ドコモの契約で利用するクレジットカードといえば、当然のことながらdカード GOLDが真っ先に思い浮かぶと思います。
しかし、dカード GOLDは残念ながら個人契約しか対応しておらず、法人の場合には申し込みすることができません。
では、dカード GOLDに代わる法人契約の際に利用可能なクレジットカードはないのでしょうか。
やはり法人契約の場合には、経費をわかりやすくまとめたり、決済を一元化するために、法人クレジットカードが最低一枚ある方がかなり便利です。
そこで、dカード GOLDに代わる、法人契約や個人事業主、そこまで行かなくても副業分の収入を管理したい場合に利用したいクレジットカードとして、今回は三井住友ビジネスカード for Ownersについて解説していこうと思います。
関連記事:「dカード GOLDは本当にお得なのか」
三井住友ビジネスカード for Ownersの概要
三井住友ビジネスカード for Ownersは三種類/クラシック/ゴールド/プラチナ
三井住友ビジネスカード for Ownersには、三種類のカードが用意されています。それぞれ、クラシック、ゴールド、プラチナです。名称そのままに、段々にステータスの高いカードになっていきます。
まずはそれぞれのカードの基本情報を並べてみました。それぞれ何が違うのかを確認しておきましょう。
クラシック | ゴールド | プラチナ | |
申し込み対象 | 満20歳以上の法人代表者、個人事業主の方 | 満30歳以上の法人代表者 個人事業主の方 |
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年会費 | 【本会員】 1,375円(税込) 【パートナー会員1名あたり】 440円(税込) |
【本会員】 11,000円(税込) 【パートナー会員1名あたり】 2,200円(税込) |
【本会員】 55,000円(税込) 【パートナー会員1名あたり】 5,500円(税込) |
カード利用枠 (カードショッピング) |
10~80万円 | 50~200万円 | 200~500万円 |
リボ・分割・2回 ボーナス一括払い利用枠 |
0~80万円 | 0~200万円 | |
キャッシング利用枠 (海外キャッシュサービス) |
0~50万円 (海外キャッシュサービス 0~50万円) | 0~100万円 (海外キャッシュサービス 0~50万円) |
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旅行傷害保険 | 最高2,000万円 (海外旅行傷害保険) ※事前に旅費などを当該カードで クレジット決済することが前提 |
最高5,000万円 (海外・国内旅行傷害保険) 傷害死亡・後遺障害補償は、 事前の旅費など当該カードでの クレジット決済有無により 最高補償額が異なる |
最高1億円 (海外・国内旅行傷害保険) |
ショッピング補償 | 年間100万円まで (お買物安心保険) ※海外での利用のみ対象 |
年間300万円まで (お買物安心保険) ※国内・海外での利用が対象 |
年間500万円まで (お買物安心保険) ※国内・海外での利用が対象 |
お支払い方法 | 口座振替 | ||
決済口座 | (法人代表者の方)法人口座、もしくは申し込み本人の個人名義口座 (個人事業主の方)申し込み本人の個人名義口座、もしくは個人事業主(屋号)名口座 |
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支払日 | 15日締め翌月10日お支払い月末締め翌月26日お支払い | ||
ショッピング | 1回払い・リボ払い・分割払い・2回払い・ボーナス一括払い |
プラチナカードになると年会費がかなり高めにはなってしまいますが、その分、カード利用枠が一気に増えますし、キャッシング利用枠もショッピング補償の金額も跳ね上がります。さらには、旅行傷害保険が国内・海外ともに最高1億円、しかも自動付帯となります。
ある程度事業規模が大きい場合には、十分プラチナの利用は視野に入ってくると思います。
一方で、まだ事業を立ち上げたばかりだとか、まだそこまで全体としての規模も大きくないという場合には、ゴールドカードがお勧めです。
