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ケータイ乞食は今度こそ本当に終了か/今後の業界の動きを読む

   

ドコモ、au、ソフトバンク、時にはワイモバイルやMVNOを渡り歩き、契約を繰り返し、通常では到底考えられない利益を生み出し続けていたケータイ乞食システム。「ケータイ乞食」と一般的に呼ばれ始めたのも、いったいいつのころからなのでしょうか。

ケータイ業界のシステム上の隙間を狙い、手間暇リスクをものともせず巨額の利益を生み出し続けていた専業レベルの人もいれば、ちょっとした小遣い稼ぎ程度の意識で数回、一括0円機種を手に入れて転売したりキャッシュバックをもらってみたりした程度の人もいるでしょう。そこまで意識せず、たまたまキャリアを乗り換えてみたら思わぬ利益が出た、という人も少なくないと思います。

こんなに利益が出るのなら、同一キャリアで買い替えするなんてばかばかしい、とそこで初めて気づいたけれど、それを繰り返すところまでは思い至らない、もしくはそんな気にならない人もいるはずです。

そうした、様々なケースを総合すると、おそらく全体でのケータイ乞食システムにおけるユーザー側が受けた恩恵は、おそらく想像できないくらいの巨額になっていることでしょう。

しかし、そんなケータイ乞食システムは、いよいよ終了してしまう可能性が高くなっているようです。

今後のケータイ業界の動きも合わせて検証しようと思います。

総務省の本気だけど「?」の動き

始まりは本当に、唐突でした。

安倍首相の「家計への負担が大きい」というケータイ料金引き下げ検討指示がその発端です。

時期は戦争法案と揶揄され続けた安保法案について騒がれていた2015年9月。その是非はともかくとして、批判の矛先をまるでそらすかのように、あまりにもある日突然出てきた指示でした。

そしてここから総務省が本気で動きだしました。例によってその動きが的を射ているかどうかはともかくとして。

総務省による有識者会議などを経て、長期利用者よりも頻繁に買い替えをするユーザーが得をするようなシステムの是正、実質0円などの行きすぎた割引の是正、高額キャッシュバックの廃止などが方向性として打ち出されました。

その有識者会議の方向性が正しいのか、本当にユーザー目線になっているのか、実現可能なのか、という様々な問題点には目をつぶって、その結果どういう問題が起こるのかはやってみなければわからないというレベルのなんだかもはや逆の意味で無責任な結論を錦の御旗として、総務省は行動を開始しました。

 

ライトユーザー向けの1GB・5000円以下プランを作るようにという要請に対してドコモ、au、ソフトバンクは新プランを発表しました。加えてキャッシュバックは本格的な廃止が決まりました。キャッシュバック実施店舗を見つけたら総務省に報告できるようにするという念の入れようです。

ここに至って、もはやキャッシュバックは風前の灯です。

auについては一部キャンペーン名称が変更になったものもあります。ドコモでは割引キャンペーンが前倒し終了と公式サイトで発表されているものもあります。影響はかなりいろいろなところに出てきています。

 

確かに、ケータイ乞食システムは一部のユーザーに対して非常に大きすぎる利益を生み出しており、一方で何もわからないユーザーはただただ損をし続けているという状態だったため、この流れ自体は間違いではないかもしれません。

ただ、「絶対的に全員が平等」なんてことはあり得ないわけです。「知識がある人が得をする」ということ自体、どの世界でもありうることなのです。そこまでして完全にキャッシュバックを否定することが本当に正しいことなのかは、議論されつくしてはいません。

業界全体での流動性が低下するのは目に見えており、経済の活性化の逆の方向に今回の動きは向かっているのは確実で、結果としてケータイ/スマホ端末購入率の低下と関係企業、下請け、代理店などへのダメージをどう考えているのかは完全に謎です。おそらく考えていないのでしょう。

 

一括0円、実質0円がなくなる

総務省の方向性のメインにもある、行きすぎた端末割引の是正という部分に関連し、今後一切、今まで存在したような一括0円、実質0円などのスマートフォン/ケータイはなくなっていくものと思われます。

本来あるべき価格に徐々に戻されていけば、スマホ自体当然今と同じレベルの7万~10万円台では売れなくなっていくのは目に見えていますので、ミドルスペック、ロースペックモデルが増え、ハイスペックモデルは影を潜めていくことでしょう。

 

日本人はiPhoneが大好きですが、iPhoneも今のように簡単には買えなくなっていく可能性が高いです。iPhoneは元々かなりのハイスペックモデルであり、高価格帯スマートフォンなのです。

それを安く購入できるのは、ドコモをはじめとする大手キャリアが2年の利用を前提として割引を実施しているためであり、それが総務省によって封じられれば、iPhoneはある程度まとまった金額を出すことができるユーザー向けとなっていき、中学高校生が気軽にiPhoneを持てる、なんて状況はなくなっていくかもしれません。

逆の意味では、iPhone一辺倒だった日本のスマートフォン事情がガラリと変わる可能性があり、ロースペックスマホをうまく提供できた端末メーカーが今後伸びていく可能性もあります。それは、事実キャリアに頼らずSIMフリースマホで業績を伸ばすFREETELを見ても明らかです。

