既にカケホーダイプランが標準プランとして定着してきているドコモにおいて、いまだにタイプXiにねんを利用し続けている人は少数派になってしまっているかもしれません。そもそも、タイプXiにねんって何? という人の方が多数派なのではないでしょうか。
NTTドコモのスマートフォン向け料金プランは、当初FOMAプランから始まり、Xiスマートフォンが登場するにあたって「タイプXiにねん」という標準プランが登場しました。
そして2014年に通話完全定額制の「カケホーダイプラン」が始まり、タイプXiにねんは新規申し込みを終了するに至りました。
ただ、それまでタイプXiにねんを利用していたユーザーはそのまま継続することはできるため、現在ドコモのXiスマートフォンを利用しているユーザーの中に、まだカケホーダイプランに変更することなく、「タイプXiにねん」を利用し続けているユーザーがいまだに存在しています。
タイプXiにねんのユーザーがカケホーダイプランに変更しない大きな理由としては、使い方によってはそのままタイプXiにねんを利用し続けた方が料金的に有利になる、という状況が過去、存在したためです。
では現在でもそれは変わっていないのでしょうか。本当にタイプXiにねんは、まだ継続した方がお得なのでしょうか。検証してみました。
カケホーダイプランにしない方がよかった「タイプXiにねん」ユーザー
「タイプXiにねん」の月額基本料金は、743円と格安です。ただ、電話をかければかけるほど30秒あたり20円の通話料がかかる従量制プランのため、通話が多いユーザーにとっては大きなマイナスになる可能性があります(※ドコモに対するカケホーダイは月額667円で用意されていました)。
そのため、通話が多いユーザーのほとんどはカケホーダイプランがスタートすると同時にそちらへと移行してしまいましたが、現在タイプXiにねんを利用し続けているのは、逆に通話が少ないユーザーです。
通話が少ない場合、カケホーダイプランにすると基本料金がそれだけで2700円と2000円近くも上がるため、元々通話をせずに基本料金を安く抑えることができる「タイプXiにねん」の方が利用効率がいい、という考え方です。
しかも、カケホーダイプラン登場当初は、2700円のカケホーダイプランのみしか存在していなかったので、なおさらタイプXiにねんユーザーはカケホーダイプランに変えることを躊躇したのです。
しかし、ドコモは機種変更をするユーザーに対して、元々端末代金を割り引くために適用させていた月々サポートという割引を、カケホーダイプランを利用するユーザーにのみ適用させ、タイプXiにねんを継続するユーザーに対しては割引を一切行わない施策を行い続けています。
この取り決めにより、機種変更時にはカケホーダイプラン(ライト・シンプルプラン含む)を選択することが半ば強制となり、ドコモの新料金プランへの移行は順調に進んでいる状況です。
通話をしなくても基本料金が上がるカケホーダイプラン
ここで納得できないのはやはり通話が少ないユーザーです。
今までは通話が少ないユーザーは安く、通話が多いユーザーは料金を高く支払うといういわゆる「使った分だけ」という従量制のシステムだったために不公平感もなかったのですが、カケホーダイプランになると通話をかけてもかけなくても定額になるため、通話が少ないユーザーが逆に不利になるという逆転現象が生まれてしまったわけです。
これは、減り続ける音声ARPUをギリギリのラインで確保しようというドコモ及びそれに追随しているau、ソフトバンクの大手キャリアの思惑であり、そのために割に合わないプランへの変更を強制される通話が少ないユーザーはある意味被害者でもありました。
ここまではカケホーダイプランスタート当時の話です。しかし、現在では状況がかなり変わりました。
カケホーダイライトプラン・シンプルプラン・docomo withの登場が流れを変えた
当初、2700円の定額かけ放題しか存在しなかったカケホーダイプランに、その後月額1700円で5分以内通話を無料とする「カケホーダイライト」プランが登場しました。
こちらも登場当初は、データSパックとはセットにできないとか、シェアパックは15以上じゃないと駄目だとか、色々問題を抱えていたのですが、やがて条件は緩和され、今ではデータSパックでもシェアパック5でもセットにすることができるようになりました。
それだけでも大きな状況の変化なのですが、それに加えて決定打となったのが、シンプルプランとdocomo with(ドコモウィズ)の登場です。
これらの新プランの登場によって、タイプXiにねんを利用し続けなくても、今まで以上に安い料金プランを実現することが可能になったのです。
タイプXiにねんと新プランを比較してみる
実際にタイプXiにねんと新プランを比較してみます。
まずタイプXiにねんの基本料金が743円。タイプXiにねんとセットにできるパケット定額プランは、Xiパケ・ホーダイ(7GB・5700円)かXiパケ・ホーダイライト(3GB・4700円)のいずれかです。spモードの300円はいずれにしてもかかるので、ここでは省略します。
Xiパケ・ホーダイとセットにした場合が月7GBで6443円、ライトとセットにすると月3GBで5443円です。
どちらも通話については完全従量制です。
一方で、カケホーダイライトとデータSパック、データMパックの料金を考えてみます。前者が2GBで5300円、後者が5GBで6700円です。容量が減るのが嫌だという人は、もう一つ上のウルトラLパック20GBで7700円です。
これだけ見ると、近い容量水準ではまだ旧プランが有利かなと思えなくもないですが、ここにdocomo withを追加すると、それぞれ1500円ずつ安くなります。さらに、家族でシェアパックを利用することができれば、シンプルプランを利用することもできるため、基本料金は980円まで抑えることができ、シェアパック子回線なら1480円、docomo withの割引分を入れると-20円です。つまり、spモード分の300円を加味した場合に月額280円となる計算です。
こうなると、月々サポートが適用されないからと新機種を買うのを我慢し、タイプXiにねんをいつまでも継続する必要性は、限りなく薄れつつあります。
ドコモ光パックはタイプXiにねんでは適用せず
カケホーダイプラン登場当時にはなかったサービスの代表としては、ドコモ光があります。
ドコモユーザーがドコモ光を利用すると、新プラン利用時のパケットパックに対して割引がかかり、ドコモ光パックとしてお得に利用することができるようになります。
しかし、タイプXiにねんを利用している場合には、ドコモ光パックは適用されず、唯一ドコモ光申し込み時から一年の期間限定割引が適用されるのみです。
せっかくのドコモ光がタイプXiにねんでは生かされない、という意味でも、タイプXiにねんを取り巻く環境はやはり、かなり苦しい状況になりつつあると考えてよさそうです。
ドコモ光パックについては、関連記事「ドコモ光は本当にお得なのか」で解説していますので参考にどうぞ。
タイプXiにねんはそろそろ変え時
ドコモの続けざまの新プラン投入によって、いよいよタイプXiにねんは変え時になった、と言ってよさそうです。
もちろん、シンプルプランにしてもdocomo withにしても、シェアパックが必要だとか、購入端末が限定されているとか、条件はついてくるものの、それでも月サポありの機種購入を我慢しながらタイプXiにねんを継続する必要はないと思います。
むしろ端末にこだわらないなら、それこそdocomo with対応機種であるarrows BeかGalaxy Feelを購入すればいい話です。
何らかのこだわりがあるのであれば話は別ですが、これ以上タイプXi二年にこだわるのはむしろマイナスになる部分の方が多いと思われます。
カケホーダイプラン、カケホーダイライトプラン、シンプルプラン、ドコモウィズ、そしてドコモ光に関して、それぞれしっかり内容を確認して、納得した上で新しいプランへと変更してみてはいかがでしょうか。