クラシックだと年会費の安さは嬉しいものの、さすがに全体的にクレジットカードとしてのメリットが弱くなってしまうので、年会費1万円と手頃なゴールドであれば、利用枠や補償についてもそれなりの水準を維持できますし、「ゴールド」ということで、所有している場合の見栄えも非常に良いです。
また、事業を行っているのであれば、そのためのクレカの年会費は経費にもできますから、そういう意味でも安心です。
「クラシック」申し込み | 「ゴールド」申し込み | 「プラチナ」申し込み |
ちなみに三井住友ビジネスカード for Ownersの券面には、法人名/屋号名と個人名が載ります。法人名/屋号名については、記載しないようにすることもできます。その場合、個人名だけがカードに載るため、一見個人のクレジットカードと見分けはつきません。
法人代表者でも個人事業主でも申し込み可能
三井住友ビジネスカード for Ownersの最大の特徴は、法人代表者ばかりでなく個人事業主でも申し込みが可能、という点です。
そのため、個人事業主で個人カードを今まで利用していたけれど、事業用のカードを欲しいと思っていた、という人にとって安心して申し込みができるカードといえます。
法人の場合でも、個人でdカード GOLDを利用しながら、法人用に三井住友ビジネスカード for Ownersを利用するという方法もお勧めです。
引落先の口座は、個人なら個人の事業用口座、法人なら法人の口座を設定することができます。
スタートアップ/会社設立間もなくても申し込み可能
会社を設立して間もないスタートアップ企業であったり、個人事業主として事業を開始してそれほど期間が経過していなくても申し込みができるという点は、三井住友ビジネスカード for Ownersの大きな利点の一つです。
例えば個人用のクレジットカードの場合、会社に就職してからの就業年数が短すぎると、審査が通らないということもありますが、そういう事業開始からの年数を気にすることなく申し込みができるというわけです。
例えば、ドコモのdカード GOLDを申し込みしようと思っていたけれど、うっかり先に独立してしまって個人カードであるdカードが通らなくなってしまった、という場合であっても、個人事業主や法人代表者として、三井住友ビジネスカード for Ownersの申し込みをすることが可能です。
三井住友ビジネスカード for Ownersの年会費
クレジットカードを利用するにあたって一番に気になるのは、やはり年会費についてかもしれません。
法人/個人事業主の場合、クレジットカードの年会費も経費に回せるので、ある程度の年会費であればまだ受け入れやすいと思いますが、とはいえどんなにサービス内容が充実していても、年会費が高すぎると契約する気にならないということもあると思います。
三井住友ビジネスカード for Ownersの場合は、三つのカードが用意されていて、それぞれに年会費が異なりますので、希望の年会費水準に合わせてカードを選択することができます。そのため、年会費に対して身構える必要はありません。
【プラチナ】・・・55,000円(税込)/【パートナー会員1名あたり】・・・5,500円(税込)
【ゴールド】・・・11,000円(税込)/【パートナー会員1名あたり】・・・2,200円(税込)
【クラシック】・・・1,375円(税込)/【パートナー会員1名あたり】・・・440円(税込)
最も年会費の安いクラシックで1250円(税別)です。ゴールドになると、ドコモのdカード GOLDと同じ1万円、プラチナだと少し高めの5万円です。
ゴールドとクラシックについては、初年度年会費無料キャンペーンが実施されていますので、実際に年会費がかかってくるのは次年度以降となります。そういう意味では、どんな感じなのか、お試しで利用してみることも可能と言えます。
パートナー会員については、個人カードにおける家族カードのようなもので、券面の名前には利用者の名前が載りますが、引き落としは法人/個人事業主名の口座から、という形となります。
代表者以外の役員や社員に持たせておきたい、という場合に利用することができます。
申込時の提出書類は代表者本人の確認資料のみ
三井住友ビジネスカードの入会申し込み時に提出する必要のある書類は、代表者本人の確認資料(運転免許証など)のみとなっており、法人系のカードによくある登録簿謄本や決算書などは一切不要です。
そのため、手続きも非常に簡単で、ネット上からわかりやすく申し込みをすることが可能です。
三井住友ビジネスカード for Ownersのメリット
