「中国のスマホって情報抜かれるんじゃないの?」
これはスマホ選びの相談を受けるとき、今でもよく聞かれる質問です。2016年にこの記事を最初に書いたときは「懸念はあるが証拠は薄い、気持ちの問題でもある」という結論でした。ただ、あれから10年で状況はかなり変わっています。
今回は現時点の情報をもとに改めて整理します。結論を先に言うと、「中国スマホ一括で危険」でも「まったく問題ない」でもなく、メーカーと用途によって話がまったく違うというのが正直なところです。
そもそもなぜ「中国スマホは危険」という話になるのか
不安の根本にあるのは、2017年に中国が制定した「国家情報法」です。
この法律の第7条には「国民と組織は、法に基づいて国の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない」という趣旨の条文があります。つまり、中国政府から協力を求められた場合、中国の企業は拒否できない。そういう法的な枠組みが存在しています。
これが「中国メーカーのスマホを使うと、データが中国政府に渡るリスクがある」という懸念の出どころです。
ただし、ここで重要なのは「法的な可能性がある」と「実際にやっている」は別の話だということです。現時点で「Xiaomiがユーザーデータを中国当局に提供していた」という確証のある事実は公表されていません。一方で「絶対にない」とも言い切れない。これが今の正直な状況です。
ファーウェイ——日本市場ではすでに「別の問題」がある
格安スマホといえばファーウェイ、という時代がありました。2015〜2018年ごろの話です。当時の日本市場ではASUSのZenFoneと並んでSIMフリー端末の定番でした。
しかしファーウェイの状況は2019年に一変します。米国政府が安全保障上の懸念からファーウェイをエンティティリスト(取引制限リスト)に加え、GoogleがGoogleサービスの提供を停止しました。
この結果、現在のファーウェイのスマートフォンにはGoogle PlayもGmailもYouTubeも入っていません。
ファーウェイは独自OS「HarmonyOS Next」を開発し中国国内では4年ぶりに首位を取り戻していますが、日本市場向けのスマホはほぼ流通していない状態です。
つまりファーウェイについては、「情報漏洩が怖い」以前に「日本では普通に使えない端末」になっています。2026年現在、日本でファーウェイのスマホを新規購入するという選択肢はほぼ存在しないと思っておいていいでしょう。
Xiaomi・OPPO——今の「中国スマホ」とはこの2社のことだ
現在、日本の中国スマホ市場を実質的に担っているのはXiaomi(シャオミ)とOPPO(オッポ)です。
両社のスマートフォンはどちらもGoogleサービスに対応しており、Google PlayやGmailも普通に使えます。この点はファーウェイとはまったく状況が異なります。
Xiaomiの日本向けモデルは日本法人が販売・サポートを担当しており、技適も取得済みです。OPPOも同様で、正規の国内流通品については日本の法的要件を満たしています。
価格と性能のバランスは率直に言ってかなり優秀です。5万円前後の価格帯でXperiaやPixelの上位モデルと比肩するスペックの端末が出てきます。カメラ性能もここ数年で大幅に上がっており、「安かろう悪かろう」という時代は終わっています。
ではセキュリティ上の問題はないのか。これが難しいところで、Googleサービスが使える=安全というわけでもありません。プリインストールアプリの広告・データ収集機能については、国内向けモデルでも中国版よりは制限されているものの、他社比で多めという指摘があります。「個人情報はXiaomiに限らずスマホを使えばダダ漏れ」という極論もありますが、それは少し粗い整理です。
実際のところ「一般ユーザーの日常的な利用範囲でXiaomiやOPPOを使うことで特別なリスクがある」という根拠は現時点では示されていません。ただし、機密性の高い業務に使う端末として選ぶかどうかは別の話です。
「政府機関は使えない」と「一般ユーザーは危ない」は別の話
ここは混同されやすいので整理しておきます。
日本の政府機関や防衛関連・重要インフラでは、中国製機器の利用制限が広がっています。2021年ごろから調達基準の見直しが進んでいて、セキュリティ要件の厳しい用途での中国製デバイス使用は避けるべきとされています。
一方で、これは「一般ユーザーが個人でXiaomiを使うと危険」とは直接つながりません。政府や軍が扱う情報と、一般人がスマホで扱う情報とでは、リスクの性質がまったく違います。
「政府が使わない=危険=一般人も使うな」という論理は、少し飛躍があります。ただ、法的なリスク構造(国家情報法の協力義務)が存在することは事実なので、それを知った上で使うかどうかを判断する材料にしてほしいというのが正直なスタンスです。
Galaxyは「韓国スマホ」問題から解放されている
元記事では「韓国スマホを使いたくない」という感情と、LINEの話を絡めていました。LINEの親会社がNAVER(韓国)だというくだりです。
