ドコモのサービス情報の裏

ドコモの「パケットくりこし」を理解する

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ドコモの料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」において、高速通信でひと月あたりに利用できるデータ容量はプランごとに定められています。

データSパックなら2GB、データMパックなら5GB、ウルトラシェアパック50なら50GB。それぞれの規定容量の中では、ドコモの高速通信LTEを存分に利用できるようになっています。

ただ、場合によっては、思ったほどデータ容量を消費せず、余ってしまう場合もあると思います。

そうそう毎月都合よくちょうどいい容量を利用するとは限らないので、逆に足りなくなることもあると思います。

データ容量が足りなくなった時に利用したいのは、スピードモード1GB追加オプションですが、逆に余った場合にはどうするのかというと、パケットの「くりこし」サービスが存在します。

くりこしをうまく活用できればよりお得にもなりますし、逆にくりこしが活用できていないと非常にもったいない場合もあります。

月末には特に注意したい、ドコモのパケットくりこしについて、改めて検証していきます。

 

ベーシックパック/ベーシックシェアパック」ではパケットくりこしは適用されません。→「ドコモのベーシックパック/ベーシックシェアパックを完全理解する

新プラン「ギガホ/ギガライト」でもパケットくりこしは適用されません。→「ドコモのギガホ/ギガライトをわかりやすく完全解説

ドコモのパケットくりこしとは

ドコモにおけるパケットくりこしとは、カケホーダイプラン・カケホーダイライトプラン・シンプルプラン・データプランのいずれかを利用しており、データSパック以外のパケットパック・シェアパックを利用していて当月のデータ容量が余った場合に、翌月に1GB単位で繰り越しされ翌月末まで利用できるサービスを指します。

容量が実際に余った場合には自動適用されますので、特別な申し込みは必要ありません。

例えば、データMパック(5GB/月)利用で、当月利用分が3.2GBだった場合、余りの1.8GBのうち1GB未満は切り捨てとなるため、0.8GBは切り捨て、残り1GBが翌月末まで繰り越しとなります。

同じようにウルトラシェアパック50を利用しており、当月利用分が41.4GBであれば、余った8.6GBのうち繰り越し分は8GBとなります。

 

「パケットくりこし」の条件をもう一度まとめておきます。

 

・データSパック以外のパケットパック・シェアパックの利用(データSパック/ベーシックパック/ベーシックシェアパックはくりこし対象外

・余ったデータ容量を1GB単位で繰り越し(1GB未満は切り捨て)

・くりこししたデータ容量は翌月末まで利用可能

・各種キャンペーン等で適用されるボーナスパケットはくりこし対象外

 

パケットパックのプランを変更するとくりこし分は消滅する

ドコモの「パケットくりこし」の概要は理解できたのではないかと思いますが、では、次のようなケースはどうでしょうか。

 

・ウルトラデータLパック(20GB/月)を現在利用しており、データ容量がかなり余っている。そのため、翌月はデータMパックに一つ容量を落とそうと思って変更した。

 

つまり、当月ウルトラL、翌月データMというパターンです。ウルトラLでかなりの容量が余っているのですから、その分がそのままくりこしすると考えれば、翌月がデータMで5GBだとしても、くりこしした分を加えればかなりの容量が使えるはずです。

ですが、このケースでは、パケットくりこしは適用されません。

次の一文に集約されます。

 

「パケットパックを変更、または「2台目プラス」をご契約・廃止された場合、その時点で前月からのくりこし分は消滅します」

 

つまりは現時点で利用しているパケットのプランを変更した場合、翌月へのくりこしはしないということです。大きな容量のプランを利用していてかなり余ったからプランを下げるということはもちろんできますが、くりこしはしない、ということです。

そういう意味では、ユーザーの都合のいいようにはいかない仕組みになっています。

 

くりこしに関連する、利用データ量の優先順位

ドコモのパケットくりこしを理解するにあたって、押さえておきたいのが利用データ量の優先順位に関してです。

毎月のデータ容量がどの順番で利用されていくのかによって、繰り越される容量も変わってくるため、非常に重要です。

以下、優先して利用されるデータ量順に並べてみます。

 

1.契約しているパケットパックの利用可能データ量

2.ボーナスパケットの利用可能データ量

3.くりこし分の利用可能データ量/前月の追加購入データ量

4.当月の追加購入データ量

 

