既にドコモのdカード/dカード GOLDを所有している人からすると、「DCMXカードってまだあったの?」という印象を持っている人もいるかもしれません。
新規発行は終了していますが、既存でDCMXカードを利用しているユーザーは、引き続き次の更新まではDCMXカードをそのまま利用できるので、実は特に変更することなくそのまま利用し続けている人もまだまだ少なくない、というわけです。
DCMXカードの普及数は非常に大きく、その割には自らdカードに券面切り替えをする人の方が実は少数派なのかもしれません。
もちろん、DCMXカードよりdカードの方が何かとメリットがあるのは間違いないので、思いついたら是非早めに変更しておいた方がいいでしょう。
今回はそんな、DCMXカードの昔話から、現在のdカード/dカード GOLDへのアップグレードに至る道についての話をしていこうと思います。
まだDCMX利用中の方は、参考にされてみてください。
DCMXカードの思い出
DCMXカード、現在のdカードは、総契約数で数千万人以上のドコモユーザーが利用している、大人気クレジットカードサービスです。
DCMXカードのサービス提供が開始されたのは2006年のことですが、それ以前にもドコモでは、「ドコモカード」と呼ばれるクレジットカードの提供がなされていました。
ドコモ利用歴が長い人なら覚えている人もいるかもしれませんが、あくまで提携カードだったドコモカードから、「おサイフケータイ」との関連もあり、三井住友カードとドコモが共同開発したクレジットカードがDCMXカードです。この仕組み自体はdカードと名前を変えた現在も変わっていません。
開始当初のDCMXカードは、多数のキャンペーン等を展開しながら契約者数をかなりのハイペースで増やしていきました。
ポイント還元という観点から見れば、当時は「ドコモユーザーなら持っているだけでお得なクレジットカード」だったこともあり、ドコモショップでのかなり強力な拡販攻勢もあり、契約者数は一気に拡大しました。
ドコモユーザーであれば持たなければ損、と言われるまま、多くのドコモユーザーがポイントを貯めるためにDCMXカードの利用を開始しました。中には一度もクレジットカードとして利用することなく、ポイントを貯めるためだけに所有していた人も当時は少なくなかったのではないかと思われます。
積極的にiD/クレジットの利用を増やせば増やすほどお得さが増す現在のdカード/dカード GOLDの感覚では考えられないことですね。→「dカード GOLDの本当のメリット・お得さ詳細」
DCMXカードが契約数を伸ばすにあたって、とにかく販売窓口としてのドコモショップの役割は非常に大きなものでした。
まだスマホも普及していなかった頃から提供されていたDCMXカードにとって、日本全国に展開するドコモショップは何にも勝る大きな強みだったのです。
対面窓口があれば、その場で新サービスをしっかりユーザー相手に訴求することができます。タブレットやdマーケットサービス、そしてドコモ光が契約者数を飛躍的に伸ばしているのも、ドコモショップや家電量販店での販売力によるところが大きいと思われます。
そうして、瞬く間にDCMXの契約者数は増え、ドコモの契約とDCMXカードは、強力な結びつきを持つに至ったわけです。
おサイフケータイ利用による「iD」決済推進
契約者数がある一定水準を超えるまでは、当然のことながら契約数を増やすことに主眼が置かれていたためか、ユーザー目線で非常にお得なポイントシステムが採用されていました。
もちろん利用状況によってポイント付与数は変わりはするものの、持っていて損をすることはないという仕組みであったこともあり、よく内容を理解していない人でも、「少しでも余分にポイントが貯まるなら」ということで加入したユーザーもその当時は多かったと思われます。
しかし、契約者数が1000万を超え、1500万人をうかがう勢いで増えたところで、少しずつDCMXのポイントシステムは変更が入り始めました。
今では詳細は覚えていませんが、少しずつ少しずつ、ユーザー還元は減らされていきました。ドコモのポイントシステム自体、変更が入る時にはほとんどが改悪でした。
ユーザー数が増えたところで、DCMXの目指すところは会員数を増やすこと、という目的から、徐々に「決済利用を増やすこと」という目的に代わっていきました。
