2018年5月1日より、dポイントクラブの仕組みが大幅に変更になります。
かなり早い段階から発表され、変更内容も少しずつ明らかになってきていますが、それにしても大きなシステム変更はユーザー目線でいうと確実に負担です。
しかし今回は「ずっとドコモ割プラス」や「ポイント共有グループ」の登場により、今まで以上にメリットを受けるユーザーが増えるのではないかと思いますので、何がどう変わるのか、その仕組みをどこよりもわかりやすく考えていきたいと思います。
関連記事:「ドコモのずっとドコモ割プラスでdポイントが選択可能に」
dポイントクラブにまつわる過去の話
前置きとして少し昔話を。不要な方はこの項は読み飛ばしてください。
ドコモの長い歴史をみれば、dポイントクラブはまだ開始されて三年満たないシステムであり、それ以前に採用されていたドコモプレミアクラブと比べればまだまだ歴史が浅いです。
とはいえ、これまでドコモは、私が知る限りにおいてかなりの回数、仕組みの大枠であるdポイントクラブ(ドコモプレミアクラブ)について、大幅な変更を繰り返してきています。
時代時代において、ドコモの思惑と、ドコモが定めた仕組みがもたらす影響の間にズレが生じ始めるために都度変更されるものと思われますが、ユーザーからすれば毎回仕組みが変わればその分利用方法も、場合によっては利用キャリアすらも変えたくなる可能性がありますし、得になるならまだしも損になるようなら「どうしてそんなことをするんだ」と不満がたまるしかありません。
ちなみに、私の記憶にあるドコモプレミアクラブの変更は、ほぼ改悪に近いものしかなかったような気がします。
古くはDCMXカード(現・dカード)が今以上にポイント付与率がよかったこともありました。ドコモプレミアクラブとDCMXカードはそもそも直接的に紐づいておらず、それぞれにポイントがたまっていたんですね。むしろその時代の方が長かったと記憶しています。
しかしdポイントクラブでは、dカードはdポイントクラブのステージと関連付けられ、「そのステージに優遇されることでdポイントが通常以上にもらえるようになる」という仕組みに変更されました。
以前はそうではなく、ドコモプレミアクラブは独立してステージによりポイント付与率が違っており、それプラスDCMXカードやDCMX GOLDを所有することでさらにポイントが貯まる、という仕組みだったのです。
これが変更された一つの要因としては、DCMX会員の圧倒的な増加と頭打ちによる、GOLDカードへのメインターゲットの変更があったのかもしれません。現在ではそのために、dカード GOLDのメリットがdカードを圧倒しています。
そして2018年5月、dポイントクラブとdカードは、また改めてその関わりを絶たれる形となります。
つまりは過去の状態へと戻るわけです。
しかし、とりあえず一点、安心できる部分を見つけてほっとしました。
すなわち、dポイントクラブリニューアルに伴うdカード GOLDユーザーに対する悪影響として、本会員の10%ポイント還元がなくなることはない、という点です。
まずはそこを抑えた上で、全体の内容を確認していこうと思います。
新dポイントクラブのステージは5段階
なんだか何もかもが過去に戻されるような印象です。
ドコモプレミアクラブはもともと5段階ステージの時期もありましたからね。
ということで、現行のdポイントクラブと新dポイントクラブを比較していきます。
現・dポイントクラブ | 新・dポイントクラブ | |
会員ステージ数 | 4段階 | 5段階 |
ステージ | レギュラーステージ ブロンズステージ シルバーステージ ゴールドステージ |
1stステージ 2ndステージ 3rdステージ 4thステージ プラチナステージ |
ステージ判定 | 1.6か月間のdポイント獲得数 2.ドコモ回線継続利用期間 3.dカード/DCMX/ dカード GOLD/DCMX GOLDご契約 |
1.6か月間のdポイント獲得数 2.ドコモ回線継続利用期間 |
ステージ判定期間 | 上記1毎年6-11月、12-5月 上記2毎年11月末、5月末 上記3契約時/解約時に即時反映 |
上記1当該月の前々月までの6か月間 上記2毎月末 |
ステージ更新時期 | 毎年1月、7月 | 毎月 |
dカード GOLD | ゴールドステージ優遇による10%還元※ | ステージに関係なく10%還元 |
(※毎月のドコモのケータイ/ドコモ光利用料金の1,000円(税抜)ごとに税抜金額の10%還元/利用料金1,000円(税抜)につき100ポイント)
現・dポイントクラブ | 新・dポイントクラブ |
変わる点としてはまず、ステージの数。そして、ステージ判定に影響していたdカード/dカード GOLDの所有という条件がなくなります。そして、ステージ判定期間も更新時期も変わります。
