各種MVNO格安SIMが通話に力を入れる中、シェアNo.1 MVNO・OCNモバイルONEが動いたのが、2016年8月1日でした。
OCNでんわ 5分かけ放題オプションを開始したのです。
そしてそれから5ヵ月、OCNでんわはさらに進化し、「OCNでんわ 10分かけ放題オプション」を2017年2月1日より開始するに至りました。さらにその後、OCNでんわでは「トップ3かけ放題」、「かけ放題ダブル」という二つのプランが追加され、選択肢の幅が飛躍的に高まりました。
通話かけ放題のサービスは、OCNモバイルONEユーザーが待ちに待ったサービスかもしれません。
OCNモバイルONEの新サービス「OCNでんわ 10分かけ放題オプション/トップ3かけ放題/かけ放題ダブル」について詳細を検証していきます。
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目次
OCNでんわ 10分かけ放題オプションの料金
OCNでんわ 10分かけ放題オプションは、OCNモバイルONEの音声対応SIMを利用しているユーザーが使える新サービスです。
通常の音声対応SIMの料金にプラスして、月額850円(税別)で利用可能となります。
通常、OCNモバイルONEの音声対応SIMを利用している場合、30秒あたり20円の通話料金がかかるため、多く通話を利用するユーザーは通話料金がかなり高くついてしまうという弱点がありました。
そのため、そもそもOCNモバイルONEでは通話を利用しないデータ通信専用SIMを利用して、通話に関してはドコモのカケホーダイプランを利用するなど、「SIMの併用(2台持ち)」を選択しているユーザーも少なからずいたわけです。
しかし「OCNでんわ」の開始に伴い、そうしたOCNモバイルONEの通話における弱点が一気に解消に向かう形となります。
通信容量 | 音声対応SIM (通常料金) |
OCNでんわ 10分かけ放題オプション (+850円) |
110MB/日コース | 1600円 | 2450円 |
170MB/日コース | 2080円 | 2930円 |
3GB/月コース | 1800円 | 2650円 |
5GB/月コース | 2150円 | 3000円 |
10GB/月コース | 3000円 | 3850円 |
500kbpsコース (15GB/月) |
2500円 | 3350円 |
各コースのデータ容量の基本料金に、音声対応分の700円を加算した料金が音声対応SIMの基本料金となります。それにさらにOCNでんわ 10分かけ放題オプションの850円を加算します。
850円だけで「10分 かけ放題」になるわけではないので注意しましょう。
ドコモよりOCNでんわがお得?
私が以前からおすすめしているのは「110MB/日コース」です。(関連記事:「OCNモバイルONEがMVNO最強な理由」)
その「110MB/日コース」の場合、合計2450円/月で利用可能となります。
データ通信専用SIMの同プランは900円なので、そこに音声分の700円とOCNでんわの850円、合計1550円が追加になる計算です。
ちなみにドコモのカケホーダイライトプランを最小のデータSパックで利用した場合、月額1700円にspモード300円とデータSパック3500円を合計して、5500円となります。仮にdocomo withを適用させたとしても4000円で、まだドコモが高いです。
もしシェアパック子回線であれば、シンプルプランを利用して最安値で1780円、docomo with利用で280円で利用できますので、この水準でようやくドコモの方が有利となります。ただし、親回線の料金を含めるとやはりドコモが不利です。
docomo with適用子回線の劇的な安さによって回線数が増えれば増えるほどドコモが巻き返してきますし、ここにドコモ光パックやdカード GOLDによるポイント還元などが合算されると、サポート面での安心感等も含めれば、決してドコモ不利とは言えなくなってきますが、ここは何を重視するかで判断が変わってきます。
完全に料金重視なら、やはり確実にOCNでんわを利用したOCNモバイルONEの方がメリットがあります。
OCNでんわは専用アプリで利用するプレフィックス方式
