カーシェアリング業界で圧倒的シェアを誇るのがタイムズカープラスです。日本全国本当にどこででも見かける、駐車場の「Times24」、株式会社タイムズ24により運営されています。
カーシェアリングといえば、借りたい時に短時間からすぐ借りられる、というのがレンタカーとの大きな違いで、より気軽に利用できるところがメリットです。
そんなカーシェア業界の中で、ドコモのdカーシェアはどのような立ち位置にあるのか、業界最大手のタイムズカープラスと比較して利用メリットはあるのか、詳細内容を確認してみました。
関連記事:「ドコモのdカーシェアをわかりやすく理解する」
dカーシェアとタイムズカープラス比較
全国のステーション数比較
料金より何よりまず意識しなければならないのは、そのステーション数です。借りるためのクルマが置いてある場所、ですね。駐車場の中にカーシェア用として何区画か用意されていたりします。
どんなに安くても利用したい場所にそもそもステーションがなければ、クルマを借りることができません。
2018年時点でのdカーシェアとタイムズカープラスのステーション数を比較してみます。
dカーシェア | タイムズカープラス |
1654ヶ所 | 10600ヶ所 |
全然違いますね。圧倒的にタイムズカープラスが多いです。さすがは業界最大手、といったところですね。
ちなみにタイムズカープラスは、車両数では21500台を有し、会員数としては2018年に100万人を突破しています。
そもそもdカーシェアで採用しているオリックスカーシェアには、まだステーションが一つもない道県がまだまだ多く、北海道、中国地方、四国、九州にはステーションが一つもありません。今のところdカーシェアは、主に首都圏から関西を中心に展開していると考えておくといいでしょう。
今後の拡大に期待ですね。
カーシェアの初期費用・基本料金
利用料金はやはり、最も気になるところではないかと思います。基本料金から見ていきます。
dカーシェア | タイムズカープラス | |
初期費用 | なし | 1550円 (カード発行料) |
月額基本料 | なし | 1030円 |
補償料金 | なし (利用料金に含む) |
なし (利用料金に含む) |
dカーシェア最大のメリットが、この初期費用・月額基本料が0円、という点です。そのため、それほど頻繁に利用するわけではないけれど、たまに利用する時のために登録だけしておく、という簡易的な利用が可能です。
一方でタイムズカープラスの場合には、初期費用としてのカード発行料がかかるのは仕方ないにしても、それ以外の月額基本料金がかなり気になるところです。
使っても使わなくても毎月料金がかかってしまうので、必ず毎月利用する、という人はいいとしても、使わない月もあり、たまにしか利用しないというユーザーの場合には無駄に料金がかかってしまいます。
補償費用については、どちらも利用料金に含まれている形となっていますので安心です。
では、実際にカーシェアを利用する場合の利用料金がどう違うのか、以下確認します。
カーシェアの利用料金
カーシェアを利用する際の料金としては、15分単位の利用が最低利用単位となり、これはdカーシェア、タイムズカープラスどちらも同じです。
6時間パック以上の料金については、dカーシェアがスタンダードクラスとデラックスクラスで料金が異なるのに対して、タイムズカープラスではクラスによる料金差はありません。
【dカーシェアの利用料金】
スタンダードクラス | デラックスクラス | |||
時間料金 | 距離料金 | 時間料金 | 距離料金 | |
通常料金(15分あたり) | 220円 | 0円 | 320円 | 0円 |
6時間パック | 4200円 | 0円 | 4800円 | 0円 |
12時間パック | 6500円 | 15円/km | 7800円 | 15円/km |
24時間パック | 8000円 | 15円/km | 9400円 | 15円/km |
夜間パック(20-翌9) | 2500円 | 15円/km | 2500円 | 15円/km |
スタンダードクラス | デラックスクラス |
・コンパクトカー(アクア等)
・ベーシックカー(プリウス等) ・ミニバン(フリード等) ・SUV(ヴェゼル等) |
・ワゴン(ステップワゴン等)
・SUV(エクストレイル等) |
【タイムズカープラスの利用料金】
クラス | ショート料金 | 距離料金 |
ベーシック (デミオ、プリウスなど) |
206円/15分 | なし |
プレミアム (Audi、MINIなど) |
412円/15分 | なし |
メニュー | パック料金 | 距離料金 |
6時間パック | 4020円 | なし |
12時間パック | 6690円 | 16円/走行Km |
24時間パック | 8230円 | |
アーリーナイトパック (18:00~24:00) |
2060円 | |
レイトナイトパック (24:00~翌9:00) |
2060円 | |
ダブルナイトパック (18:00~翌9:00) |
2580円 |
それぞれ、そう大きな料金差はないのですが、長時間利用する場合にはdカーシェアのデラックスクラスになるとやや高めになり、タイムズカープラスの場合は6時間パック以上は車種による料金差がないので、有利になります。
そもそも自分が利用したいステーションに希望の機種があるかどうかわからないという意味でも、ステーション自体の数や車両台数が多いタイムズカープラスの方が安心です。
また、タイムズカープラスは月額料金1030円がかかる分、一切カーシェアを利用しなかった月はそのままマイナスになってしまいますが、利用する場合には1030円分が無料利用分として、利用料金から割り引かれるため、実際のところdカーシェアより極端に高くなるということはありません。
カーシェアの精算・決済方法
タイムズカープラスの月額料金・利用料金の支払い方法は、クレジットカード払いのみとなっています。
そのため、クレジットカードをもし持っていない場合はそもそも利用ができませんので、何かしらのクレジットカードを契約して用意しておく必要があります。
一方でdカーシェアの場合、ドコモケータイ払いが可能なので、必ずしもクレジットカードを所有している必要はありません。もしクレジットカードを持っていないのであれば、dカーシェア一択となりそうです。
ただ、dカーシェアでもクレジットカード払いは利用可能で、dカード/dカード GOLDに既に加入済みなのであれば、積極的にこちらを利用しましょう。理由はもちろん、dポイントを貯められる上に年間利用額の積み上げにもなりますので、よりお得となります。
レンタカーも使える?
