ドコモの長期利用者向け割引施策として2016年より展開されている、「ずっとドコモ割コース」と「フリーコース」、そしてずっとドコモ割コースを利用している時に適用される「更新ありがとうポイント」について、改めて振り返っていきます。
それまでも適用されていた「ずっとドコモ割」を利用することができるコースを「ずっとドコモ割コース」とし、それとは別に「フリーコース」を新しく選択することができるようになったのが、2016年6月1日からでした。
既に開始から一年を経過しているものの、フリーコースを利用しているというユーザーは非常に少なく、ずっとドコモ割コースの場合にもらえる更新ありがとうポイントについても、まだまだもらい損ねている人が多いのが現状です。
ずっとドコモ割コースとフリーコースは一体何が違うのか、そして更新ありがとうポイントとは何なのか、詳細メリットやデメリットを検証していきます。
ずっとドコモ割コースとフリーコースとは
NTTドコモのずっとドコモ割コース」と「フリーコース」は、2年定期契約満了後に解約金の「あり」「なし」をユーザーが選択できるようになる取り組みです。
フリーコースの追加により、2つのコースからユーザーは自らの意思で選択をすることが可能となりました。
それにより、長期でドコモを利用しており以後もドコモを利用していこうと考えているユーザーには「ずっとドコモ割コース」、近いうちに他社も含めて検討したいと考えている場合には「フリーコース」という形で選択肢が拡大する形となっています。
ずっとドコモ割コースに関しては、割引内容が拡充された以外には基本的にそれまでと変化はなく、長期でドコモを利用している場合に、利用プランによって割引が自動適用されるようになっています。
一方で、2016年6月時点で新しく追加された「フリーコース」に関しては、本来二年更新のプランを選択しなかった場合、カケホーダイプランの定期契約なしが設定され料金が高くなるようにされていたわけですが、フリーコースでは基本プランの料金はそのままに、いつ解約したとしても解約金が不要になります。
これにより、二年更新で二年ごとにしか解約金がかからない月がなかった今までと比較しても、かなり他社への移行がしやすくなりました。ただしそれと引き換えに、長期利用の場合の「ずっとドコモ割」および新設の「更新ありがとうポイント」が適用されなくなるため、フリーコース選択時には注意が必要です。
ずっとドコモ割コース/フリーコースは更新のタイミングで選択可能
「ずっとドコモ割コース」と「フリーコース」は、前述したように2016年6月1日から選択可能となりましたが、実際に選択ができるのは、カケホーダイプランを利用中で二年定期契約の更新期間になった場合のみなので、すべてのユーザーがすぐに選択変更できるわけではありません。
つまり最近更新月を超えたばかりでずっとドコモ割コースを継続した場合、最長二年後までは自動的に「ずっとドコモ割コース」が適用され、フリーコースが選択できるようになるのは次の更新タイミングということになります。
既に最近更新月を超えてしまったユーザーは、次の更新月まで待つしかありませんが、まだこれから更新月が近々やってくるという場合には、フリーコースへの変更は視野に入れておいてもいいでしょう。
ただ、もしフリーコースを選択している場合、フリーコースからずっとドコモ割コースへの変更は、いつでも常時可能となっています。2年の縛りは発生しますが、その分、ずっとドコモ割が適用されますし、次回の更新タイミングでさらにずっとドコモ割コースを継続すれば更新ありがとうポイントももらえるのでお得です。
更新ありがとうポイントのメリットデメリット
ドコモの契約を更新したユーザーへの還元サービス「更新ありがとうポイント」は、二年定期契約を「ずっとドコモ割コース」で更新することにより、回線ごとにdポイント3000円分をプレゼントしてくれるというものです。
更新ありがとうポイントをもらうための大前提として、
2年定期契約の満了後に「ずっとドコモ割コース」を選択したユーザー
かつ「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」、「カケホーダイプラン(ケータイ)」、「カケホーダイライトプラン」、「シンプルプラン」「データプラン(スマホ/タブ)」、「データプラン(ルーター)」を契約しているdポイントクラブ会員ユーザー
という条件があります。
更新ありがとうポイントは、更新ごとに適用されるため、2年で更新したら3000ポイント、また2年経って更新したら3000ポイントという具合にその都度更新すれば3000ポイントもらえるという点は大きなメリットです。
フリーコースを選択していると更新ありがとうポイントはもらえないため、長期でドコモを利用しようと考えているのであれば、「ずっとドコモ割コース」の方がお得となります。
注意点としては、もらえるdポイントは、「期間・用途限定」のポイントであるという点で、6ヶ月間、獲得・利用が可能となっており、通常のdポイントとは有効期間が異なります。取得してから6ヶ月間が利用可能というわけではなく、あくまで契約更新期間が終了してから6ヶ月間に、獲得と利用ができるということなので、注意が必要です。
