シェアパックの子回線で運用していたiPadのプランを、ギガホに変更してみました。
何故ギガライトではなくギガホにしてみたのかというと、ギガライトは基本的にベーシックパックと同じ段階制プランで、変更してみたところで特に何かが変わるわけでもないので、単純に必要性を感じませんでした。
一方でギガホの場合、どういう利用で実際に30GBを使い切ることができるのか、また、上限を超えて速度制限がかかった場合の1Mbpsはどれくらい使えるのかを実際に試してみたい、という目的があったため、あえてギガホに変更してみたわけです。
おかげで残り21ヶ月分くらい残っていた月々サポートはなくなりましたし、毎月の料金はシェアパックから抜けたので高くはなるしでお得なところは一つもありません。あくまでネタとして変更しただけなので、特に月サポ途中の方や端末購入サポートの規定利用期間内の方は、決してマネされないようにしてください。
では、実際にギガホに変更してみて数日、感じた内容について解説していきます。
ギガホに変更してみての最低料金
実際にドコモのギガホに変更してみて、何か変化を感じることができるかというと、当然のことながら全く気づくことはありません。
実際にマイドコモで確認してみて、初めて本当にギガホに変更になっていることに気づけるくらいです。
利用料金はまだ概算ですが、9月分で8%の税込みで4,301円と出ています。
内訳は以下の通りです。
ベースとなるギガホの料金が、spモードを含んで6,980円、そこにみんなドコモ割(3回線以上)により1,000円引きとなり5,980円。さらにドコモ光セット割とギガホ割によって3,980円となります。これに消費税8%を加えてユニバーサルサービス料を加えると4,301円になります。
概算とはいえ、ここから変動することはないと思います。
通話のプランとして「5分通話無料オプション(700円)」と「かけ放題オプション(1,700円)」が用意されていますが、どちらも利用していません。ケータイ補償も付けていません。それらの利用があると、料金としてはさらに上がります。
もっと言うなら、ドコモ光を利用していなかったり、ファミリー回線が3回線未満だった場合には上記の割引が適用しないので、結果料金はやはり上がります。
つまり、上記でご案内した私の現在の料金は、「ギガホとしては最低ラインの料金」、と言えます。
みんなドコモ割・ドコモ光セット割と違い、ギガホ割は期間限定なので、それが終了した後は、月額料金は1,000円ほど上がります。逆にすべての割引きが適用できなかった場合の料金を考えてみた場合、ベースとなる6,980円にかけ放題+ケータイ補償1,000円(iPhone XSの場合)と考えると、月額料金は9,680円となります。
そう考えていくと、人によっては決して安い料金ではなくなってしまいます。
ただ、従来のプランでカケホーダイプラン+30GBのウルトラデータLLパックを利用すると考えると、月額料金は11,000円です。そこと比較するとむしろ安いです。
ギガホの場合は月間30GB利用することができてそれをオーバーしても1Mbpsで利用できる、という利点もあるので、その辺りも含めてお得なのか、オトクじゃないのかの判断をしてみましょう。
30GBのデータ容量を使い切るため動画をひたすら再生してみる
ドコモの場合、MVNOのように通信の高速と低速の切り替えをすることができないので、1Mbpsを試してみるためには30GBを利用しつくして上限を超過するしかありません。
ということで、もちろんWi-Fiは一切利用しないようにし、常に4G/LTEでドコモの通信容量を色々と使ってみたのですが、普通にインターネットを利用したりSNSを利用したりする程度では、月30GBは到底使いこなすことができそうにありませんでした。
そこで、やはり容量を消費するための一番の方法は「動画視聴」なので、これを試してみることにしました。
まず試してみたのはdTVとdアニメストアです。
HD | すごくきれい | きれい | ふつう | |
dTV | 約1.4GB | 約700MB | 約250MB | – |
dアニメストア (スマホ/タブ) |
約800MB | 約600MB | 約220MB | 約140MB |
dアニメストア(PC) | 約1.4GB | 約740MB~1.2GB | 約600MB | 約200MB |
動画は、単純に映像がきれいになればなるほど、容量が増えます。逆に言えば、容量を抑えたいなら映像の質を落とせばいいということです。
今回私はYoutubeを利用して容量を消費しましたが、大体高画質の設定に変えて、1時間1GBくらい、と考えると良さそうです。
つまり、ギガホの30GBを消費してしまうためには、約30時間ほど高画質動画を見る必要があります。
高画質なら一日1時間、画質を落とせばもっと長時間視聴できるので、ギガホで大体一日あたり2~3時間くらいは視聴できる、と考えるとわかりやすいかもしれません。
30GB超過で速度制限がかかった結果
ひたすら動画を視聴し続けた結果、無事(?)30GBを超過して速度制限がかかりました。
ということで、早速ドコモのギガホにおける1Mbpsがどれくらい使えるのか、試してみました。
試してみたのは以下の項目です。
・WEBブラウジング(インターネット)
・LINE
・Youtube
・dアニメストア
それぞれ、使用感を解説していきます。ちょうど手元に楽天モバイルのSIMがあるので、高速データ通信をOFFにした状態での1Mbpsを合わせて試してみましたので、それについても比較しつつ触れておきます。
WEBブラウジング(インターネット)
ギガホの速度制限後、1MbpsでのWEBブラウジング利用を試してみました。
テキスト中心のサイトや記事に関しては、全く問題なくすぐに表示され、快適に利用することができましたが、反面、画像付きのサイトや記事はその表示に若干の時間を要するなど、やはり影響を感じずにはいられませんでした。
ただ、従来の速度制限後の速度である128Kbpsと比べれば、まだ随分マシというところで、人によってはそう気にすることなく利用できるかもしれません。
