ドコモ/au/ソフトバンクの携帯電話番号割り当ての歴史/2017年10月から020を電子機器へ

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携帯電話の電話番号は、2017年現在090/080/070から始まる番号が利用されています。

先頭の090/080/070を除く合計8桁で考えれば、0000-0000から9999-9999まで1億通り、それが090/080/070で3倍、つまり全部で3億通りの電話番号を作れる計算になります。

ただし、「090-0~」「080-0~」「070-0~」という番号は存在しないため、それぞれ1000万契約分ずつ減ります。つまり「090」「080」「070」の合計で2億7000万件の電話番号を作ることができます。

 

070番号については、元々PHS用に割り振られていた番号ですが、契約数の増加による090/080番号の枯渇により携帯電話でも070番号が利用できるように範囲が広げられています。

電話番号の枯渇は深刻な問題となっており、将来的にはさらに060番号の開放も視野に入っているようですが、その他の方向性として、番号の桁数を現在の11桁から12桁、13桁に増やすことで対応する方法も検討されているようです。

加えて、増え続ける電子機器でのインターネット利用(IoT/Internet of Things)に対応するために、ドコモ/KDDI(au)/ソフトバンクでは、「020」番号が電子機器向けに2017年10月より割り当てられるようになるということです。

 

さて、そうした数々のパターンや変遷がある携帯の電話番号ですが、電話番号によって、「この番号はドコモ」、「この番号はau」という具合に調べることができるのでしょうか。

携帯電話番号の歴史とともに検証してみます。

10桁から11桁へと変わった携帯番号の歴史

携帯電話を長く利用している人であれば、携帯電話番号が10桁から11桁へ変わったときのことを覚えている人もいるかもしれません。逆に、ここ数年で携帯を持ち始めた、という人はそんな話はまったく知らないと思います。

携帯電話の番号は様々な変遷を経て今に至るのですが、その中でも特に大きな変化があったのが、1999年の10桁から11桁への変更、そして2006年10月24日のMNP開始でしょう。まずは、10桁番号から11桁番号への変更について振り返ってみます。

今とは違い、まだまだ携帯電話市場は伸びしろがあり、誰もが当たり前に持っている、という時代まではもう少し、という頃だったと思います。当時はまだ、スマートフォンもiPhoneも、影も形もありませんでした。ちなみに初代のiPhoneが登場したのは2007年、ドコモ初のAndroidスマートフォンHT-03Aが発売されたのは2009年、国内初Xperia・SO-01Bが発売されたのはさらに翌年、2010年です。

ということで、そんなXperia初登場の10年以上前。

 

当時の携帯番号は、010、020、030、040、080、090で始まる番号が利用されていました。

そして、携帯電話と区別をつけるために、050、060についてはPHS用に割り当てられていました。

しかし、10桁の番号ということは、頭の3桁を除くと残りが7桁しかなく、7桁ということは利用できる件数は最大1000万件となります。つまり010で1000万件、020で1000万件という具合です。

それでも、010~090(050、060、070を除く)の番号をフル活用すれば6000万件は番号が使えるため、初期のころであれば十分な数字でした。ただしその利用可能な電話番号の残数が、年々減少していき、いよいよ枯渇してしまう可能性が現実のものになり始めたのです。

そこで1999年1月1日、携帯電話とPHSの電話番号は大きな変化を遂げました。

一つのルールを元に、10桁の電話番号が一斉に11桁へと変更されたのです。

そのルールとは、こうです。

010-○○○-△△△△という番号であれば、2桁目の「1」を○○○の前に持ってきて、頭はすべて090にする、というものです。

その結果、010-○○○-△△△△という番号は、090-1○○○-△△△△という番号に変更になったのです。

たった1桁が追加されただけですが、その結果、090番号だけでも9000万件まで電話番号が作れるようになりました(8桁をフルで使えば1億件ですが、「090-0○○○」という番号は存在しないため1000万件減り、結果9000万件)。

そのあと、080の番号もさらに追加されたことで、合計すると1億8000万件まで電話番号が作れるようになりました。

<携帯電話>

旧携帯電話番号 新携帯電話番号
010-○○○-△△△△ 090-1○○○-△△△△
020-○○○-△△△△ 090-2○○○-△△△△
030-○○○-△△△△ 090-3○○○-△△△△
040-○○○-△△△△ 090-4○○○-△△△△
080-○○○-△△△△ 090-8○○○-△△△△
090-○○○-△△△△ 090-9○○○-△△△△
旧番号の2桁目が、新番号の4桁目に変更された。