今のうちから格安スマホにも目を向けておく必要があるかもしれません。

ただしいずれにしても、ケータイ乞食の活躍の場は、見つけられそうにありません。何より高額端末調達が今よりはるかに難しくなります。

 

端末価格は高騰し、料金システムは安くならない

以上の事情により端末価格が今後安くなるということは考えにくいため、うまく端末のスペックと価格を見比べながら、ユーザー側が正しくスマートフォンを選んでいく必要が出てくるでしょう。

しかし、そもそも総務省がやりたかったこととはユーザーを苦しめることではなく、安倍首相が「家計への負担が大きい」と発言したように、家計の負担を減らすことにあったはずです。

それなのに、総務省の指導により割引が減り、一括0円、実質0円がなくなり端末価格が高騰すれば、かえって家計への負担が大きくなってしまいます。これでは意味がありません。

総務省としてやりたいこととしてはつまり、端末価格は高くなるかもしれないけれど、長期利用をしているユーザーにはその分利用料金が安くなるように指導している、ということなのです。

その結果発表された各キャリアの割引プランは、ご存知の通りです。
※「ドコモシェアパック5」「auデータ定額1」「ソフトバンクデータ定額パック小容量1

安いでしょうか? 確かに多少安くはなります。ただ、この程度の割引なら、実質0円、一括0円を残してもらった方がユーザー的なメリットは大きいと言わざるをえません。

 

ユーザーばかりがリスクを負う未来

現状、移行期間であるということを念頭に置いておく必要はあります。

少しずつ、今の状況を完全に切り替えていく必要があるため、一気に変えることは難しいわけです。だからこそのひずみが出てくる時期が存在するでしょうが、将来的には端末価格は端末価格、料金は料金と完全に分離した状態でユーザーに対してわかりやすくしていこうという未来が総務省がおそらく思い描く姿です。

しかしそんな未来は企業の前には絵空事で終わる可能性も高いと言わざるを得ません。なぜなら、企業は営利を追う必要があるからです。

そしてそのことを国が規制することはできません。

結果として、端末価格は高騰するけれども、毎月の利用料金は一向に安くならない。そんな未来しか見えてきません。

総務省が思い描く姿と、キャリアが思い描く未来は、絶対的に交わらないのです。当たり前の話です。

ユーザーが安いプランを選ぼうとするならば、安いプランを選びにくいシステムを作り出すのがキャリアです。何故なら、儲ける必要があるからです。

そんな状況の中でユーザーがやるべきは、自己防衛以外にありません。

 

MVNOと格安スマホしかない

もはや、今後の未来におけるユーザーとしての選択肢は、現状一つしかありません。

MVNO利用と、格安スマホの利用です。

なかなか踏み出すことができない、という人も少なくないと思いますが、もはや大手キャリアにとどまる意味は、数年前から皆無となりつつあります。

そのことを理解しているユーザーはとっくに、MVNO+格安スマホ(もしくはキャリアの空き端末)を利用して、格安/激安で毎月スマートフォンを利用しているのです。

まだ一歩、ここに踏み出すことができないのは、考えようとしていない、または考える時間がないのどちらかと思われます。

 

ドコモで初代Xperia SO-01Bが発売されたのは2010年4月のことで、実はまだ6年経っていません。スマートフォンが本格的に普及しはじめてからの歴史など、まだ所詮それくらいしかないのです。

10年後、大手キャリアショップはもはやケータイ/スマートフォンがメインではなく「でんき」、「野菜」、「水サーバー」、「保険」、「ヘルスケア機器」、「インターネット」などの総合スーパーに変貌している可能性すら十分あり得ます。

むしろ、そうしていかないと生き残れない時代へと変わっていくはずです。

アクオスケータイが世間を席捲していたころ、SHARPの未来を想像できた人はいません。

ケータイスマホキャリアにしても同じことです。

ただ今現在、ユーザーとして料金を重視した場合に選ぶべき選択肢が大手キャリアのスマホにないことだけは疑いようがないわけです。

 

大手キャリアを脱出しMVNO利用開始するのは今

ついに月額料金が「0円」で利用できるようになったSo-net「0SIM」をはじめとして、MVNO業界もまた、大きく変わりつつあります。

増えすぎた事業者に対して、今後は淘汰の時代に入ります。これはISP(インターネットサービスプロバイダー)事業者がたどった道と同じです。

その中で生き残っていくMVNOは本当に実力がある事業者ばかりになるはずです。それぞれの特徴を理解し、自分の利用状況と合わせて判断していく必要があります。

 

ケータイ乞食復活の道はあるのか

前置きばかりが非常に長くなりました。

結果としてケータイ乞食としての活動がかなり難しくなってきているばかりか、ほぼほぼ不可能という事態になっていることが理解できたと思います。

事実上、ここでケータイ乞食自体は終了する可能性が高いです。

あとは、今後の動きを注視していくしかありません。

システムが変わる場合には、必ずどこかにその歪が発生します。そしてその歪に大きなチャンスや抜け道が隠れていることはままあります。それを人より早く見つけ出せるかどうかが、今後のケータイ乞食の成否を分けると思われます。

新たなチャンスを逃さないように、時代の流れ、業界の流れ、システムの変化をしっかり見逃さないようにしていきましょう。

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