ちなみに、私はWEBブラウジングの快適さは結構重視するので、なかなか画像が表示されない点には結構不満が残りました。あと、時間帯による差も、やはり若干あるようです。
参考までに、同じサイトを同時に開く、という形で楽天モバイルのSIM(ドコモSIM・スーパーホーダイ)でも1Mbps時の使い勝手を試してみました。すると、明らかにドコモのSIMより画像の表示が速い、という結果が出ました。
同じ1Mbpsだし、そもそも楽天モバイルは現状ドコモのMVNOなのに何故? という感じですが、おそらくは、楽天モバイルはOCNモバイルONEなど一部MVNOにある「バースト転送機能」に対応しているのではないか、というところです。
楽天モバイル公式でその記載を見つけることはできませんでしたが、そうとしか考えられない差があります。
MVNOに出来るのなら、是非ドコモでも実施してもらいたいところです。これがあるかないかで、ギガホの価値はかなり変わると思います。
LINE
ギガホの速度制限時1MbpsでのLINE利用については、通常のトークのやりとりに関しては何の問題もありません。
普段通り、快適に利用することができます。
影響を感じる部分としては、やはり画像や動画を送信しようとした場合です。画像でも一枚一枚結構時間がかかりますし、動画だとかなりの時間を要します。実際に試してみればわかると思いますが、あまりに時間がかかるので、一旦送信を諦めて、Wi-Fi環境に移ってから送りたくなります。
同じ意味で、他のSNS、フェイスブックやインスタでの画像のアップロードも時間を要するため、速度制限時にはWi-Fi環境がないとかなり不便です。
もちろん、時間がかかることを覚悟の上であれば、LINEでの送信やFacebookでの写真のアップロードができないというわけではありません。
ちなみに、これが楽天モバイルの1Mbpsだと、LINEでの画像送信も全く問題なく実施できます。通常速度と全く変わらない印象です。ドコモ・ギガホの1Mbpsとあまりにも顕著に違いすぎて驚くレベルです。
Youtube
ここまでの結果から、ドコモのギガホの1Mbpsよりも楽天モバイルの1Mbpsの方が速い、というのは結果が出たようなものですが、続けて動画について調べてみました。
Youtubeでは、画質を選択して試してみたのですが、時間帯によっては最大画質の1080pを選んでも全く問題なく視聴できました。
ただ時間帯によっては止まってしまうこともあるので、480pくらいにしておくとどの時間帯でも大体安定して視聴出来ました。
ドコモと楽天モバイルの1Mbpsとの差としては、ドコモでやや固まってしまう場面でも、楽天モバイルだと固まらない、という感じの差はやはりあります。
dアニメストア
最後に、ドコモのdアニメストアを試しました。ダウンロードではなく、ストリーミング再生で試してみました。
HD、すごくきれい、きれい、ふつうという4段階の画質がありますが、HDを選んでも、一応動きはします。ただ、やはり途中で頻繁に固まります。すごくきれい、だとそれなりに安定して視聴できますが、きれいにしておけば間違いない、という感じでした。
ただ、個人的な印象として、1Mbpsだと動画視聴は苦しいんじゃないか、と思っていただけに、意外に問題なく視聴できるものだな、と感じました。
結論:ギガホの速度制限後の1Mbpsは普通に使える
128Kbpsだとかなり苦しかった利用についても、1Mbpsだと問題なく利用できる場面が多かったです。そのため、仮にドコモのギガホで速度制限がかかったとしても、特に心配することなく、そのまま利用し続けることができます。
もちろん、LINEでの画像送信時など、ストレスが溜まる場面もありはするものの、我慢できないほどではないですし、意識してWi-Fi環境を活用できれば問題ないかもしれないと感じました。最近は街中にもdocomo Wi-Fiの環境はかなり多いですしね。
たまたま手元にあった楽天モバイルとの比較においては、完全に楽天モバイルの1Mbpsが速いという結論が出たのですが、1Mbpsというより、バースト転送により初速の一定容量は通常速度が出ていると考えられるため、この差が大きかった、という感じです。他にも格安SIMには、このバースト転送を備えている格安SIMもあるので、そこまで速度を重視しないのであれば、格安SIM+バースト転送で節約するのもありだと思いました。
ギガホの実用性は?
ドコモでギガホを選択される方は、当然月あたりの利用容量がかなり多い人だと思います。
そして、それだけ容量が多くなる理由としては、自宅にWi-Fi環境がなく動画視聴が多い、または自宅外での利用が多いということが考えられます。となると、ギガホの速度制限後の1Mbpsで動画がそれほどストレスなく視聴できる、という事実はかなり大きいのではないかと感じられました。
今までウルトラデータLLパックやウルトラシェアパックで大容量を使っていた人も、30GB超過後も動画を引き続き容量を気にすることなく視聴し続けることができると考えれば、ギガホには大きな魅力を感じられると思います。
人によっては、月々サポート、端末購入サポートの規定期間終了後のギガホへの変更は、使い方によっては十分検討の余地ありと言えそうです。
一方で、もう少しこうだったなら、と思える点は少なくありません。
例えば、ドコモにおいてはMVNOのように高速通信のON/OFFが実施できません。これがもし可能であれば、必要な時だけ高速通信をONにすることでかなりの容量を節約できると考えられるためです。そしてそれを、出来ればギガライトで適用してもらえれば、使い勝手は格段に良くなると思います。もちろんそうなると、ギガホ利用者が一気にギガライトに流れるかもしれないので、なかなか実現はしないと思いますが。
現状私もメイン回線はシェアパック利用のままですが、今後の状況によってはギガホ/ギガライトに変更する機会も出てくると思いますので、引き続き新プランを実際に利用しつつ、良さを探していこうと思います。
関連記事:「ドコモのギガホは本当にお得なのか」