経費管理と事務作業効率化
三井住友ビジネスカード for Ownersの最大のメリットは、やはり経費および関連事務作業の効率化が図れる、という点です。
業務に関する支払いをカードに一本化することで、出張接待費、広告費など、多岐に渡る支払い先への振込手数料の削減が実現できたり、2枚目3枚目のカードを社員に持たせておくことで、社員が自費で立て替えた経費に対して後から会社が補てんするという無駄なフローを完全に省略することができます。
すべて法人口座(または個人口座・屋号付口座)からの自動引き落しとなり、請求書の処理や振込み手続きなどの事務処理が大幅に軽減できます。また、立替や仮払いが不要になることで、現金出納管理も省力化できます。
カードの利用代金明細書にて月々の利用状況が一目で把握できるため、経費の見える化が実現でき、多数の経費利用明細が混在するような状況を避け、スムーズに経理を進められます。
国内外の出張サポート
空港ラウンジ無料利用
三井住友ビジネスカード for Ownersのゴールドカードとプラチナカードに関しては、ドコモのdカード GOLDと同じく、国内空港ラウンジ無料サービスが付帯しています。国内29の空港とハワイの空港で利用できるため、出張時にも安心です。→関連記事:「dカード GOLDで利用できる空港ラウンジ」
ラウンジで出発前に休憩するもよし、ノートパソコンを持ち込んで仕事を進めるもよし、ほとんどのラウンジはソフトドリンクのみ放題ですし、場所によってはアルコールを一杯無料でもらえるようなところもあります。
出発時だけでなく、到着時の空港でもラウンジを利用することができるため、待ち合わせまで時間がある、というときなどもゆっくりリラックスできる空間で、時間を活用することができます。
利用可能空港ラウンジ一覧→三井住友ビジネスカード公式サイト内「空港ラウンジサービス」。
社用車用にETCカードを活用
三井住友ビジネスカード for Ownersでは、ETCカードを利用することができます。発行枚数としては、1枚のメインカードに対して1枚、発行可能です。
ETCカードの年会費は税抜500円ですが、初年度は無料で利用することができますし、2年目以降も、前年度に1回以上ETC利用の請求があれば無料となります。つまり、利用していけば事実上年会費無料ということですね。
社用車それぞれに台数分発行しておけば、高速料金は常にカード支払いとなり、非常にわかりやすく便利になります。
安心の海外/国内旅行傷害保険
クレジットカードに付帯していると非常に助かる旅行傷害保険は、三井住友ビジネスカード for Ownersの場合には、カードごとに付帯条件や保険金額が異なります。
クラシックカード |
最高2,000万円/海外旅行傷害保険 ※事前に旅費などを当該カードでクレジット決済することが前提 |
ゴールドカード |
最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険 ※傷害死亡・後遺障害補償、事前の旅費などの当該カードでのクレジット決済有無により最高補償額が異なる |
プラチナカード |
最高1億円の海外・国内旅行傷害保険 ※自動付帯 |
海外旅行保険では、利用付帯とはいえやはりドコモのdカード GOLDが充実しています。海外航空便遅延費用特約があるかないかの差は大きいですし、三井住友ビジネスカード for Ownersでは、プラチナカードでなければdカード GOLDくらいの保険金額はつきません。→「dカード GOLDは海外旅行保険という観点から検証すると絶対的にお得」
一方で、国内旅行保険ではプラチナカードではdカード GOLDを上回ります。→「dカード GOLDの国内旅行保険」
ワールドプレゼントでdポイントへ移行可能
三井住友ビジネスカード for Ownersのポイントプログラムとして、「ワールドプレゼント」が用意されています。
1000円(税込)の利用に対して1ポイント付与され、1ポイント=5円の価値があるため、還元率としては0.5%です。
dカード GOLDの通常利用における還元率は1%、ドコモ利用分に対しては破格の10%であることを考えれば、ポイント還元率としてはかなり物足りないところです。そのため、ポイントを獲得するためのカードではなく、あくまで経費を落とすためのカード、として考えておく方がいいでしょう。
