久しぶりにarrowsの新機種が富士通コネクテッドテクノロジーズより登場しました。
ドコモより発売されるのはちょうど一年前、2018年夏に発売されたarrows Be F-04K以来ということになります。
今回のarrowsの名称は「arrows Be3 F-02L」です。
2019年6月以降、ドコモから「docomo with」がなくなり、月々サポートも端末購入サポートもなくなり、全体として機種購入がしにくい環境になってしまいました。その中で、安価で性能も高いarrows Be3は、非常に高い人気を維持し、トップクラスの売れ筋機種となっています。
2019年10月は、ドコモオンラインショップにおける月間売れ筋ランキングで、ついに1位を獲得しました。
実際に機種変更し、触ってみた感想を踏まえて、内容を確認していきます。
関連記事:「ドコモ・2019-2020年冬春モデル 新機種の選び方」
arrows Be3の特徴まとめ
今回のarrowsのキャッチコピーは、「画面割れに強く、文字も見やすい、日本製スマホ」です。
arrows NXの流れのフラッグシップモデルがまたも見送られてしまったのは非常に残念ですが、arrows Beの後継機として、その特徴をしっかり継続している印象です。
価格帯はやはりかなり安めの3万円台前半なので、初めてスマホを持つ方、年配の方でらくらくスマホは持ちたくない、という方にも非常に便利に安心して使えるスマートフォンとなっています。
まずはその特徴を改めて拾いだしてみます。
【使いやすくてあんしん信頼の日本製スマホ。】
arrowsは、「Made in JAPAN」です。日本メーカならではのこだわりがたくさんあり、高品質・高信頼のスマホです。
スマホははじめて、という方にとって、外国製のスマホは、なんとなく抵抗があるものだと思いますが、その点arrowsなら安心です。
【画面割れに強く、あんしんして使えるarrows】
頑丈さを維持する新しい構造で、美しさと強さを両立しています。泡タイプのハンドソープで洗える清潔スマホという特徴は、前機種arrows Be F-04Kから引き続き継続しています。
【徹底的にこだわった文字の読みやすさ】
arrowsの独自機能「Exlider(エクスライダー)」で文字を簡単拡大ができます。
有機ELディスプレイでコントラストはっきり、文字が非常に見やすいのが特徴です。
arrows Be3 F-02Lの外観
ドコモオンラインショップより送られてきたarrows Be3は、いつも通りの箱に入っていました。
背面両サイドに丸みがあり、F-04Kと比べても非常に持ちやすくなりました。
イヤホン端子も対応しています。充電端子はUSB Type-Cです。
ディスプレイに向かって右側に、電源キーとその下にボリュームキーです。反対側の左側には、キーは何もついておらず、スッキリしています。
SIMスロットは上部にあり、指で開閉できます。microSDカードも一緒に入れられます。
arrowsのこだわりポイントの一つ、ワンセグアンテナ内蔵です。もう他の機種で、テレビのアンテナを内蔵しているモデルはなくなりました。
ストラップホールも最近はほとんどなくなってきています。ここもarrowsのこだわりポイントです。
前機種、arrows Be F-04Kと並べてみました。右がarrows Be3 F-02Lです。全体の大きさはほぼ変わらず、上下のベゼル部分がかなり狭くなり、その分ディスプレイが大きくなりました。
2019年夏、注目の1台、Xperia Ace SO-02Lと並べてみました。ボディの大きさもディスプレイも、arrowsの方が大きいです。逆に言えば、Xperia Aceの方がコンパクトです。
スタンダードモデルの人気機種と並べてみました。左から、arrows Be F-04K、arrows Be3、AQUOS sense2、Galaxy Feel2です。
arrows Be3は、持った感じも大きさも価格も、AQUOS sense2に近い感じかもしれません。arrows Be3の優位性としては、やはり「割れにくい・洗える」というところですね。
arrows Be3のこだわりポイント「見やすさ」
arrows Be3は約5.6インチ フルHD+有機ELディスプレイ
2018年夏モデルのarrows Be F-04Kのディスプレイは約5.0インチでしたので、これと比較するとディスプレイサイズは約5.6インチと、かなり大きくなっています。大きい文字を見るにも、画面が大きい方がより見やすいですし、より多くの情報をスムーズに見ることができます。
