最近の話です。
知り合いから「スマホがいきなり外で通信ができなくなった!」と言われました。
詳しく話を聞いてみると、自宅ではどうやらWi-Fiで繋がっているらしいのですが、Wi-Fiの環境を一歩外に出ると、インターネットができなくなるということでした。
何かの不具合なのか故障なのか、設定の問題なのか、まずはその切り分けをする必要がありますので、その切り分け方について解説していきます。
同じような症状が出ている方は、是非参考にされてみてください。
ネットができないのか、メールができないのか、LINEができないのか
通信ができない、と一言で言っても、実は様々なケースがあります。
そのままの意味で、インターネットそのものができないのか、それともネットは繋がっているけれどもメールだけができないのか、逆にメールはできるけれどもネットサーフィンができないのか。
またはネットはできるけれどもLINEのみができないのか、などなど、様々なケースがあります。
もう一つ、そもそも電話はできるのか、という点も確認が必要です。
しかし、切り分けのためにはすべてを確認する必要はなく、まずは大きな枠として電話とインターネットそのものが使える状態なのかを確認します。
もしここで電話もネットも使える状態なのであれば、個別のアプリに原因がある可能性が高くなります。
つまり、ネットはできるがメールができない、ネットはできるがLINEはできないというパターンはこのケースです。アプリ自体の不具合か、もしくはなんらかの設定のエラーかもしれません。
LINEなどの個別アプリに原因が疑われる場合には、アプリ提供元に問い合わせるという方法もありますが、手っ取り早いのはアプリの初期化、つまりアンインストール後の再インストールです。
再設定等、やや面倒ではありますが、データのバックアップ後、試してみましょう。あっさりと改善することもよくあります。
また、再インストールする前に、アプリの起動を一度完全に落とした上で試してみてもいいでしょうし、スマホ本体の再起動は、まず真っ先に試してみることを忘れないようにしましょう。
次に、ネットやアプリは使えるが電話ができない、というパターンの場合はSIMカードの接触不良の可能性がありますので、一度スマホの電源を落とし、SIMカードを抜き差ししてみましょう。
それで改善しなければ、電話ができないという設定はほとんど存在しないので、SIMカードか本体の故障の可能性が高いと思われます。この場合はドコモショップでの故障受付案件となります。
電話はできるけれどもネットが使えない状態なのであれば、他の個別のアプリを確認する以前の問題です。まずはそもそもインターネットができない原因を調べていく必要があります。
インターネットができない原因を一つずつ潰していく
インターネットができない原因として考えられるのは、SIMカードの接触の問題、料金未払いの場合、設定の問題、単純に故障など様々な可能性があります。
ステップ1:支払い状況確認
まずは利用しているキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)やMVNOの料金がちゃんと遅れずに支払われているかを確認します。根本的な問題ですが、案外料金未払いで止められているのに気づかないということはあります。
ただしその場合は、同時に電話も止められているので、大体のケースは気づくと思うのですが、電話をほとんど使わない、という人の場合はなかなか気づけませんので意識して注意しておきたいところです。
ステップ2:SIMカード抜き差し
次に、前述したSIMカードの抜き差しをここでも実施してみて、改善するかどうかを試します。最近のスマホはMicroSDカードのスロットとSIMカードのスロットが並べられていたりしますが、そもそもSDカードとSIMカードでは形状が異なるので、入れる場所を間違うということは基本的にはないと思います。
ただ、微妙に不安定な状態で奥に入れないといけない機種などもあるため、特にあまり器用でない方や慣れていない方が実施していた場合、挿入の段階でSIMカードがずれていたり、それにより接触不良になっている、ということはあり得ます。
ちゃんとズレずに入っているか確認した上で、改善すれば接触不良だったということになりますし、改善しなければ他の原因が考えられるため次に進みます。
ステップ3:設定の確認
「ネットができなくなった」というケースで実は結構多いのがこの項目「ネット利用の設定」です。
知人友人家族問わず、通信できなくなったと思ったらこのパターンだった、という話はよく聞きます。
ちなみに、私の知り合いの通信不良の問題も、これが原因でした。
設定を確認する前に、まず自分のスマホの種類がAndroidかiPhoneか、確認しましょう。
