「解約金があるなんて聞いてない!」
最近はこういう話もずいぶん減ってきている気がしますが、数年前までは本当にケータイ業界の抱える大きな問題の一つでした。
二年更新、一年更新による解約金の問題です。
聞いていない、というトラブルが少し落ち着いてきている感があるのは、世間一般に「ケータイ・スマホは二年更新契約があって、途中で解約をすると解約金がかかる」という事実が認識され始めているということ、販売窓口での説明が徹底されてきていることなどが、要因として考えられます。
しかしこの解約金をめぐるトラブル、実はケータイ・スマホの話ばかりではありません。
固定のインターネット、つまりドコモにおいては「ドコモ光」も、同様の縛りがあるのです。
NTTの光卸売りによるコラボ光のスタートによって、光回線を他社に切り替える、という動きが活発化し、それによって改めて光回線の解約金がクローズアップされつつあります。
その結果、上記の「聞いていない」という話が出てくるケースが増えてくるわけです。
解約金についてのルールはほぼケータイ・スマホのケースと同じなので難しくはないと思いますが、「聞いていない」ということにならないようにもう一度ドコモ光の解約金について確認し、改めてドコモ光の解約方法や注意事項など詳細内容についても見ていこうと思います。
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ドコモ光の解約に必要なもの
ドコモ光の解約は、契約者が解約したいと考えればいつでも解約することが可能です。もちろんタイミングによっては解約金の問題が発生してしまうのですが、ここではその件はとりあえず置いておいて、ドコモ光を解約する際に必要なものについて確認しておこうと思います。
ドコモ光解約に必要な書類等
ドコモ光の解約にあたっては、本人確認書類(運転免許証や保険証など)は原則必要ありません。必要なものとしては、ネットワーク暗証番号、または口頭などでの本人確認となります。
まったく難しいことはないですね。もしドコモショップ窓口で手続きをする場合には、念のため運転免許証等も持って行っておけばより安心です。何故なら、ネットワーク暗証番号がわからない、または間違っていたという場合に、免許証などの本人確認書類があれば、そのままネットワーク暗証番号の変更手続きをとることができるためです。
まぁそもそも口頭での本人確認で済むのですから、問題ないとは思いますが、用心のためですね。
ちなみに、これもレアケースだとは思いますが、ドコモの携帯電話契約が既になく、ドコモ光だけを利用していたとか、ドコモ光のペア回線を設定していないという場合の解約については、ドコモ光の契約ID(お客さまID)等により本人確認がなされる形となりますので注意しましょう。。
ドコモ光解約に必要な費用
ドコモ光の解約時に必要な費用としては、まず考えられるのは解約金です。そして、解約当月の基本使用料、もしドコモ光の工事料金を分割で支払っていた場合には工事料金分割の残債が、契約解除の翌月に一括で請求される形となります。
加えて、さらに気になる点が、プロバイダーの解約金についてではないでしょうか。それぞれ見ていきます。
【解約金】
通常のドコモ光の料金(戸建タイプA:5200円 B:5400円 マンションタイプA:4000円 B:4200円)は、定期契約ありのプランであり、二年更新の料金プランです。
二年ごとに契約が満了し、その「満了月の翌月および翌々月が解約金がかからない月」となります。
その二ヶ月間以外のタイミングで解約をした場合には、解約金が戸建てタイプで13000円、マンションタイプで8000円かかります。
もちろん、こうした解約金が伴う二年更新プランは利用したくないということであれば、二年更新をつけない形での契約もできますが、代わりに毎月の料金が跳ね上がるため、実際の利用していく中でそちらのプランを選択することはあまり現実的ではありません。
そのため本来解約金についての内容は、ドコモ光契約の段階で頭に入れておきたい内容と言えます。
既に契約しており解約を考えているのであれば、解約を実施するタイミングをしっかり考えるようにしたいところです。
【解約月の基本使用料】
解約を実施した月のドコモ光の基本使用料については、日割り計算はされません。そのため、どのタイミングで解約しようとも、1ヶ月分の基本使用料はかかってしまいます。そのため考え方によっては、月初に解約するよりも、十分その当月分も利用してしまった上で月末に解約する方がややお得、と言えます。
とはいえ解約手続き自体を忘れてしまっては元も子もないので、解約しようと思ったら忘れないうちに早めに解約を実施しておいた方が間違いないかもしれません。
【工事料金残債】
工事料金を分割で支払っているパターンには二つのパターンがあります。一つはNTTフレッツ光時代からの工事料分割支払いが残っているパターン。もう一つは、純粋にドコモ光の工事料の分割分が残っているパターン。
いずれのパターンでも、ドコモ光の解約を実施した場合には、契約解除の翌月に工事料金の残債が一括で請求される形となります。
ただ一つ例外的に、上記最初のパターン、つまりNTTフレッツ光からの転用で、工事料の分割払いの残債がある場合について、ドコモ光の契約月に契約解除、つまり解約を実施してしまった場合には、翌々月に残債一括請求という形となります。まぁあまりないケースだとは思います。