dカーシェアではレンタカーも利用可能です。トヨタレンタカー、日産レンタカー、オリックスレンタカーと、様々なレンタカーを探すことができます。
タイムズでは関連の別サービス、という形になりますが、dカーシェア同様、「タイムズカーレンタル」としてレンタカーも実施しています。
カーシェアの方がより簡易的に借りることができるので、どちらかと言えばレンタカーは本格的に長時間借りたい場合、という利用用途になると思いますが、概ねカーシェアと似たような料金体系で利用することができます。
カーシェアで希望の場所、車種がみつからなかった場合などに検討してみるといいでしょう。
dカーシェアの優位性・マイカーシェア
dカーシェアが最も優れているポイントとしては、やはり月額料金も初期費用もかからず利用することができるという点だと思いますが、それに加えて「マイカーシェア」を利用して個人のクルマを借りることができたり、逆に自分のクルマを人に貸し出すことができる、という点にあります。
つまりこれがどういうメリットを生むかと言うと、まずはステーションの数の少なさを補うことができるというメリットがあります。
北海道、中国地方、四国、九州というオリックスカーシェアのステーションがまだ存在しないエリアにあっても、個人でクルマを貸したいという人は存在しており、そうした人たちのクルマを借りることで、ステーションがなくてもカーシェアを利用できるようになるわけです。
また、dカーシェアの「カーシェア」では乗ることができないようなクルマを貸出しているような人もいるため、クルマを借りて貴重なドライブ体験を得ることができる、というメリットもあります。
さらに、逆の立場で自分があまり利用していないクルマを所有しているのであれば、定期的にマイカーシェアで人に貸し出すことで利益を得ることもできるわけです。
今までのカーシェアの仕組みから、さらに一歩進んだ仕組みと言えます。
カーシェアを巡る地域性の問題
dカーシェアとタイムズカープラスのステーション数について、比較の最初に触れましたが、そもそもカーシェアリングというサービス自体、かなり地域性に左右されるサービスだったりもします。
その理由としては、例えば首都圏に住む人と、山一つ越えないと生活物資が手に入らないような地域に住む人とでは、自家用車の必要性がまるで異なるためです。
当然、自家用車の所有率は地域によって大きく異なるでしょう。自家用車の所有率が世帯に対して200%越えるような地域がもしあるのなら、その地域でそもそもカーシェアを必要としている地元民がいるのか、という話でもあるわけです。
おそらく47都道府県で展開しているタイムズカープラスが最も展開が遅かった佐賀県などは、そうした傾向が強いのではないかと思われます。
そう考えると、dカーシェアの対応地域の少なさも、地元民から見たらデメリットにはなりにくいような気もしてきます。
とはいえ、カーシェアは地元の方々ばかりのためのものではなく、観光客も有効に活用できるサービスなのですから、そういう意味では「クルマがないと行動が難しい観光地」などでは大きな需要と今後の伸びしろがあると考えられ、地域性の問題はあるにせよ、dカーシェアのさらなるエリア拡大は期待したいところです。
dカーシェアとタイムズカープラスはどちらがお得?
結局のところ、ドコモのdカーシェアとタイムズカープラス、どちらがお得なのかというなら、「ケースバイケース」というしかありません。
しかし確実なのは、毎月頻繁に使うわけではないけれど、数ヶ月に一回くらいの頻度では使う、という人であればdカーシェアがお得です。理由は簡単、月額料金がかからないためです。
タイムズカープラスも、使う月だけ登録すればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、その場合都度入会時の初期費用がかかってしまいますし、入会作業が意外に面倒なので、頻繁に入会したり辞めたりを繰り返すのは現実的ではありません。
「たまに使う」という程度の人は、dカーシェアを利用しましょう。
一方で、毎月必ず一回以上は利用する、という人の場合、近くのステーションと車種を確認して、その上でどちらにするかを決めましょう。ドコモユーザーであればやはりdカーシェアが相性がいいのはもちろんですが、それ以前にステーション自体が近くにないとか、あっても車種が希望のものではない、という場合にはどうしようもありませんので、タイムズカープラスを検討してみた方がいいでしょう。
dカーシェアを利用する場合も、タイムズカープラスを利用する場合も、クレジットカードにはdカード GOLDを設定してdポイントを貯めるのをお忘れなく。→「dカード GOLDは本当にお得なのか」