理解できている人からすると、何を当たり前のことを、という内容かもしれませんが、「docomo Wi-Fi」と「ドコモ光」とは、両者特に関連しない全く別のサービスです。
しかし実は、いまだに「docomo Wi-Fi」がドコモ光関連のサービスのように考えている人も非常に多いのです。例えばこんな具合です。
「えっ、docomo Wi-Fiって、ドコモ光でWi-Fiすることじゃないの?」
確かにドコモ光を契約して自宅にWi-Fiルーターを設置すれば、ドコモ光でWi-Fiは利用可能となります。
しかし、「docomo Wi-Fi」とはこの状態を表しているわけではありません。
ということで、多くの人が今はもう忘れてしまっているであろう「Mzone(エムゾーン)」までさかのぼって、docomo Wi-Fiについて確認しておこうと思います。
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目次
docomo Wi-FiはかつてMzoneと呼ばれていた
2001年に開始されたドコモの公衆無線LANサービスが、「Mzone(エムゾーン)」です。ドコモで初めてAndroid OSを搭載したスマートフォン(HT-03A)が登場したのが2009年9月なので、スマホ登場よりもはるか以前から展開されていたサービスです。
そしてこのMzoneこそが、docomo Wi-Fiの前身なわけです。
つまりこういう公式が成り立ちます。
ドコモの公衆無線LAN=Mzone=docomo Wi-Fi
ゆえに
docomo Wi-Fi=ドコモの公衆無線LAN
とういことです。docomo Wi-Fiとは、ドコモの公衆無線LANサービスのことなのです。
私は個人的にMzoneを利用していたことがあるので覚えていますが、当時は無線LANのことなどパソコンに興味がある層以外にはまだまだほとんど知られておらず、Wi-Fiという言葉も全く普及していませんでした。誰かに読ませても必ず「うぃーふぃー?」って読まれていました。当時はWi-Fiがこんなに一般的に利用される言葉になるなど、想像もしていませんでした。
そんなかなりマニアックなサービスで、スマートフォンもない時代において利用者も非常に少なかったと思われるドコモのMzoneを知っている人は、なかなかに「ドコモ通」かもしれません。
そもそも公衆無線LANって何?
docomo Wi-Fiが公衆無線LANである、ということがわかったところで、次に降ってくる質問としては、「公衆無線LANって何?」というものです。
これはもう、字を見たそのままなのですが、外出先や旅行先などで利用することができる無線LANサービスのことですね。「無線LAN」は、昨今の利用シーンにおいておおよそ「Wi-Fi」と同義と考えて問題ありません。
つまり、外出先で利用できるWi-Fi、これが公衆無線LANです。先ほどの公式に当てはめてみます。
docomo Wi-Fi=ドコモの公衆無線LAN=外出先で利用できるWi-Fi
↓
docomo Wi-Fi=外出先で利用できるWi-Fi
ということですね。
ここに至ってdocomo Wi-Fiがドコモ光とはまったく関係ないということが理解できたのではないでしょうか。
ドコモ光でWi-Fiを利用するのは、あくまで自宅でドコモ光の回線を利用しながら、個人的な狭い範囲でWi-Fiを利用しているだけです。docomo Wi-Fiとは異なります。
docomo Wi-Fiの利用可能エリア
では実際に、docomo Wi-Fiはどういうところで利用することができ、利用するためにはどうすればいいのでしょうか。
まず、利用できる場所としては、日本全国のdocomo Wi-Fiエリアとして、駅、空港、カフェ、ファストフード店、ファミレス、コンビニなど様々な場所が用意されています。ただ、数があまりにも多すぎるため、対応エリアを確認する場合には、専用サイトが用意されていますのでそちらから検索してみるようにしましょう。→docomo Wi-Fi エリア検索サイト
実際の店舗での目印としては、以下のdocomo Wi-Fiマークを探してみましょう。
docomo Wi-Fiを利用することができる代表的な施設や店舗は以下の通りです。
docoom Wi-Fiを利用するには
docomo Wi-Fiを利用するためには、事前準備として申し込みが必要となります。
ただ、ドコモのspモード、mopera Uを利用している場合にはISPオプションとして申し込みが可能です。月額料金は通常300円かかりますが、対象のパケット定額サービスまたは対象料金プランを利用することで永年無料キャンペーンが適用されるため、無料で利用することも可能となります。