個人利用分については別契約のdカード GOLDを利用した方がよりお得です。
ただし、この三井住友ビジネスカード for Ownersのポイントに関しては、dポイントへの移行が可能となっており、しかも定期的に期間限定のポイント移行レート増量キャンペーンが実施されているため、実はdポイントとの親和性も非常に高いのです。
三井住友ビジネスカード for Ownersで「iD」が利用できる
三井住友ビジネスカード for Ownersのもう一つの特典として、「iD」を利用することができるという点が挙げられます。
ドコモユーザーであれば、基本的にdカード/dカード GOLDを所持していればそのまま「iD」は利用できるのですが、個人利用と分けて使うために、別に「iD専用カード」を発行したり、業務用のスマホやiPhoneで「iD」を利用できるように設定したりすることができます。
iDの使い勝手はドコモユーザーの方であれば既に理解できていると思いますので、それを法人用/個人事業用として利用できるというメリットは、想像しやすいと思います。
ドコモの法人契約で利用/dカード GOLDとの併用
以上のようなメリットのある三井住友ビジネスカード for Ownersを、ドコモの法人契約、または個人事業主が業務で利用する個人契約で利用することを考えます。→「ドコモを法人名義で持つメリット/個人契約と法人契約の違い」
法人契約の場合はそのまま三井住友ビジネスカードを法人カードとして設定しておけば、非常にわかりやすく毎月の利用を経費としてまとめて管理することができますので、是非利用したいところです。
ドコモ回線はもちろん、ドコモ光についても法人契約が可能となっていますので、まとめて一元管理ができます。→「ドコモ光は法人でも契約可能」
ただ、ドコモ光を法人契約とした場合、個人契約のdカード GOLDによる10%還元※が受けられないので、この点は少し考える余地があります。(※毎月のドコモのケータイ/ドコモ光利用料金の1,000円(税抜)ごとに税抜金額の10%還元/利用料金1,000円(税抜)につき100ポイント ※端末など代金分割支払金・各種手数料など一部の料金はポイント進呈の対象外)
ポイントを獲りに行くのであれば、ドコモ光は個人契約のままにしておき、dカード GOLDも完全に個人利用分として契約、個人利用分のドコモやドコモ光に対する10%還元を享受し、その他の付帯特典も活用するという方法もあります。→「dカード GOLDは本当にお得なのか」
この場合三井住友ビジネスカード for Ownersは、それ以外の経費分について利用していく形となります。
個人事業主の場合、考え方が二つあります。dカード GOLDを個人契約しておいて、それを完全に業務利用分にする、という方法が一つ。
この場合、わざわざ業務用に三井住友ビジネスカード for Ownersを作る必要はありませんし、dポイントの獲得効率もよく、2年目以降の年間利用額特典も比較的容易に大きな水準を狙うことができるという大きなメリットがあります。→「dカード GOLDの年間利用額特典を最大活用する」
しかしデメリットしては、dカードには個人事業主名口座/屋号名口座の設定ができないため、あくまで個人口座からの引き落とし設定が必要になってしまいます。そうなると、どうしても個人利用なのか業務利用なのかがわかりにくくなりがちです。
一方で、三井住友ビジネスカード for Ownersの場合、個人名義の口座も利用可能ですし、個人事業主名や屋号名の口座も設定可能です。ちなみに法人の場合には法人口座、または法人代表者の個人口座も設定できますので、選択肢は幅広く用意されています。
そこで、個人事業主としてのもう一つの方法としては、法人の場合同様、dカード GOLDは完全に個人利用分として割り切りつつ、個人事業用として三井住友ビジネスカード for Ownersを利用する、という方法です。
この方法をとると、個人利用分に対するdポイント還元は10%とdカード GOLDのメリットも享受しつつ、業務用ではすべて経費としてまとめるため三井住友ビジネスカードを利用するという使い分けができ、非常に便利です。
法人契約ができないdカード GOLDの弱点を逆手にとって、三井住友ビジネスカード for Ownersでより便利に業務効率化・経費の一元管理を実現しましょう。
「クラシック」申し込み | 「ゴールド」申し込み | 「プラチナ」申し込み |