0SIM by So-netの0円運用を考えた場合、どうしても使用データ容量を月最大499MBまでに抑えないといけないという弱点があります。
ただ、その弱点を補う非常に便利な使い方として、デュアルSIMの利用があります。
SIMフリースマートフォンの中には、SIMカードスロットを二つ搭載している機種が存在しており、その機種を使えば0SIMを2枚それぞれのスロットに入れ、交互に使い分けるということもできるわけです。
前回別記事で、Windows 10 mobileスマートフォンでは、デュアルSIMで無事0SIM2枚がそれぞれ動作することが確認できました。※「0SIM by So-netをデュアルSIMで複数利用する方法(Windows10 mobile版)」
では、Androidスマートフォンの場合はどうなのでしょうか。
ちゃんと0SIMはデュアルSIMで動作するのでしょうか。
検証してみます。
目次
0SIM by So-net2枚をSAMURAI MIYABIに取り付ける
まずは0SIM by So-netのデュアルSIM利用を試すことができる機種を用意する必要があります。
今回は、FREETELの人気フラッグシップモデル「SAMURAI MIYABI」を利用します。
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次に、0SIMのSIMカードを2枚準備します。もちろんどちらもアクティベーション済みで通信ができる状態にしてあるものです。
SAMURAI MIYABIはSIMカードスロットがmicroSIM対応なので、nanoSIMサイズの0SIMは、microSIMアダプターを用意して利用します。
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SAMURAI MIYABIの裏面です。カバーを取り外すと、上部にSIMカードスロットが二つあるのがわかります。その左横にはmicroSDカードスロットも搭載しています。
では実際に0SIMを取り付けてみます。毎度のことですが、SIMカードアダプターをつけたSIMをスロットに入れるのは、コツが必要です。細かい作業が苦手な方は特に、慎重に取り付けを進めましょう。
0SIM by So-netを取り付けてMIYABIの電源を立ち上げる
では、早速電源を入れてみます。
購入直後や初期化した直後に0SIM by So-netのSIMを入れてMIYABIを立ち上げると、はじめに見慣れたAndroidのロゴが出たあと、すぐにSIMカードの設定画面が登場します。
モバイルデータに使用するSIMを選択します。今回の場合どちらも同じ0SIMなので、どちらを選択しても問題ありませんし、そもそもあとで切り替えて使おうと考えているので関係ありませんが、とりあえず上のSIMカードを選択してみます。モザイクをかけてある部分には、電話番号が表示されています。
続けて今度は通話に使用するSIMの選択に移ります。今回は、通話はどちらもできません。データ通信専用の0SIM by So-net(コラボSIM)を利用しているからです。
ただ、SAMURAI MIYABIでは通話をするのに都度SIMを確認できるということが表示からわかります。今回は利用しませんが、いろいろと工夫ができそうなポイントですね。
さらに今度は、テキストメッセージに使用するSIMの選択です。こちらも、0SIMは対応していないのでどちらを選んでも問題ありません。
以上、通常のAndroid端末では登場しない設定画面でした。
デュアルSIMスロット搭載端末だからこそ見られる設定画面と言えます。そのあとは通常通りのAndroid5.1の設定が続きます。
0SIM by So-netのSAMURAI MIYABIにおけるAPN設定
とりあえず初期設定が完了したところで、0SIM by So-netの利用設定に移ります。すでにSAMURAI MIYABIを元から利用している人はここからの設定だけでOKです。まずは見慣れた設定画面を開きます。
設定の中に、見慣れない「SIMカード」という項目があります。今回の0SIMデュアル利用のための設定では、この画面の中の「SIMカード」「データ使用量」の二つは特に重要なので覚えておきましょう。
まずは0SIM by So-netを利用するためのAPN設定をする必要がありますので、「もっと見る」を開きます。
その中の「モバイルネットワーク」を選択します。Androidスマートフォンは利用者が多いので、この辺りは設定経験者が多いのではないかと思います。
ここからが通常のAPN設定と違うところです。上部に「JP DOCOMO」と書いてある項目が二つ見えると思います。
これがSIM1とSIM2です。「JP DOCOMO」の下に緑色の下線が見えると思いますが、これがついている方が現在選択しているSIMです。上記画像ではSIM1を選択中です。
「優先ネットワークタイプ」という項目を見ると、「4G(推奨)」とあります。これを、SIM2に切り替えてみると、同じ場所が「2G」となっています。
