Apple Watch Series3の発売に伴い、NTTドコモより、新しいサービスが開始されています。
一つの電話番号を、スマートフォンとウェアラブルタイプなどのアクセサリ端末(つまりAppleウォッチ)で共有して音声通話やデータ通信を利用することができる「ワンナンバーサービス」です。
ドコモにおいて過去、一つの端末で別の二つの番号を利用することができるサービスであれば、「マルチナンバー」や「2in1」などがありましたが、逆に一つの番号を複数端末で、という内容は初めてなので、注目のサービスと言えそうです。
ワンナンバーサービスはどういうサービスで、どういうことができるのでしょうか。
詳細内容を確認していこうと思います。
また、実際にワンナンバーサービスを利用してApple Watchでの通話がどんなイメージで利用できるのか、その体験についてもお伝えします。
ワンナンバーサービスの概要
まずはワンナンバーサービスの大まかな概要を確認しておきます。
サービス開始 | 2017年9月22日 |
申し込み | 必要 |
月額料金 | 500円 (2018年3月31日まで申し込みの場合、初回180日間無料) |
手数料 | ワンナンバー登録手数料:500円/回 (2018年3月31日まで無料) |
対応端末 | スマホ:iPhone 6/6 Plus 以降(iOS 11 以降) アクセサリ端末:Apple Watch Series 3(GPS + Cellularモデル) |
対応プラン | カケホーダイプラン/カケホーダイライトプラン」「シンプルプラン」 と「パケットパック」または「シェアオプション」および「spモード」 |
サービス開始は、Apple Watch Series3が発売された2017年9月22日でした。
月額料金は500円ですが、初回180日間の無料キャンペーンが設けられているので、とりあえず気にせずに利用してみることができます。
ワンナンバー登録手数料として初回500円が通常はかかりますが、こちらもキャンペーンにより2018年3月31日までは無料です。
対応端末としてはApple Watch Series3となりますが、スマホ端末の方はiOS11以降という条件はつくものの、iPhone 6/iPhone 6 Plusで利用可能です。ここはうれしいポイントですね。既にiPhone 6以降の機種を所有しているのであれば、iPhoneを買いなおさなくても、Apple Watch Series3さえ手に入れれば利用ができるというわけです。
対応の料金プランとしては、カケホーダイプラン・カケホーダイライトプラン・シンプルプランが設定されているため、普通にドコモでスマホ端末を利用しているのであれば適用されるはずです。
ただし、spモードやパケットパックも条件として付与されているため、私のようにカケホーダイプランだけ利用して、データ通信は格安SIMを利用しているようなケースでは利用できないということになります。
ワンナンバーサービスの利用イメージ
具体的にApple Watch Series3でワンナンバーサービスを利用した場合、どういうことができるのでしょうか。
例えば、ランニングやスポーツをする場合など、スマホ端末を持ちながらではかなりかさばって不便に感じることもあると思いますが、Apple Watch Series3を利用すればあまり気にすることなく、運動ができ、スマホが手元になくても音声通話やモバイルデータ通信が利用できるというわけです。
ほかにも、ちょっとした買い物だったり、アウトドアだったり、スマホを持っていても電源が切れてしまっているような場合でも、ワンナンバーサービスを利用すれば同じ電話番号での通信通話が可能となるため、非常に便利です。
生活の中で、使い方の幅は様々に広がりそうです。
ワンナンバーのキャンペーン
既に概要で触れていますが、ワンナンバー開始に伴い、二つのキャンペーンが実施されています。
一つは、「ワンナンバーサービス初回180日間無料キャンペーン」です。キャンペーン期間、9月22日から2018年3月31日までの間にワンナンバーサービスを初回申し込みをすると、ワンナンバー契約の成立日から起算して180日間、ワンナンバーサービス使用料が無料になります。
無料期間中にサービス解約の申し出がない場合には、無料期間終了後は有料となり、無料機関終了日の翌日が属する月より月額使用料(日割)がかかります。
もう一つは、「ワンナンバー登録手数料無料キャンペーン」です。
こちらもキャンペーン期間はまったく同じ2018年3月31日までです。キャンペーン期間中のワンナンバーの登録手数料が請求されない形となります。
ワンナンバーサービスを利用するのであれば、ぜひこのキャンペーン期間中にApple Watch Series3を手に入れて利用したいところです。
ワンナンバーサービスの利用方法
ワンナンバーサービスを利用するためには、申し込み後、アクセサリ端末(Apple Watch Series3)の利用開始設定が必要です。Apple Watchの初期設定時に同時に実施してしまうのがお勧めです。利用開始設定については、ドコモの公式サイトが詳しいです。→ドコモ公式:「ワンナンバーサービス利用開始設定」
例えば電話を掛ける場合には、スマホからでなくApple Watch Series3からも発信することができ、逆に受ける場合にはスマホ端末とAppleウォッチの両方が鳴動し、どちらでも通話をとることができるようになるということです。
手元にスマホがあればスマホでとればいいでしょうし、なければApple Watch Series3で通話すればいい、ということです。
非常に大きいのは、例えばASUSのZenWatchのように、Bluetoothのみでつながっているわけではないので、スマホ本体が近くになかったとしても、ワンナンバーサービスが設定されてさえいれば、Apple Watch単独で通話ができる、という点ですね。
Apple Watch Series3にSIMを入れる必要がある?
