平成を象徴するケータイの歴史/905iシリーズからもう10年以上が経過していた

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もう10年以上前の話になってしまいました。

爆発的に売れたドコモの905iシリーズを覚えていますでしょうか。

非常に印象に残っている理由としては、ドコモにとって「バリューコース」・「ベーシックコース」が登場し、割賦販売がスタートした時期の機種であり、一つの区切りとなった機種と言えるためです。

また、movaからFOMAへの移行が本格化し始めている時期でもあり、とにかく売れて在庫が全然見つからなかったためでもあります。

 

そもそも割賦、という購入方法を最初に開始したのはソフトバンクで、スーパーボーナスがその初代でした。2006年(平成18年)の話です。

翌2007年末、auがドコモより一歩先に、「au買い方セレクト」をスタートし、ドコモは遅れて905iシリーズの発売とともに、バリューコース・ベーシックコースを開始しました。

 

この当時のことは、ショップを回って色々話を聞いていたためかよく覚えており、ソフトバンクとドコモは、スーパーボーナスとバリューコースにそれぞれ力を入れ、「割賦」という新しい販売方式に完全に舵を切り始めていたのですが、auだけが従来の販売方式に固執し、買い方セレクトの「フルサポートコース」と「シンプルコース」の二つのコースの中で従来の販売方式をとる「フルサポートコース」を主要な販売方式として打ち出していました。

結果としてこれが完全に裏目となり、auはこの時期、かなり調子を落としました。

世の中は、見た目の料金が劇的に安い(実質0円など)割賦販売方式に傾いていき、auの不調をそのまま吸収する形で、爆発的にドコモの905iシリーズは売れたわけです。

 

本当に、どこにも在庫がありませんでした。

どのメーカーの機種が欲しかったのかは覚えていないのですが、本当に欲しかったわけではない機種で最終的に妥協したことだけはしっかりと覚えています。妥協して選んだ機種は、N905iでした。

久しぶりにN905iを引っ張り出してきて、今となっては一周回って逆にこれかっこいいんじゃないか、と思えたりしています。

今回は、2019年4月での平成の終わりを前に、平成を象徴するケータイの歴史をほんのちょっと振り返ってみようと思います。

905iシリーズを振り返る

この時期発売された905iシリーズは、「D905i」「F905i」「N905i」「P905i」「SH905i」「SO905i」「N905iμ」の7機種と、サーバーショットケータイ「SO905iCS」、VIERAケータイ「P905iTV」、AQUOSケータイ「SH905iTV」の3機種を合わせた合計10機種。

デザインを観る限り、私はP905iか、SH905i、またはN905iμが欲しかったような気がします。

それぞれ簡単に振り返ってみます。

 

D905iは三菱製スライド式ケータイ

 

SHとかSOとかFはわかるとして、DとかNとかPとかってどこのメーカーなの!? という方もいらっしゃると思いますので解説しておくと、NはNEC、Pはパナソニック、そしてDは三菱でした。

三菱なのにD?と感じられると思いますが、これは三菱のマークを思い浮かべてもらうと解決します。「スリーダイヤ」ですよね。このスリーダイヤの「Diamond」の「D」らしいです。ややこしいですね。わかるわけないです。

 

そのややこしいDシリーズは、こだわりがあったためかドコモからの要請のためか、よくスライド型のケータイを発売しており、D905iもスライド式ケータイでした。

この当時は、スライドか折り畳みか、はたまた2軸回転式か、といくつかの種類があったわけですが、結構好みがわかれていました。

スライド式を私も何度か使ったことはありますが、どうしてもその形から、キーが小さくなりがちで、使いにくかった記憶があります。

 

D705i、D705iμで三菱は完全に撤退してしまいましたが、D705iμなんかは、ストレートタイプで結構かっこよくて、私も当時何故か持っていました。確か一括0円とかでたたき売られていたのを手に入れたんだと思います。

 

 

auからこの冬、INFOBARが復活しますが、ドコモからもD705iμみたいなケータイが復活すればいいんですけどね。子機ですが、ワンナンバーフォンがちょっと近いです。もう少しかっこよければよかったんですが。。

まぁ、カードケータイも出るのでそちらを楽しみにしましょう。

 

絶大な人気!? WオープンスタイルのP905i

 

当時ドコモで人気があったのは、今はもう撤退してしまったNやPだったと思います。

Pのケータイと言えば、ワンプッシュオープンが特徴的で、一度これを使ってしまうと次もワンプッシュじゃないと使いにくい、という人もいました。

といっても、ワンプッシュオープンって何のことだかわからないですよね。

ケータイを閉じた状態で真正面から見た場合の右上に、ワンプッシュボタンがついており、これを押すことで「パカッ」とケータイが開く作りのことです。

 

ちなみに、P905iはそのワンプッシュオープンをさらに進化させたWオープンスタイルとなっていて、Pのケータイはこのあと、Wオープンスタイルを採用した機種が長く続きました。

とにかくこの頃のケータイは、テレビが観られる(ワンセグ)という今では当たり前すぎて付いていても付いていなくても下手すればどうでもいい機能が画期的と思われていて、誰もが「テレビが観られるケータイが欲しい!」と思っていた時代でした。

そんな中で、縦だけじゃなく、横にも開いてテレビが観られるというWオープンスタイルのP905iは、確実に最先端を行くカッコいいケータイでした。

少なくとも、スライドタイプで同じようにテレビに特化したP905iTVよりも圧倒的に人気があったように記憶しています。

 

女性に人気・すっきりデザインのSH905i

 

