インターネットを利用していて不満を感じることは?という質問をした場合、必ず上位に入ってくる回答の一つが「通信速度が遅い」というものです。
この問題の難しさの一つとして、人が感じる「速さ遅さ」というものは、かなり個人差があるものでもあるため、一口に「遅い」と言われても現実にどれくらいの速度で遅いと言われているのかわかりにくいという点があります。
しかしそれでも、人に共通する一般的・平均的な感覚としての「遅さ」はやはり存在するわけで、「遅い」という意見の中には基準がかなり厳しいものも確かにあるかもしれませんが、それ以上に、本当に平均レベルよりも遅くなってしまっているケースも存在すると考えるべきだと思います。
ではそんなインターネットが「遅い」状況に遭遇した場合、どういう対処方法があるのでしょうか。
インターネット、今回はドコモ光に絞ってその「遅さ」への対策について考えていこうと思います。
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前提条件・ドコモ光は遅かったのか/遅くなったのか
まずドコモ光の「速度の遅さ」について考えていくにあたって、大前提として考えておく必要がある項目があります。
それは、ドコモ光が元々始めから遅かったのか、それとも昔は速かったのに最近遅くなったのか、ということです。
もし、元々開始当初から遅かったのであれば、これは契約内容を含めて全体を一度見直してみた方がよさそうです。
逆に昔は速かったけれど、利用していくうちにいつの間にか非常に遅くなってしまっていた、ということであれば、また別の原因が潜んでいる可能性があると考えられます。
それぞれのケースについて考えていきます。
ドコモ光を契約した時から遅かった
ドコモ光を契約した時から、通信速度が遅いと感じていたのであれば、利用が長くなることによって発生しやすくなる機器故障などが原因となっている可能性は低く、むしろインターネット環境全体に問題が潜んでいる可能性が高いといえます。
同じドコモ光を利用していたとしても、細かい内容が異なれば、通信速度はまったく別のものになってしまう場合もあるのです。
そのため、一つずつ問題点を確認していく必要があります。
ドコモ光の最大通信速度を確認する
まず初めに、根本的な問題として、ドコモ光の契約の「最大通信速度」がちゃんと「1G」になっているかどうかを確認してみましょう。
もし「100M」「200M」になっていれば、これが原因の一つである可能性が考えられます。
確認はMy docomoから簡単に確認できます。「ドコモオンライン手続き」の中で「ドコモ光」を選択すると、契約状態を確認することができます。その中に上記写真のような表記があります。
ドコモ光を新規契約で申し込みした場合には1Gになっていないことは考えられませんが、100M、200Mになっているケースとしては、フレッツ光から転用をしてドコモ光を利用しているケースです。
フレッツ光利用時に、元々通信速度が100Mbps/200Mbpsで利用していた場合、ドコモ光に転用する際に1Gbpsへの変更を提案されるはずなのですが、そうすると無派遣工事料の2000円がかかってしまうため、あえて速度を変更することなく、そのまま100Mbps/200Mbpsを維持してドコモ光に転用しているケースがあるわけです。
その場合当然のことながら、ドコモ光に転用しても速度は遅いままなので、ドコモ光開始当初から「遅い」ということになりがちなパターンです。
関連記事:「ドコモ光への転用のメリットデメリット」
ドコモ光のプロバイダーを確認する
最大通信速度が問題なく1Gbpsになっているのであれば、まずこの点は問題ないことがわかります。
その次に確認すべき項目としては、利用しているプロバイダー(ISP)についてです。
ドコモ光のメリットの一つが自由にプロバイダーを選択できるという点なのですが、残念ながら自由にプロバイダーを選んでしまうと、通信速度が非常に遅いプロバイダーにあたってしまうケースがあります。
例えばドコモ光対応プロバイダーでも、大手ISPと、かなりローカル色の強いISPとでは、そのバックボーンの大きさはまるで違いますし、高速で通信ができるv6プラスに対応しているかどうか、なども全く異なります。
そこで、もし今のプロバイダーでかなり遅いと感じているのであれば、プロバイダーを変更することを考えてみます。
一般的に、インターネットの通信速度が遅くなる場合、「自宅内」、「NTT区間」、「プロバイダ区間」のそれぞれに原因が考えられるわけですが、ここではプロバイダー区間に問題があった可能性を考えるわけです。
では一体、どのプロバイダーが本当に速いのかという点が気になると思いますが、この質問に対する答えはなかなか見つけるのが難しいです。
バックボーンの大きさといえば圧倒的にOCNでしょうが、逆に会員数が多すぎて混雑するという事実は私が以前体験済みです。かといって規模が小さすぎるプロバイダーでも不安です。
OCNと同じNTT系のぷららも、かなり速度が出にくいという評判が多いようです。→「ドコモ光+ぷららは遅いと評判?」
ということで、とりあえず現在私も利用している、混雑回避力に優れているv6プラス対応のプロバイダーが現状、選択肢としては最強です。
その中で、ドコモ光・タイプAで料金的に有利であり、なおかつv6プラス対応高速Wi-Fiルーターを無料レンタルすることができるGMOとくとくBBが最もお勧めです。
まったく同じ味の料理を提供してくれる有名店が2店並んで立っているとして、一方が1時間待ち、一方がすぐにテーブルにつけるのであれば、確実に空いている方を選びますよね?