実際にOCNでんわを利用する場合には、スマートフォン用専用アプリ「OCNでんわ」を利用します。このアプリを利用して電話をかけることで、10分以内の通話は無料、10分を超えた通話に関しては30秒あたり10円で通話料金が課金されます。
OCNでんわアプリを利用すると、電話をかける際に、自動的に先頭にプレフィックス番号である「0035-44」が付与され、通話料がお得になります。アプリを使わなかったとしても、手動で番号の頭に同じプレフィックス番号を付与してかけることで、同じようにOCNでんわ 5分かけ放題オプションの対象として通話をすることができます。
その場合も、相手側にはプレフィックス番号が通知されることはなく、現在利用している自分の番号が通常通り表示されるということです。そのため、相手に「妙な番号から電話がかかってきた」などと、不審に思われることもないので安心です。
ちなみに、OCNでんわは050plusとは違い、従来の090/080/070から始まる番号をそのまま利用することができます。
OCNでんわ「トップ3かけ放題」プランの便利さ
OCNでんわのプランの一つ、「トップ3かけ放題」は、非常に便利な通話プランです。
具体的な内容としては、との当月の国内通話料における上位3番号、つまりその月によくかけた順から3つの番号への通話料金が、0円かけ放題となるプランです。
イメージとしては、ドコモを利用したことがあるユーザーであれば「ゆうゆうコール」を思い出していただくとわかりやすいかと思います。
懐かしいですね、まだ覚えている人はいるでしょうか。FOMAプランでは今もまだ申し込み受付されています。
ゆうゆうコールは、指定した国内5番号、海外2番号への通話を割引する、というものでした。
OCNモバイルONE OCNでんわの「トップ3かけ放題」は、それとよく似た内容をさらに進化させており、番号をわざわざ指定せずとも、自動的によくかけた番号を判別し、その上位から3番号まで割引ではなく無料にしてくれる、という素晴らしい内容です。
判別方法としては、OCNでんわの特徴であるプレフィックス番号「0035-44」を付与、またはOCNでんわアプリを通して発信した通話について、自動判別してくれるようになっています。
10分かけ放題オプションとは異なり、相手が誰でも10分無料、というわけではないので、多数の相手と細かく通話をするタイプの人にはトップ3かけ放題は向いておらず、10分かけ放題オプションを利用したがいいと思いますが、逆に特定の相手としか電話はしない、というタイプの人には非常にお得なサービスと言えます。
月額料金もOCNでんわの700円に+850円で合計1550円と10分かけ放題オプションと変わりませんので、使い方に合わせて都合がいい方を選ぶといいでしょう。
OCNでんわ「かけ放題ダブル」プランとは何か
OCNでんわの「10分かけ放題オプション」と「トップ3かけ放題」のいいところを掛け合わせたプランが、「かけ放題ダブル」です。
10分かけ放題オプションと同じく、すべての相手に対して10分かけ放題オプションが適用されつつ、10分を超過した分について、上位3番号までを判別して通話料無料にしてくれる、という内容です。
つまり、使い方次第では概ねほとんどの人に対してかけ放題でかけられる、と考えていいと思います。
OCNでんわの700円に+1300円の合計2000円で利用することができるので、ドコモのカケホーダイプラン(2700円)と比較しても安いです。
カケホーダイライトプラン(1700円)よりはやや高いですが、5分カケホーダイのカケホーダイライトよりもはるかに優位な内容なので、そこは納得できると思います。しかも、データ容量部分の料金は、ドコモより格安です。
10分かけ放題オプション/トップ3かけ放題/かけ放題ダブルの申し込み方法
OCNモバイルONEおよびOCNでんわ 10分かけ放題オプション/トップ3かけ放題/かけ放題ダブルは、OCNのWEBサイトより申し込み可能です。
電話が1通話あたり5分ではとても足りないというユーザーは、新サービス「OCNでんわ 10分かけ放題オプション」をフル活用していきたいところです。
OCNモバイルONE公式サイトはこちら→OCN モバイル ONE
OCNでんわの通話品質は?
