大手キャリアのスマートフォンだけではなく、現在は格安スマートフォンが市場にあふれています。
実際にどういうスマホが一番いいのか、なかなか選べない人も少なくないと思います。
メーカー別にみれば、格安スマホの中には日本のメーカーのものもありますが、海外メーカーも多数存在します。
その中で、「中国のスマートフォン」について、情報を抜かれるのではないか、利用したら危ないのではないか、という話を聞いたことはないでしょうか。
事実、そうした噂が存在し、人によっては「中国のスマホだけは使いたくない」という日本人も存在します。
実際のところそんなことがあるのか、中国のスマホは利用しない方がいいのか、それなら中国以外、例えば台湾や韓国のスマートフォンなら大丈夫なのかなど、全体的に検証してみます。
関連記事:「中国や韓国のスマホなんて使いたくない!という人のためのドコモの機種選び」
※追記:最近ファーウェイに関しては様々なニュースが出ていますが、現状ドコモから公式に現行機種をどうこうするという発表はありませんので、利用中の方は静観、といったところです。ただし、今後ファーウェイ製機種を今まで以上に選択しにくくなったことは確かですね。
中国のスマホ代表HUAWEI(ファーウェイ)
中国のファーウェイは、実は日本でもなじみのあるメーカーです。NTTドコモでもHUAWEI製端末はいろいろと採用されているという事実を、実は多くの日本人が気づいていません。
スマホではありませんが、現在のドコモの端末の中で最も売れていると思われるファーウェイ端末は、HW-01Gです。型式ではわかりにくいので通称で呼ぶと「キッズケータイ」です。
実は小学生の多くに絶大な需要があるキッズケータイは、中国ファーウェイ製の端末なのです。他にも、ドコモで「HW」で始まる機種はすべてHUAWEI(ファーウェイ)製となっています。
ドコモはあえてファーウェイというメーカーを前面に押し出すことはしませんが、「HW」という型式を見てもわかるように、ファーウェイ製であることを隠しているわけではありません。
スマートフォンについては、過去数台ドコモからスマートフォンを販売してはいるものの、鳴かず飛ばずだったためか、いつの間にか姿を消してしまいました。主に現在は、前述のキッズケータイとWi-Fiルーターをドコモ向けに提供している状況です。
ただ、格安SIMフリースマートフォンの世界で見た場合、ファーウェイは一気に主役に躍り出てきます。
2015年に発売された「P8 lite」は、格安でありながら使いやすさとデザイン性と最低限のスペックを兼ね備え、大きな人気を集めました。
2016年2月発売の「GR5」も、オクタコアCPUに電池容量も3000mAhと大きく、スペックが高めのSIMフリー機種を探しているユーザー向けに高い人気を集めています。
そしてつい最近発売されたY6は、逆に15000円以下という価格の安さで注目を集めています。「格安スマホ」というからには、1万円台を実現してもらいたいと考えている人からすれば、まさに買いといえる機種です。
個人的な興味の問題で、当サイトでは今まであまりとりあげてきませんでしたが、やはり今の格安スマホ市場でファーウェイは避けては通れません。
「中国メーカー」という問題と、「情報漏えいが云々」という懸念については、これはなんとも言えません。そんなことあるわけないとも言えますし、中国だったらやりかねないと言えなくもありません。
ただ、よくよく考えてみれば、日本のメーカーのスマートフォンも、日本で作られているとは限らず、むしろ製造拠点は中国、という機種も少なくないわけです。
そう考えれば、もはや中国だからどうのということは考えても仕方がないのではないか、と思わなくもありません。
ただこのあたり、気持ちの問題ではあるので、抵抗があるのであれば使わなければいいだけの話です。性能、コスト、そして製造メーカーや製造拠点について総合的に判断して、購入するかどうかは判断すればいいのではないでしょうか。
韓国のスマホ代表Samsung(サムスン)・LG電子
韓国のスマートフォンといえば、言わずと知れたGalaxyシリーズのSamsungと、そしてLGです。
その性能の高さは利用したことがある人ならわかると思いますが、Androidスマートフォンについて日本メーカーが完全に後れを取っていた頃に、特にドコモのスマートフォンを先頭に立って引っ張ったのも記憶に新しいところです。
現在も、その性能という意味では非常に高いものがあり、Galaxyシリーズを一度利用したらなかなかほかのメーカーを使う気にならないくらい使い勝手がいいという特徴があります。
Google・AndroidのリードデバイスであるNEXUSシリーズにも、サムスンもLGも採用されており、どちらも世界的にも有力なメーカーといえます。
