※カケホーダイプランは2019年5月31日をもって、新規受付を終了します。
以後、新プラン「ギガホ/ギガライト」が提供開始されます。なお、新プランへの変更を行わない場合、引き続きカケホーダイプランの利用は可能です。→「ドコモのギガホ/ギガライトをわかりやすく完全解説」
NTTドコモが他のキャリアよりも一足早く開始した完全通話定額制サービス「カケホーダイ&パケあえる」。
それまで「タイプXiにねん」という料金プランにおいて提供していた「Xiカケホーダイ」(ドコモに対してのみ完全定額制)をさらに進めて、au、ソフトバンク、ワイモバイルなどの全キャリア、さらに固定電話やIP電話、PHSに対しても完全通話定額を謳ったサービスとなっています。
「カケホーダイ&パケあえる」における「カケホーダイプラン」にはいくつかバリエーションがあり、「スマホ/タブ」用プランと、「ケータイ」用プラン、さらにあまり電話をかけないユーザー向けの5分以内通話定額プランである「カケホーダイライトプラン」が準備されています。
それぞれ料金が違い、スマホ/タブ用カケホーダイプランが月額2700円(税別・以下同)、カケホーダイライトプランが1700円、カケホーダイプラン(ケータイ)が2200円、Xi用カケホーダイライト(ケータイ)は1200円です。
今回はその中でもメインとなっている、カケホーダイプランの詳細内容について、検証していこうと思います。
通話が多いユーザーには非常にお得なカケホーダイプラン
このカケホーダイプランが登場するまでの間、電話をよくかけるXiスマートフォン利用ユーザー最大のジレンマは、ドコモ以外に通話をすると高くなってしまう、という点でした。
従来のFOMAプランのような無料通話分がタイプXiにねんには存在せず、ドコモ以外に電話をかければかけるほど、30秒20円の通話料金がかかってしまうシステムでした。
そのため、通話が多くなるユーザーはあえてXiスマートフォンを利用せず、FOMAのまま利用したり、もしくはフィーチャーフォンをメインで使い続けながら二台目としてスマホをデータプランで持ったりタブレットを利用したりする使い方が一時期流行りました。
しかしカケホーダイ&パケあえるが開始されると同時に、そうした使い方のメリットがほぼ失われてしまったため、一気に通話が多いユーザーのカケホーダイプランへの移行が始まりました。
カケホーダイプランの人気は凄まじく、あまりに急激に移行が進んだために、一時期ドコモの収益に大きな影響を与えたという事実は、よくニュースなどでも話題にされていました。
カケホーダイプランがそれほどの人気を集めた大きな要因としては、通話が多いユーザーは確実に得をするプランである、という事実だったのは間違いありません。
カケホーダイプランによってもたらされた通話が少ないユーザーの憂鬱
ただ、その逆のケース、通話が少ないユーザーは、カケホーダイプランを利用すると、スマホの場合定額料金2700円を無条件で請求されてしまう分、損をしてしまうような感覚に陥ってしまいました。
何しろ今までのFOMAプランやタイプXiにねんであれば、通話をしなければ基本料金1000円以内で収まっていたのですから無理もありません。
そしてそれは間違いではなく、ドコモのカケホーダイプランは通話をまったく利用しないユーザーには厳しいプランになっているのです。
つまり、カケホーダイプランの登場と普及によって、通話をしないユーザーが通話を多くするユーザーの分まで料金を負担しているようないびつな構造に、当初は変わってしまっていたのです。
当然通話をしないユーザーとしては、納得行くわけがありません。
通話をしないのになぜカケホーダイプランにして余計に高い料金を支払わなければならないのだ、という話です。
しかしドコモの方針として今後はカケホーダイプランへすべて移行していこうという意図があり、機種変更時にカケホーダイプランを選択せず、従来のタイプXiにねんを継続すると、月々サポートが適用されないという落とし穴まで用意されており、ほぼ強制的にカケホーダイプランを選択せざるを得ない状況に変えられてしまったのです。
そうした通話をしないユーザーをほんの少しだけ救済するプランとしてドコモは、auの後追いプランとして2015年9月25日よりカケホーダイライトプランを開始しました。(「カケホーダイライトプランはお得なのか」を参照)
そして、当初はカケホーダイライトプランとセットにできるパケットパックに制限をかけていたところを、徐々に緩和していき、最終的にすべてのパケットパックに対応する形まで進みました。
カケホーダイライトプランによってある程度まで、通話をしないユーザーにも対応できるようにしておきながら、さらに追加でシンプルプランとdocomo with(ドコモウィズ)を開始したことによって、通話をしないユーザーでも、ある程度損をしなくて済む構造がようやく完成しつつあります。
(「シンプルプランは本当にお得なのか」「docomo with(ドコモウィズ)は本当にお得なのか」を参照)
通話が少ないユーザーのカケホーダイプランからの逃げ道
