ドコモが保険を取り扱うというニュースが話題になったのは2016年ですが、そもそもドコモはそれよりも以前から保険を取り扱いしていました。
ではニュースで何が話題になったのかというと、「ドコモがドコモショップで保険の販売を始める」という内容が話題になったのです。
では、それより以前にすでに取り扱い開始している「ドコモの保険」とはどういうものなのでしょうか。
ドコモの保険には、「ワンタイム保険」「医療保険」「サイクル保険」「ペット保険」が存在します。※ドコモのペット保険は2018年3月30日をもって新規受付終了しました。
まずは今回その中から、ドコモサイクル保険について考えてみます。
ドコモサイクル保険とは
ケータイスマホキャリアであるNTTドコモが2014年3月4日に取り扱い開始したドコモサイクル保険とはどういう保険なのでしょうか。
まず抑えておきたいのは、ドコモサイクル保険は、あくまでドコモは保険代理店であり、引受会社は東京海上日動火災保険である、という点です。
実はドコモは、このドコモサイクル保険を発売する以前に、すでに同じ東京海上日動火災保険を引受会社として、「ドコモの医療保険」と「ドコモのワンタイム保険」を発売しているのです。そしてこのドコモサイクル保険以後、2015年4月からは「ドコモのペット保険」も販売開始しています。
ドコモサイクル保険が発売される前年の2013年、すでにau損害保険から「あ・う・て じてんしゃ Bycle(バイクル)」が発売されており(現在は名前と内容が変わっています)、自転車事故の危険性がクローズアップされ、加害者になってしまった場合の大きな賠償責任が社会問題となりつつありました。
そんな中で遅ればせながら発売されたドコモサイクル保険。しかし現状、この保険の存在を知る人はおそらくごく少数です。
知る人ぞ知る、という形になってしまっているのは、「保険」という商品の特殊性から、ドコモショップはじめドコモの販売店においてそのほかのオプションサービスのように気軽に販売するというわけにはいかなかったためです。
申込はあくまでネットから、利用したいユーザーが自ら調べて申し込みをする必要があるというハードルが存在するわけです。もちろん「保険」は「保険」なので、契約約款などはしっかり読み通しておく必要もあります。
こうなってくると、それこそ「知る人ぞ知る」、となります。
もちろんこの保険が必要な人もいるのです。
そうした人々のみ、自ら調べて自ら申し込みをする。
ドコモの保険は一部ドコモショップで展開されている保険以外は全般、こういうスタンスになっています。保険に対する法的な問題等が絡むため、この辺りはやむえないところです。
ドコモサイクル保険の補償内容
保険といえばまず気になるのはその補償内容と保険料だと思います。
ただ、保険を考える場合に真っ先に考えなければならないのは、「その保険は何のために必要なのか」です。
必要ないにも関わらず、不安からいくつもの保険に加入している人が世界一多い、保険貧乏国家日本。
保険に加入する目的を明確にする必要があるのです。
「ドコモサイクル保険」に関しては、万が一の自転車事故に備える、というのが目的です。
とはいえ、大人はそれほど自転車に乗ることはない、という場合にはこの保険は必要ありません。むしろ自分ではなく子供が、自転車に乗っていろいろなところに行くことがある、というような場合には、ドコモサイクル保険は非常に重要な役割を果たすでしょう。
自転車に乗った子供が加害者となる自転車事故は増え続けており、万が一相手をケガさせたり死亡させてしまったりした場合、当然子供とはいえ加害者になれば損害賠償責任が生まれます。もちろんそんなものを支払う能力はないでしょうから、結果としてその負担は親へとうつります。
こうしたリスクを軽減するのが自転車保険の役割であり、ドコモサイクル保険の存在意義です。
そしてその補償内容としては、賠償責任保険金額を最大なんと2億円までカバーしてくれます。
さらに、保険契約者の不慮の事故により亡くなったり後遺障害が残った場合にも最大500万円まで補償してくれます。
そしてさらにもう一つ、入院保険金を日額3000円補償してくれますので、医療保険的な役割も果たします。
どういう時に役立つかというと、まずは自転車事故で相手にけがをさせてしまったり死亡させてしまった場合、相手との接触事故、自転車同士、単独での事故の場合です。
自転車事故以外にも、日常で偶然に起きた事故で相手にけがをさせた場合などにも適用しますので、幅広い「個人賠償責任保険」として利用できます。
ただし、どういったときに補償対象になるのかは、申込前に必ず確認しておきましょう。
ドコモサイクル保険の保険料
ではドコモサイクル保険の保険料はどうなのでしょうか。