関連記事:「ドコモ光の工事料は分割払いにすることが可能」
【プロバイダーの解約金】
ドコモ光のタイプA、タイプBを利用している場合、プロバイダーが元々セットになっているプランであるため、プロバイダーの解約金については、基本的には自動解約となるのですが、ただしプロバイダーによっては有料プランへ変更になる場合や、無料プランへの変更となる場合など、プロバイダーによって契約の取り扱いが異なります。
そのため、利用しているプロバイダーの「プロバイダご利用にあたっての注意事項」を必ず確認しておきましょう。
あまりないとは思いますが、もし単独タイプを利用している場合には、プロバイダーの契約は完全に別となりますので、ドコモ光とは別に必ず解約手続きをとる必要があります。
関連記事:「ドコモ光のお勧めプロバイダーはどこか」
ドコモ光解約の手続き方法
ドコモ光の解約方法は二つあります。ドコモインフォメーションセンターへの電話での解約か、またはドコモショップ窓口での解約です。
ドコモインフォメーションセンターでの解約の場合は、午前9時から午後8時まで受け付けされており、年中無休で手続きが可能です。
ドコモショップでは、各ショップの営業時間内に手続きをすることが可能となります。
どちらがいいということもありませんので、利用しやすい方法で手続きを行えば問題ありません。どちらにしてもドコモ光解約に伴う注意事項などしっかり確認された上での解約になります。
個人的には、ドコモインフォメーションセンターでの解約の方が、ドコモ光担当につないでもらった上での手続きになるため、間違いは少ないかなと考えています。ドコモショップの最大の問題点は対応スタッフによるレベルの差で、たまたま経験が浅かったり能力が低いスタッフに当たってしまうことで、本来説明してもらわなければならない部分が抜けてしまわないとも限りません。
ドコモインフォメーションセンターでもその点は同じですが、ドコモ光関連の手続きを中心にしているオペレーターに繋がった上での手続きになるため、手続き全般を受付することで必ずしもドコモ光の解約を頻繁に受付しているわけではないドコモショップスタッフとは習熟度が違います。
もちろん問題が発生してしまったとしても、あとから不備に気づけばどうにかなることもありますが、ドコモ光の解約は、一度実施してしまえば100%元に戻すことができませんのでより確実性の高いと思われるドコモインフォメーションセンターでの手続きをお勧めします。(※ケータイやスマホの解約は状況によってはどうにかしてもらえることがあります)
現在利用しているONUや、もしドコモからレンタルしているWi-Fiルーターがあれば、それらの返却方法などもしっかり教えてもらえますので心配はいりません。
ただし、教えてもらった方法に従って返却をしなかったり忘れてしまったりすると、一定期間経過後に、NTT東西から督促状が届いたり電話がかかってきたりした上に、最終的に未返却だと機器相当額の請求をされてしまう可能性がありますので、速やかに返却するようにしましょう。
ちなみに、ドコモ光を解約することによって生じる変化としては、ドコモ光パックの適用がなくなるために単独の場合は単純にパケットパックの料金が上がり、シェアパックの場合は全体の料金が少しずつ上がります。
もしシェアグループ内に他にドコモ光回線がある場合には、光☆複数割が適用されていたものが外れてしまうため、少しだけ料金が上がります。
他には、ドコモ光の料金がなくなることでその分ポイント付与が減ったりするくらいで、全体としては特に大きな変化はありません。
ただ、ドコモ光を解約することで、もし自宅でWi-Fiを利用していたのであればそれがなくなる形になりますので、パケットパックやシェアパックの容量は変えておきたいというケースもあるかもしれません。その場合には同時にドコモインフォメーションセンターで手続きをするか、「対面の方がわかりやすいかも・・・」と思われるのであればドコモショップを選択してもいいと思います。
ただその場合には待ち時間ができるだけ少なく済むように、来店予約を忘れないようにしましょう。→「ドコモショップの来店予約を利用してみた」
ドコモ光の名義は間違いないのか、必要書類等も必ず事前に改めて確認して、間違っても「せっかく行ったのに再来店しなければならない」、という状況にならないように注意しましょう。
ドコモ光電話を利用していた場合
ドコモ光利用中に、ドコモ光電話も同時に契約していた場合、当然のことながらドコモ光解約によってドコモ光電話も同時に解約になります。
何もしなければ当然電話番号もそのまま消滅してしまいますが、もしその電話番号が、NTTで取得したものをドコモ光に転用して持ってきている番号であるのなら、そのままNTTの固定回線に戻すことは可能です。
もしドコモ光から他の光回線への乗り換えで解約をするのであれば、一旦NTTの回線として番号を戻し、その上で新たな他社光を契約後、改めてその他社光に番号をそのまま持っていくことも概ね問題なくできるはずです。
