現在ドコモでは、二年以上前の機種でも機種によっては1万円以上で下取りしてくれるなど、下取り価格がかなり優遇されており、非常にお得な状態となっています。
総務省からの指導により「実質0円」など、極端な値引き施策が実施しにくくなったことが逆に、下取り価格の高騰に影響しているのではないかと思われます。
つまり値引きができない分、下取り価格を上げることによってバランスをとっている可能性がある、ということです。
そのため、現在利用しているスマホ端末を下取りに出し、その下取りによってもらえるポイントを新しい機種にあてて機種変更するという方法がドコモからも推奨されているわけです。
しかし、2年前の機種からの買い替えは、よくよく注意をしないと逆に利用機種のスペックが下がってしまうなど、マイナスになる可能性があります。
下取り機種変更時の注意点を再度確認していきます。
目次
注意したい2013年冬モデル以降の機種からの機種変更
下取りを活用した機種変更を実施する際に注意したいのは、現在利用している機種が2013年冬モデル以降である場合です。
具体的には、F-01FやSH-01F、SC-02F、SO-01F(Xperia Z1)、SO-02F(Xperia Z1f)などのFシリーズが、2013年冬モデルです。
これらの機種のほとんどは、破損や故障がない場合の店頭下取り価格が11000円(2016年8月現在)になっています。
二年半前の機種で11000円で下取りしてもらえるなら非常にお得です。
ただし、注意点としては、下取りをしてもらった上で次に買い替える機種を何にするのか、という点です。
実は2013年冬モデルは、スマートフォンの性能が全体的に安定期に入りつつあった時期でもあります。
電池の持ちも劇的に改善し、SH-01FやF-01Fは実使用時間が90時間を超えるなど、非常に電池持ちがいい機種でした。
現在発売されている機種と比べてもまったく遜色ないどころか、新機種夏モデルの方が実使用時間では負けてしまうというケースもあります。
2013年冬モデルは、多くの機種で全体的なスペックも申し分なく、故障さえしなければ現在でも十分第一線で活躍するであろうスマートフォンが多いのです。
そのため、買い替え時に「新しい機種ならどれも性能も高くなっているだろうし、特に機種にこだわりはない」として選択を放棄してしまうと、とんでもない失敗をしてしまいます。
なぜなら、現在2016年夏モデルやそれ以前の2015-2016年冬春モデルと比較した場合に、どの部分にこだわるかによって、新しい機種の方がスペックがダウンしてしまうケースが存在するからです。
特に現在買い替えの中で注意すべき機種は、arrows Fit F-01Hと、arrows SV F-03Hです。
どちらもスペックを抑えて価格を抑えた廉価版的な立ち位置のスマートフォンですが、特にarrows SVは新機種夏モデルだからと、安易に選択する前に、まずはスペックを現在利用している機種としっかり比較してみましょう。
最新夏モデルarrows SVと2013年冬モデル比較
2016年最新夏モデル新機種・arrows SV F-03Hと、2013年冬モデルの3機種の主な機能を比較してみました。
arrows SV | SO-01F | F-01F | SH-01F | |
内蔵メモリ(RAM) | 2GB | 2GB | 2GB | 2GB |
ストレージ(ROM) | 16GB | 32GB | 32GB | 32GB |
重量 | 約140g | 約171g | 約150g | 約139g |
ディスプレイ解像度 サイズ |
720×1280 約5インチ |
1080×1920 約5インチ |
1080×1920 約5インチ |
1080×1920 約5インチ |
メインカメラ | 1310万画素 | 2070万画素 | 1310万画素 | 1630万画素 |
バッテリー容量 | 2580mAh | 3000mAh | 3200mAh | 3000mAh |
実使用時間 | 85時間 | 57.7時間 | 97.1時間 | 98.9時間 |
とりあえず、ROM容量と電池容量は確実に新機種のarrows SVの方が少なくなっています。加えてディスプレイの解像度も2013年冬モデルに負けており、実使用時間でも後れをとっています。
この結果からわかることは、単純に機種変更した方が今までよりも端末スペックが下がってしまうケースがある、ということです。
特にこだわりがなければそこまで気にならないかもしれませんが、わざわざお金をかけて買い替えるのに、今までよりスペックが落ちてしまうのでは買い替える意味が薄れます。
そのまま使い続けるか、もし故障で調子が悪いのであればケータイ補償での交換や修理を検討した方がいいのかもしれません。
目先のお得な下取り価格に惑わされてはいけません。
2016年夏モデルを買うならXperiaかGalaxyかAQUOSがおすすめ
この二年ほどの間、スマートフォンの機能は大きく進化することはなく、どちらかというと全体的にカメラ性能が向上したりRAM容量が増えたりCPU性能が向上したりという内的なマイナーチェンジが多かった印象です。
そのため、上記のような二年前の機種と最新機種のスペック性能の逆転現象が出てきてしまっています。
もちろん対応周波数帯が増えたりVoLTEに対応したりと、向上している点もあるのですが、目に見えにくい部分でありなければないでどうにでもなる部分でもあります。
そのため、買い替えしてもあまり変化がない、むしろ全体的なスペックは落ちてしまうなどの意味の薄い買い替えを避けるためには、やはり現在ドコモで選ぶのであれば、夏モデルのXperia X PerformanceかGalaxy S7 edgeかAQUOS ZETAがおすすめです。
その3機種ともにスペックは最高レベルであり、2013年冬モデル以降の機種からの買い替えであっても全体的なスペックは確実に向上しています。
ただし、電池の持ちに関しては、それら上位機種でもF-01FやSH-01Fに負けてしまうケースがあるということは念頭においておきましょう。
もし今、機種変更をしたら
2016年夏モデルのXperia、Galaxy、AQUOSの3機種は、もし機種変更をして買い替えた場合、もうしばらくは買い替えをする必要ながないほど、非常に高いスペックのスマートフォンとなっています。
大切に利用すれば、何年も利用できると思います。
もちろん電池の消耗などの問題はあるでしょうし経年劣化は避けられませんが、3年後に登場しているであろう新しい機種に買い替えなくても、まったく困ることはないだろうと思われます。
そういう意味では、いま下取りを利用しての買い替えは、ある意味おすすめかもしれません。
私もXperia X Performance SO-04Hを現在利用していますが、まったく不満を感じることなく利用できています。
ネット上での口コミなどを見ると、不満点もいくつか上がっているようですが、個人的にはまったく気になりません。
私は普段格安スマホなども併用しているためかもしれません。そのあたりと比較するとスペックがどれだけ高いかは明らかです。
もちろん価格も格段に違うのですから、格安SIMフリースマートフォンと比較するのもおかしな話かもしれませんが。
そしてこのXperia X Performanceに勝るとも劣らないGalaxy S7 edgeやAQUOS ZETAも含めて、2016年夏モデルの3機種は買い替えて損をすることはないものと思われます。
いずれにしても依然と比べると、買い替え前と買い替え後の機種の性能差はかなり縮まっています。
以前のように機種変更をしたあとに「劇的に変わった!」という感想を持つことは少なくなっていると思います。
例えば、個人的にiPhone 5sからiPhone SEに替えたときのがっかり感はなかなかのものでした(何が変わったのかよくわからなかったため)。もちろん使っていけば違いはある程度体感できるのですが。
下取りを利用して買い替えを実施する際には、どこにこだわって何を今よりも向上することを期待して買い替えるか考えておかないと、機種変更は期待外れに終わる可能性もあります。
以前よりも少し慎重に考えて買い替えをするようにしてもいいのかもしれません。