高精細な画面解像度のフルHD+を採用し、よく「割れやすい」と言われる有機ELディスプレイでありながら、「割れにくい」という特徴を実現しています。
F-04Kで微妙に上下のベゼル部分にスペースがとられているのは、以前富士通の方に話を聞いた際に、「技術的にはベゼルレスのディスプレイにすることも可能だが、それでは持ちにくいと感じる人もいるため、あえて残している」と言われましたが、今回はかなりベゼルを狭くしてきています。需要がより大画面へと変遷してきているということでしょうか。
arrows Be3・使いやすさへのこだわり
arrows Be3の使いやすさへのこだわりポイントをまとめておきます。
・おサイフケータイ
・防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X)/耐衝撃対応
・Super ATOK ULTIAS
・大容量2,780mAhバッテリー
・ストラップホール&イヤホンジャック
・背面に移動した指紋センサーとExlider
・ワンセグ対応と内蔵アンテナ
arrows Be3のおサイフケータイ
おサイフケータイについては、もはや当たり前と言ってもいいくらい標準でどの機種にも搭載されている機能です。キャッシュレス決済がいよいよ本格的に普及してきている今、うまくおサイフケータイも活用できれば利便性は飛躍的に高まります。
dカード GOLDを利用して「iD」を設定しておけば、財布を持っていなくてもいつでも好きなときにarrows Uを使って「iD」対応店舗で買い物ができるようになります。加えてポイントも貯まりますし、非常にお得です。→「dカード GOLDは本当にお得なのか」
arrows Be3の防水・防塵・耐衝撃
防水防塵機能についても、今の流れでは対応していない方が珍しいですが、arrows Be3ではさらに一歩進んで、MIL規格準拠による耐衝撃性能をも有しています。
耐衝撃があるから落としてもいい、というわけではありませんが、それでも安心度は格段に変わってくると思います。スマホ本体の価格の高騰不安もある現在、頻繁に買い替える必要がなく、長く安定して利用できる機種は人気を集めてくると思います。
Super ATOK ULTIASは非常に便利
個人的に、ずっと以前からAndroidスマホでは有料版のATOKを購入して利用しているのですが、本当に便利です。
その有料版のATOKと同じように、またはそれ以上に便利に利用できるのが、arrowsに搭載されている、Super ATOK ULTIASです。
これだけでも一定の利用価値があります。自分の使いやすいようにカスタマイズしたテンキーによる文字入力は、スマホの使いやすさを格段に向上させてくれます。
arrowsを利用したら必ず活用していただきたいポイントの一つと言えます。
バッテリー容量と電池の持ち
バッテリー容量に関しては、2,780mAhで「大容量」、とは正直もう言えないのではないか、と思うのですが、足りないかというとそんなことはなく、十分すぎる容量だと思います。
大事なのはバッテリー容量よりも電池の持ち時間なのでそちらを確認してみたところ、約130時間でした。十分ですね。
ちなみに前機種F-04Kも約130時間でしたので、電池の持ちに関しては大体同水準ということができそうです。F-04Kは2,580mAhで約130時間だったことを考えると、もう少し持ってもいい気もしますが、そこは全体の性能が上がっているので仕方がないところです。
ストラップホール&イヤホンジャックはarrowsの伝統
最近のスマホでは、ほとんどの機種でストラップホールはなくなってしまいました。
イヤホン端子に関しても、iPhoneやXperiaなど、搭載しない機種も増えてきており、これを好意的に捉える方もいれば、逆に不便になったと感じている方もいます。
arrowsでは、ストラップホールとイヤホンジャックはある種のこだわりの一つでもあり、過去機種でもしっかり搭載しているのですが、今回もそのまま採用となっています。この辺り、日本人のためのスマホを作る、「富士通コネクテッドテクノロジーズ」という日本メーカーであるが故のこだわりでもあると言えそうです。
背面に移動した指紋センサーとExlider
arrows Be F-04Kでサイド部分にあった指紋センサーは、背面へと移動しました。
同時に、同じサイドで利用できたExlider機能も、背面に移りました。
指紋センサーを長押しするだけで、画面を拡大することができたり、Exliderは今までの上下だけでなく左右にも動かすことができるようになり、使い勝手が向上しています。
ワンセグ対応と内蔵アンテナ
間違いなくarrowsのこだわり、と言える部分の一つが、ワンセグと、その視聴のための内蔵アンテナです。