<Androidスマートフォンの場合>
「設定」 → 「ネットワーク(接続)」 → 「その他のネットワーク」 → 「モバイルネットワーク」
この、モバイルネットワーク(の中のモバイルデータ(機種による))が「有効にする」になっているか、またはONになっているかを確認します。
もしONになっていなかったら、3G/4G/5G通信ができない状態になっていますので、チェックを入れて、その上で通信・インターネットができるようになるか確認しましょう。
Androidスマートフォンの場合のわかりにくさは、Androidのバージョンによって設定画面が変わってしまうという点です。上記の設定の流れも代表的な表記で記述しましたが、実際は細かく表記は違います。
例えば「データ通信を有効にする」という部分が「モバイルデータ」とだけあったりという具合です。
ニュアンスは変わっていないので、それぞれのバージョンで自分のスマホの「データ通信を有効にする」という部分がどこに当たるのかをしっかり把握して、チェックが入っているかどうかを確認しましょう。
Androidスマートフォンの場合はもう一点、確認しておきたい部分があります。
上記と同じ「モバイルネットワーク」の項目の中に「APN設定」または「アクセスポイント名」という項目があると思います。例によって表記は「APN」、「アクセスポイント」などさまざまです。要は、APN(アクセスポイントネーム)の設定についてです。
ここが、しっかり自分が利用しているAPNに設定されているのかを確認しましょう。
例えばドコモユーザーであれば「spモード」にチェックが入っているのか、MVNOであればそれぞれの正しいAPN設定がONになっているのか、という確認です。
以前ドコモユーザーによくあった設定間違いは、spモードを利用しているのに「mopera」にAPN設定が変更になってしまっている、というケースなどですが、最近はspモード利用中はspモードしかAPN設定に出てこなかったりするので、自分で触ったことがなければこの設定がおかしくなっていることはないと思われます。
一方で、自分で格安SIMを利用したりすることがある人などは、APNを手動設定していたりすることがあり、違うAPNに設定が変わっているということはあり得ます。
ちなみに私は、昔、MVNOの格安SIMを利用しようとした際、APNを手動で設定したのですが、見事にAPNを入力間違いしていて通信ができなかった、ということもありました。
キャリア以外のユーザーの場合は、もし手動でAPN設定を入れた場合には入力間違いがないかどうかも確認しておきましょう。
<iPhoneの場合>
iPhoneの場合も、基本はAndroidの場合と同じです。
「設定」→「モバイルデータ通信」→「モバイルデータ通信」
モバイルデータ通信がONになっていると通信が通常通りできますが、もし万が一ここをOFFにしてしまうと3G/4G/5G通信ができなくなります。
確認してみて、ここがOFFになっている状態であれば、ONに変更するだけで通信はできるようになるはずです。
iPhoneの場合は、Androidスマートフォンの場合と違い、APN設定は項目が存在しません。
そのため、手動でのAPN変更設定ができないために、設定を自分で触って通信できなくなるというリスクはなくなっているのです。
iPhoneで通信のみができない場合に確認するべき設定項目は、とりあえずモバイルデータ通信を確認してダメだったなら、Appleのコールセンターへの電話を試みましょう。
iPhoneのトラブルに関しては、ドコモなどのキャリアショップでは受付してくれない可能性が高い上に、わざわざショップまで足を運ばなくてもAppleコールセンターがしっかり対応してくれるので、第一優先としてAppleコールセンターへのTELを実施してみましょう。
ステップ4:修理に出す
ここまで、インターネットができない原因を切り分けしてきましたが、それでも通信ができない状態が改善しなかった場合、機械的なトラブルとして修理を検討しましょう。
ハードの問題であれば、もはや自力ではどうにかすることは不可能なので、修理でなければ買い替えも検討する必要があります。
しかし実際のところは、ここに至る前に解決するケースがかなり多いのではないかと思います。
今までになかったスマホやiPhoneを初めて利用し始めるという人がここ数年で増えてきている中で、通信ができなくなった場合の対処方法もまだまだ一般的に普及するに至っていないのです。
もし身近に「スマホ(iPhone)の通信ができない」という人がいた場合、上記の方法で切り分けてみてはいかがでしょうか。
案外簡単に、改善するかもしれませんよ。