いよいよドコモのオンライン強化の流れが強まってきているようです。
現状のドコモショップや家電量販店の混雑具合を見れば、それもそのはず、という感想しか出てきません。
1時間待ちくらいならまだいい方で、5時間以上の待ちになっていることも少なくないという異常な状態が、もう何年も継続しています。
しかもこの傾向は、首都圏など大都市圏のみならず地方でも発生しています。
2020年を目途に2割の購入をオンラインで、という具体的なドコモの目標の話も出てきているようですので、今後のドコモでのスマホの買い方について、考えてみようと思います。
確実にお得なのにまだまだ弱いドコモのオンライン購入
ドコモの新規購入および機種変更などの機種購入手続きは、再三お伝えしている通り、ドコモオンラインショップが確実にお得です。→「ドコモオンラインショップでの機種変更/購入がリアル店舗より圧倒的有利な件」
頭金含む総額が安く、手数料なし(機種変更の場合)、オプションなし、待ち時間なし、dカード GOLDでポイントも貯まりやすい、という数多くのメリットがあり、どう考えてもお得だということが分かっているにもかかわらず、2017年の販売比率としてはオンライン購入は全体の3.5%程度しかないということです。
何時間も待たされ貴重な時間を消費し、価格差も1機種あたり1万円以上になる可能性もあるのに、96.5%の方は、何故かあえて店舗で購入している、というわけです。
個人的には、この状況は不思議で仕方がないのですが、その最大の原因としては「知らない」ということがまずは最も大きな理由なのではないでしょうか。
確かに、「ドコモショップで買うよりドコモオンラインショップで買う方がお得だよ!」なんてなかなか教えてくれる人はいないと思いますし、自分で調べるにしても、当ブログにたどり着いてくれればまだしも、ドコモ公式サイトではそんな事実はさすがに教えてくれません。
もしドコモオンラインショップがお得であるという事実を知っていたとしても、次にネックになるのは「ネットで物を買う」ということ自体にまだまだ抵抗がある層が少なくないということと、ネットでスマホを購入する手続きに不安がある、ということが大きな壁になっているのかなと考えています。
とはいえ、やはり「知らない」比率の方がはるかに高いと考えられるため、実店舗での購入手続きのデメリットおよびオンラインでのメリットは、もっともっと拡散されてしかるべきなのではないかと思います。
簡易手続きならたった数分で終わるオンライン手続き
ドコモにオンライン購入を促進しようという意思があるということは、今後ますますショップからオンラインへの移行が進んでいくのは間違いないと思われます。
そもそも簡易手続きなら特に、既にショップに行くよりもMy docomoでオンライン手続きを実施する方がはるかに効率がいいのですから、いまだに「ドコモショップに行かねば!」という意識に凝り固まっている人はまずその意識から変えていく必要があります。
来店し、順番まで待ち、手続きをし、店を出るという流れには、少なくとも一時間や二時間では済まないことがほとんどと思われますが、My docomoならたった数分です。パソコンからでもスマホからでもどちらでも手続き可能です。
なかなか機種購入まで至らない人は、まずはそうした簡易手続きから実施し、抵抗をなくしていくことから始めてもいいかもしれません。
オンライン手続き化が進めばドコモもユーザーも「WIN-WIN」
ドコモがオンラインでの手続きを今以上に促進したいと考える背景としては、もちろんドコモショップなど実店舗の混雑緩和という思惑もあるかもしれませんが、同時にドコモショップ自体を減らすことができれば、コスト削減を図ることもできる、という思惑もあるかもしれません。
コストが下がれば当然その分がさらにユーザー還元される可能性も高まりますので、ドコモとしてもユーザーとしてもマイナス要素が一切ありません。
この流れの中で最もしわ寄せが来るのはドコモショップを運営する代理店ではないかと思われます。ただし、既に様々な業種で「人」が「AI」に替わる場面も増えてきています。ドコモショップの「人」が担ってきた役割は今後、「my daiz(マイデイズ)」というドコモ自慢のAIエージェントに取って代わられていくことでしょう。
顕在化する人不足の中で店舗が減れば、限られた人的資源を残された店舗に集中できるという意味ではメリットでもあり、今後のこうした流れはもはや止められるものではなさそうです。
ドコモショップのスマホ教室の意味
ドコモでは現在、「スマホ教室」にかなり力を入れているようです。
「既にかなり多くのユーザーがスマートフォンを持っている今になってなぜ?」 と感じる部分ではあります。
これは私の想像ですが、まず最大の目的としては、残されたフィーチャーフォンユーザーを、他社や格安スマホに奪われないように、スマホ教室で囲い込み、さらなるスマホへの移行を促進させる目的があると考えられます。
