日本におけるケータイ史の中で一時代を築いた「iモード」が、ついになくなろうとしています。
もちろん、今すぐにサービスが打ち切られるという意味ではありませんが、ドコモの2016-2017年冬春モデル新機種発表会において、フィーチャーフォン(ガラケー)も発表されたにもかかわらず、その中についにiモード対応機種が一つもありませんでした。
そして先日、ついにiモードケータイ出荷終了のニュースも飛び出しています。
今後はiモードからspモードへと完全移行し、iモードはmovaの時と同じく、徐々に姿を消していくものと思われます。そしてiモードの終焉は同時にFOMAの終焉にも繋がります。
時代はFOMAからXiへ、そして次の5Gへと移行していこうとしています。
新たに発表された新時代のXi対応ドコモケータイ・カケホーダイライトプラン(ケータイ)とともに検証していきます。
Xi(LTE)対応ドコモケータイが登場
今回の2016-2017年新機種冬春モデルとして発表されたフィーチャーフォンは3機種、P-smart P-01J、AQUOSケータイ SH-01J、そしてらくらくホン F-02Jです。
どの機種もXi(LTE)対応で、spモードに対応しており、逆にiモードに対応していません。
つまり、今までできたiモード用サイトへのアクセスができなくなり、インターネットを利用する際は、スマホで閲覧するのと同じサイトへとつながる形になります。
OSもAndroidを搭載し、よりスマートフォンに近いフィーチャーフォン・spモードケータイとして登場してくることになります。
以上3機種を購入した場合、先日新たに設定されたXi対応ドコモケータイ向け料金プラン「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」が利用可能となっています。
フィーチャーフォン(ガラケー)の3パターン
フィーチャーフォンの分類がかなりわかりにくくなってきているので、一度表にしてみます。
主に三つのパターンがあります。
フィーチャーフォン(ガラケー) | ||
iモードケータイ(FOMA対応) | spモードケータイ(FOMA対応) | spモードケータイ(Xi対応) |
P-01H N-01G 他多数 |
F-05G SH-06G |
P-smart P-01J AQUOSケータイ SH-01J らくらくホン F-02J |
カケホーダイプラン(ケータイ) FOMA旧プラン |
カケホーダイプラン(ケータイ) FOMA旧プラン |
カケホーダイプラン(ケータイ) カケホーダイライトプラン(ケータイ) |
こうしてみると、幾分わかりやすくなりますね。一つずつ見ていきます。
フィーチャーフォンには大きく分類して三つに分けられます。
まずはiモードに対応している従来のフィーチャーフォン。対応している通信網はFOMAです。この種類のフィーチャーフォンが、いよいよ出荷終了をアナウンスされているわけです。
充電器も従来型の充電器ACアダプタ02でした。
次に、spモードケータイ、いわゆる「ガラホ」と呼ばれる分類で初めてドコモから発売されたF-05GとSH-06Gです。
この2機種は、FOMA対応でありXiには対応していないものの、spモードに対応していてiモードには対応していません。
充電器もAndroidスマートフォンと同じACアダプタ05などを利用します。従来型の充電器であるACアダプタ02は利用できません。
搭載しているOSがAndroidなので、よりスマートフォンに近いフィーチャーフォンとなっています。
料金プランはFOMAの旧料金プランかカケホーダイプラン(ケータイ)が利用可能です。
ちなみに上記どちらのフィーチャーフォンの場合でも、イレギュラーな方法ではありますが、月々サポートが対象外となることを覚悟の上であれば、Xiに契約変更することにより、カケホーダイライトプラン(ケータイ)を利用することも可能です。(最新購入機種がドコモケータイの場合のみ ※インフォメーションセンターにて2度確認済み)
最後に、新世代・Xi対応のフィーチャーフォンです。
2016ー2017年冬春モデルから初めて登場した3機種・P-smart P-01J・AQUOSケータイ SH-01J・らくらくホン F-02Jが対応しています。
今後発売されるフィーチャーフォンはすべてこの種類に分類されるものと思われます。
最安値利用ならどのフィーチャーフォンがお得なのか
今後すべてXi対応フィーチャーフォンに代わっていくとして、利用するならどれが最もお得なのでしょうか。