ドコモによるiPhone採用後は、ドコモのGalaxyに対する対応が逆転してしまったため、日本での販売数も激減してはいるものの、実はGalaxyを利用したいというユーザーは少なくありません。そしてそういうユーザーにとって、Galaxyが韓国のSamsung製であるという点は問題にはなりません。
それはそれ、これはこれ、ということです。どこのメーカーが作ったものであろうが、いいものはいい、という感覚でとらえることができれば、Galaxyシリーズは特にAndroidスマートフォンの中でも、現在でもトップクラスを走るハイスペックスマートフォンといえます。
ただし、「格安スマホ」では決してないので、MVNOユーザーの中ではサムスンもLGも、なかなか選択肢には入りにくくはなっています。
むしろドコモで購入したGalaxyシリーズをそのまま使い続け、端末はそのままにMVNOに転出、というケースの方が考えられそうです。
2019年初頭、日韓関係は様々な問題で冷え込んでいます。
日本人として面白くない対韓国のニュースが日々飛び込んできますし、そういう報道を目にすると「韓国のスマホなんて使いたくない!」という気分にもなろうというものです。とてもよくわかります。
ただ、仮に韓国嫌いが高じて韓国のスマホを利用しなくなったところで、日本人のスマホライフにはもはや、韓国の存在は切り離せなくなってもいるわけです。
何のことか、というと、「LINE」の存在ですね。LINEの親会社は韓国のNAVERです。韓国製品は使いたくない、という理屈から行くと、LINEも使えなくなってしまいます。現状日本において、LINEを利用しないスマホライフが成り立つでしょうか。
つまり、国や政治の問題と、スマホやアプリ、その他製品全般においては、どうしても今この時代では切り離して考えざるを得ないのではないか、とも思うわけです。
韓国の政治的主張には全く納得できない、しかし、それはそれ、使いやすいGalaxyやLINEは普通に使う。そんな割り切った考え方も自分の精神の安定のためには必要ではないかとも思います。
台湾のスマホ代表ASUS(エイスース)・HTC
実は中国よりも韓国よりも、親日の度合いが強い国が台湾です。
自作パソコンユーザーにとっては馴染み深いASUS(エイスース)や、主にau向けに多くスマホ端末を供給しているHTC、一時期小型ノートブックで注目を集めたacer(エイサー)など、日本でもよく聞く名前のメーカーが多いのも特徴です。
SIMフリースマートフォンの中でもトップクラスの人気を誇る「ZenFone」はASUS製ですし、HTCもドコモにもスマートフォンを提供したことがありましたし(HT-03A)、auにもハイスペック端末を供給していました。
格安「Liquid Z330」を販売しているのはacerですし、格安スマホといえば台湾メーカーといっても過言ではありません。
日本においては中国メーカーと台湾メーカーは混同されがちですが、歴史的背景を見ても中国と台湾は分けて考えた方がいいので、どこが中国メーカーでどこが台湾メーカーなのかは、理解しておきたいところです。
アジアのスマートフォンまとめ
日本である程度知名度があるスマートフォンメーカーをまとめてみます。
中国 | 台湾 | 韓国 |
HUAWEI(ファーウェイ) | ASUS(エイスース) | Samsung(サムスン) |
ZTE | HTC | LG |
Lenovo(レノボ) | acer(エイサー) |
この中で、確固たる自社ブランドを持つのはASUSの「ZenFone」とSamsungの「Galaxy」くらいですが、ファーウェイも最近はかなりの数が日本では発売されていますね。
GalaxyとLGについては日本ではドコモのおかげでかなり知名度は上がっていますが、キャリア版以外の入手ルートが少ないので除外し、それ以外の直近の主要スマホをまとめてみます。
ASUS | Zenfone 5/Zenfone 2/Zenfone 2 Laser Zenfone Go/Zenfone Max/Zenfone |
HUAWEI | Ascend Mate7/P8 lite/GR5/Y6/MateS/honor 6 Plus |
acer | Liquid Z530/330/200 |
ZTE | Blade S6/Blade V580 |
HTC | Desire EYE/Desire 626 |
こうして並べてみると、やはり強いのはASUSとHUAWEIですね。
それぞれ台湾と中国メーカーですが、国産スマホと思っていたFREETELスマホが製造は中国だったり、大手キャリアから発売されている日本メーカーのスマホも実は中国で作られていたりという事実を踏まえると、もはや気にしても仕方がないレベルではないかとも思われます。
それでも外見としての発売元メーカーが海外製よりも日本製の方がいい、ということであればこだわってもいいでしょうが、実際のところそうしたこだわりはあまり意味をなさない時代になりつつあるのかもしれません。