ドコモの長期利用者向け割引「ずっとドコモ割」と、25歳以下のユーザー向け割引「U25応援割」について、内容詳細を改めて確認していきます。
長くドコモを利用していても特に優遇されることもなく、むしろMNPを利用して他社への乗り替えを繰り返している人の方がメリットが大きいという矛盾は、昔から指摘されていました。
たとえMNPを利用していなくても、「機種変更よりも新規契約の方が安く買える」という昔からある傾向こそが、長期利用者を優遇しないケータイ業界の大きな問題点でした。
そんな中でドコモから2014年6月、「カケホーダイ&パケあえる」とともに登場したのが、「ずっとドコモ割」です。
そして、同じタイミングで開始されたのが、学生を含む若いユーザーを優遇する「U25応援割」でした。
ただ、両サービスともに開始から三年半を経過して、大きく改変が入ることが決定しました。
ずっとドコモ割は、2018年5月よりずっとドコモ割プラスへ変更となり、U25応援割は、2017年12月27日をもって、新規受付が終了となります。
ここでは、そんな二つのサービスについて、改めて内容を確認しておきます。
新サービス「ずっとドコモ割プラス」については以下関連記事にて内容の確認をお願いします。→「ずっとドコモ割プラスでdポイントが選択可能に」
目次
ずっとドコモ割の割引内容
ドコモの「ずっとドコモ割」の割引料金内容について確認してみます。
4年以上 | 8年以上 | 10年以上 | 15年以上 | |
ウルトラシェアパック100 | 1000円 | 1200円 | 1800円 | 2500円 |
ウルトラシェアパック50 | 800円 | 1000円 | 1200円 | 1800円 |
ウルトラシェアパック30 | 600円 | 800円 | 1000円 | 1200円 |
シェアパック15 | 600円 | 800円 | 1000円 | 1200円 |
シェアパック10 | 400円 | 600円 | 800円 | 1000円 |
シェアパック5 | 100円 | 200円 | 600円 | 800円 |
ウルトラデータLLパック | 200円 | 400円 | 600円 | 800円 |
ウルトラデータLパック | 100円 | 200円 | 600円 | 800円 |
データMパック | 100円 | 200円 | 600円 | 800円 |
データSパック | ― | ― | ― | 600円 |
ケータイパック | ― | ― | ― | 300円 |
まず大前提として、ずっとドコモ割はパケットパック/シェアパックに対して割引がかかります。そのため、旧料金プランである「タイプXiにねん」や従来のFOMAプランを利用している場合、そしてパケットパック/シェアパックを利用していない場合にはずっとドコモ割は適用されません。
その前提を満たした上で、データ容量が多ければ多いプランほど、そして利用年数が長ければ長いほど割引が大きくなります。
ドコモの長期利用者が有利になるような割引設計にとりあえず見えるものの、実際のところは長期利用者でも例えばデータSパック利用者であれば15年以上で600円しか割引がなく、さらにはフィーチャーフォンのままカケホーダイプランに変更することなく従来のFOMAプランを利用している長期利用者には何の特典も追加されないままという状態です。
つまりずっとドコモ割は、「長期利用者=優良顧客」をARPUの高い「カケホーダイプラン+大容量パケットパック/シェアパック」に順次誘導していこうという目的を持った割引施策でもあるのです。
ずっとドコモ割は自動適用
ずっとドコモ割は、その割引の性質上、特別な申し込みを必要としません。
カケホーダイプラン/ライトプランを利用しており、かつ指定のパケットパック/シェアパックの申し込みがある状態であれば、利用年数に応じて自動的に割引がかけられます。そのため、条件を満たしているのに適用されていない、ということはありません。
そういう意味では「申込できているのか」と心配する必要がありません。
ただ、前述したように「ずっとドコモ割」を適用させるための前提条件となる「カケホーダイプラン/ライトプラン/シンプルプラン/データプラン」+「パケットパック/シェアパック」の利用がない場合には適用対象外となってしまうため注意が必要です。
ずっとドコモ割のシェアパック利用時の割引
例えばシェアグループ代表回線の利用年数が16年で、シェアパック15を利用しており、そのシェアグループに家族回線が合計4回線ある場合、ずっとドコモ割の割引はどういう形になるのでしょうか。
シェアパック15で15年以上利用の場合のずっとドコモ割の割引は、上記の表に照らし合わせると1200円の割引になっています。
では、この1200円の割引は4回線すべてに対してかかるのでしょうか。それともシェアグループ全体に対して合計1200円の割引なのでしょうか。4回線すべてにかかれば合計4800円の割引、シェアグループ全体に対してであれば合計で1200円の割引、この違いは非常に大きいです。
が、残念なことに、このケースでの割引適用は回線ごとではなく、シェアグループ全体に対してのものとなっています。
ずっとドコモ割は、「月額最大2500円」の割引、となるわけですが、この最大になるケースとしては、シェアパックの代表回線が15年以上ドコモを利用しており、かつウルトラシェアパック100を利用した場合なので、なかなかハードルが高いです。
