2017年9月1日より、かねてより周知されていたシェアパックにおける回線ごとのデータ容量上限設定「データ量上限設定オプション」が開始されています。
よくあることですが、ドコモ公式サイトの「お知らせ」や「報道発表資料」で9月1日に周知されていなかったため、今まで気づくのが遅れてしまいました。8月25日に周知されていました。
ユーザーによっては待ちに待ったサービスとも言えるため、できればもう少しわかりやすく開始を周知してもらえれば、というところです。
ということで、データ量上限設定オプション。
シェアパックユーザー、特にシェアグループ内に常に大きなデータ容量を消費するユーザーが存在するグループの人たちにとっては要注目のサービスです。
何がどう注目なのかというと、データ容量を常に使いすぎるシェアグループユーザーの上限容量を、個別に設定することが可能になるため、それ以外のユーザーの使い勝手が大きく向上する可能性があるのです。
よくあるパターンとしては、家族でシェアパックを利用しているけれども、いつも子供が大きな容量を使ってしまうので困っている、というようなパターンです。
または、逆に大容量を使ってしまうユーザーが存在していることを知っていたために、あえてシェアパックを利用していなかった人たちにとっては、改めてシェアパックを利用するためのきっかけになるかもしれません。
詳細内容を検証していこうと思います。
シェアパック・データ量上限設定オプションの仕組み
従来のシェアパックの仕組みとしては、例えばシェアパック15を例にとると、シェアグループ内全回線合計で15GBを一ヶ月の間に利用可能なのですが、回線ごとの利用制限は存在していませんでした。
例えば4回線でシェアパック15を利用している場合、15GBを4回線で利用していくことになりますが、4回線A/B/C/Dの中でそれぞれ均等に分けた3.75GBをそれぞれ利用できるというわけではなく、Aが10GB、Bが3GB、Cが1GB、Dが1GBというように、それぞれの回線の利用容量は自由であり、誰かがたくさん使えばそれ以外の人たちは使える容量が減ってしまうという仕組みでした。
そのため、シェアグループ内での容量の使い方はそれぞれ相談して決めておくしかなく、それを守れないユーザーが存在しているとどうしても他のユーザーに影響が出てしまうというマイナス要因がありました。
そうなると、例えば毎月必ず10GBを使ってしまうA回線をシェアグループに残しておくことができなくなり、A回線だけ独立させて他の3回線はシェアパックのままにしよう、という話になってしまっていたわけです。
こういうケースに対応できるのが、今回開始されたデータ量上限設定オプションです。
今までは中学生の息子が毎月10GB利用していて困っていた、という場合に、シェアパックグループ内で、回線ごとの上限を設定することが可能となります。
中学生の息子は使いすぎないよう上限を3GBに設定し、高校生の娘には5GBを設定、両親の利用に対しては上限なしで利用することができるようにする、というような個別設定ができるようになるわけです。
ということは、息子と娘の回線で合計8GBが上限であり、とりあえず最低7GB分の猶予が残せるわけですが、その分が両親が利用できる容量になります。
もちろん、息子と娘の利用が余れば、その分も両親が利用できます。トータルで余った分は1GB単位で繰り越しとなります。→「ドコモのパケットくりこしを理解する」
データ量上限設定オプションの申し込み
ドコモのデータ量上限設定オプションは、ドコモショップおよびMy docomo、ドコモインフォメーションセンターで申し込みすることが可能です。
My docomoから申し込みをする場合には、「ドコモオンライン手続き」の中の「データ量上限設定オプション」から申し込みすることが可能です。申し込みを完了させた後に、再度My docomoより、回線単位の上限設定を実施することができます。
シェアパック関連の手続きをMy docomoで行う場合、注釈の多さにげんなりしてしまい、注意点を見逃してしまう可能性があるため、念のために注意事項はしっかり読んでおくのを忘れないようにしましょう。
よくわからない場合には、あえてMy docomoでの手続きを選ばず、ドコモショップで手続きをしてもらった方がわかりやすいかもしれません。
分割請求回線も指定可能に
2017年9月1日より、データ量上限設定オプションの開始と同時に、分割請求オプションの内容が改定され、シェアパック利用分の分割請求回線を指定することができる「シェアパック分割請求オプション」が開始されました。
注意点としては、データ量上限設定オプションとシェアパック分割請求オプションは重畳契約不可なので、どちらかを選択する必要があります。
今までの分割請求オプションは、シェアグループ内のシェアパック料金とシェアオプション料金をすべて合算し、それを均等に割る形になっていました。
これが、9月1日からは、例えばシェアグループ6回線のうち4回線を分割請求均等割りにし、残り2回線は個別にシェアオプション500円分をそれぞれ支払うようにすることができるようになるわけです。
利用用途としては、両親と既に働いている子ども2人、合計4人分は均等に割りたいけれど、まだ大学生の子供二人に対しては、負担が大きくならないようにシェアオプション500円のままで若干安めの設定にしておいてやりたい、というようなケースで利用することができそうです。
実際の請求を一括にするか個別にするか、また、データ量上限設定オプションでデータ容量上限をそれぞれ設定するかを選択できるようになるため、選択の幅は広がります。
ただ前述したように、例えば一つのシェアグループの中で、ある回線は分割請求オプションを利用したいのだけれども、1回線だけはデータ量上限設定オプションを利用したい、というケースには対応できないので、その点だけは要注意です。あくまでシェアパックに付加できるオプションとしてはデータ量上限設定オプションかシェアパック分割請求オプションかのいずれかとなります。
シェアパックは今まで以上に組みやすくなった
今回の二つのサービス追加によって、シェアパックは今まで以上に自由度が高まり、非常に組みやすくなりました。
家族はドコモを利用しているけれども、同居しているわけではないのでシェアパックは組んでいない、という人も少なくないと思いますが、そういうケースでもシェアパック分割請求オプションをうまく活用することで、より総合的な料金を有利に活用することができるようになります。
何故なら、ドコモのシェアパックはとにかく回線数が多ければ多いほど有利だからです。
そして、シェアパックを組むことで、今まで単独回線では利用したくても利用できなかった、「シンプルプラン」を利用することが可能になるわけです。
しかも、もしドコモ光をシェアグループの誰か一人でも利用していればドコモ光パックの恩恵を受けられますし、複数回線ドコモ光の利用があれば、「光☆複数割」も適用されます。
シェアパックを組み、なおかつ分割請求オプションを利用せずに代表回線に支払いを集中させれば、dカード GOLD利用時のポイント付与も非常に大きくなります。
損をするようなところが見当たりませんね。
今までシェアパックを度外視していた人も、これを機会に改めて、検討しなおしてみてはいかがでしょうか。