そのため、ドコモのスマートフォンでパケットパックやシェアパックを利用している場合には、自分でも意識しないままにdocomo Wi-Fiの申し込みがされており、利用できるようになっている可能性もあります。
実際にdocomo Wi-Fiの申し込みがされているかどうかはMy docomoの「ご契約内容確認・変更」で調べることができますし、もし申し込みされていなければそのままMy docomoから申し込みも可能です。
ちなみにdocomo Wi-Fiはドコモの契約自体を持たない場合でも利用することは可能なのですが、月額料金が1500円かかります。
ドコモ利用中でspモードを利用していない場合にはそのままではdocomo Wi-Fiが使えませんので、月額300円のspモードの申し込みをして、かつ月額300円をさらに追加してdocomo Wi-Fiを利用できるようにするか、パケットパックを同時に利用して無料で利用することができるというわけです。
docomo Wi-Fiを利用するための設定
docomo Wi-Fiを利用する方法は、機種ごとに異なります。AndroidスマートフォンなのかiPhoneなのか、SIM認証ができる機種なのかどうか、です。
SIM認証に対応していれば、まったく難しい設定等も必要なく、スマホ本体のWi-FiがONになっていれば、docomo Wi-Fiエリアで自動的に電波を拾ってつながり、利用できるようになります。
簡単にまとめておきます。
Androidスマートフォン・タブレットの設定方法
Androidスマートフォン・タブレットを利用している場合、docomo Wi-Fiに接続する方法は二つあります。
少し前の機種を利用している場合の接続方法が「docomo Wi-Fiかんたん接続」アプリを利用して接続する方法、そして最近の機種で接続する方法はSIM認証です。
SIM認証とは、端末に挿したSIMカードの情報をもとにdocomo Wi-Fiの契約者情報が自動的に認証される仕組みのことで、これにより「dアカウント/パスワード」などの入力が不要となります。
よって、SIM認証対応のスマートフォン/タブレットを利用している場合、Wi-FiをONにするだけでdocomo Wi-Fiへの接続が可能になります。
つまりWi-FiをONのまま利用している人で、SIM認証対応機種を利用している場合、docomo Wi-Fiエリア内に入ることで自分で意識することもないままに自動的にdocomo Wi-Fiに接続されている可能性もあるわけです。
SIM認証対応のAndroidスマートフォン/タブレットとしては、「2013-2014冬春モデル以降のドコモ スマートフォン/タブレット」とされています。
ただし、一部非対応機種があるということと、SC-04E、SO-02Eについては、Android OSのバージョンアップによりSIM認証対応が可能になるということです。
一方で、「docomo Wi-Fiかんたん接続」アプリを利用したdocomo Wi-Fiの設定については、旧機種の場合にしか既に利用しなくなってきているため、それほど必要な人は多くないかもしれません。
設定方法はアプリのバージョンによっても変わってくるのですが意外と難しいのでここでは触れません。とりあえず利用してみて無理だと感じたらドコモインフォメーションセンターに相談してみましょう。
iPhone・iPadの設定方法
ドコモから発売されているiPhone・iPadはすべて、SIM認証に対応しています。
そのため、キャリアのバージョンが15.7以上にさえなっていれば、あとは設定の必要はまったくありません。Wi-Fiをオンにしておくだけで、docomo Wi-Fiのエリア内に入れば自動的に繋がります。
キャリアのバージョンについては、以下の手順で確認可能です。
「ホーム画面」→「設定」→「一般」→「情報」→「キャリア(15.7以上で設定不要)」
docomo Wi-Fiとドコモ光を併用する
以上みてきたように、docomo Wi-Fiは外出先で利用することができるWi-Fiサービスなのに対して、ドコモ光は自宅で利用するインターネットサービスです。
役割がそれぞれ全く異なるのですが、両方をうまく併用することはもちろん可能です。
外出先ではdocomo Wi-Fi、自宅ではドコモ光、この併用をうまく活用することができた場合どうなるかというと、毎月利用するドコモのデータ容量が劇的に減ります。
つまり、ドコモのLTE回線を通って通信する頻度が下がるために、利用容量も減るわけですね。もしシェアパックを利用しているのであれば、減った分は家族が利用する分に回せますし、余ったら翌月に繰り越すこともできます。
節約できる分は節約した方が何かと効率よくなると思いますので、しっかりドコモ光との使い分けを実践していきましょう。
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