ドコモのiPhoneを購入する際、補償としてApple Care+とドコモのケータイ補償、どちらかを選択する場面を覚えている方も少なくないと思います。
どちらがお得か、というのは考え方次第、状況次第で変わってくるため一概には言えないのですが、そのどちらの補償にも加入しない、という第三の選択肢も実は存在しています。
最初から加入しないという選択をしなかったとしても、購入後一年程度は加入しておいて、二年目以降は最悪故障したら買い替える、ということで外すというケースもあると思います。
とはいえ、誰しもまさか自分のiPhoneが故障するとは考えていないもので、本当に補償なしの状態で故障が発生してしまうと、どうすればいいのかわからないという人も多いようです。
ということで今回は、iPhoneを利用していてケータイ補償にもApple Care+にも加入していない状態で故障が発生してしまった場合にどうするのが一番正解なのかを考えてみました。
iPhoneの種類によって変わる修理代金
ケータイ補償サービスに加入していないということは、水没全損時などに交換ができません。
Apple Care+に加入していなければ、Appleでの割引価格での修理ができません。
ただ、Apple Care+に加入していなくても、Appleでの修理が完全にできなくなってしまうわけではない、という点は覚えておきたいポイントの一つです。
Apple Care+に加入している場合の修理代金は基本的に機種を問わず一律ですが、Apple Care+未加入の場合の修理代金は、iPhoneの種類によってかなり大きくことなります。
そのため、自分のiPhoneがiPhone XなのかiPhone 8なのか、iPhone 7なのか、という具合に、種類をまずは正確に把握する必要があります。
iPhone・画面の修理サービス料金 (AppleCare+ に未加入の場合)
以下のいずれかに該当する場合、AppleCare+に未加入の場合の修理サービス料金が適用されます。
・過失や事故による損傷により iPhone の画面を交換する必要があるが、AppleCare+ には加入していない場合。
・Apple 製品限定保証の保証期間中に iPhone の画面が破損した場合。過失や事故による損傷 (画面の破損も含む) は Apple 製品限定保証の対象外。
・iPhone の画面が機能しなくなったが、その iPhone が Apple 製品限定保証、消費者法、AppleCare+ のいずれの対象にもならない場合。
ここでの「Apple製品限定保証」とあるのは、「購入者が最初の販売店で購入した日から 1 年間、Apple 発行のガイドラインに従った通常使用時における材質および製造上の瑕疵に対し、保証」をするというものです。
つまり、何一つユーザー側の責任となる要因がないにも関わらず、購入から1年の間に発生した故障等について、Appleは保証をする、ということです。この場合の保証は、Apple修理拠点への持ち込み修理か、ピックアップ&デリバリー修理などになります。
もし故障の内容が、一切身に覚えのないもので、購入から1年未満なのであれば、まずはAppleに問い合わせをして「Apple製品1年限定保証」が利用できるか相談してみるといいでしょう
ただ、1年限定保証期間内であったとしても、自身で破損させてしまったりした場合など、上記青枠に該当する場合には、下記の料金が適用されます。
iPhone のモデル | 画面の破損のみ | その他の損傷 |
iPhone XS Max | 37,400 円 | 67,800 円 |
iPhone XS | 31,800 円 | 62,400 円 |
iPhone XR | 22,400 円 | 45,400 円 |
iPhone X | 31,800 円 | 62,400 円 |
iPhone 8 Plus | 19,400 円 | 45,400 円 |
iPhone 8 | 16,800 円 | 39,800 円 |
iPhone 7 Plus | 19,400 円 | 39,800 円 |
iPhone 7 | 16,800 円 | 36,400 円 |
iPhone 6s Plus | 19,400 円 | 37,400 円 |
iPhone 6s | 16,800 円 | 33,800 円 |
iPhone 6 Plus | 16,800 円 | 37,400 円 |
iPhone 6 | 14,800 円 | 33,800 円 |
iPhone SE | 14,800 円 | 30,400 円 |
iPhone 5s、iPhone 5c、 iPhone 5 |
14,800 円 | 30,400 円 |
※料金はすべて税別
画面破損時の修理代金についての注意点としては、あくまで「画面破損のみ」の場合であり、画面以外にも過失や事故による損傷がある場合には、「その他の損傷」欄の料金が適用されます。
さらに、故障の状態によって「交換が必要」と判断された場合、新品または新品同様の同製品と交換になることもあります。このケースが、後述しています、dカード GOLDケータイ補償を適用できる条件のラインです。
