夏は何かとイベントごとが多い季節です。
例えば夏祭り、花火、野外コンサート等々、せっかく夏を満喫するのであれば、こうしたイベントの一つ二つには参加したいと思っている人も多いでしょうし、実際に既に参加した人も少なくないでしょう。
もし既に、そうした大規模イベントに参加したことがある人であれば、その時、こんなことを感じたことはなかったでしょうか。
「スマホの電波が繋がりにくい・・・」
小規模、中規模のイベントではあまり体感することはないと思いますが、数万人規模の大規模イベントでは一つの場所に人が集中することでネットワークが混雑し、つながりにくい状況が発生してしまいます。
ドコモ、au、ソフトバンク、いずれのキャリアを利用していても状況はまったく同じですが、キャリアごとにイベント会場での混雑を解消するための取り組みは異なります。
ドコモでは、イベント会場でも快適に「つながる」環境を目指し、対策が取られています。同時に、それを踏まえたイベント会場でのつながりにくさ対策を解説していきます。
目次
人が集まればつながりにくくなるスマホ
ケータイやスマホの電波が繋がることなんて今ではもう当たり前のことかもしれませんが、エリアごとにその地域に住む人の数や環境に合わせて基地局は作られているため、想定外の人数が一気に集まるイベントにはどうしても対応できないことがあります。
単純に、「イベントがあり人が集まると道路が混雑する」ということとまったく同じことです。多くの人が集まればその分、ネットワークも混雑します。それによって引き起こされるのは交通渋滞、ネットワーク上の交通渋滞です。
今まで快適に実施できていた通信が急に遅くなり、スマホでインターネットを利用しようとしてもなかなか画面が切り替わらなかったりエラーが出たり、LINEを利用しようとしてもちゃんとメッセージを送れなかったり、様々な不都合が起こります。
そうなると、普段当たり前に利用しているものが利用できなくなることで、途端に強い不自由さを感じると思います。
場合によってはしようと思っていた作業ができなくなったり、人と連絡が取れなくなったりという可能性もありますので、そうした状況を想定していないと、なかなか致命的な状況に陥る可能性もあります。
やむを得ないこととはいえ、ドコモの設備上の問題とも言えるので、できる限り快適な利用を維持すべく、ドコモでは大規模イベント時には以下の対策がとられています。
対策1.基地局から電波を発射する方向を調整
例えば、イベント会場を丸ごと一つの基地局がカバーしていると、どうしても負担が大きくなりすぎてしまうため、イベント会場に近い別の基地局のカバーエリアを調整し、イベント会場を含めるようにすることで、複数の基地局に通信の負担を分散させることで、ネットワークの混雑を解消します。
理にかなった方法ですが、技術的にそういうこともできるんだなぁと感心するばかりですね。
対策2.会場内や会場周辺に移動基地局車を設置
最近、タカラトミーの「トミカ」で発売されたこの自動車。
これが、ドコモの移動基地局車です。この車両をイベント会場に設置することで、元々の基地局と移動基地局車で通信を分散させてネットワーク混雑を解消させます。
イベント開始前に移動基地局車のアンテナを設置し、イベント中は周辺基地局と移動基地局車双方で通信をサポートします。
移動基地局車にも三種類ほどあり、LTE(PREMIUM 4G対応)とFOMA対応のもの、LTEとFOMA対応のもの、そしてFOMAのみ対応の車両があり、イベントによって設置される車両タイプは違います。
イベント会場でもしこの移動基地局車を見つけたら、どのタイプなのかを確認してみても面白いかもしれません。
対策3.会場内にdocomo Wi-Fiスポットを設置
LTE/FOMAの電波ばかりではなく、Wi-Fiの電波を強化してそちらを利用してもらうことで全体の通信負荷を改善しようという対策法として、イベント会場内にdocomo Wi-Fiスポットを設置するという方法があります。
ただ、前の二つの対策と比べて、この方法はあまり多くは実施されていないようです。相当数の回線をカバーできるWi-Fi網が必要になるので、前者二つの対策の方が効果的だからかもしれません。
ドコモの対策強化イベント例
以上のような対策がドコモではとられているのですが、例として2017年9月10月は、以下のようなイベントで対策強化が実施されています。
北海道 | 釧路大漁どんぱく花火大会 |
モエレ沼芸術花火2017 | |
東北 | 秋田CARAVAN MUSIC FES 2017 |
日本女子プロゴルフ選手権大会 コニカミノルタ杯 | |
全国和牛能力共進会宮城大会 | |
三沢基地航空祭 2017 | |
東北・みやぎ復興マラソン2017 | |