この優先順位を見れば明らかですが、最も優先して利用されるのは「当月の契約パケットパックの容量」ということになります。

つまり、データMパックを契約中なのであれば、利用可能なデータMパック標準の5GBが最優先で利用されることになります。

仮に前月分からのくりこしがあっても、U25応援割のボーナスパケット1GBがあっても、それらよりも先に5GBが利用・消費されます。

このことがどういう意味を持つのかというと、「基本となるデータ容量から消費してしまうため、せっかくくりこし分やボーナスパケットがあっても、さらに次の月へのくりこしまで回る可能性が劇的に低くなってしまう」ということです。

つまり、この状態でさらに次の月へのくりこしが発生するケースとしては、基本の5GBのうち、1GB以上が余るケースでなければくりこししないわけです。つまり、当月利用容量が3.8GBだった、というようなケースですね。

となると、せっかくボーナスパケット1GBを持っていても、前月からのくりこしが2GBあったとしても、それらをまったく利用することなく余らせた状態でなければ次へのくりこしはできないというわけです。

前月からのくりこし分やボーナスパケットまでしっかり活用しようと思ったら、基本の5GBは当然使い切ってしまい、さらにボーナスパケット1GB、くりこし分という形で合計6GB、7GBと使う必要があるわけです。

そこまで使ってしまえば基本の5GBはもちろん使い切っていますし、仮にボーナスパケット分やくりこし分を使い切れなかったとしても、それがさらに繰り越されることはありません。

すなわち、最大限にパケット容量を有効活用していくケースにおいて、「2ヶ月連続でくりこしされることはない」ということが言えます。

ありがたいのかありがたなくないのかよくわからないドコモのくりこしシステムといえます。

 

実は、本当にユーザー目線で考えてくれているのであれば、利用データ量の優先順位は逆であるべきなのです。

つまり、最初にボーナスパケットや前月のくりこし分から優先して消費していく形であれば、基本データ量が最後に残るため、毎月くりこしを繰り返すということが可能になるからです。

しかしそういうシステムにはなっていませんので、ここはあきらめるしかありません。

 

3キャリアでは最も不利なドコモのくりこし

パケットのくりこしに関しては、ドコモだけでなく、au、ソフトバンクも当然実施しています。

ただし、その3キャリアの中でくりこしの条件が最も厳しいのは、実はドコモだったりします。

どういう点がドコモが不利なのかというと、くりこしされる容量の単位です。

 

ドコモは前述したとおり、1GB単位でのくりこしとなります。

ソフトバンクの場合、100MB(0.1GB)単位でのくりこしが実施されます。つまりドコモより10分の1、細かく刻んで繰り越ししてくれるわけです。

これがauになると、余った分は1バイトからすべて繰り越しされます。これはすごいです。まったく無駄がありません。

つまり同じ5GBのプランを選択していたとして、仮に4.31GBの利用があった場合、ドコモではくりこしなし、ソフトバンクでは0.6GBがくりこしされ、auなら余った0.69GBすべてくりこしされます。

 

ただし、ソフトバンクにしてもauにしても、優先されて利用する容量はドコモと同じように基本となる容量からなので、やはり毎月くりこしを繰り返すという状況は生まれにくくはなっています。

 

ドコモの新プラン・ギガホ/ギガライトではパケットくりこしは対象外

ドコモの新しい料金プラン・ギガホ/ギガライトが発表されていますが、どちらのプランともパケットくりこしには対応していません。

ギガライトはベーシックパック同様段階制プランなので、そもそも「パケットが余る」という発想自体がなく、ギガライトについてはくりこしに対応していても良さそうなものではあるのですが、残念ながら対象外ということです。

パケットくりこしを想定して新プランの申し込みをしないように注意しましょう

 

細かい容量を使いたいなら格安SIMを併用する手もある

以上みてきたように、各社のくりこしはそれぞれ有利不利の違いはあれ、毎月くりこしを続けていける内容ではありません。

そのため、もし繰り越しを細かくやりくりしないといけないような状況なのであれば、あえてメインのドコモやau、ソフトバンクのデータ容量を一つ落とし、MVNO・格安SIMを併用するという手もあります。

データプランで利用すれば、月あたり3GBで900円前後が最近のMVNOの平均的な相場です。

大容量を一気に利用したいのであれば、ウルトラデータLパックやウルトラシェアパックなど大容量プランを利用する方が効率がいいかもしれませんが、細かく容量を追加するならMVNO・格安SIMが最適です。

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