画期的通話アプリとして一世を風靡したNTTコミュニケーションズの「050plus」ですが、昨今はその存在感がかなり薄くなりつつあります。
その理由としては、ドコモなど大手キャリアの完全通話定額制やMVNOでも通話定額サービスを開始しているところもあり、他にも5分かけ放題やメッセージングアプリ(LINEなど)を利用した通話サービスなどまで、各種通話サービスがかなり充実してきています。
そんな中での050plusの立ち位置と、同じNTTコミュニケーションズのMVNO・OCNモバイルONEの中で利用した場合のメリットデメリットなど詳細をまとめていきます。
目次
050plusのメリット
そもそも050plusとはどういうアプリで利用することでどういうメリットがあるのでしょうか。まずは一覧でまとめてみます。
名称 | 050plus(ゼロゴーゼロプラス) |
機能 | 電話アプリ |
基本料金 | 300円/月(税別) |
通話料 | 050plus同士:無料 固定電話宛:8円/3分 携帯電話宛:16円/1分 ※税別・パケット通信料別 |
発信番号 | 050から始まる番号 |
利用環境 | Android/iOS/Windows(PC・タブレット)/Mac |
支払い | クレジットカード |
050plusはNTTコミュニケーションズが提供する電話アプリで、Android/iOSどちらでも利用可能です。
さらにWindowsおよびMac、どちらのパソコンでも利用可能ですが、Windows 10 mobile対応スマートフォン対応アプリは提供されていません。
基本料金は月額300円(税別)で、特徴としては050から始まる電話番号を付与され、その番号から発信して固定電話や携帯に対しても電話ができるようになります。そのため、通話の契約を持たないデータ通信専用プランでスマートフォンを利用していたとしても、アプリを通して通話をすることができるようになります。
通話料は050plus同士であれば無料でかけることができ、相手が固定電話であれば3分8円、携帯電話向けであれば1分16円(税別)でかけられます。
一般的なスマートフォンからの通話料金は30秒20円(税別)なので、携帯に対しても固定電話に対してもかなり安く通話をすることができるようになります。
基本料金および通話料金の支払い方法についてはクレジットカード払いであり、利用開始時にクレジットカード番号を登録します。
基本的にアプリでの通話利用となるため、通信環境さえあれば、端末を選ばず同じ050番号で通話をすることができるという点も特徴の一つでメリットと言えます。つまりマルチデバイスでの利用が可能なのです。
逆に注意点としては、通信環境を利用するIP電話であるため、インターネット環境がない場所では通話をすることができません。
050plusのメリットをまとめると以下の通りです。
・050から始まる番号を利用でき、090/080番号と併用できる。プライベートとビジネスなど、使い分けに便利。
・音声通話なしプランの場合も050番号で電話ができる。
・通話料が安い。
・通信環境と対応端末さえあれば、マルチデバイスで利用可能。
OCNモバイルONEと050plusの相性
もともと050plusは単独のアプリなので、必ずしもOCNモバイルONEとのセットでなくても利用することは可能です。
他のMVNOを利用していたり、ドコモやau、ソフトバンクを利用中だったとしても、050plusを利用することにメリットがあればアプリをインストールして利用開始することはできるのです。
ただし、050plusはOCNモバイルONEと、どちらも同じNTTコミュニケーションズ提供のサービスであるため、当然のことながら他のMVNOと050plusを組み合わせるよりも有利となっています。
OCNモバイルONEを利用している場合に050plusを併用した場合のメリットは以下の通りです。
・データプラン・・・月額基本料金が150円
・音声プラン・・・月額基本料金が無料
・通話にかかる通信料が通信容量としてカウントされず/カウントフリー
・OCNモバイルONEと050plusの請求がまとめられる
通常料金 | 050plusセット料金 | |
110MB/日コース(データ通信専用) | 900円 | 1050円 |
3GB/月コース(データ通信専用) | 1100円 | 1250円 |
110MB/日コース(音声通話付) | 1600円 | |
3GB/月コース(音声通話付) | 1800円 |
OCNモバイルONEの音声対応SIMを利用する場合には、特に基本料金を気にすることなく050plusを利用可能です。OCNモバイルONE音声対応SIMの場合、090/080/070から始まる番号を利用できるため、その番号からの発信もできるわけですが、その場合通話料金は30秒あたり20円となります。
ここで050plusを活用し、050番号から発信すると通話料は固定電話向け通話が3分8円、携帯向け通話が1分16円となり、非常に安く利用することができるようになります。
データ通信専用SIMを利用する場合には、もともとは電話機能がついていませんが、050plusを利用することで音声対応SIMを利用するよりも月額料金を安く抑えることもできます。
OCNモバイルONEのカウントフリーが050plusには適用
OCNモバイルONEユーザーが050plusを利用する際に優遇されるのは、月額料金だけではありません。