Appleの発表会において、Apple Watch Series3にはnanoSIMよりももっと小さなSIMが入るという説明がありましたが、これは基本的に内蔵されているもののようなので、例えばGalaxy Gearのように通常のSIMを入れて利用するようなイメージではないようです。
最近よく出てくるようになった「eSIM」ということのようです。
通常のドコモSIMは入れないのだけれども、そのeSIMにドコモのメイン番号が書き込まれていることにより、ワンナンバーサービスを利用して、電話はドコモのSIMに対してかかってくるのと同じ着信をApple Watch Series3でも可能にする、というわけです。
具体的な仕組みは私もまだよく理解できていませんが、とにかく一度使ってみるのが早いと思います。
au「ナンバーシェア」はワンナンバーサービスと同等サービス
auからも、ドコモのワンナンバーサービスとほぼ同等のApple Watch Series3向けサービス「ナンバーシェア」が開始されています。
月額料金がドコモとは異なり、若干安く350円とされている以外はほぼ同じ内容で、キャンペーン等まで同じです。
たった150円とはいえ、auの方が安いのであればこちらで利用したいところですが、その場合、親回線は当然auである必要があるので注意しましょう。
ドコモユーザーが「ナンバーシェア」を利用することはできません。いずれにしても半年は無料なので、ドコモユーザーはとりあえず、ワンナンバーサービスを利用しておきましょう。
実際にApple Watchでワンナンバーサービスを利用してみた感想
利用したことがない場合、そもそもApple Watchでまともに電話ができるのか、という疑問がまずは頭をもたげるのではないでしょうか。
仮に電話ができたとしても、品質がどうなのか、利用しやすいのかなど、とにかく使ってみないと何とも言えないところが、実際にApple Watchでワンナンバーサービスを利用して通話をしてみるまでのハードルになると思います。
とはいえ、月額料金はそもそもそんなに高くもないですし、初回無料キャンペーンもまだ継続中であることを考えると、とりあえず使ってみるのが早いというのは間違いないですが、ここでは実際に私がApple Watchで通話を利用してみた感想を残しておこうと思います。
まず、通話品質に関してですが、これは全く問題なく通話を利用することができます。電波の状況によってはたまにノイズが入ったり聞こえにくい時もありますが、概ね問題ありません。(※ただし、通話について私自身の利用頻度がかなり低いので信頼性は低いと思ってください)
ただ、通常iPhoneを所持している場合には、あえてApple Watchで電話を取るということはまずありません。
何故なら、それが長年親しんできた習慣だから、というのがやはり大きいということもあるのですが、それ以上にあまりにも致命的なのが、Apple Watchで通話をとってしまうと、相手の声が外部に完全に漏れてしまうのです。
これではさすがに周囲に全く知らない他人がいるような環境では利用できません。
そのため、着信時にはもしiPhoneを所持していれば、必ずiPhoneでとる形になるでしょう。
これは、例えばiPhoneを所持せずにジョギングなどに出た場合にApple Watchで通話を受けた時にも発生する問題で、この点を解決しないと、そもそもApple Watchでの通話は無理です。
この問題の解決方法としては、Bluetoothイヤホンの併用がどうしても必要、ということになるわけです。
Bluetoothイヤホンの利用は、そもそもApple WatchがあってもなくてもiPhoneを持っていれば可能ではありますが、咄嗟の操作はApple Watchが便利です。
iPhoneを持たずApple Watchだけで出かけるジョギング中などは、Bluetoothイヤホンは非常に活躍します。音楽も聴けるし通話もできる、というわけです。
しかし、個人的にApple Watchでの通話を可能にするために都度Bluetoothイヤホンを持ち運んだり毎日充電したりするのが非常に面倒なので、ワンナンバーサービスは現時点では必要ない、という結論に至りました。
Apple Watchそのものは非常に便利です。しかし、通話機能はないならないでもどうにかなります。
むしろiPhoneとBluetoothでつながっているだけでもメールやLINEの通知が来るわけなので、それで十分です。
実際、既に購入してから数ヶ月、Apple Watch自体はかなりの頻度で利用しています。TPOは選ぶものの、気軽に外出するときは、iPhoneではつい見落としがちな通知も見落とさずにチェックできるという利便性から、必需品ともなっています。
しかし、Apple Watchの通話機能は最初に試した以外には、ほぼ利用していません。
ほとんどすべて、通話を確認したらiPhoneでとっているのです。この事実がすべてを物語っていますね。
「ワンナンバーサービスによって、ついに単独でも通話できるようになった!」という点に魅力を感じて購入したはずのApple Watch Series 3だったのですが、現実はその通話機能を最も利用しない、という厳しいものでした。
ただ、日々Bluetoothイヤホンを空気のように使いこなしているような人にとっては、全く違和感なくApple Watchの通話機能を活用できるということもあるでしょうし、結局使う人側の問題です。
いずれにしてもワンナンバーサービスの無料期間があるうちには一度利用してみた方がいいと思いますので、ぜひ一度ためされてみてください。