいのです。そうすれば、いつ変更しても問題ないのですから、事実上縛りはなくなります。

元々の一括648円と15876円を合計した金額を、そのままMONOの購入金額と考えればいいのです。

それでも格安です。本当の格安スマホの相場は、おおむね15000~25000円程度です。と考えると、ドコモで格安スマホを本当に手に入れることができる、というわけです。

 

MONOを購入した後、ドコモをそのまま継続して利用していきたいという場合には、実際のところ、6ヶ月の隠れ縛りが出てきます。

それはつまり、次購入する機種に、月々サポートが適用されるようになるまでの期間です。

月々サポートは、2014年9月以降に発売された機種を過去6か月以内に、「機種購入手続きがなされている回線」「XiからFOMAへの契約変更がなされている回線」、または「お持ち込みになった機種でドコモと新規契約されている回線」でご購入の場合は、本割引の対象外としています。

MONOを購入して6ヶ月経過するまでは、たとえ端末購入サポート解除料を覚悟の上だったとしても、次の機種への機種変更時に月々サポートが適用しないため、事実上思いとどまらざるを得ません。

理想の形としては、

1.MONO購入・ドコモで6ヶ月間はカケホーダイ&パケあえるで普通に利用

2-1.半年経過したら次の買い替えについて月々サポートが適用するので、好きな機種に再度機種変更
2-2.  または格安SIMを利用する準備ができたならドコモから格安SIMへ乗り換える

3.MONOがそのまま、空き端末として手元に残る(格安SIMでも利用可能)

というわけです。

手に入ったMONOは、MVNOの格安SIMで利用するもよし、家族分にするもよし、転売するもよし、どうにでもできます。

さて、こう考えると、買い替えない手があるでしょうか。

 

MONOの在庫僅少? 狙いはドコモオンラインショップ

そんな様々な使い勝手があるドコモブランド「MONO」ですが、とにかく在庫が少ないようです。

発売直後にもかかわらずいきなり店頭在庫がなかったということは、おおよそドコモに販売意欲があまりなかったと思われても仕方がないところです。

648円をいくら売ってもドコモに利益はほとんどなかったのかもしれませんし、それならばMONOの役割としてはあくまで、MVNOへの流出防止と話題性としての役割のみだったのかもしれません。

とりあえずドコモオンラインショップが在庫を抱えていることが多いようなので、そちらを狙って購入するとよさそうです。

 

 

docomo with(ドコモウィズ)によるMONOの存在意義の破壊

さて、ここまでの内容をひっくり返してしまうようですが、以上の内容はすべて、docomo withが登場する前までの話だったりします。

せっかく戦略的な機種として販売したはずのMONOですが、ドコモは自らドコモウィズという新しいプランを開始することで、MONOの存在を半ば否定してしまいました。

docomo withの詳細な内容はここでは解説しませんので、改めて確認しておきたい場合は「docomo with(ドコモウィズ)は本当にお得なのか」を参考にされてください。

 

docomo withがMONOを否定してしまったその理由は、きわめて明確です。

すなわち、MONOを利用しようというユーザーと、docomo withを利用しようというユーザーとは、ターゲットがほぼ共通しているからです。それはつまり、機種にはあまりこだわりがなく、できる限り安く利用したいユーザーです。

両方とも、対格安スマホ/対格安SIM、というわけです。

 

MONOの最大の特徴は端末価格の安さです。一方で、docomo withのメリットは対象機種を限定するものの、毎月の料金を1500円割引するというものです。しかも、期限を切らずに、というところが非常に大きいです。

長く利用すればするほど、MONOよりもdocomo with対象端末を選んだ方がコスト的に有利なのです。

しかも、端末スペックもMONOよりもdocomo with対象であるarrows BeやGalaxy Feelの方が上です。

これではほとんどのユーザーがdocomo withを選択してしまっても仕方がありません。MONOを選ぶ意味はほぼ、なくなってしまいました。

 

docomo with以後もMONOを必要とするユーザーとは

ただ、完全にMONOが意味をなくしたわけではありません。変わらずMONOを必要とするユーザーも存在します。それは、目先の端末価格が安い端末を必要としているユーザーです。

具体的にどういうユーザーかといえば、docomo with対象端末を購入する際に、一括購入ができず、かつ割賦も組めないユーザーです。では何を選択するべきなのかというときに、割賦を組む必要がなく格安で手に入れることができるMONOはうってつけの端末であるわけです。

 

こうしてMONOは今も、一部のユーザーに対しては非常に強い訴求力を持つ一方で、割賦を組むことができたり、docomo with対象機種を一括で購入することに抵抗がない層に対しては、長期的な意味合いでは完敗してしまう状況になりました。

今からMONOを検討する場合には、docomo with対象機種との比較は絶対に欠かせません。

まずはこの点をしっかり理解した上で、改めてMONOをとるのか、docomo withをとるのか考えてみましょう。



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