iPhoneの初期化を実施した場合、いったんすべてのデータが消去されるわけですが、再度初期化したiPhoneを設定して利用しようとした場合、iPhoneにSIMカードが挿入されている必要があります。
そうしないとアクティベーションと呼ばれる初期設定が行われず、利用を開始することができないのです。
Wi-Fi運用中のiPhoneを初期化してみたら、SIMカードが入っていないことでアクティベートできずに利用できなくなってしまった、ということが起こりえます。
実際にアクティベーションができなくなるケースとその際の対処方法を考えてみました。
所有しているiPhone用nanoSIMカードを挿してアクティベーション
普通に考えたら、iPhoneで利用するnanoSIMカードを持っていないということはほとんどないはずです。
例えばドコモ、au、ソフトンバクで利用していたiPhoneであれば、実際にそのキャリアで利用していた時のnanoSIMカードが存在したはずだからです。
ですので、そのSIMカードをiPhoneに再度挿入した上でアクティベートすれば済む話です。
ただ、利用機種を変更したことにより、既にメインのSIMカードのサイズがnanoSIMではなくなっておりiPhoneに挿入することができない、というケースなどが問題です。
そのほかにも、解約をして本来利用していたはずのnanoSIMカードを返却した、もしくは裁断してしまったというケースもあり得ます。
そもそもキャリア契約をしている場合のSIMカードは、あくまで貸与されているものであり、所有権はキャリア側にあります。ということは、契約を解除したあとは返却するのが正しい手続きとなります。
ただ、その点はどのキャリアもあまり厳密ではないようで、場合によっては解約後もSIMカードもそのまま渡されるケースもあるようです。
そのほか、nanoSIMカードが手元にないというケースでは、SIMフリーのiPhoneをWi-Fiでのみ利用しており、そもそもSIMカードが存在しないというケースもあり得ます。
ともかくいずれにしても、もしnanoSIMカードが手元にない状態であれば、そのままでは初期化したiPhoneのアクティベートが行えないので、Wi-Fi運用するにも使えない状態を抜け出すことができなくなってしまいます。
iPhoneのアクティベーションはSIMカードが入っていればできる
そもそもiPhoneのアクティベートは、SIMカードさえ入っていれば、たとえそのSIMカードの契約が解約されていてもアクティベーションを実施することが可能です。
つまり、iPhoneの初期化とそのあとのアクティベーションのことを考えたら、仮にキャリア契約を解約したとしても、SIMカードはできればそのままもらってきた方がいいのです。
解約をして通信は一切できなくなっていたとしても、アクティベーションを実施するためだけにそのSIMカードは引き続き利用可能なのです。
キャリアが違うSIMカードではアクティベートできない
仮に利用しているiPhoneがドコモから発売されているiPhoneだった場合、カードサイズが同じだからといっても、auのnanoSIMカードを挿してもアクティベートすることはできません。
逆のケース、auのiPhoneにドコモのnanoSIMカードを入れても同じことです。これは、SIMカードに契約が入っていても解約されていても同じことです。
SIMロックがかかっていて元々利用することができないキャリアのSIMカードではアクティベーションもできないのです。
実際に私が所有している、以前契約していたけれども、既に解約済みのauおよびドコモのnanoSIMカードです。
初期化済みのドコモのiPhoneに、左のauのSIMカードを入れてみました。
「SIMが無効です」という表示が出てきます。
Appleのサイトを確認すると、「SIMなし」「不正なSIMです」という警告が出る場合は、「SIMカードの破損」、「ロックされている」、「検出されない」場合に出ると記載がありますが、「SIMが無効」については記載がありません。
おそらくAppleのサイトが、最新のOSのバージョンに対応した内容に更新されていないものと思われます。
ちなみに私が手持ちのiPhoneは、OSバージョンがiOS 9.0です。
この、「SIMが無効」の状態の場合、それ以上先に進むことができませんので、とにかくアクティベーションを行うことができるSIMカードを探す必要が出てきます。
私の場合、写真右のドコモの解約済みSIMを挿したところ、あっさりとアクティベートできました。
アクティベーションSIMカードを利用する
解約済みのキャリアのSIMカードさえ持っていれば、アクティベートは非常に簡単にできるのですが、それがなかなか難しかったりします。
入手したくても、ドコモなどのキャリア契約をそもそも持っていなければどうしようもありませんし、仮に契約があったとしても、nanoSIMだけもらってくるということはさすがに難しいと思います。
しかしこの問題をなんとかクリアしないことには、手持ちのiPhoneはずっとアクティベートができないままで、Wi-Fi専用端末としてさえも活躍できないただの物体になってしまいます。
そんなときに、最後の手段として活用することができるのが、アクティベーションSIMカードです。
どういうものなのかというと、iPhoneのアクティベートを行うためだけに販売されているSIMカードです。
実際購入してみました。
ちなみに私が購入したこのアクティベーションSIMカードは、対応機種がドコモのiPhone 5、iPhone 5s、iPhone 5cとされていました。au、ソフトバンクでは使えません。
iOS9.0のiPhone 5cでもアクティベーション可能でしたので、おそらくiPhone 6、iPhone 6sなどでも使えるのではないかと思われますが、両方とも所有していないので未確認です。購入時に対象機種をしっかり確認しておくといいでしょう。
アクティベーションSIMカードは、見た目は一見通常のnanoSIMカードと同じですが、キャリアのロゴやカードに記載されている番号などがまったくありません。
実際「アクティベーションSIMカード」とそれらしく名前はついているものの、実際のところは解約済みのドコモ製のSIMカードを販売しているだけなのではないかと思っていたのですが、さすがにそこまで適当な商品ではありませんでした。
実際試してみましたが、まったく問題なくアクティベートが可能でした。
本当に簡単なことですが、このアクティベーションでつまづいてしまっては、せっかくWi-Fiで有効活用できるはずのiPhoneがそのまま文鎮となってしまいます。
最終的にはアクティベーションSIMカードを利用してでも、アクティベーションを実施して利用可能な状態に戻しておきましょう。