つまりは、DCMXカードのクレジットカードとしての利用、そしてケータイ・スマホによる「iD」の利用です。
ただこの当時、まだDCMXカードそのものでのiD決済はできなかったので、ケータイやスマホに設定をしないと、「iD」は利用できないという弱点がありました。この時点で「iD」の普及を阻んでいたのは、こうした内容も理由の一つかもしれません。
dポイントクラブへと名称が変わる前のドコモプレミアクラブもまた、仕組みを徐々に変えていきました。
サービスの歴史自体が長くなりつつあったので、変化は仕方ない部分もあります。時代に合わせて、内容は変えていく必要があるからです。しかしドコモユーザーにとっては、あまりうれしい変更をされた記憶はありません。
そしてDCMXカードは、さらに次のフェーズへと移っていきます。
DCMX GOLDです。
DCMXからDCMX GOLDへ
DCMXカードがある程度の契約数を達成したところで、次の段階として訴求が強まり始めたのがDCMX GOLD、現在のdカード GOLDです。
当初DCMX GOLDは年会費も15000円と高く、ゴールドカードとしてのステータスは得られても、コスト的なメリットはほぼ得られないクレジットカードでした。当然契約者数も、今のように多くはありませんでした。
ドコモはそこから、DCMX GOLDの年会費を現行の1万円にしたり、多数のキャンペーンを展開したりと、徐々にDCMXからDCMX GOLDへの移行を強めていきました。
dカードが開始される2、3年ほど前から、そのような傾向が顕著になってきていたような気がします。
そして、DCMXからdカードへの名称およびカード券面の変更に伴い、dカードのメリットをさらに減らし、その代わりdカード GOLDのメリットがさらに強化され、今に至ります。
ゆえに現在、dカードはdカード GOLDと比べて、お得感はかなり低めに設定されています。
その分、ドコモユーザーにとってはdカードよりもdカード GOLDが非常にお得なのです。
いまだ残るDCMXカード利用者
dカード/dカード GOLD | DCMX/DCMX GOLD ※初期版 |
|
ポイントカード機能 | あり | なし |
iD決済機能 | あり | なし |
クレジット決済機能 | あり | あり |
そんな経緯の中、DCMXカードを利用し続けている人もまだまだいるでしょう。
そのままDCMXから券面変更しなくても、仮にdカードに券面切り替えしたとしても、どちらにしてもポイントの付与率は以前のように高くはなりません。これはドコモプレミアクラブがdポイントクラブに切り替わったことによる弊害です。
そう考えると、わざわざ手間をかけてまでDCMXをdカードに変える必要性はないようにも思えます。
せいぜい「iD決済機能」が付与されたくらいの違いですが、DCMXカードも後期に申し込みをして発行されたカードの場合は、すでに「iD決済機能」に対応していますので、「iD決済機能対応DCMX」をお持ちの場合、それこそdカードに変更するメリットが減ります。
他に、DCMXカードに対するdカードのメリットとして明確に挙げられる点としては、dポイントカードとしての利用が追加されることくらいでしょうか。ローソンやマクドナルドで提示するだけでポイントを付与してもらえる、というやつですね。
仮に券面切り替えをせずにそのままにしておいても、やがてカードの更新期限がやってきますので、その時に自動的にdカードに変更にはなります。多くのDCMXカードユーザーはそれでいいと感じているのかもしれません。
しかし、それをあえて券面切り替えを検討するのであれば、やはりアップグレードを同時に行い、「DCMXカード」→「dカード GOLD」への変更がおすすめです。何故なら前述したとおり、DCMXからdカードへの券面切り替えにはメリットがほとんどないためです。
dカード GOLDへ変更するとどういう点がお得なのかは「dカード GOLDは本当にお得なのか」で完全解説していますので、確認していただければと思います。
変更自体は、WEB上から簡単に実施することができます。
関連記事:「dカード GOLD申し込みからカード到着まで」
DCMXからdカードへの券面変更とdカード GOLDへのアップグレードは違う