スッキリデザイン薄型で回転2軸という特徴を持つ、SHARPのSH905iは、特に女性に支持されやすい機種でした。

今となっては伝説とも言えるTOUCH CRUISER(タッチクルーザー)という機能がSH904iから引き続き搭載されていて、今までにない操作性を実現している機種でもありました。使うかどうかはともかくとして。

本当に人気が高く、探してもなかなか在庫がある店舗が見つかりませんでした。

ホワイト、ブラック、ブルー、ピンクというカラーバリエーションのどれもいい感じのデザインでした。

今普通に使えるSH905iがあったとしても、持って出歩いても全然恥ずかしくないどころか、逆にカッコいい気もします。

まぁ、905iシリーズ、よく考えたら可能性としては、まだ使っている人がいてもおかしくはないんですね。

 

サイクロイドヨコモーションのF905i

 

SHARPのAQUOSケータイに似た「サイクロイド機構」を持ち、AQUOSケータイとは少し違って左右90度に動く横モーションスタイルが特徴的なF905i。

AQUOSケータイと同じく、好みが分かれる機種だったと思います。

私は個人的に、あまり好きではありませんでした。おもしろさはあったと思うのですが、やはりデザイン的にちょっと、という感じでしたね。

たぶん今では知らない人も多いと思いますが、FMトランスミッターという機能が搭載されていました。

地味に、うまく使いこなすと役に立つ機能で、知り合いに「FMトランスミッターがない機種は使いたくない」という人が当時いました。まぁそうなると、ほぼ「F」シリーズになってしまうんですけどね。「F」以外でFMトランスミッター搭載機種があったかは覚えていません。

それくらい、FMトランスミッターと言えば「F」という印象が強烈でした。

 

「ソニエリ」の時代・SO905i

 

「SO」ってどこだろう?という人はたぶんあまりいないと思います。

ご存知、XperiaのSONYです。現在も、SO-01L(Xperia XZ3)、という感じで「SO」は残っています。

ちなみにもう少し正確に言うと、当時は今と異なり、ソニー・エリクソンでした。略して「ソニエリ」と呼ばれていました。

ただ、この時期はドコモの中でのソニエリの立場としては、今のように人気メーカー、という感じではありませんでした。

どちらかというとこの頃、ソニエリはau寄りの印象が強かった気がします。W51SとかW62Sなどを個人的に持っていましたね、そういえば。結構カッコよくて好きな機種でした。

SO905iは、ドコモの他の機種と比べるとかなり地味な印象で、のちのXperiaのイメージは全くありませんでした。

「らしさ」があったのは、独自の「ジョグダイヤル」が復活して搭載されていた点くらいですね。

この「ジョグダイヤル」も、意外に刺さる人には刺さるキーワードだと思ってます。一部の方にでも、「あー、ジョグダイヤル、あったあった!」と思っていただけると幸いです。

 

ソニエリ製の機種としてはこの時期、SO905iCSというサイバーショットケータイもあったのですが、正直全然興味がなかったです。いかにも「デジカメ!」という感じのデザインが無理でした。

 

デザイン特化した薄型人気モデル・N905iμ

 

当時のドコモのケータイで、薄型小型と言えば905iシリーズではなくて、705iシリーズでした。非常に薄く、軽い機種が多くラインナップされていました。

ただ、全体的に905iシリーズと比べると、705iシリーズはチープな印象になってしまう感じでした。

「μ(ミュー)」という機種名も、元々700iシリーズに利用されていたものが、初めて905iシリーズに登場したのがこのモデルでした。

905iシリーズとしてハイエンドでありながら薄型、デザインも申し分なしという、テレビ機能などよりもケータイとしての美しさを優先したシリーズと考えるといいと思います。事実、当時注目の機能だった「ワンセグ」は搭載していません。

 

ただ、「N」としてのこの手のデザインのシリーズは後々まで残っていたので、人気のシリーズだったのは間違いないと思います。

私もどこかのタイミングでこのシリーズを購入しましたが、今は既に手元になく(おそらく転売しました)、どんな機種だったかも忘れてしまいました。

 

在庫がなく妥協して購入したN905i

最後に、私が初めて905iシリーズとして購入した、N905iです。

幸い途中から家族に貸し出していたので、まだ手元にあります。

 

 

妥協して購入した割には、意外に使い勝手は悪くなくて、結構気に入って使っていました。

回転2軸式でテレビも観れましたしね。「N」がいいんだけどテレビは観たい、という人が、N905iμではなくこちらを選んでいたのではないでしょうか。

昔懐かし、「ニューロポインター」を搭載しています。全然使いませんでしたけどね。正直必要性を感じたことがないです。スマホ全盛の現在、サクサク操作できるタッチパネルに慣れた人たちがニューロポインターを使ったとしたら、その使い勝手の悪さに悶絶したことでしょう。

 

 

905iシリーズと過ぎ行く平成

というわけで、一体どの時代の記事だ!?というツッコミが聞こえてきそうな内容になってしまいましたが、たまになのでご容赦ください。

もう10年以上前の機種ですが、こうしてみると、かっこよく見えたりしませんか? 私だけでしょうか。

似たりよったりのスマホに飽き飽きしてくると、意外に新鮮に見えたりするものではないかと思うわけです。

とはいえ、スマホを手放すのはもはや無理なのですが。

 

次の元号の時代には、「平成の頃にはガラケーってケータイがあってね・・・」という話を、子の世代に遠い目をしながら語る、親世代の方々の姿が目に浮かぶようです。

そんな時にちょっぴり役立つ昔の記憶として、ドコモの905iシリーズも思い出していただければと思います。