そして、dカード GOLDによる10%還元という事実は変わらないものの、それがステージとは関係なく10%貯まる形になります。
わかりにくいですが、新dポイントクラブになったとしても、dカード GOLDのお得さは引き続き継続される、というわけです。
既にdカード GOLDを所有している人ももちろんそのまま利点を継続して享受できます。ここは非常に大事です。
dポイントクラブ・ステージ判定条件とステージ優待
ステージの決まり方
ステージ判定条件について、詳細を比較してみます。
【現行・dポイントクラブ】
レギュラー | ブロンズ | シルバー | ゴールド | |
ドコモ回線継続利用期間 | なし | 10年以上 | 15年以上 | なし |
dポイント獲得数(6ヶ月) | 600pt未満 | 600pt以上 | 3000pt以上 | 10000pt以上 |
カード保有 | dカード契約 | dカード GOLD契約 |
【新・dポイントクラブ】
1st | 2nd | 3nd | 4th | プラチナ | |
ドコモ回線継続利用期間 | 4年未満 | 4年以上 | 8年以上 | 10年以上 | 15年以上 |
dポイント獲得数(6ヶ月) | 600pt未満 | 600pt上 | 1800pt以上 | 3000pt以上 | 10000pt以上 |
カード保有 | 関係なし |
※2018年4月29日時点では、1stステージのみ、条件が「or」から「and」に修正されています。
新・dポイントクラブでは、ステージの決まり方とステージそのものが、大きく変わります。
ドコモ長期契約者をより上位のステージに優遇する仕組みとし、ドコモ回線継続利用期間が15年以上であれば、最上位のプラチナステージに優遇される形となります。または、直近6ヶ月で10000ポイント以上獲得した場合にプラチナステージ優遇となります。
このステージ判定には、今まで関係していたdカード/dカード GOLDの契約有無は一切かかわってきません。
変更された主な点としては、「4段階だった会員ステージを5段階に変更」、「ドコモ回線継続利用期間、または、6か月間のdポイント獲得数により、毎月ステージ更新(変更前は半年ごとに更新)」という点です。
ステージ判定のタイミング
ステージの判定については、現行が半年単位での判定になっているところから、毎月判定されるという形に変わります。
判定対象が6ヶ月という点は変わらないのですが、決められた期間の6ヵ月であったところが、直近6ヶ月に変更となります。
ただ、この部分もあまり何かに大きく影響するような部分ではないので、深く考えずにざっくり覚えておいてもいいと思います。
うまくいけば、ずっとドコモ割プラスが適用するステージが毎月変わるため、有利に働くようになります。今までであれば、一つ上のステージに上がるためには条件を満たしても長くて半年近くは待たなければならなかったからです。
ずっとドコモ割プラスで今まで以上にお得になる?
dポイントクラブの改定に伴い、長期契約者向け割引である「ずっとドコモ割」が更に拡充され、「ずっとドコモ割プラス」として特典に追加される形となります。
「ずっとドコモ割プラス」では、従来から実施している「パケットパック」の料金割引か、dポイント進呈のいずれかを選ぶことができます。
dポイント進呈を選ぶと、料金割引の1.2倍の額が適用となり、最大で月額3,000ポイントが進呈されます。
注意点としては、進呈されるdポイントは期間・用途限定ポイントであるということと、「dポイント進呈」(「ずっとドコモ割プラス(ポイント)」)を選択する場合には、申し込みが別途必要です。
dポイントクラブ改定の内容をざっと見ても、実際に何がどうなるのか、見比べてもよくわからない部分も多いと思います。
基本的に影響する部分としては、「ずっとドコモ割」が今まで適用していた部分が「ずっとドコモ割プラス」になると考えるだけでも問題ありません。
むしろ、「ずっとドコモ割」が「ずっとドコモ割プラス」に変わっても、「dポイント進呈」を選ばない限り、全体として影響を受ける部分はありませんが、「dポイント進呈」を選択すると単純に今までの1.2倍お得になるため、ここは注目すべき点と言えます。
「ずっとドコモ割プラス」のさらなる詳細内容はこちらにて。→「ドコモのずっとドコモ割プラスでdポイントが選択可能に」
まとめると、「ずっとドコモ割」が「ずっとドコモ割プラス」になることによってユーザー側で得られるメリットとしては、割引ではなくdポイント(期間・用途限定)を選択することができるようになり、その場合1.2倍お得になる、というわけです。
新dポイントクラブは特別に特典が大きくなるわけではない?