基本的に050plusはIP電話であるため、通話をする際に通信量を消費します。そのため、通常は定められた通信容量を通話ごとに消費してしまうので、OCNモバイルONE以外の大手キャリアやMVNOを利用している場合、多少なりとも通信容量を圧迫する可能性があるわけです。
しかしOCNモバイルONE利用の場合においてのみ、「050plusを利用しての通信容量は利用容量としてカウントしない」というカウントフリー機能があります。つまり、他のMVNOなどでは月あたり3GB利用できるうちの0.5GBを050plusの通話で消費する、というケースが考えられるわけですが、OCNモバイルONEでは050plus利用時には通信容量をカウントされないためそういう心配が必要ありません。
先日、2016年夏にサービス開始が発表されたばかりのLINEモバイルが、LINE利用時の通信量は「LINEによるトークやIP電話などを利用した際に発生する通信量を、利用データ量としてカウントしない」としていますが、考え方はこれとまったく同じです。関連記事:「LINEモバイル・メリットデメリットまとめ」
050plusを最大限に活用できるシーン
050plusを利用する際に、逆に弱点となるのが発信番号が050番号であり通常の090番号が相手に通知されない点です。
そのため、相手が固定電話であればまだしも、携帯の場合には発信番号がデフォルトで通知されるため、050番号を教えていなければ誰からかかってきたのかわからないということもあり得るわけです。
それを踏まえると、いくら通話料金が安くなるからと言って、誰にでも050plusで電話できるわけではありません。
もちろん、データ専用プランをメインで利用しており、音声通話機能をつけていない場合にはメリットはあるものの、050plusの番号をメインの番号として利用するのにはさすがに様々なリスクあります。
そのため、050plusの利用については実際にはかなり限定されてくる可能性が高いと言えます。
例えば、特定の誰かと無料通話をしたい、という目的であれば既に多く普及しているLINEを利用した方が便利です。
完全にどこにかける場合でも通話定額でかけたいという場合には、ドコモなど大手キャリアのカケホーダイプランを利用した方がいいでしょう。
さらに050plusを利用するにあたっての最大のリスクは、050番号はMNPで他社持ち運びができないという点です。そのため、ずっとそのまま同じ番号を利用し続けることができるかどうかわからない上に、IP電話なのでどうしても通話品質が劣るというデメリットもあります。
そのあたりを踏まえた上で050plusを最大限活用するとすれば、たとえばOCNモバイルONEで音声通話付SIMを利用している場合に、通常は090/080/070番号を利用しつつ、発信番号が050番号で表示されても問題ない相手や固定電話に対して電話をする際に、050plusを利用して発信すれば、通話料を抑えることができます。
しかもOCNモバイルONEの音声通話付きSIMの場合には050plusはそもそも無料なので、何もリスクなく利用することができます。
以前と比較するとどうしても利用シーンが少なくなってしまった050plusですが、OCNモバイルONEと同時利用をすることによって、大きなメリットがまだまだ存在しますので、OCNモバイルONE音声通話付SIM利用のユーザーは、しっかり有効活用していきたいところです。
関連記事:「OCNモバイルONEがMVNO最強な理由」
0SIMと050plusを連携すれば最低料金の運用が実現する
So-netの0円スタートMVNO「0SIM」と050plusの連携により、月額料金300円から通話が使えるという最低料金運用が可能となります。
0SIMについての詳細は別記事「0SIMを活用したスマホ0円運用まとめ」を参考にしてください。
この0SIMを利用しながら、同時に050plusを申し込んだ場合、かかってくる料金は050plusの300円のみとなります。
あとは通話をどれくらいかけたかによって料金は変わってきますが、利用が少なければ最低限の料金で通話を利用することができるようになります。
通話にかかる通信容量でどれくらいの容量を消費するかによって、0SIMの料金も変わってくる可能性もありますが、実際のところはよほど電話をしなければ、0SIMの0円エリアである499MB以内で抑えられるのではないかと思われます。
「電話番号を持ちたいけれど料金はかけたくない、スマホ端末は手元にある」
このケースなら、大手キャリアで契約するよりもはるかに安く電話番号を持てることになります。
具体的にかかってくる料金としては、
月額300円(050plus)+ユニバーサルサービス料+通話料+499MB超過分の通信料(0SIM)+消費税
となります。
通話料金は発生するものの、固定電話にも携帯にも電話をすることができ、かつインターネットも利用可能な音声スマホ最低限運用となります。
ちなみに0SIMに音声通話機能を付加すると、月額料金が700円かかりますので、050plus運用の方が料金は安いです。
0SIMに音声通話機能を追加した場合のメリットとしては、090/080/070番号が利用できる点です。
関連記事:「0SIM音声プラン」
利用用途によって、どちらの使い方が利用価値があるか検討してみましょう。