つまり、契約更新期間が終了し、4ヶ月後に更新ありがとうポイントを獲得したら、利用期間は残り2ヶ月しかないということです。
加えて通常のdポイントにできて「更新ありがとうポイント」でできないこととして、「ケータイ料金への充当」「データ量の追加」「ポイント交換商品(商品が当たる抽選含む)」「他社ポイントへの交換」「寄付」には利用できなくなっています。
さらにもう一点、注意点があります。
更新ありがとうポイント獲得の方法として、ドコモの公式サイトには「専用のWEBサイトにアクセスし、獲得していただきます」とあります。つまり、受動的に付与されるわけではなく、能動的に、つまり自分から獲得しにいかないともらえないポイントになっています。
関連記事:「ドコモ・更新ありがとうポイントをもらう方法」
意識していればいいものの、なかなかそうしたポイント獲得作業をしないユーザーも多いと思われ、期間・用途限定ポイントにされている点もそうですが、ある種ドコモの裏の意図が感じられるところです。
とはいえ、どちらにしてもドコモから変更する気がなく、今までもドコモを使い続けてきたというユーザーにとっては、メリットしかない「更新ありがとうポイント」なので、有効に活用していきたいところです。
フリーコースがお得なケースとは
基本的に、ドコモを利用することを前提としている「ずっとドコモ割コース」の方が、割引にしても「更新ありがとうポイント」にしても優遇される形となっているため、フリーコースにした方がお得になるケースはあまり多くありません。
フリーコースを選択することによる最大のメリットは二年を過ぎたら解約金がかからなくなるという点であり、いつでも自由にキャリア変更をすることができるという点ですが、そもそもドコモをやめようという意向があるのであれば、解約更新月のタイミングでやめればいい話なので、あまり利用メリットはないかもしれません。
例えば、ドコモから他社に移りたいけれども、他社で購入したい機種の在庫がないとか、もしくはタイミングとして1月より3月がお得だからしばらく待ちたいからとか、そういう理由で少しだけ解約金がかからないタイミングを延ばしたいような場合にのみ有効といえそうです。
長期利用の場合はもちろん、「更新ありがとうポイント」は長期利用者でなくても適用されるため、明確にドコモから他社へ、という気持ちが固まっていない場合には「ずっとドコモ割コース」を選択した方がお得と言えます。
関連記事:「ドコモのフリーコースの正体を暴く」
ずっとドコモ割コース/フリーコースの対象プラン
ずっとドコモ割コースとフリーコースには、対象プランがあります。
「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」、「カケホーダイプラン(ケータイ)」、「カケホーダイライトプラン」、「シンプルプラン」、「データプラン(スマホ/タブ)」、「データプラン(ルーター)」
従来のFOMAプラン利用の場合や、タイプXiにねんを利用している場合などには対象となりません。合わせて法人契約も対象外となっています。
ずっとドコモ割について、以前からドコモが抱えている問題ではありますが、どんなに長期利用していたとしても、フィーチャーフォン利用で、FOMAプラン、もしくはカケホーダイプランでもパケットパック利用をしていなければ「ずっとドコモ割」は適用されないため、長期利用者としてのメリットが皆無である、という点はいまだ改善の余地がある部分です。
あくまでパケットパックを利用し、ある程度の金額をドコモに支払っているユーザーに対してのみの優遇施策となっています。
関連記事:「ずっとドコモ割の割引内容や詳細まとめ」
au・ソフトバンクの「3年目以降解約金がかからないプラン」と比較
au・ソフトバンクは、ドコモに先駆けて「3年目以降に解約金がかからない新プラン」を発表しました。
しかしその実態は、解約金はかからないものの毎月の利用料金が300円高くなるということで、実際にはかなり使い勝手の悪いプランでした。
関連記事:「au/ソフトバンクの3年目以降解約金がかからない新プランの罠」
それと比較すると、ドコモのフリーコースはまだ、良心的です。3年目以降解約金は一切かからず、かといって月額料金が今までよりも高くなるわけではありません。au・ソフトバンクのように、「27ヶ月目から31ヶ月目の間に解約をした場合に限って多少メリットあり」というようなお得感がほとんどない内容とはまるで違います。
ドコモのフリーコースを受けて、au・ソフトバンクに動きがあるかとも当時は思いましたが、現在も特に内容は変わることなく継続しています。
au・ソフトバンクよりはマシとは言っても、ドコモのフリーコースもそんなに使い勝手がいいわけでもなく、解約金がかからない、という多くのユーザーが希望した料金プランには、まだまだ課題が山積されています。今後のさらなる改善に注目したいところです。