v6プラスを利用するということはそういうことで、空いている道を優先的に利用できると考えるとわかりやすいと思います。つまり、速さに関してはv6プラスを選択しない理由がないのです。
関連記事:「ドコモ光のお勧めプロバイダーはどこか」
それでもダメな場合は・・・
ドコモ光が契約時から既に遅かった、という場合には、以上の二点を確認し、対策をとることによってある程度は改善すると考えられますが、それでも速度改善しない、という可能性もゼロではありません。
その場合には、念のため以下の「ドコモ光が最近遅くなった」ケースの対策、つまり自宅の環境を再確認してみて、それでもダメなら最終的にはNTT区間に原因がある可能性を考えるしかないのですが、その点については最後にまとめて解説しようと思います。
ドコモ光が昔は速かったのに最近遅くなった
ドコモ光が昔から遅かったわけではなく、昔は問題なく利用できていたのに、最近特に遅くなった、という場合には、確実に昔と今とでは利用しているドコモ光環境において何かが変わってしまっている状態であると考えられます。
では一体何が変わってしまったのでしょうか。まずは自宅の環境に原因がある可能性を考えます。
ドコモ光を利用しているデバイス(パソコン・スマホ等)を確認する
ドコモ光を利用しているパソコンやスマートフォン、タブレットなど、もし通信速度が遅いと感じるのであれば、どのデバイス利用時にそれを感じるのかを試してみましょう。
どのデバイスを利用しても同じように遅いのであれば、デバイス側の問題ではない可能性が高くなります。
逆に、特定のデバイスを利用した場合に遅く感じるのであれば、その端末側に問題が発生している可能性があります。
具体的には、メモリ不足などのスペックに起因するもの、単純にハード的な故障など、こちらも原因は様々です。
スマホやタブレットであれば、とりあえず不要なアプリを削除してみたり、一度電源を落として再起動してみたりして様子を見ましょう。それでもダメなら点検を兼ねた修理に出してみたりしてもいいでしょう。
ドコモ光で利用しているWi-Fiルーター/ONUを確認する
ドコモ光を利用する際に接続しているONU(回線終端装置)やWi-Fiルーターが、そもそもちゃんと動作しているのかを確認します。
一度どちらも電源を落とし、1分ほど待って再起動してみて、改善しないか様子を見ましょう。そうすることで、比較的混雑の少ない経路へ接続し速度が改善される場合があるということです。
改善しなければ、Wi-Fiルーターを全く別のルーターに交換してみたり、またはWi-Fiではなく、パソコンを有線で接続してどうかも確認しましょう。その際利用するLANケーブルも、ちゃんと1Gbps対応(1000BASE-T)のLANケーブルなのかを確認しておきます。
1Gbps対LANケーブルで接続した有線の状態で速度に問題がないのであれば、Wi-Fiルーターの調子が悪いか、または元々のルーターのスペックの問題とも考えられます。
高速のWi-Fiルーターを別に買いなおすか、プロバイダーごと変更すれば高速Wi-Fiルーターを無料レンタルできるGMOとくとくBBのようなプロバイダーもあります。
もしWi-Fi利用時に通信が途切れる、という症状であれば、Wi-Fiの電波が家電製品などと混信している可能性もあります。→「ドコモ光 Wi-Fi利用中の切断の原因は電子レンジだった?」
外部環境の変化も考えられる
どう対処しても速度が全く改善しない場合、最終的に自宅外の外部環境に原因がある可能性もあります。
外部環境が原因である場合の一つはプロバイダーですが、これは既に解説しました。
そしてもう一つの外部環境要因となるのが、自宅とNTT基地局間、つまりNTT区間での問題です。
元々昔は速度が出ていたのに、最近遅くなったということであれば、昔よりも近隣の住宅で同じ光ファイバーを利用している家が増えた、という可能性もありますし、近くの住人の中にかなりのヘビーユーザーが現れた、または動画視聴をかなり頻繁に利用し始めた、ということも考えられます。
一本の光ファイバーは、最大12戸で分岐して利用するといわれているため、空きがあったころよりも利用者が増えればその分自然に一戸あたりの割り当てとしては減り、その分通信をする時間が重なってしまえば遅く感じられることが増える、ということはあり得ると思われます。
そういう意味では、初めから遅かった、というケースも、こうした外部的な要因によるものである可能性もあるわけです。
「NTTサービス情報サイト」の通信速度測定
ということで、まずこの部分の切り分けをするために、「NTTサービス情報サイト」にて、プロバイダーの影響を受けない光回線の速度計測を実施してみましょう。
この計測は、できればドコモ光契約初期から計測しておくことをお勧めします。そうすることで、その後どういう変化が起こったのかを知ることができます。下記サイトから計測可能です。
※東日本エリアの光回線を契約の場合には西日本エリアのサイトは表示されず、西日本エリアの光回線を契約の場合には東日本エリアのサイトが表示されません。
もしここで問題なくある程度の速度が出ている場合には、NTT区間には問題がないということがわかります。それでもインターネット全体の速度が遅いのであれば、自宅やプロバイダーに何らかの問題がある可能性があります。
全てに異常が見られないのに遅い場合
ここまで切り分けしてくれば、どこかに何らかの遅い原因が見つかるとは思うのですが、すべて原因をつぶしていってもそれでもまだ遅い、という場合、最終的な解決策としては、使えないわけではなければある程度妥協して利用するか、またはドコモ光を丸ごと他の光に変えてしまう、という方法しかありません。
ただそこまですると、解約金や新たな工事料金などもかかる可能性が高いですし、かなり大がかりとなってしまうため、とりあえず現状をドコモに相談してみましょう。
ドコモインフォメーションセンターは、ドコモケータイからであれば「151」、それ他社ケータイや固定電話からであれば「0120-800-000」でつながります。