ただし、固定回線の話はドコモというよりも最終的にNTT主導になりがちなので、自分が今後固定番号をどうしたいのかをしっかり考えた上で、どういう手続きをすることでどういうことができるのかも、合わせて手続きの際にドコモインフォメーションセンターなどに確認しておくようにしましょう。
関連記事:「ドコモ光電話のメリットデメリットまとめ」
ドコモ光テレビオプションを利用していた場合
ドコモ光電話同様、ドコモ光テレビオプションを利用していた場合に関しても、ドコモ光が解約されると同時に解約される形となります。
ドコモ光同様、契約解除月の月額使用料については、日割りされず一か月分が請求される形となります。
個別の解約は特別必要ありませんが、月初に解約してもかかる料金は同じなので、ドコモ光と合わせて月末に解約した方がややお得といえます。
関連記事:「ドコモ光テレビオプションのメリットデメリットまとめ」
ドコモ光と契約の意味
ここからは、ドコモ光の契約についてもう一度、確認しておこうと思います。
ドコモ光を申し込みするということは、「契約」が発生するということです。
契約をするということは、当事者同士で約束を交わすということであり、契約の成立にあたって両者にルールが設定されます。
このルールに基づいてサービスが提供され、その対価として料金が発生するわけです。
この流れの中で、「聞いていなかったから無効だ」という主張は、ドコモ側の規定を別とすれば、消費者契約法によって規定されているケースについてのみ、有効となります。
つまり、
・重要事項について事実と異なることを告げる、または事実であると誤認させた場合
・商品やサービスに関して不確定なものについて断定的な判断を提供し、誤解させた場合
・消費者の不利益となる事実、つまりデメリットを故意に告げず、そのためにそのデメリットが存在しないと誤認をし契約をした場合
・勧誘業務を行っている場所から勧誘業者が退去しない、または消費者を退去させてくれないために困惑し、やむなく契約を承諾した場合
販売側としては、この条項に当てはまらないよう、細心の注意を払って案内する必要があり、口約束では本当に説明したのかがわからないため、契約時には書面の提示とともに説明されていることがほとんどです。
ドコモの場合、こうした法的ルールに基づいた規定が別に存在し、その詳細はまた内容が若干異なります。
どういったときに契約解除ができ、どういう時にはできないのか、なども規定されていますので、契約時に必ず確認をする必要があります。
こうした、法律やドコモ上のルールに沿って契約がなされた場合、あとは消費者側にも契約に沿ってルールを守る責任が求められてきます。
ドコモ光契約時の消費者側の責任
重要事項が正しく提示されており、メリットデメリットが誤解のないように説明されている場合、消費者はその提示された情報を正しく理解して承諾する必要があります。承諾した段階で、契約は無事成立します。
ルールに基づいて提供された情報を吟味もせずに「はいはいわかった、それでいいよ」と確認もせずに同意し、契約が成立した場合、当然のことながら契約の解除等は一切できません。
契約はあくまで双方の同意であるのですから、消費者側としても提示された内容の吟味は必要であり、責任をもって契約に同意する必要があるのです。
わからないから任せるよ、というスタンスでは通用しません。そんなスタンスで契約をしてしまった場合、あとからどういうデメリットが生まれても、文句を言う筋合いではありません。正しく情報提供されていたものを無視した上で契約した自分に責任があるからです。
つまり、契約を軽視して話を聞かずに契約成立させた結果のトラブルは、消費者側に全責任が降りかかってくるわけで、誰も守ってはくれません。
すなわち、「聞いていなかったから無効だ!」という主張も、相手が正しい手順で正しい情報提示を行った上で契約が成立しているのであれば、無効にしようがありません。納得したのは自分なのですから。
ただただ、確認を怠った自分に落ち度があります。
つまりここで言いたいことは、ドコモ光には注意事項等もたくさんあります。そのため、提示された注意事項にはしっかりと目を通し、自分が思っている契約内容で間違いないのか、不明点はないのか、勘違いしているような点はないか、重々確認の上契約をする必要がある、ということです。
それが、契約時、ユーザー側に課せられる責任です。
情報弱者では損をする
今の世の中全般の仕組みとして、情報を持たない者は圧倒的に損をしてしまう世の中になりつつあります。
不平等だ、と言っても仕方がありません。平等に機会は与えてあるからです。それを知るか知らないかは、自らの学ぶ姿勢によって大きく変わってくるわけです。
そしてインターネット全盛の現代、学ぶ場所は身近にいくらでも用意されているわけです。
ドコモ光の解約金に関しても、いくらかかって、いつが更新月なのか、などをしっかり理解できていれば、もっとも効率よく利用ができ、他社光に乗り換えるにしても、最適なタイミングを選択することが可能です。
そんな情報を持っていなければ、解約金がかかるだけ損をします。
そもそも正しい情報を持っていなければ、解約金を支払ってまで他社光に替えた方がお得なのかも怪しいところです。
自分で考える能力と、正しい情報を収集し、選択する能力は、現代においては必須といえます。
損をしないように、しっかり詳細内容までチェックしておきましょう。