※シェアパック5/10/15は、2018年5月24日を持って新規受付を終了し、5月25日よりベーシックシェアパックが提供開始されます。詳細はこちらを確認ください。
→「ドコモのベーシックパック/ベーシックシェアパックを完全理解する」
※以下、ベーシックパック/ベーシックシェアパック提供開始を踏まえていない状態での従来の記事となっています。
総務省主導の5000円以下プランが、先行して発表されていたソフトバンクに続いて、au、そしてNTTドコモからも発表されたのが2016年2月の話です。
ドコモはソフトバンクとはまた違ったアプローチで、一回線あたり5000円を切るプランを発表しました。
ドコモの新プランとして発表されたのは、「シェアパック5」でした。
2月23日に正式発表され、3月1日より受付開始されました。事前申込はできなかったので、既にカケホーダイプランを利用しているユーザーは、3月にシェアパック5の申し込みをしても翌月適用になるという形でした。
つまり、そういうユーザーが実際にシェアパック5が初めて適用されたのは、2016年4月からでした。
この形は今も変わっておらず、FOMAプランやタイプXiにねんなどを利用していたユーザーおよび新規契約ユーザーに関してのみ、当月からのカケホーダイプラン及びシェアパック5の適用となります。
その当時、ドコモのシェアパック5の発表により、結果的に大手キャリア3社ともに月額5000円以下になるプランを発表する形になったわけですが、ソフトバンクとauが単独で5000円以下になるプランを発表したのに対して、ドコモはあくまでシェアパックを前提とし、シェアパックを組んだ際に最低料金にできる形を提示しました。
これが吉と出たのか凶と出たのかはわかりませんが、とりあえず客観的にみる分においては大きな動きにはつながらなかったように思います。
2017年9月時点では、シェアパック5を利用しながらさらに格安のシンプルプランやdocomo withを利用するというようなもう一段階安いプランが登場しています。
その中でシャアパック5には具体的にどういうメリットがあり、どういうケースがデメリットになるのかを、「ウルトラシェアパック」にも言及しながら検証してみます。
シェアパック5の料金
NTTドコモが展開しているカケホーダイ&パケあえるの料金体系には、単独で申込ができるパケットパックと家族でデータ容量を分け合えるシェアパックがあります。
その中でシェアパック5に関してはもっとも安価なシェアパックとなっており、あまりデータ容量を必要としない家族が利用する場合に活用しやすいプランとなっています。
2016年9月の変更で、データLパック、シャアパック20、30がなくなり、代わりにウルトラデータLパック、ウルトラデータLLパック、ウルトラシェアパック50、ウルトラシェアパック100が追加され、さらにその後、ウルトラシェアパック30が追加されました。
【ウルトラパック開始以前(2016年9月まで)】
データSパック(2G/月) | 3500円 | シェアパック5(5G/月) | 6500円 |
データMパック(5G/月) | 5000円 | シェアパック10(10G/月) | 9500円 |
データLパック(8G/月) | 6700円 | シェアパック15(15G/月) | 12500円 |
シェアパック20(20G/月) | 16000円 | ||
シェアパック30(30G/月) | 22500円 |
【ウルトラパック開始以後(2016年10月から)※ウルトラシェアパック30のみ後日追加】
データSパック(2G/月) | 3500円 | シェアパック5(5G/月) | 6500円 |
データMパック(5G/月) | 5000円 | シェアパック10(10G/月) | 9500円 |
ウルトラデータLパック(20G/月) | 6000円 | シェアパック15(15G/月) | 12500円 |
ウルトラデータLLパック(30GB/月) | 8000円 | ウルトラシェアパック30(30G/月) | 13500円 |
ウルトラシェアパック50(50G/月) | 16000円 | ||
ウルトラシェアパック100(100G/月) | 25000円 |
家族で分け合うことができる容量は、当初シェアパック10が最安でしたが、シェアパック5の登場によって最安プランが更新されました。
それ以後、シェアパックにおける最安値は更新されていませんが、データ容量を多く利用するユーザー向けのウルトラパックの開始によってヘビーユーザーに対する優遇が強化されています。
仮にカケホーダイプランとspモードとシェアパック5を適用させ、さらに家族3回線でシェアした場合を考えてみます。
親回線 | 子回線 | 子回線 | |
カケホ+sp | 2700円+300円 | 2700円+300円 | 2700円+300円 |
シェアパック5 | 6500円 | 500円 | 500円 |
合計 | 9500円 | 3500円 | 3500円 |
この形だと少しわかりにくいので、シェアパック部分を3回線分合計して3で割る、分割請求オプションにしてみます。
親回線 | 子回線 | 子回線 | |
カケホ+sp | 2700円+300円 | 2700円+300円 | 2700円+300円 |
シェアパック5 | 2500円 | 2500円 | 2500円 |
合計 | 5500円 | 5500円 | 5500円 |
1回線あたりの料金は5500円で抑えられます。これまでのシェアパックでの最安値は同じ条件でシェアパック10にした場合の1回線あたり6500円でしたので、ちょうど1000円安くなります。ただし、このままだと1回線あたり5000円以下になりません。
5000円以下を実現するためには、もうひと工夫が必要です。
シェアパック5はカケホーダイライトプランと併用可能
ここで登場するのがカケホーダイライトプランです。
当初、カケホーダイライトプランとシェアパックを併用しようとした場合、シェアパック15以上が条件でした。そのため、通話をしないとしても料金を安くすることができませんでした。