現在MVNOが提供している電話サービスには大きくわけて3種類ほどが存在します。
一つは大手キャリアが提供するサービスと同等の電話サービス、一つはIP電話、そしてもう一つがプレフィックス方式と呼ばれる電話サービスです。
大手キャリアの電話サービスはさらに一歩進んでLTEに音声をのせるVoLTEという新技術も利用されており、今まで以上に高音質での通話を実現しています。
MVNO格安SIMの場合は大手キャリアがなかなか開放してくれないためか、まだまだそこまでは追いつかず、データ通信については格安で大手キャリアを凌駕するMVNOも、通話になるとどうしても不利な状況が続いています。
そんな中でも通話を少しでも安く便利にというコンセプトのもと、格安通話をはじめるMVNOも増えてきています。
ただし、そのほとんどがIP電話かプレフィックス方式の電話であり、通話品質自体はかなり落ちます。
通話の安定感、雑音の有無、聞きやすさ等、VoLTEとは比べ物になりません。
では、今回開始されるOCNモバイルONEの新サービス「OCNでんわ」は何にあたるのかというと、プレフィックス方式の電話サービスとなっています。(関連記事:「プレフィックス方式とIP電話・そしてVoLTE」)
そのため、実際の通話品質自体は使ってみないとなんともいえません。
同じプレフィックス方式を採用している「FREETELでんわ」に関して、実際に利用してみた感想を別記事:「FREETELでんわでかけ放題」のコメントにていただいていますが、当初はかなり音質が悪く、下手するとIP電話以下なのではないかという状態だったようです。
現在はある程度改善はしているということですが、つまりOCNでんわについても、どのレベルのプレフィックス方式の電話なのか、使ってみないと本当にわかりません。そこで、後日実際に試してみましたので以下に感想を追記しています。
通話品質にこだわりがある場合には、ドコモのカケホーダイプランを通話には利用しながら、OCNモバイルONEやLINEモバイル、mineoなどのMVNOのデータSIMを利用してみるという方法も検討に値するかもしれません。
実際にOCNでんわを使ってみた感想
今回、OCNモバイルONEの音声通話付きSIMの契約をしてみたため、OCNでんわも実際に利用してみました。
OCNでんわアプリを、標準の電話アプリとして置き換えておけば、ほとんど今までと変わらず、違和感なく利用できます。
気になる通話品質ですが、いろいろと言われ続けているプレフィックス方式の電話ということで、あまり品質には正直期待していなかったのですが、実際使ってみたところ、ほとんど気になることなく通話できました。
おそらく、聞き比べると違うのかな、と思いましたが、あまり普段通話音質など意識していないためか、まったく違いがわかりません。
普通に使う分にはまったく支障はないレベルだと思います。とりあえず雑音や途切れも今のところないです。
ただ、音の感じ方などはやはり人によってかなり個人差がある部分ではあるので、このレベルでも気になる人は気になるのかなと思わなくもないです。
使えないレベル、ということであればさすがに困りますが、普通に使えさえすれば、あまり細かく気にしない人にとっては十分おすすめできると感じました。
唯一、個人的に自分はどうしても細かい音の違いが気になる方だ、と感じているのであれば、注意した方がいいかもしれません。
OCNでんわアプリを利用していてSMSを使うときは要注意
OCNでんわアプリを利用していると、相手先電話番号の頭に「0035-44」が付与されるため、SMSを利用する場合には要注意です。
そのまま頭にプレフィックス番号がついていると、SMSが送信できません。
そのため、OCNでんわアプリ経由でSMSを利用しないように注意しましょう。
この場合は、メッセンジャー等の別のSMSアプリを直接利用するようにした方が間違いありません。どうしてもSMSが送れない、という場合には、送信宛の番号の頭にプレフィックス番号が付与されていないか、確認してみましょう。
OCNでんわ 10分かけ放題オプションにてトラブル発生!
個人的に、親戚にOCNモバイルONEを勧めて、設定等もしてあげた上で使ってもらっていたのですが、先日ちょっとした問題が起こりました。
そこで、念のため、という意味を込めて注意喚起をしておきます。
逆にここをしっかり抑えておけば、より安心してOCNモバイルONEとOCNでんわを利用することができます。
今回私の親戚において発生したトラブルは、通話料金が思っていたよりも高い、というものでした。
「10分かけ放題になっているはずだから、こんなに高くなるはずがないんだけど・・・」と相談されたので、料金を確認すると確かにそこそこの金額が発生していました。
となると、10分を超えての通話が多い、という可能性が真っ先に考えられるわけですが、その方いわく、意識して10分以内で抑えていた、とのこと。
そこで使い方を確認してみたところ、意外な原因がわかりました。
それは、通話をかける際に、OCNでんわアプリを利用せず、通常の電話アプリからかけてしまっていたのです。
となると、当然頭にプレフィックス番号が付与されるわけがありませんから、通常通話になってしまい、料金はかかります。
最初に説明したはずなのですが、私の言葉足らずでした。というよりむしろ、設定をする際に通常の電話アプリをホームから消して、その代わりにその部分にOCNでんわアプリを設置しておけばよかったわけです。
このパターンでの失敗は、十分あり得る失敗だと思いましたので、これからOCNでんわを利用しようと考えている人は特に注意されてください。
10分かけ放題を利用する時には必ずOCNでんわアプリから、です。