個人で申込する場合、夫婦の場合、家族の場合で3パターンあり、個人の場合には月額440円です。夫婦で650円、家族なら980円となります。
通常損害保険は年払いが一般的ですが、ドコモサイクル保険はケータイ料金と合算ができ、月払いとなっています。
申込条件としては、自身のドコモケータイの契約があり、かつdポイントクラブ会員であること、さらに保険期間開始日時点で満18歳以上満70歳以下であることとなっています。
家族が4人以上いるのであれば家族プラン980円が一人当たりの料金としては最安値となります。家庭の環境に合わせて選択が可能です。
個人で見れば月額440円、オプション一つ分の料金と変わりません。
気楽にドコモで東京海上日動火災保険の補償を受けられると思えば、安いものかもしれません。
ドコモサイクル保険と個人賠償責任保険
実は、ドコモサイクル保険に限らず、自転車保険全般に言えることなのですが、申し込みを実際にする前に、「個人賠償責任保険」がほかの保険でかかっていないかを確認しておく必要があります。
これはつまりどういうことなのかというと、補償の重複を避けるためです。
現在、「個人賠償責任保険」という保険は単独ではほぼ存在せず、例えば火災保険の特約だったり、自動車保険の特約だったりと、何かの保険の特約・特則として付加されている場合がほとんどなのです。
そのため、自分では意識せず、家族全員分の個人賠償責任特約が既に適用されているケースがあるわけです。そうなると、その上にドコモサイクル保険を申込したとしても保険が重複するだけで、保険料がかかるだけでまったく意味がありません。
そうした保険の重複を避けるために、自動車保険や火災保険など、個人賠償責任保険が特約でついていそうな保険契約については改めて見直し、もし仮に申込していなかったとしても特約として付加できる場合、ドコモサイクル保険よりもはるかに安く特約で補償を追加できる可能性もありますので、しっかり検討してみる必要があります。
慌ててドコモサイクル保険を申込してはいけません。
なお、個人賠償責任保険特約が、自転車事故をちゃんとカバーしているかは、しっかり確認しておく必要があります。
ドコモサイクル保険のメリット・デメリット
ドコモサイクル保険最大のメリットは、ドコモユーザーにとっては何より手軽に申込ができる、ということです。
「保険」と聞くと何やら身構えてしまいそうですが、ドコモの保険、ドコモサイクル保険についてはスマートフォン上からドコモユーザーなら手軽に申込ができます。ネットワーク暗証番号と生年月日を入力するのみです。
最大2億円の個人賠償責任保険金を補償され、万が一に対応できます。引受保険会社もどこの保険会社か聞いたこともない、という会社ではなく、東京海上日動火災保険という老舗がしっかり対応してくれます。
保険料支払いもドコモの請求に合算することで、わざわざクレジットカードやキャッシュカードを用意して支払い手続きをする必要もありません。
逆にデメリットもあります。簡単すぎるので、しっかり内容を確認せずに加入してしまい、結果保険金が出ると思っていた事故で保険金が出ず、こんなはずじゃなかった、というケースです。
実は保険のトラブルでもっとも多いのはこのケースで、事前に約款や重要事項・注意事項等をしっかり読み込まず、「まぁこういうケースだったら大体保険金が出るのだろう」というあいまいな状態で申込した結果としてのトラブルです。
保険契約なので、保険金を支払うためには明確な基準があり、その基準を満たさない保険事故に関しては1円も保険金は支払われません。これは当然のことなので、契約者が正しくその点を認識した上で申し込みを実施する必要があるのです。
インターネットで手軽に申し込みができると、この作業を完全にスルーしてしまう恐れがあるわけです。最初はよくてもいざという時のトラブルの種となります。
dカード×ドコモの保険キャンペーンの実施に注目する
現在は終了していますが、2016年2月16日から2016年5月15日まで、ドコモのdカード(dカード GOLD含む)会員限定で、ドコモの医療保険&ドコモサイクル保険の申し込みをすると、抽選で100名に「ミスタードーナツカード(3000円分)」がプレゼントされるというキャンペーンが実施されていました。
こうしたキャンペーンは、普段からあまり注目を集めることなく人知れず終わっていたりするので、とりあえず今回はあえて取り上げてみました。
キャンペーン情報をチェックしていると、人知れずスタートし、いつの間にか終了していたりします。
保険のキャンペーンはしばしばdカードと関連付けられることがあるため、まだdカード/dカード GOLDを所有していないのであれば、この機会に一緒に申し込みをしておきましょう。
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