関東・甲信越 | 全国新作花火競技大会 |
ベリテンライブ2017 Special | |
片貝まつり | |
いせさき花火大会 | |
石岡のおまつり | |
東京ゲームショウ2017 | |
こうのす花火大会 | |
土浦全国花火競技大会 | |
川越まつり | |
MotoGP 世界選手権シリーズ第15戦 日本グランプリ ツインリンクもてぎ |
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ジャパンカップサイクルロードレース | |
映画のまち 調布"秋"花火 2017 | |
防衛省移行10周年記念 航空観閲式 | |
東海 | はんだ山車まつり |
エアフェスタ浜松 | |
北陸 | 小松基地航空祭 |
関西 | OTODAMA'17~音泉魂~ |
イナズマロック フェス 2017 | |
田辺花火大会(弁慶祭) | |
九州・沖縄 | 25th Sunset Live 2017 |
Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 | |
2017世界ジュニアサーフィン選手権 | |
江津湖花火大会 | |
やつしろ全国花火競技大会 |
普段、このような対策が取られているなんてことは、意識することはまったくありませんが、こうした地道な取り組みがドコモの強みでもあると言えそうです。
イベント会場の実際のつながりについて
では、ドコモからこうした対策が取られているのだから、イベント会場でも安心して快適に通信ができるかというと、そういうわけではありません。
実際に私が最近参加したイベントの一つではドコモの移動基地局車が設置されていましたが、イベント開始より早めに会場に着いた時点では、電波状況が非常に悪く、まったく通信ができない状態でした。
おそらくその時点ではまだドコモの移動基地局車がアンテナ設置をしている段階だったものと思われます。しかししばらくして気づいた時には、比較的つながりがよくなり、遅くはあるもののどうにか通信はできるという状態まで回復していました。おそらく移動基地局車が稼働し始めたのではないかと思われます。
とはいえ、快適というには程遠いレベルでしたので、どれだけ対策をとっても、本来のキャパシティを上回りすぎていると、どうしても限界があるということかもしれません。
あくまで、混雑を緩和するための対策であり、集まった人の数によっては、いくら対策をとっても十分なパフォーマンスは維持できないこともある、ということです。
複数キャリアのSIMによる対策をとる
ドコモから実施される対策は以上の通りで、ある程度つながりが悪くなる分は仕方ないとあきらめるしかありません。
それを踏まえて、あまり万人にお勧めできる方法ではないのですが、私が個人的によく利用する方法があります。
それは、ドコモのSIMだけでなく、他社系列のSIMカードが入ったスマホを一緒に持っていく、という方法です。
SIMフリーでデュアルSIMタイプのスマホを利用しているのであれば、それぞれのSIMスロットにドコモ系とau系という具合に別々のキャリアのSIMを入れておいてもいいでしょう。
つまり、どちらにしても混雑することは変わりがないが、少しでもつながりやすい方を使う、という方法です。
例えば、山などの電波が届きにくい場所に行くときにもこの方法は使えます。
ドコモの方がつながりやすい場所、逆にauの方がつながりやすい場所、というものは確実にあります。そしてそれはイベント中も同じです。理由はわかりませんが、「あれ、さっきはドコモの方がつながりやすかったけど、今はauの方がつながるなぁ」ということもあります。
そのため、両方のSIMが入ったスマホを持っていれば、どちらかつながりやすい方を利用してインターネット等は使えるため、完全に誰とも連絡が取れない、という状態になることを防ぐことができます。
ドコモをメインで利用しているのであれば、mineoのAプランのSIMをもう片方のスマホで利用する、という具合ですね。→公式サイト:mineo
厳密にいうと、同じドコモ系であってもドコモの回線とドコモ系格安SIMでは速度にかなり差が出ることもあるため、ドコモ系格安SIMを複数持つというのも一つの方法ですし、維持費がかからないという意味で、0SIMはこういう時に非常にお勧めです。
とはいえイベント会場などでSIMを入れ替えるのは非常に面倒なので、やはりサブの端末に別SIMを入れて持っていくのが効率はいいと思います。
たまにしかないイベントのためにわざわざ別のSIMの契約をするのもバカバカしいですし、両方ともつながらない可能性だって大きいので、あくまでのこの方法は別のSIMを元々所有しているような場合に利用しましょう。