もちろんドコモで色々教えてもらえれば他のキャリアに手を出す気にはならなくなるでしょうし、「ドコモならいつでも相談できる」という将来的な安心感も得られると思います。ついでにタブレットも買ってもらい、ドコモ光に加入してもらえれば万々歳でしょう。
この辺りは普通に思いつくところです。
しかしもう一歩思考を進めると、スマホの使い方を教え、普及させることで、「色んなことがスマホでできる」という事実を教え、ひいてはドコモの簡易手続きや機種変更などさえも「来店しなくてもスマホで完結する」、というところまでユーザーに理解してもらえれば、という思惑もドコモにはあるのかもしれません。
ショップとしては、スマホについてユーザーに伝えれば伝えるほど、ユーザーのリテラシーが上がれば上がるほど、ショップに来店する人も将来的に減っていくというジレンマに実は陥っているわけです。
そういう意味で、ドコモの思惑とドコモショップの思惑は、時に完全に真逆を向いてしまうこともあるのかもしれません。
家電量販店を悩ませるショールーミングはスマホでも起こる
家電量販店に限らないのですが、昨今は「実店舗で商品を実際に見て、そのままネットでより安い価格で同じ商品を買う」、というユーザーがかなり増えてきています。
こうした行為のことを「ショールーミング」と呼びます。つまり実店舗を単なるショールームとしてのみ利用している、というわけです。見るだけ見て購入しないのですからひどい話のようでもありますが、消費者としては当然の行動です。
ただで見られる商品を見るだけ見て、あとは安い価格で買う、というのはむしろ賢い買い物方法だと思います。
これに対抗するためには実店舗側がネットでの価格よりもさらに安価に販売を行う必要があるわけですが、当然実店舗の方が人件費はじめ様々な経費がかかるのですから、かなり苦しい戦いになるわけです。
そして、これと同じ現象が、スマホでも十分起こりうるわけです。
ショップで実機を見て、確認したあとオンラインショップで購入。ユーザー側からすれば、これが最強なのですから、当然の帰結です。今後ますます増えてくると思われます。
掟破りの裏技が今後は増えてくる。それは・・・
今後、ドコモオンラインショップの方がお得である、という事実が世間一般的に広く認知されていけば、確実にショールーミングは増えます。
そして、その影響はついに、こんな掟破りの裏技を使うユーザーを生み出すかもしれません。
「ドコモオンラインショップで機種変更したいんだけど、やり方教えてもらえる?」
そのユーザーが質問している相手は、ドコモショップの店員さんです。
この場合、やり方を教えたところで、ショップの利益はゼロと思われます。
ショップとしては断りたいでしょう。しかし、ドコモの手続きをしにきたユーザーを、ドコモショップは断れません。もしここで断ろうものなら、ユーザーとしては「同じドコモから買うのに教えてくれないなんてことがあるか!」となります。
そして、「より安く購入することができる方法が提示されているのに、それを実行して何が悪い!」となります。
ユーザーは何一つ悪くありません。
そしてこの方法は今現在でも、やろうと思えばできる方法です。ただ、お勧めはできません。
何故なら、そうしたユーザーが増えすぎると、ドコモショップは経営が立ち行かなくなる可能性があり、そうなると代理店保護のためにドコモオンラインショップのメリットをドコモに埋められてしまっては元も子もないからです。
ドコモオンラインショップで購入するのはお勧めです。しかし、そのやり方をドコモショップで聞くのはできる限りやめておきましょう。同じ聞くのであれば、ドコモオンラインショップセンターやドコモインフォメーションセンターを利用した方がいいです。
ドコモショップに行かなくなる未来
ドコモショップに行かなくなる日は、実は未来の話ではありません。
昨年ドコモオンラインショップで機種購入した3.5%のユーザーは、少なくとも機種購入手続きをするためにドコモショップに足を運んではいないからです。
もちろん、オンラインショップ購入でドコモショップ受け取りを選択している人は意外に多いようなので、そういうケースでの来店はあるでしょう。これは非常に賢い買い方法だと思います。
しかしそこまでできるユーザーは、やがてもっともっとスマホに慣れたなら、ドコモショップに行く必要性を一切感じなくなるでしょう。
もちろん、例えばドコモの契約者数の半数がオンラインで手続きをしてショップに行かなくなる、という状態は今のところ現実的ではありません。
しかしせめてここにたどり着いていただけたのであれば、「ドコモショップに行かなくなる未来」を想定しながら、よりお得な手続き方法を選択することを、何よりも自分自身のために考えてみていただければと思います。