現在、ドコモ光を利用する場合に同時に利用することをドコモが推奨しているのが、ドコモ光ルーター01です。
普通のWi-Fiルーターなのですが、「遠隔操作ボタン」を搭載していたり、ドコモ光における「光ルーターセキュリティ」対応になっているため、よりドコモに特化した形でセキュリティを強化することができます。
ただ、Wi-Fiルーターに関しては既に今まで利用しているルーターを持っているとか、またはプロバイダーによっては高速Wi-Fiルーターを無料で利用できるケースなどもあるため、わざわざ新しくドコモ光ルーター01を購入するメリットが、果たしてあるのでしょうか。
ドコモ光利用において、ドコモ光ルーター01が本当に必要なのか、検証してみました。
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ドコモ光ルーター01のスペック詳細
ドコモ光ルーター01の詳細スペックをまずは確認しておきます。
メーカー | NECプラットフォームズ株式会社 | |
最大通信速度 | 867Mbps | |
サイズ | 33(W)×97(D)×146(H) | |
質量 | 約224(スタンド含む) | |
色 | ブラック | |
最大消費電力 | 8.4W | |
v6プラス | ||
有線LAN | 対応規格 | IEEE 802.3ab(1000BASE-T) IEEE 802.3u(100BASE-TX) IEEE 802.3(10BASE-T) |
ポート数 | 3 | |
無線LAN | 対応規格 | IEEE802.11ac(最大867Mbps) IEEE802.11n(最大300Mbps) IEEE802.11a(最大54Mbps) IEEE802.11g(最大54Mbps) IEEE802.11b(最大11Mbps) |
アンテナ | 2.4GHz帯/5GHz帯(送信2×受信2) | |
同時接続数 | 10(推奨) |
Wi-Fiルーターのスペックは、スマートフォンのスペックなどよりもさらに、一般的にはよく知られていないのではないかと思います。普段から比較したりもしないので、何がどう違うのかよくわからないかもしれません。
とりあえずドコモ光ルーター01は、普通にWi-Fiを自宅で利用する分には何の問題もないスペックで、特にこだわりがなければ違和感なく利用できるWi-Fiルーターであると考えていいでしょう。
Wi-FiのIEEEの規格だったり、同時接続数など、最近のWi-Fiルーターが搭載している平均的スペックは抑えてあります。
ただし、注意すべき点もいくつかありますので、その点については後述します。
同梱品としては、「ドコモ光ルーター専用スタンド01」、「ドコモ光ルーター専用ACアダプタ01」、「Wi-Fi設定シート」、「かんたんセットアップマニュアル」、「ご利用にあたっての注意事項」、「LANケーブル(試供品)」、「保証書」がセットになっています。
LANケーブルが試供品ですが一つ入っています。ただ、もし有線で試しにつないでみるのであれば、ONUとつなぐLANケーブルが一つ、パソコンとつなぐLANケーブルが一つ、合計二つ必要なので、もう一本LANケーブルを別に準備しておく必要があります。
当然のことながら、すでに別のルーターを利用している場合にはLANケーブルが一つはあるでしょうから準備の必要はありません。
外観は、Wi-Fiルーターとしてはかなりコンパクトな部類ではないかと思います。基本的にはNECのWi-Fiルーターのロゴが「docomo」に変わっているだけです。
GMOとくとくBBで無料レンタルできる、v6プラス対応のBUFFARO製Wi-Fiルーターと比較するとかなり小さく見えます。
どちらもビームフォーミングに対応しており、全方向ではなく特定の方向に電波を送ることによって、電波の届く範囲を広げ、安定性を向上させます。
ONU利用時、混雑回避に大きな優位性を示すv6プラス対応のGMOとくとくBBのWi-Fiルーターに対して、ドコモ光ルーター01は、元々v6プラスには対応していませんでした。
しかし、2018年3月27日の製品アップデートにより、IPv4 over IPv6通信、つまりv6プラスに対応しています。
この性能アップは非常に大きいですね。