注意すべきは、Xi対応フィーチャーフォンは従来のFOMAプランが選択できないという点であり、今後FOMAプラン利用のユーザーは減少の一途になると考えられます。もう少し時間はかかるでしょうが、最終的にはFOMAプラン自体なくなってしまうのでしょう。
とはいえ、現時点ではまだFOMAフィーチャーフォンを利用していれば選択肢は残されているため、少しでもお得な方を利用していきたいところです。
FOMA | FOMA | Xi | |
料金プラン | タイプシンプルバリュー | タイプSSバリュー | カケホーダイライトプラン(ケータイ) |
月額料金 | 743円 | 934円 | 1200円 |
パケット定額プラン | パケホーダイ・シンプル | パケホーダイ・ダブル | ケータイパック |
月額料金 | 0円 | 372円~4200円 | 300円~4200円 |
最安値で考える場合、やはり最も安くなるのはFOMAプランでタイプシンプルバリューを選択した場合です。
ただし、無料通話分もありませんし、当然カケホーダイでもないため、利用方法がかなり限定されます。本当に待ち受け専用で使いたいユーザー向けといえます。
少しだけ通話をしたいユーザーの場合、同じくFOMAプランでタイプSSバリューを選択すれば、そこそこ電話をかけることができ(月25分程度)、安く抑えることもできます。ただし無料通話分をオーバーして電話をするとその分追加料金が発生します。
もしタイプSSバリューから一つ上のプランでタイプSバリューにした場合、カケホーダイライトプラン(ケータイ)があるXi対応ドコモケータイに変更した方がお得です。端末代金等はここでは度外視します。
そう考えると、カケホーダイライトプラン(ケータイ)でXi対応ドコモケータイを利用する方法もかなり格安といえそうです。加えて1通話あたり5分以内であれば、どこにかけても通話無料がついています。
タイプSバリューでは55分相当の無料通話分が付いて基本料金1500円となりますが、長電話をせず細かく電話をするタイプなら確実にカケホーダイライトプラン(ケータイ)が有利です。
最初の二年間は我慢が必要
Xi対応のカケホーダイライトプランとケータイパックが登場したことによって、Xi対応ドコモケータイを利用する場合の料金体系はかなりお得になったと思います。
ただ一つだけ、我慢をする必要があるのが、端末代金です。
Xi対応ドコモケータイを利用する際に対応の新しい機種(P-smart P-01J、AQUOSケータイ SH-01J、らくらくホン F-02J)を購入した場合、本体代金がかかってきます。一括で購入しても割賦にしても総額は一緒ですが、それなりに大きな金額(3~4万円)になります。
この負担を少しでも減らすために月々サポートを適用させたいわけですが、その場合ケータイパックの契約が必要となり、もともとそれを必要としていない場合にはケータイパックの最低料金分(300円)の負担が重くなります。
とはいえ、月々サポートの割引金額の方がケータイパックの最低料金300円より大きいのであれば、ケータイパックを利用して月々サポートを受けた方がお得となります。
この方法で最低限でのXi対応ドコモケータイのカケホーダイライトプラン(ケータイ)での利用が可能となるわけですが、割賦購入にした場合、最初の二年間は端末代金がかかってくる分、我慢をする必要があります。
二年間で端末代金の支払いが終わってしまえば、晴れてカケホーダイライトプラン(ケータイ)のみでの運用が可能となり、月額1200円で5分以内通話無料ケータイとなります。そう考えれば、悪い選択ではない気もします。
iモードがなくなっても影響は大きくない
今現在もiモードケータイを利用しているユーザーは、どちらかというと通話のみ利用だったり通話と最低限のメールのみ利用のユーザーが多く、積極的にiモードを利用するような層はほとんど残っていないものと思われます。
iモードを頻繁に利用していたユーザー層は、その使い勝手の問題から、既にスマートフォンやiPhoneに移行してしまっているのではないでしょうか。
そう考えると、今更iモードがなくなってしまったからと言って、大きな影響はないものと思われます。料金的にも、Xi対応ドコモケータイを利用すればそれほど変わらないイメージで利用できることがわかりました。
また、その逃げ道としてのカケホーダイライトプラン(ケータイ)を作った上で、ドコモはiモードケータイの出荷終了を決断したのではないでしょうか。
今後はspモード一択で、Xi対応ドコモケータイかスマートフォン/iPhoneしか選択肢がなくなっていくわけです。
時代の流れを感じますね。movaからFOMA、そしてXi。
次の時代はどういう世界へと変わっていくのか、引き続き注視していきたいと思います。