状況を2026年時点に更新すると、まずLGは2021年にスマートフォン事業から撤退しました。今は存在しないメーカーです。
Galaxyは今もSamsungが作っています。日本では一時期ドコモがiPhoneを採用して以降、Galaxyの存在感が落ちましたが、ハイエンドモデルの質は高いです。「韓国嫌いだからGalaxy使いたくない」という話については、10年前と変わらず「それは個人の判断ですが、製品の品質とは別の話」と言うしかありません。
ASUSのZenFoneについて
かつて「台湾製だから安心・コスパが高い」としてよく紹介していたASUSのZenFoneですが、2026年1月、ASUSの会長が「今後スマートフォンの新モデルを発表しない」と明言し、事実上の撤退宣言が出ました。理由はメモリの高騰とAI・PC事業への注力です。
既存モデルのサポートは継続するとのことですが、新しい端末が出ない以上、今からZenFoneを選ぶ積極的な理由はなくなりました。台湾製という安心感を求めていた方には残念なニュースです。
結局、どう選べばいいか
スマホの選択を国籍・製造国だけで決めるのは、2026年時点では少し難しくなっています。「国産なら安全」という話も、製造拠点が中国というケースは珍しくありませんし、Androidのコアを作っているのはGoogleです。完全に「安全な国」でできたスマホというものは、現実にはほぼ存在しません。
それを踏まえた上で、選び方のポイントを整理します。
Googleサービスが使えるかどうかを最初に確認してください。ファーウェイの現行モデルはこれが使えません。普通の日本人のスマホライフには適していません。
用途によって基準を変えることも重要です。仕事で機密情報を扱うなら、メーカーの国籍やセキュリティポリシーを調べる価値はあります。日常的な個人利用なら、XiaomiやOPPOを選択肢から外す強い根拠は現時点ではないと判断しています。
気持ちの問題は無視しないことも大事です。「なんとなく中国製は嫌だ」という感覚は、根拠のない思い込みとは言い切れない部分もあります。国家情報法という枠組みは実際に存在します。そのリスク感覚を持って使うかどうかは、最終的には個人の判断です。
コスパを優先するならXiaomiかOPPO、信頼性と安心感を優先するならPixelかXperia、予算を気にしないならiPhoneかGalaxy。おおまかに言えば今のスマホ選びはそういう整理になっています。


コメント
d-tab d-01G、d-01H、d-02HもHUAWEIですね。
補足ありがとうございます。
最近のドコモは、HUAWEI製端末は「HW」を冠せず、隠すようになりましたね。
ついでにLG製も、ディズニーモバイルの「DM」でよく隠していますw
今後はディズニーはメーカー問わずDMシリーズになります。
DM-01J、DM-01Hはシャープ製、DM-02HはLG製です。
今回のLG製はL-01Jです。
キッズも富士通製になり、HUAWEI製端末はタブレットとルーターのみになりました。
タブに関してはSONYは事実上の撤退状態、シャープも販売予定ありません。
富士通とHUAWEIしかありません。(iPad除く)
ドコモは売る気あるのでしょうかね。
中国製スマホのファームウェアにバックドアによる情報抜き出しは確認されてます。
こんばんは。
sharpも今や台湾です。
ここ数年海外で猛威を振るうOppo, Oneplusも中国。
海外では唯一の日本ブランド選択肢のSonyを頑張って買い支えていましたが、近年作りが今一つ。そこで台湾製に切り替えましたがHTCも近年不振で買える国が限られているので、Asusを買っています。他に選択肢がない。
Appleもバックドアがあるし、どこの製品にもあるかもしれませんが、中韓米よりはまだ日台を信頼しています。。。
確かに、確実に選択肢は減ってますよね。
ASUSは以前、ZenFone3を使っていましたが、結構お気に入りでした。
昔からPCのマザーボードなどでASUSは馴染みもありますし、親日の台湾はおっしゃる通り他よりはるかに信頼できます。
性能だけで言うなら、個人的にはGalaxyシリーズを本当はお勧めしたいんですが、情勢が情勢ですし、普段機種選びに国際情勢などはあまり気にしていない私でさえ
結構不愉快に感じるニュースも多いので、現状はちょっと厳しい感じです。
Xperiaに頑張ってもらいたいところですね。
p20liteをアマゾンで購入、4ヶ月後に更新ボタンを押したところHWのアプリが2個入れられました、そのうちの1つは消去出来ません、しかも、スマホの情報をアイルランドのHWに送る事に同意しろと言う内容、最近は個人情報収集に急いでいるようですね、もちろん機能停止にしましまがアプリが入った時点で抜かれているでしょう、余計な出費が増えました。キャリア向けと区別してるかな?
LINEなんて使ってないので特に…
使ってるのは情弱層だけでしょう…
問題なのは国民の大半が情弱層なこと…