<PHS>

旧PHS番号 新PHS番号
050-○○○-△△△△ 070-5○○○-△△△△
060-○○○-△△△△ 070-6○○○-△△△△
旧番号の2桁目が、新番号の4桁目に変更された。

 

こうした変更を経て、現在の11桁の携帯電話番号は登場したのです。

 

090で始まる携帯電話番号キャリア別割り当て表/ドコモ・au・ソフトバンク

さて、そうした10桁から11桁への番号の変更を踏まえて、現在の携帯電話番号のキャリア別の割り当てについてです。

表の見方としては、電話番号を090-CDE-FGHJKとすると、縦の列で「090-CD」までを並べています。横の列で「E」の数字を表しています。

つまり、「090-CDE」までがキャリア別に割り振られ、「FGHJK」に関してはキャリア内で割り振られている番号です。

携帯番号はよく「090-1234-5678」と区切られますが、正式に区切るなら「090-123-45678」という形になるわけです。

では表を見てみてください。総務省による2016年4月4日現在のキャリア別割り当てです。

 

番号
09010 ドコモ
09011 au ドコモ au
09012 au
09013 ソフトバンク
09014 ドコモ
09015
09016
09017 ソフトバンク
09018 au ドコモ
09019 au 沖縄セルラー電話 au ドコモ
09020 au
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09021 ドコモ
09022
09023
09024
09025
09026
09027
09028 ソフトバンク
09029 au SB au ソフトバンク
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09030 ドコモ
09031
09032
09033
09034 ドコモ ソフトバンク au ドコモ
09035 au
09036
09037 au 沖縄セルラー電話
09038 au
09039 ソフトバンク au
09040 ドコモ
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09041 SB ドコモ au
09042 au ソフトバンク
09043 ドコモ
09044 au 沖縄セルラー電話 au
09045 ドコモ
09046
09047
09048
09049
09050
09051
09052
09053
09054
09055
09056
09057
09058
09059
09060 ソフトバンク
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09061 au
09062
09063
09064 ソフトバンク
09065
09066 ソフトバンク ドコモ
09067 au ドコモ
09068 ドコモ au ドコモ au 沖縄セルラー電話 au ドコモ
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09069 ドコモ
09070
09071
09072
09073
09074
09075 au
09076 ドコモ
09077
09078
09079
09080 ドコモ au ソフトバンク au ソフトバンク
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09081 au
09082 au 沖縄セルラー電話
09083 au ソフトバンク au
09084 SB ドコモ au ソフトバンク
09085 ソフトバンク ドコモ
09086 ソフトバンク ドコモ
09087 ドコモ
09088
09089
09090
09091 ソフトバンク
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09092 au
09093
09094 ソフトバンク
09095 ドコモ
09096 au SB au ソフトバンク
09097 au 沖縄セルラー電話 au
09098 ソフトバンク
09099

 

前述した、電話番号が10桁から11桁へと変更されたときの経緯を思い出していただくと、よりわかりやすくなると思います。

090-1~090-4までと090-8、090-9(旧010~040、080、090)までは元々利用されていた番号からの変更でしたが、050、060の番号は070番号のPHSへと移行したので「090-5」「090-6」と、もともと存在しなかった070(090-7)については、完全に空いていた番号帯になるわけです。

つまり、090-5、090-6、090-7から始まる番号は、少なくとも1999年1月1日以降に払い出された番号である、と考えられるわけです。ゆえに割り振り方も他の番号帯と比べるとかなりきれいになっています。

「090-5」については全番号がドコモに割り振られ、「090-7」についても、「090-75」がauになっている以外はすべてドコモです。

 

080で始まる携帯電話番号キャリア別割り当て表/ドコモ・au・ソフトバンク

090で始まる番号と比較して、割り振られ方が極めてきれいなのが080で始まる番号の大きな特徴です。

後発の番号なので、キャリアごとに初めからある程度まとめて割り振られているためです。

例えば「080-1」と「080-2」については完全にドコモ、「080-3」「080-4」がすべてソフトバンク、「080-5」と「080-6」がauと沖縄セルラー電話、といった具合です。

「080-7」「080-8」「080-9」については、その後また細かく割り振られたのか、まちまちになっています。

とりあえず、080-1から080-6までの法則を知っていれば、少なくともMNPを利用する前、初期段階で契約したキャリアは判断できるというわけです。

 