ただし、過失、事故、不適切な取り扱いなどによってiPhoneに壊滅的な損傷が生じている場合は、レアケースですが「交換機価額全額負担」になることもあります。交換機価額は機種ごとにApple公式ページで確認ができますが、ざっくり本来の本体価格に極めて近い金額、と考えておくといいと思います。
万が一そんな金額がかかってしまうと、dカード GOLDケータイ補償を利用しても手出しが発生しますし、それこそ買い替えた方が圧倒的にお得、という状況にもなりかねないため、重々注意が必要です。
画面破損のみなら機種によっては意外に安い
Apple Care+に未加入の場合、修理をするにしても何万もかかってしまう、と思ってしまいがちですが、上記価格を見ると、画面破損のみの場合は機種によっては意外に安いことがわかります。
そのため、ケータイ補償にもApple Care+にも加入していないからと早々に諦めて買い替えを検討するのは早計です。
例えば、まだ販売されているiPhone 8やiPhone 6s、最近まで販売されていたiPhone 7については、いずれも画面破損のみであれば修理代金が2万円以内です。
もちろん、それでも高いと言えば高いですが、4万も5万も修理代金がかかることを考えたらずいぶんマシです。
まして、まだ購入からの期間が浅い場合は特に、検討の余地があると言えます。
「その他の損傷」で修理をするなら買い替えも視野に
画面破損のみではなく、その他の損傷を含む故障の場合、Apple Care+未加入だと修理代金が跳ね上がります。
安くても3万円台で、高い機種では7万円近くかかります。
修理代金でそこまでの金額がかかってしまうとなると、さすがに抵抗もあると思いますし、買い替えようかな、という気分にもなりそうです。
どちらがお得か、というと、購入した機種と購入してからどれくらい経過しているかによります。
もし購入したのがiPhone XSなど最新のiPhoneで、まだ、一年未満という場合には、月々サポートや割賦の残額がかなり残っているでしょうから、買い替えはかなりのリスクを伴います。高くても修理を選択した方がいい、というのはこういうケースです。
そのため、できればiPhone購入時、Apple Care+未加入時の修理代金を確認しつつ、リスクに合わせて一年程度はケータイ補償かApple Care+には加入しておいた方が無難ではあるんですね。
格安スマホを購入して我慢する
故障して補償も加入してないから買い替えたいけれど、月々サポートがかなり残っているのでもったいなくてどうすればいいかわからない、ということもあると思います。
その場合、暫定的に格安スマホを別に購入して、代わりに利用するという方法もあります。
安い機種なら1万円前後から見つけられると思いますので、コストパフォーマンスは非常にいいです。
ただし、今までiPhoneを利用していた人が、格安のAndroidスマホで耐えられるのか、という問題があり、かなりストレスを抱えるのは間違いないと思います。
それでもコストを抑えたいのか、コストよりも日々の利用を快適にしたいのか、選択する必要があります。
docomo with・iPhone 6sへ機種変更する
毎月1,500円の割引きがかかるdocomo withの対象機種であるiPhone 6sへの機種変更も、補償未加入の場合の選択肢の一つです。
購入時に端末購入補助が止まってしまうので、月々サポートが大量に残っている場合には選択しにくくはありますが、実質の端末価格はかなり安く抑えられますし、何より旧機種とはいえ使い慣れたiPhoneなので、格安スマホを購入するよりはストレスは少なく済むでしょう。
また、2年を超えて長く使えば使うほど、毎月の料金的には有利になるというメリットもあります。
dカード GOLDケータイ補償を利用する
dカード GOLDを利用中であれば、忘れてはいけないのが「dカードケータイ補償」です。
dカード GOLDの場合、最大10万円分を補填してくれるため、万が一の修理不能の際には非常に役立ちます。
利用可能な故障の水準としては、Appleストアに持ち込み修理ができず、保証対象外修理サービスを利用して交換してもらった場合、です。
保証対象修理サービス料金は前述したとおり、一番高くてもiPhone XS Maxの67,800 円です。10万円以内にしっかり収まりますので、全額補填をしてもらうことが可能です。
dカード GOLDケータイ補償の詳細については以下の記事を参考にされてください。→「dカード GOLDケータイ補償の全く触れられていない注意事項とわかりにくい手続き方法を詳細解説」
ちなみにAndroidスマホの場合、Galaxy S9+やXperia XZ2 Premiumなど、10万円を超える機種がありますが、これらでdカードGOLDケータイ補償を利用した場合、10万円を超えてしまうので超えた分の料金は手出しになってしまいます。
そういう意味で、iPhoneユーザーであれば、dカード GOLDケータイ補償の恩恵がかなり大きいと考えていいでしょう。
関連記事:「dカード GOLDは本当にお得なのか」
一度自己責任の故障を起こしてしまったら補償には入るようにしたい
傾向として、一度故障事故を起こしてしまった場合、再度故障事故を発生させてしまう確率は、通常よりも高めと考えていいと思います。性格上なのか環境のせいなのか要因はそれぞれだと思いますが、故障事故はやはり繰り返す方が多いんですね。
