防水対応のスマートフォンは、実は100%完全に水を防げるわけではないということをご存じでしょうか。
「防水とはいえ、さすがに水につけるのは怖い」となんとなく感じている方も多いと思いますが、そのスタンスは実は正解です。防水スマホであっても、条件によっては水濡れによる故障が起こり得るからです。
そして、もうひとつ意外と知られていないのが、防水・防塵性能を維持するためには2年に1回程度の部品交換が推奨されているという点です。これは2026年現在も変わらず、最新機種の製品ページにも同様の記載があります。
梅雨や夏場など水回りでスマホを使う機会が増える時期に合わせて、防水防塵機能の基礎から改めて確認していきます。
水の浸入に対する保護等級
スマートフォンの防水性能を確認するとき、必ず目にするのが「IPX5/8」「IP6X」といった表記です。この「IP」表記こそが、そのスマートフォンがどの程度の防水・防塵性能を持っているかを示しています。
「IP」の後にすぐ数字が入り、そのあとに「X」が続く場合は防塵に関する等級、「IP」の後に「X」、そのあとに数字が入る場合は防水に関する等級を表します。
防水に関する保護等級の詳細は以下の通りです。
| 保護等級 | 内容 |
|---|---|
| 0級 | 特に保護がされていない |
| 1級 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
| 2級 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
| 3級 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
| 4級 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
| 5級 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
| 6級 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
| 7級 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
| 8級 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
現行の防水スマホの多くはIPX5/IPX7/IPX8のいずれか、もしくは複数に対応しています。それぞれの具体的な試験条件は以下の通りです。
IPX5:内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から毎分12.5リットルの水を最低3分間注水する条件で、あらゆる方向から噴流を当てても通信機器としての機能を保つこと。
IPX7:常温の水道水、かつ静水の水深1mに静かに沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を保つこと。
IPX8:常温の水道水、かつ静水の水深1.5mに静かに沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を保つこと。
IPX5は短時間の強い水圧に対する性能、IPX7・IPX8は水没に対する性能を示しており、対応する状況が異なるため、複数を併記する機種がほとんどです。
なお、近年は一部の機種で「IPX9」や「IP69K」といった、より高温・高圧の噴流水にも耐える等級への対応が見られるようになりました。例えば高温のお湯による噴射(約80℃)にも耐える設計をうたうモデルも登場しており、キッチンなど水回りでの利用シーンを想定した機種選びの目安になります。
外来固形物に対する保護等級
「外来固形物」とは、ちりやほこり、粉塵のことです。等級は0から6等級まであり、6等級以外は何らかの固形物が内部に侵入する状態を意味するため、防塵機能を備えたスマートフォンは基本的に最高等級であるIP6Xに対応しています。
IP6X:直径75μm以下の塵埃が入った装置に本体を8時間入れて撹拌させ、取り出したときに内部に塵埃が侵入しない機能を有すること。
スマートフォンの防水防塵機能は2年限定?
こうした防水防塵機能は、いつまでも同じ性能を保てるわけではありません。実際、現行の防水対応機種の製品ページにも、共通して次のような記載があります。
「防水・防塵性能を維持するため、異常の有無にかかわらず2年に1回部品の交換をおすすめします(有料)」
この記載は、2026年に発売された最新機種でも変わらず確認できます。ゴムパッキンなど防水性能を担う部品は経年劣化するため、たとえ水濡れなどのトラブルがなくても、2年を目安に部品交換をしておくことが推奨されているのです。
注意したいのは、これが無料メンテナンスではなく「有料」での対応になる点です。防水防塵という重要な機能であっても、永続的に無償で維持されるわけではないことを理解しておく必要があります。
スマホ防水防塵機能の注意点まとめ
以上をまとめると、スマートフォンの防水・防塵機能は水やほこりを100%防ぐものではなく、あくまで定められた条件下・期間内で有効に働く機能だということです。
以下のようなケースでは、防水防塵機能が十分に働かない可能性があります。
・お風呂での利用(常温の静水という条件を満たさない場合がある)
・海水につける(水道水ではないため)
・洗濯機で洗う(静水ではないため)
・トイレなどに落とす(落下の衝撃が加わるため)
・ジュースなどをこぼして濡れる(水道水ではないため)
・2年以上部品交換をしないまま使い続け、雨に濡れる
・長時間、ほこりの多い環境に置きっぱなしにする
洗い流せば問題なさそうに思えるジュースや、うっかりお風呂場に持ち込んでしまうケースなど、日常でついやってしまいがちな行動も含まれます。防水防塵機能を過信せず、利用状況や経過年数によってはリスクが高まることを意識しておきましょう。
防水防塵とはいえ、スマートフォンはあくまで精密機械です。基本的には水濡れやほこりには注意して取り扱うのが安心です。
それでも水回りでの利用には防水スマホが安心
とはいえ、梅雨や夏場など雨や汗、水回りでの利用が増える時期には、防水機能があると心強いのは間違いありません。突然の夕立で全身濡れてしまうような状況でも、防水スマホであれば水濡れの心配を大きく減らせます。
2026年現在、ドコモから発売されている機種では、Xperia 1 VIIやAQUOS wish5、arrows We2 F-52E、らくらくスマートフォン F-53Eなどが防水・防塵性能に対応しています。特にarrows We2 F-52Eやらくらくスマートフォン F-53Eは、バッテリー劣化を抑える独自技術により4年後も初期容量の80%を維持するとされており、長期利用を見据えた選び方をしたい方に向いています。
防水対応機種を長く使い続ける場合は、2年に1回の部品交換の目安を意識しつつ、水濡れが心配な使い方をした際は早めにドコモショップや故障取扱窓口へ相談することをおすすめします。加入している補償サービスによっては、修理費用の負担を抑えられる場合もあるため、契約状況もあわせて確認しておくと安心です。


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