つまり、SAMURAI MIYABIは、日本国内ではどちらか片方のSIMしか使えないということです。
海外で使うときに海外の「2G」で電話、「3G/LTE」で通信、といった同時利用の使い分けができるのです。日本国内では、片方を利用しているものを切り替えて、もう片方を利用するという利用しかできません。
それはともかくとして、アクセスポイントの設定です。
日本国内の有名MVNOおよびドコモなどキャリアのAPNは、SAMURAI MIYABIにはほとんど入っています。手動でAPN設定する必要はないケースが多いと思われます。
0SIM by So-netのAPNも手動設定してもいいのですが、「so-net_lte」のアクセスポイントがそのまま0SIMで使用可能なので、こちらを選択しましょう。
このAPN設定を、先ほどのモバイルネットワークの画面まで戻り、「JP DOCOMO」の部分をSIM2に切り替えたのち、同じようにSIM2でもAPN設定を忘れずに実施しましょう。これを忘れるとSIMを切り替えたときに通信ができません。
とりあえずここまで設定ができたなら、SIM1ではそのまま通信がつながると思います。
設定当初は3Gしかしばらく掴まないことはあるかもしれませんが、しばらく時間を置くと自然とLTEをつかむようになります。おそらく最初はなかなかLTEにならず、不安になるかもしれませんが、はじめてのMVNOのSIMを設定した場合などによくあることなので、問題ありません。
0SIM by So-netのデュアルSIMを切り替えて通信する方法
ここからがいよいよ本題です。
0SIMを入れて通信できるのは当たり前のことです。問題はデュアルSIMで通信できるのか、できるなら設定はどうするのかというところにあるわけです。
結論としては、デュアルSIMで切り替えての通信は可能なのですが、そのやり方をみていきます。
「設定」の中の「SIMカード」を開きます。
「優先SIM」という項目が見えると思います。SIMカードの利用切り替えは、ここで実施します。
今まで利用していたSIMから、もう片方のSIMへ切り替えます。今回の場合はSIM1からSIM2に切り替えをしてみます。
SIMカード切り替えのメッセージが表示され、しばらく待ちます。
上部通信状態がどちらのSIMも一時的に通信できない状態になります。問題はありませんので焦らないようにしましょう。数十秒程度待つと、もう片方のSIMが4GLTEを無事つかみます。
さて、これで無事0SIMのデュアル設定が完了し、SIMを切り替えての通信も完了。。。と思うのは早計です。そのままでは通信ができません。もう一つ、設定を触る必要があります。
0SIM by So-netをデュアルSIMで切り替えてもつながらない
おそらく、SAMURAI MIYABIで0SIMのデュアルSIM運用を実施しようとした場合に、多くの人が躓くであろうポイントがここです。
切り替え方法は上記で説明した通りなのですが、もう一点、確認すべき項目があります。
前述した「データ使用量」の項目です。中を見てみます。
上記画像はデータを当月どれくらい使っているかの概算が出ているのですが、ここを見るだけでは注意すべき項目に気づきません。
「概要」という部分に緑色の下線がついているのがわかると思いますが、その横に「JP DOCOMO」「JP DOCOMO」という項目が並んでいるのがわかると思います。ここが重要です。確認してみます。
実はこんなところに「モバイルデータ」のON/OFFスイッチが隠れているのです。これに気付かないわけです。当然切り替えたSIMのモバイルデータがOFFになっていたら、通信はできません。すぐにONに切り替えます。
これで無事通信可能状態になります。SIMの切り替えも完了です。
なお、優先SIMの切り替えをした場合、それまで優先SIMでなかったSIMのモバイルデータ設定はOFFになっているため、優先SIMを切り替えたらその都度モバイルデータをONに切り替えるようにしましょう。
0SIM by So-netをデュアルSIMで活用/Android版まとめ
デュアルSIMスロット両方に0SIMを装着する
設定の「もっと見る」→「モバイルネットワーク」を選択し、SIM1、SIM2それぞれのAPN設定を実施する
SIM1で通信できていることを確認する
SIMを切り替える場合は、
「設定」→「SIMカード」で優先SIMを切り替える
「設定」→「データ使用量」から切り替えた側のSIMのモバイルデータをONにする
Windows 10 mobileスマートフォンに続いて、Androidスマートフォンでも無事、0SIMを利用したデュアルSIM運用が可能ということがわかりました。
特にAndroid端末は人気もありますし使い勝手は現状Windows 10 mobileスマートフォンの比ではありませんので、FREETELのSAMURAI MIYABIなど格安スマホを利用したデュアルSIM運用は、今後ますます増えてくるのではないでしょうか。