新dポイントクラブで、今まで以上にステージを増やすということは、それぞれのステージにおける特典が何かしらあるのでは、と感じられますが、今までと違う特典はほとんどありません。
ステージ特典の一つとして、ずっとドコモ割プラスが挙げられていますが、これは前述したとおり基本はそのままで、「dポイント進呈」を選択した際にお得になります。
次に、特典2として挙げられているのが、ドコモのケータイおよびドコモ光利用に対するポイント進呈です。
つまりこれも、現行と同じですね。
1st | 2st | 3nd | 4th | プラチナ | |
ドコモのケータイおよび ドコモ光に対する進呈ポイント |
1000円につき10ポイント (1%還元) |
dカード GOLD特典 ドコモ料金+ドコモ光料金に対する進呈ポイント |
1000円につき90ポイント (9%還元) |
dカード GOLDを保有していれば、通常1000円につき10ポイントに加え、dカードGOLD特典としてさらに1000円につき90ポイント、つまり9%還元が加わり、合計で10%還元にアップする、というわけです。形が違うだけで、内容は今とまったく同じです。注意点として、1000円につき10ポイントというステージポイントが別途ついて合計11%お得になるわけではありません。
あくまでdカード GOLDにおける10%還元とは、通常分とdカードGOLD特典分を合算した分、という話です。→「dカード GOLDは本当にお得なのか」
若干変わるのは、ステージに応じた優待クーポンです。
これは現行、プレミアムクーポンやスペシャルクーポンとして提供されていますが、これが「プラチナクーポン」、「スペシャルクーポン」、「dポイントクラブクーポン」という形で再構築されます。
プラチナクーポンとスペシャルクーポン
新しいdポイントクラブの特別クーポンは、プラチナクーポンとスペシャルクーポン、そしてdポイントクラブ会員全員が対象となるdポイントクラブクーポンでの構成となっています。
プラチナクーポンの対象ステージはプラチナステージ、スペシャルクーポンの対象ステージはプラチナステージと4thステージです。
クーポン内容は、基本的に今までの「プレミアムクーポン・スペシャルクーポン」の内容を引き継いでおり、ステージがそのままの方は変わらないイメージで利用できます。
関連記事:「ドコモでJALのサクララウンジを利用する方法」
ポイント共有グループの新設
今までdポイントを自回線以外の回線と共有するためには、ドコモの請求を一括請求にまとめる必要がありました。
しかし、dポイントはドコモの回線を所有していなくてもdアカウントを持つことで貯めることができるようになっている現在、そうした場合でもdポイントをまとめることができる仕組みとして「ポイント共有グループ」が新設されます。
これにより、ドコモを利用していない家族にも、dポイントカードを利用してもらうことでポイント共有ができるようになります。
関連記事:「ポイント共有グループを理解する」
5月25日よりベーシックパック/ベーシックシェアパックの提供開始
dポイントクラブのリニューアルとは直接的な関係はありませんが、ずっとドコモ割プラスが適用するパケットパックの内容が大きく変わることになるため、新しく5月25日よりスタートするベーシックパック/ベーシックシェアパックについてもしっかり抑えておきましょう。
従来のパケットパックとは異なり、最低料金のラインを基本料金として、そこから後は使った分だけ4段階で料金が上がっていく仕組みとなっています。
パケットが余る、ということがなくなる代わりに、無駄に高めの料金プランを利用してしまう、ということが防げるようになるため、使い方によっては大きなメリットが出る可能性もあります。
詳細は関連記事にて確認ください。→「ドコモのベーシックパック/ベーシックシェアパックを完全理解する」
さらなる詳細発表に注目
いよいよ新しいdポイントクラブがスタートしました。思っていたよりも新しい追加情報はありませんでしたが、ある程度の内容が出そろってきた感じです。
引き続き、新dポイントクラブの追加情報がないか、各種詳細内容に注目していきたいと思います。