ここで、DCMXからの切り替えについて、勘違いされている方が多いポイントをまとめておきます。
まず、DCMXからdカードへの切り替えは、ただの券面変更なので、クレジットカード番号が変わることはありません。DCMX GOLDからdカード GOLDも同様です。そのため、手続き上の手間は皆無です。
一方で、DCMXからdカード GOLD、dカードからdカード GOLDへの変更は、アップグレード、という形になるため、クレジットカード番号も変更になります。そのため、公共料金など定期で支払い設定している料金については、改めて支払い設定をやり直す必要が出てきます。
家族カードに関しては、券面変更の場合も、アップグレードの場合も、それぞれに変更手続きが必要となります。ドコモショップであれば手続きの際に家族カードも変更したい旨を申告する必要がありますし、WEBで手続きする場合は各家族カード回線ごとに手続きが必要です。この点、やや手間がかかります。
ただし、DCMXの有効期限を迎えて、自動的にdカードに切り替わる場合には、本カードおよび家族カードまとめて自動的に変更手続きが実施されるため、ユーザー側の手間は皆無です。
券面変更手続きが面倒な方はそのままにしておけばそのうち勝手に切り替えてくれる、というわけですね。自分だけ先にdカードに券面変更しておいて、家族カードは切り替える必要がなければ放置しておいても問題ないということです。
ETCカードに関しては、完全に独立していますので、DCMX、DCMX GOLD、dカード、dカード GOLDに関わらず、そのままずっと手続き不要で使い続けることができます。
それぞれ、DCMXからの切り替え時、重要なポイントでもありますので、混乱しないように注意しましょう。
特に上記については、ドコモショップおよびdカードセンター/dカードゴールドデスクでも、誤った情報を教えられてしまうケースが結構多いので、上記の情報と異なる情報が出てきた場合、2度3度確認してみましょう。
ちなみに上記の情報は、それこそdカードゴールドデスクにて、二転三転した上で確認してもらった情報ですので間違いありません。
DCMXから未来へ
今現在、DCMXカードを所有している人は、少なくとも2015年11月以前にDCMXの申し込みをしたユーザーです。
保管状態によっては傷や汚れも気になり始めているのではないでしょうか。
dカードおよびdカード GOLDへの切り替えなど、そんな簡単なきっかけでも十分だと思います。
ポインコがデザインされた、かわいいカードがほしい、という動機でもいいでしょう(※もちろんノーマルもあります)。
DCMXは、もう十分役割を果たしてくれました。そしてdポイントの世界は、ますます広がりを見せています。
dカード/dカード GOLDであれば、dポイントをローソンやマクドナルドなどのお店でそのまま付与してもらうこともできます。
DCMXを懐かしみながらも、ここはよりドコモのサービスを最大限活用することができるよう、未来を見据えていきたいところです。
未来につながる新しいdカード/dカード GOLD。
最近はドコモはじめケータイキャリアを巡る動向が目まぐるしく動いています。そんな時だからこそ、チャレンジするならdカード GOLDの入会&利用特典などキャンペーンが実施されている今しかありません。
以下公式サイトよりさらに詳細な内容を確認してみましょう。
DCMXってあったよね、と懐かしむ醍醐味
そもそもこの記事を読んでくださった方は、現在まだDCMXを利用されているか、またはかつてDCMXカードを利用しており、懐かしく読んでくださったかのどちらかではないかと思います。
もし、後者の場合であればなんとなく伝わるのではないかと思うのですが、長く同じキャリアを利用していると、「そうそう、そんなサービスあったよね!」と、ついつい話したくなるサービスがあったりするわけです。
DCMXは、まさにそうしたサービスの一つであり、dカード含め利用者もかなり多いことから、わかっていただける方もそれなりに多いのではないかと考えています。
皆様で、過去のドコモのサービスの良かったところ、悪かったところなどを思い出しながら昔語りするのは、なかなか楽しいことではないでしょうか。
「DCMX」をきっかけに、「あの頃は~」などと、知人友人家族の方々と、昔話に花が咲けば幸いです。