どう頑張ってもウルトラシェアパック100など必要ない、という家庭の場合(そういう家庭がほとんどだと思いますが)、到底届くはずのない割引額であり、また、ウルトラシェアパック100が必要なのであれば自宅でドコモ光などのWi-Fi環境を構築した方がよほど安く済む、という事実もあり、実際のところは実用性というよりも、「ずっとドコモ割は月最大2500円割引」という言い方をしたいがために作ったプランなのではないか、と言いたくもなるところです。
もちろん、一部ウルトラシェアパック100を実際に利用する必要がある事情のあるユーザーもいるでしょうが、なかなか一般的にはその最大の割引の恩恵を受けることはできないわけです。
ずっとドコモ割は光データパック/光シェアパックと併用可能
ずっとドコモ割が最も輝いて見えるのは、ドコモ光利用によるドコモ光パックが適用された場合です。もちろん、効果的に割り引かれているように「見える」だけで、実際の割引額は変わらないのですが、ドコモ光パック分の割引とずっとドコモ割が併用されることでかなり大きな効果を発揮します。
ドコモ光の利用があると、パケットパックは光データパックとなり、シェアパックは光シェアパックへと変わります。→関連記事:「ドコモ光の料金詳細」
パケットパック/シェアパックからそのドコモ光分の割引が適用されたところからさらにずっとドコモ割も適用されて割引が入るため、ずっとドコモ割とドコモ光パックを合わせると非常に大きな効果が得られます。
さらに、ここにdカード GOLDによるポイント還元10%という効果が付与されると、まさに最大限の効果を実感することができるため、シェアパックとドコモ光とdカード GOLDは、すべてセットでコラボさせるイメージで利用するようにしましょう。
関連記事:「dカード GOLDは本当にお得なのか」
U25応援割を理解する
U25応援割は、ずっとドコモ割同様、カケホーダイプランを利用している場合にのみ適用される割引です。
「U25」という名前の通り、25歳以下のユーザーに対して適用され、26歳の誕生月まで割引およびボーナスパケットが適用されます。
具体的にU25応援割の特典内容としては、一つは単純に割引特典で、毎月500円の割引がかかります。もう一つの特典にはボーナスパケットが用意されており、データ容量が1GB追加付与されます。
つまりデータSパックなら2GB+1GBの3GB利用可能となり、データMパックなら5GB+1GBで合計6GBが利用できるようになります。
仮にシェアパックの子回線だったとしても、そのシェアグループのデータ容量に1GBが追加されるため、よりお得に利用可能です。
ただし、U25応援割には注意点もあります。
まず、カケホーダイライトプラン、もしくはシンプルプランを利用している場合、U25応援割は、ボーナスパケットは適用されるものの、割引は適用されません。そのためU25ユーザーは、カケホーダイプラン+U25応援割か、カケホーダイライト単体か、シンプルプラン単体かを選択できます。
2700円-500円=2200円(カケホーダイプラン+U25応援割)
1700円(カケホーダイライトプラン)
980円(シンプルプラン)
上記のカケホーダイプランとライトプランの二つのケースでは、500円しか違いがありません。5分以上の通話をもし、一ヶ月の間に約12分以上かけるのであれば、カケホーダイプラン+U25応援割にした方が、カケホーダイライト単独よりもお得になりますし、何より安心して時間も気にせず電話もできるようになります。
U25応援割は親利用のケータイでも申込できるのか
例えば、親が利用するケータイに、子供の名前を利用してU25応援割の申し込みができるのか、ということです。
まず一つ注意点としては、U25応援割については、利用者一人につき一回線のみの申し込みが可能という点です。
もし子供がすでにケータイを持っており、U25応援割を子供名義で利用している場合には、同じ子供の名前で他の回線にU25応援割りをつけることはできません。
仮にその問題をクリアしたとしても、そもそも親が利用しているケータイ、ということであれば、あくまで利用者は親なので、これもU25応援割は申込不可です。
ただし、結局誰が利用しているのか、という情報はユーザー側の申告でしか確認ができないため、親利用の回線であっても「子供が利用している」という申告があれば申し込みはできてしまいます。出来はするのですが、利用者を偽って契約したことになりますので下手すると虚偽契約です。そういう不正な申し込みはしないようにしましょう。
あくまで、U25応援割はU25のユーザーが実際に利用している回線に対する割引、ということを覚えておきましょう。
U25応援割の新規申し込み受付終了
3年半にわたり、レギュラー割引として運用されてきたU25応援割ですが、2018年春のドコモの学割の開始とともに新規受付が終了することになりました。
終了翌日より、その代わりとなるドコモの学割2018が受付開始されはするものの、ドコモの学割は2018年5月31日までの期間限定受付なので、それ以後は通常プランの中からお得なプランを選択するしかなくなります。
元々U25であってもなくても、docomo withを活用することでかなり安く抑えることができるようになっているということもあるのかもしれません。
ちなみに、U25応援割を元々利用しているユーザーは、廃止をするか対象の年齢を超えるまではそのままU25応援割が継続される形となります。