通話が少ないユーザーが、ドコモを利用しながらできる限り利用料金を抑える方法としては、当初、従来フィーチャーフォン、もしくはFOMAスマホートフォンでFOMAプランを継続して使うか、機種変更をせずにタイプXiにねんを維持するしか方法がありませんでした。
そのため、あえてカケホーダイプランに変更せずそのまま使い続ける、というケースも事実存在していました。
ただし、前述したようにカケホーダイライトプランの登場、条件緩和、シンプルプランとdocomo with登場という、立て続けの割引サービスによって、旧プラン(タイプXiにねんなど)から新プラン(カケホーダイプランなど)への移行は急ピッチで進んでいるものと思われます。
さらに、「ドコモを利用する」ということにこだわらなければ、最近ではもうずいぶん浸透してきましたが、電話の利用量がもともと少ないのであれば、MVNOの格安SIMを利用してスマホのコスト全体を抑えるという方法もあります。
MVNO格安SIM/格安スマホには、どうしても抵抗や不安がある人が少なくないと思いますので、誰にでも当てはまるわけではありませんが、チャレンジしたいという気持ちを持っている人や、スマホに精通している人にはおすすめです。確実に安くはなります。
例えば、スマホユーザーのおそらく誰もが知っている「LINE」の運営するMVNO格安SIM・「LINEモバイル」では、料金は非常に安く、LINE含むSNS使い放題、5分通話無料サービスなどが用意されているため、うまく活用するとドコモを利用するよりもかなりコスト的に有利に利用することができます。
ドコモの料金もかなり安くなりつつありますし、ある程度一回りした感があるので、最近はいったん格安SIMブームも落ち着いてきているような印象派受けますが、検討の余地は十分あります。
完全通話定額カケホーダイプランにはまだまだメリットはある
さて、通話が少ないユーザーにはとにかくメリットがないカケホーダイプランですが、最初にお伝えしたとおり、通話をたくさん利用する人にとっては非常にお得なプランであるという事実を忘れてはいけません。
ナビダイヤル(0570)やテレドーム(0180)、海外での利用、海外への通話などはカケホーダイにはなりませんが、他社ケータイと固定電話への通話定額を実現しているだけでも十分といえます。安心して電話ができます。
ここでも、もしFOMAのフィーチャーフォン端末を所持していれば、月額2200円のカケホーダイケータイが作れるという点は見逃せません。さらに、もしXiドコモケータイ(SH-01J/P-01J)を所持しているなら、実にカケホーダイライト(ケータイ)の1200円とケータイパック(最低300円~)で利用できるのです。
LINEを含むSNSの普及により、通話の機会は昔よりも減ってきたとは言っても、仕事上などでどうしても電話が必要なことはあるでしょうし、結局大事な話はLINEやメールよりも電話、というケースはまだまだ多いと思います。そういう意味で、電話は現状変わらず重要なツールであるのは間違いありません。
そんな中でのカケホーダイプランは、十分魅力あるプランといって間違いないと思われます。
カケホーダイプランの詳細内容を確認する
ここでカケホーダイプランの詳細内容を改めて確認しておきます。
定期契約なしを選択するメリットはほぼありませんので、基本的には二年の定期契約が発生することになります。この点だけは注意しましょう。加えて、通話は無料なのですが、SMSに関しては安いとはいえ料金がかかりますので、この点だけ注意しておきましょう。
格安SIMの「通話かけ放題」からの撤退が進むのか
先日、楽天モバイルが時間無制限の「かけ放題」を廃止すると発表しました。まさかの改悪です。
実際に利用しているユーザーもいるでしょうが、強制的に2月末でかけ放題が解約となり、従量課金に切り替わるということです。
さすがにこの対応はない、と感じている人も多いでしょうが、さすがにそのあたりは楽天モバイルも理解しているとみられ、もし該当ユーザーが楽天モバイル自体を解約する場合の費用免除として、2018年12月31日までの解約であれば契約解除料とMNP転出料を免除するとしています。
これを機会にドコモに転入するのも一つの方法です。→「ドコモオンラインショップでの機種変更/購入がリアル店舗よりも圧倒的有利な件」
このように、2017年から2018年にかけて、格安SIM業界は改変が続いています。一時期、上り調子だったMVNOも、大きな曲がり角を迎えています。
FREETELは楽天モバイルに買収されました。LINEモバイルはソフトバンクの子会社になりました。
確実に業界再編の波が感じられます。
結局、この流れで落ち着いて利用できるのは大手キャリア、という展開になっても全くおかしくありません。
特にカケホーダイプランとしての完全通話定額プランは、格安SIMよりもドコモの優位は通話品質などからも引き続き変わりません。
ほかのドコモの関連サービス・ドコモ光やdカード GOLDと合わせながら、有効に活用していきたいところです。
かなり定着してきている完全通話定額のカケホーダイプランは、これからも要注目です。