もう他の機種で、テレビに対応していたとしてもアンテナを内蔵型にしている機種はありません。
ではなぜいつまでもarrowsがワンセグアンテナの内蔵にこだわるのかというと、それはやはり、災害時のためです。
ワンセグアンテナが内蔵されていれば、災害時にアンテナが見つからなくても、テレビを視聴することができ、情報を集めることができます。
やはりそうした万が一の災害時にも備えてくれているというのは、日本製であるがゆえと言えます。
arrows Be3のカメラはやや向上
arrows Be3では、カメラ性能も前機種よりも上がっているということでしたので、実際に試してみました。
とりあえずF-04Kと比較しながら撮影したのですが、進化を少し感じにくくはあります。単純に明るさ、という意味では、むしろ若干F-04Kが明るく撮れる気もします。ただ全体のバランスはやはりarrows Be3という感じでしょうか。不自然に明るすぎたところが調整されて、自然な感じで写るようになった、という印象です。
細部の表現は、それほど変わっていませんが、何枚も撮影していると、やはり色合いの差が感じられますね。どちらのカメラを選ぶか、と言われたら、これは完全にarrows Be3です。
暗所での撮影は、そこまで大きな差はないような気がします。好みの差というか、判断が難しいところです。
もし、arrows Be F-04Kを利用していてカメラに不満があった、という人がarrows Be3にした場合、満足と感じられるのは5割いるかどうか、という感じでしょうか。それくらいの差、と考えていただくといいかと思います。
もちろん、通常利用でそれほど画質にこだわりがなければ、十分すぎる写真を撮影できます。
arrows Be3のはっきり文字とくっきり表示とExliderで文字の見やすさには完全対処
arrows Be3には、「はっきり文字」、「くっきり表示」、そして「Exlider」という機能が搭載されています。
どれも、一言で言えば文字を見やすくすることができる機能なのですが、使用方法がそれぞれ異なります。
ステータスバーを見ると「Exlider」、「はっきり文字」、「くっきり表示」が並んでいるのがわかると思います。
それぞれをONにすることで、設定は完了です。はっきり文字をONにすると、全体の文字が大きくなるので、1画面内に収まる文字が少なくなります。
Exliderはどの場面でも利用できますが、くっきり表示はインターネット利用中に読みにくい文字があった際に使う形になります。基本的にはAIで自動的に判断してくれるということですが、見えにくいと感じた時に自分で手動でアイコンをタップする方が簡単な気もしました。
それぞれ実際に試してみましたので、以下の動画を参考にどうぞ。
【はっきり文字とくっきり表示】
【Exlider】
arrows Be3の主なスペック
最後に、arrows Be3の主なスペックをまとめておきます。
サイズ | 約70× 147 × 8.9mm |
重さ | 約145g |
バッテリー容量 | 2780mAh |
CPU | Snapdragon450 |
メモリ | RAM:3GB ROM:32GB |
外部メモリ | microSDXC |
ディスプレイ | 約5.6インチ 有機EL フルHD+ |
メインカメラ | 約1220万画素 |
インカメラ | 約810万画素 |
テレビ | ワンセグ対応 |
防水 防塵 | IPX5/IPX8 IP6X |
おサイフケータイ | 対応 |
価格 | 33,048円 |
発売日 | 2019年6月7日 |
全体として目を引くスペックはそれほど多くはありませんが、使いやすさ・安心感にこだわった機種として、初めてスマホを利用する方、学生の方、年配の方など、幅広い層で検討対象になる機種、ということができるのではないでしょうか。
arrows Be3は「いいところ」をそのままに進化したスマホ
今回もarrows Be3はスタンダードモデルとして登場していますので、驚くような、目を見張るような特徴、というものは多くはないかもしれませんし、見方によっては「前回とそう変わっていない」、と感じられてしまうこともあるかもしれません。
ですが、ここはむしろ、好評だからこそ変えなかった、という部分が多い、ということです。確かにその通りだと思います。
いいところは残しながら、さらに大型化したディスプレイや操作性の向上、AIカメラによるシーン認識の進化など、細かいところで今まで以上に使いやすくなっています。
何より、価格が非常に安いです。
安心して購入できる日本製・初めてのスマホとして、しっかりチェックしておきましょう。