そのため、過去に一度でも故障事故の経験がある人は、機種購入時にはケータイ補償またはApple Care+への加入を検討しましょう。
ただし、どちらの場合も年間の利用金額としてはそれなりに大きくなるので、どこまでリスクを取るのかの判断が重要です。
最後に、ケータイ補償およびApple Care+に加入した場合の、大体の負担金額について参考までにまとめておきます。
ケータイ補償加入の場合の負担金額
利用月数 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 |
ケータイ補償750円 合計金額 |
750 | 1500 | 2250 | 3000 | 3750 | 4500 |
ケータイ補償600円 合計金額 |
600 | 1200 | 1800 | 2400 | 3000 | 3600 |
ケータイ補償500円 合計金額 |
500 | 1000 | 1500 | 2000 | 2500 | 3000 |
利用月数 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | 11ヶ月 | 12ヶ月 |
ケータイ補償750円 合計金額 |
5250 | 6000 | 6750 | 7500 | 8250 | 9000 |
ケータイ補償600円 合計金額 |
4200 | 4800 | 5400 | 6000 | 6600 | 7200 |
ケータイ補償500円 合計金額 |
3500 | 4000 | 4500 | 5000 | 5500 | 6000 |
月額750円のケータイ補償に加入した場合、年間の費用は9,000円、2年継続すれば18,000円です。月額600円の場合は14,400円、月額500円の場合は12,000円となります。結構な金額ですね。
ちなみに、機種別のケータイ補償の金額は以下の通りです。
月額750円(サービス利用時は11,000円・年2回まで)
iPhone XS、iPhone XSMax、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus
月額600円(サービス利用時は7,500円・年2回まで)
iPhone SE、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s
月額500円(サービス利用時は7,500円・年2回まで)
iPhone 5c
例えばiPhone XSを1年8ヶ月利用するとケータイ補償の料金は合計15,000円、さらにそのタイミングで補償による交換を利用をすると11,000円かかるので、合計で26,000円の支出となります。この金額を高いとみるか、安いとみるかですが、補償なしで画面破損のみでもiPhone XSなら3万円以上の修理代金がかかることを考えれば、加入しておいてもいいのではないでしょうか。
Apple Care+加入の場合の負担金額
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | |
税抜950円/月(24か月) | 950 | 1900 | 2850 | 3800 | 4750 | 5700 |
税抜700円/月(24か月) | 700 | 1400 | 2100 | 2800 | 3500 | 4200 |
税抜617円/月(24か月) | 617 | 1234 | 1851 | 2468 | 3085 | 3702 |
税抜534円/月(24か月) | 534 | 1068 | 1602 | 2136 | 2670 | 3204 |
7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | 11ヶ月 | 12ヶ月 | |
税抜950円/月(24か月) | 6650 | 7600 | 8550 | 9500 | 10450 | 11400 |
税抜700円/月(24か月) | 4900 | 5600 | 6300 | 7000 | 7700 | 8400 |
税抜617円/月(24か月) | 4319 | 4936 | 5553 | 6170 | 6787 | 7404 |
税抜534円/月(24か月) | 3738 | 4272 | 4806 | 5340 | 5874 | 6408 |
ちなみにApple Care+の場合は、機種に関わらず画面破損修理が3,400円、そのほかの損傷は11,800円です。
月額料金別の対象機種は以下の通りです。
税抜950円/月(24か月):iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone X
税抜700円/月(24か月):iPhone XR、iPhone 8 Plus、iPhone 7 Plus、iPhone 6s Plus、iPhone 6 Plus
税抜617円/月(24か月):iPhone 8、iPhone 7、iPhone 6s、iPhone 6
税抜534円/月(24か月):iPhone SE、iPhone 5s、iPhone 5c
ケータイ補償がいいのか、AppleCare+がいいのかは、最初に述べた通り状況によるので、それぞれの内容を吟味の上選択しましょう。