※ドコモ光電話を利用している場合には、ONUではなくホームゲートウェイが送られてきていると思いますので、この場合にはGMOとくとくBBの高速Wi-Fiルーターやドコモ光ルーター01がなくてもv6プラスが利用できます。
ドコモ光ルーター01の価格
ドコモ光ルーター01は、ドコモ光にセットでついてくるわけではなく、ユーザー側で購入する必要があります。
ドコモ光と同時に利用するのだから多少割引されるのかと思ったら、そういう割引は特になく、そのまま定価で9590円が税込み価格でかかります。なかなか高いですね。普通にWi-Fiルーターを購入するのと変わらないか、ルーターの種類によってはむしろ高いくらいです。
その分、何らかのメリットがないとわざわざこのルーターを購入しようという気にはならないかもしれません。家電量販店等で探すのであれば、機能にこだわらなければまだまだ安いルーターもありますし、自宅に既に別のWi-Fiルーターがあれば、それこそ必要ないと感じるはずです。
ではドコモ光ルーター01は、その価格に見合った機能が何かしら搭載されているのでしょうか。
ドコモ光ルーター01のメリット
ドコモ光ルーター01には、ほかのWi-Fiルーターにはない大きな特徴として、ルーター自体のインターネット接続設定やWi-Fi設定等について、遠隔でサポートが受けられる機能が搭載されています。
専門のオペレーターがルーター設定を遠隔で代行して行える「遠隔設定ボタン」が搭載されており、複雑な設定に頭を悩ませる必要がありません。本体背面にある赤色のボタンが、「遠隔設定ボタン」です。
この遠隔設定は、ネットトータルサポートを契約している場合に利用することができ、光リモートサポートセンターに電話をし、あとは「遠隔設定ボタン」を押すだけですべて遠隔で設定してもらえるという利便性が魅力です。
これまでのように、光リモートサポートセンターに電話をした上で、設定方法を教えてもらいながら自分で設定を実施するという手間が必要ないわけです。これは非常にうれしいサービスといえそうです。
光ルーターセキュリティもセットで利用可能
ドコモ光ルーター01発売と同時に開始されたサービスとして、「光ルーターセキュリティ」があります。
その名の通り、ドコモ光ルーター01を利用し、インターネットに接続するパソコンやスマホのセキュリティを強化し、さらにお子様利用時など有害サイトへの通信をブロックするペアレンタルコントロール機能を月額350円で利用することができるサービスとなっています。
パソコンやスマートフォンは、まだセキュリティソフトが入れられていることも多いと思われますが、それがないテレビやゲーム機、WEBカメラ等でも安心してインターネットに接続できるというわけです。
ドコモ光ルーター01に搭載されているトレンドマイクロ社製のセキュリティソフト(Trend Micro Smart Home Network)により、安心して自宅のネットワーク環境を構築できるというわけです。
ネットトータルサポート割でドコモ光ルーター01の価格を相殺できる
ドコモ光の申し込みと合わせてドコモ光ルーター01を購入すると、「ネットトータルサポート割」が適用され、ネットトータルサポートの月額料金500円から毎月370円×24ヶ月割引により、合計8880円の割引が実施されます。
ドコモ光ルーター01の税別価格が8880円であるため、実質0円でドコモ光ルーター01を利用できるというわけです。
もしネットトータルサポートを含む「あんしんパックプラス」を利用している場合には、そこから同額の割引が適用されます。
ドコモ光ルーター01はほしいけど、価格が高いと感じる場合にも、こうした割引が適用されることを考えれば、ネットトータルサポートを利用するつもりだったユーザーの場合には、実質費用はかからずにドコモ光ルーター01を購入できるというわけです。
今のところキャンペーン期間は切られていませんので、ドコモ光申し込みのタイミングで検討することができるというわけです。
ドコモ光ルーター01のデメリット
ここまで、ドコモ光ルーター01の概要を解説してきましたが、ドコモ光ルーター01にはデメリットも存在します。
具体的にどういう点かというと、まずドコモ光ルーター01は、わざわざ購入するには価格が高い、という点が一つ。