番号
08010 ドコモ
08011
08012
08013
08014
08015
08016
08017
08018
08019
08020
08021
08022
08023
08024
08025
08026
08027
08028
08029
 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08030 ソフトバンク
08031
08032
08033
08034
08035
08036
08037
08038
08039
08040
08041
08042
08043
08044
08045
08046
08047
08048
08049
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08050 au
08051
08052
08053
08054
08055
08056
08057
08058
08059
08060
08061
08062
08063
08064 au 沖縄セルラー電話 沖縄セルラー電話
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08065 au
08066
08067
08068
08069
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08070 ソフトバンク
08071
08072
08073
08074
08075
08076 ソフトバンク ドコモ
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08077 ドコモ
08078
08079 ドコモ ソフトバンク
08080 ドコモ
08081
08082
08083
08084
08085
08086
08087
08088
08089
08090 au
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
08091 ソフトバンク
08092 ドコモ
08093 au
08094 ソフトバンク
08095 ドコモ
08096 ソフトバンク
08097
08098 au 沖縄セルラー電話 au
08099 ドコ

 

070で始まる携帯電話番号キャリア別割り当て表/ドコモ・au・ソフトバンク

もしこれから新しい番号がほしいと考えているのであれば、狙い目はやはり070番号です。

何故なら、まだまだ利用数が少ない上に、そもそも割り振られてさえいない番号帯も存在するためです。

狙って取れるわけではないとはいえ、良番取得の可能性がもっとも残されているのは、070番号です。

 

070番号に関しては、11桁番号へと変更になった際に、050番号と060番号を利用していたPHSがそのまま「070-5」「070-6」へと変更されました。

そのため、長く070番号=PHSだったのですが、現在では070番号が携帯電話用にも開放されたため、PHSを識別するためには「070-5」「070-6」かどうかを見るしかありません。

同時に、「070-5」「070-6」については、現在PHSを一手に担うソフトバンク(ワイモバイル)が、割り振られていない番号を除けばすべてその割り当てを持ちます。

 

070-7以降はまだまったく割り振られておらず、今後の総務省による割り振り待ちです。「070-1」から「070-4」までは各キャリアに割り当てられているものの、現状個人的にまだほとんど見かけたことがありません。

そもそも私の知り合いで最近契約を作った、という人もあまりいないのでそのせいかもしれませんし、割り振られてはいるものの、まだ現状090番号の再利用や080番号の残り分や再利用が多数あることで070番号は事実上まだ運用されていない可能性も考えられます。

 

番号
07010 ドコモ
07011 ソフトバンク
07012
07013
07014
07015
07016
07017
07018
07019
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
07020 au
07021
07022
07023
07024
07025 ソフトバンク  
07026 ドコモ
07027
07028
07029
07030
07031 ソフトバンク
07032
07033
07034 ソフトバンク  
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
07035 au
07036
07037
07038 沖縄セルラー電話 au
07039 ドコモ
07040
07041
07042
07043
07044
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
07045 au
07046
07047 au  
07048 ドコモ
07049
07050   ソフトバンク
07051 ソフトバンク
07052
07053
07054
07055
07056
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
07057                    
07058   ソフトバンク                
07059                    
07060                    
07061 ソフトバンク
07062
07063 ソフトバンク      
07064 ソフトバンク
07065
07066
07067                    
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
07068 ソフトバンク        
07069 ソフトバンク
07070 NTTドコモ                  
07071                    
07072                    
07073                    
07074                    
07075                    
07076                    
07077                    
07078                    
07079                    
07080                    
07081                    
07082                    
07083                    
07084                    
07085                    
07086                    
07087                    
07088                    
07089                    
07090                    
07091                    
07092                    
07093                    
07094                    
07095                    
07096                    
07097                    
07098                    
07099                    

 

MNP開始によりキャリア判別は不可能に

ここまで、各キャリアごとの初期段階での携帯電話番号の割り当てを見てきましたが、2006年10月24日にMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ/携帯番号持ち運び制度)が開始されたことにより、事実上携帯電話番号によるキャリア判別は不可能となりました。

つまり、「080-1」で始まる番号であれば、その人の初期段階でのキャリアはドコモだった、と確定できるわけですが、その後MNPを利用してauやソフトバンクに転出している可能性も考えられるわけです。そうなると、完全に利用キャリアを追うことはできなくなります。

 

いずれにしてもこれらの知識は持っていても何に役立つというものではありませんが、一つの豆知識として覚えておくと面白いかもしれません。