今は高性能Wi-Fiルーターを無料レンタルできるドコモ光対応プロバイダーもあるのですから、ドコモ光ルーター01を購入しなくても用は足ります。逆に購入することでルーター故障の際の買い替えリスクなどを背負ってしまうだけです。
さらに、ドコモ光ルーター01の本体価格を相殺してくれる「ネットトータルサポート割」ですが、この割引の残念な点としては、ネットトータルサポートの利用が大前提になってしまっている点です。
ネットトータルサポートは、通常設定時の遠隔操作ボタンさえ利用してしまえば、あとは基本的には必要なくなってしまうはずです。
いつ使うかもわからないサービスに月額500円を支払い続けるのはもったいないですよね。しかし、これを外してしまうと、ネットトータルサポート割が適用されなくなってしまうので、結局ドコモ光ルーター01の本体価格は相殺されなくなってしまうわけです。
いい意味でとれば、ネットトータルサポートが月額130円で使える、という形にはなるのですが、必要ないネットトータルサポートを利用して月額130円を二年間支払っていくくらいなら、はじめからネットトータルサポートを外してネットトータルサポート割もあきらめた方が、わざわざ月額130円を支払う必要がなくなります。
特にフレッツ光からの転用でドコモ光を開始する場合には、今まで利用していたWi-Fiルーターもあるでしょうから、プロバイダーを変更してv6プラスを利用するなどの大きな変化がない限りにおいて、あえてドコモ光ルーター01を利用する必要はなさそうです。→「ドコモ光への転用のメリットデメリットを検証してみた」。
ONU利用時はドコモ光ルーター01はv6プラス非対応?
ドコモ光ルーター01の最大の弱点として、ドコモ光電話を利用していないときに送られてくるONUを利用している場合、GMOとくとくBBのv6プラスを利用することができないという点がかつて存在しましたが、2018年3月27日に実施された製品アップデートにおいて、この弱点は解消されました。
v6プラスについては私自身、GMOとくとくBBの高速Wi-Fiルーターを利用して体感しましたが、v6プラスに対応しているだけで、やはり全く安定度が違います。
ただ注意点としては、速度にこだわりたいのであれば、v6プラスは必ず利用したいサービスといえるわけですが、それに対応したGMOとくとくBBなどを選択した場合、基本的にv6プラスに対応できるのは自社無料レンタル分ルーターのみとなっており、ドコモ光ルーター01でのv6プラス利用に対応してもらえるかは現時点では不明です。
そのため、対応Wi-Fiルーターののレンタルに料金のかかるBIGLOBEなどと違い、GMOとくとくBBであれば完全に無料レンタルが可能ということもありますので、ドコモ光ルーター01をわざわざ費用をかけて購入するリスクをとる必要性はないといえるでしょう。→「v6プラス対応Wi-Fiルーターを使ってみた」
ちなみに、ドコモ光電話を利用しておりホームゲートウェイが送られてきている場合には、GMOとくとくBBではそのままv6プラスが利用可能なので、Wi-Fiルーターがv6プラスに対応していなくても問題ありません。
その他、v6プラス対応プロバイダーでドコモ光ルーター01を利用してv6プラスが利用できるかどうかはプロバイダーごとに異なるようなので、この点は要注意です。
ドコモ光ルーター01は必要なのか
以上の内容により、ドコモ光ルーター01が現時点で必要かといわれると、かなり微妙である、と回答するしかなさそうです。
ペアレンタルコントロールやビームフォーミングなども、ドコモ光ルーター01だけの機能というわけではなく、市販のルーターでも対応している機種はあります。
というより、それらに対応しているWi-Fiルーターを無料でレンタルできるプロバイダーがあるのですからそちらを選択すれば、そのままWi-Fiルーター代が1万円近く浮きますし、速度についても安心のv6プラス対応高速Wi-Fiルーターが送られてきます。→「GMOとくとくBBの高速Wi-Fiルーター無料レンタル方法」
ただし、コストの問題ではなく、すべてをトータルでドコモでまとめて設定まで丸投げしてしまいたい、ということであれば、ドコモ光ルーター01はお勧めといえます。
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