しかしシェアパック5の登場と同時に、シェアパック5ではカケホーダイライトプランとの併用が可能とされました。
そのため、次のような形にすることが可能です。
親回線 | 子回線 | 子回線 | |
カケホライト+sp | 1700円+300円 | 1700円+300円 | 1700円+300円 |
シェアパック5 | 2500円 | 2500円 | 2500円 |
合計 | 4500円 | 4500円 | 4500円 |
つまり3回線ともカケホーダイライトプランにすれば、単純に1回線あたり1000円さらに安くなります。すると1回線あたりの料金が5500円から4500円となり、5000円以下が実現します。
この場合、ソフトバンクの5000円以下のプランでは4900円が最安値のため、ドコモの方がさらに400円安くなります。
シェアパック5はシンプルプランと併用可能
さらに2017年に登場したシンプルプランは、カケホーダイライトとの併用以上に料金を安く抑えることができます。
親回線 | 子回線 | 子回線 | |
シンプルプラン+sp | 980円+300円 | 980円+300円 | 980円+300円 |
シェアパック5 | 2500円 | 2500円 | 2500円 |
合計 | 3780円 | 3780円 | 3780円 |
docomo with適用 | 2280円 | 2280円 | 2280円 |
分割請求オプションにして一回線あたり3780円で抑えることができます。かなり安いですね。
もし、分割請求オプションを利用しない場合、子番号はシンプルプラン+spモード+シェアオプションなので、合計で1780円で抑えられる形となります。そしてここに、さらにdocomo withを適用させることで1500円引きになり、最安値でなんと280円での利用が可能になる、という仕組みです。
注意点としては、シンプルプランは通話かけ放題ではありませんので、かけた分だけ通話料が発生してしまうという点です。あくまで、通話もほとんど利用しない、という人向けです。
シェアパック5はずっとドコモ割も適用する
さらにお得な点があります。
なんとシェアパック5は、ただでさえかなり安くなるのですが、ずっとドコモ割が適用します。
10年以上利用で600円の割引、15年以上利用で800円の割引です。つまり上記のシンプルプランの分割請求オプションのパターンに当てはめると、1回線あたりの料金が3513円、docomo with適用で2013円まで安くなるのです。
これはあくまで3回線でシェアパック5を利用した場合の試算なので、シェアパック5のグループ回線数が増えればさらに料金は安くなります。
どうでしょうか。格安SIM並みに安くなりましたね。
シェアパックはとにかく回線数が増えれば増えるほどお得になりますので、ソフトバンクやauに家族が分かれてしまっている場合は、シェアパック5を利用してドコモに集約してしまう方法を考えてみるといいでしょう。
シェアパック5はドコモ光パックも適用する
シェアパック5は、もはやメリットしかないのではないかというくらい、たくさんのメリットがあります。
ドコモ光を利用している際の、ドコモ光パックが適用されるという点も、シェアパック5の大きなメリットの一つです。
シェアパック5とドコモ光が重なれば、光シェアパック5となり、800円の割引が入ります。つまり、シェアの回線数が3回線ならば1回線あたりさらに266円安くなり、5回線あれば1回線あたり160円さらに安くなるわけです。
どんどん安くなりますね。
こうなってくると、メリットがないと散々叩かれ続けているドコモ光にも、本当の意味でのメリットとして、今まで以上にお得に感じられやすくなるのではないでしょうか。
関連記事:「ドコモ光は本当にお得なのか」
シェアパック5のデメリット/家族なし単独ユーザーは一切割引されない
これだけお得なシェアパック5ですが、大きなデメリットが実は存在します。
それはすなわち、シェアパックであるがゆえに、家族が存在せずシェアを組むことができない単独ユーザーにはまるで意味がないという点です。
ドコモとしては、「より多くの割引をしてもらいたければ、家族をドコモに連れてきてください」、ということかもしれませんが、単独ユーザーに対してあまり優しくないわけです。シンプルプランもシェアパック専用プランなので全く同じです。
しかしそれを受けて、2017年に開始されたdocomo withは、シェアパックを利用していない単独ユーザーであっても、毎月1500円の割引をずっと受けることができます。このプランを利用すれば、シェアパックなしでもかなり安く利用することができるようになります。
もともとドコモのシェアパック5は、家族がキャリアごとにバラバラになっている現状を一つにまとめるためのきっかけとしてスタートしたと考えた方がよく、もし他キャリアに家族が分かれてしまっているのであれば、これをきっかけにドコモにまとまることを考えてみるといいのかもしれません。
シェアパック5はヘビーユーザーが家族にいると使えない?
もう一つ、シェアパック5の注意点としては、シェアパックを組む家族の中に一人でもヘビーユーザーが存在すると使いにくいという点です。
すなわち、一人が一気にデータ容量を消化すると、あっという間にグループ内の全員に速度制限がかかってしまうためです。
実際には、この点がネックとなりシェアパック5を組むことができない家族も存在しているはずです。
しかし、2017年9月1日より、「データ量上限設定オプション」が開始されています。
これを利用すると、特定のグループ内ユーザーのデータ量使用上限を個別に設定することができるため、特定ユーザーが使いすぎることで他のユーザーに影響を及ぼすということがありません。
ということで、ヘビーユーザーが家族にいると使いにくいというシェアパックの問題点は解決されています。
dカード GOLDがあるなら分割請求オプションは利用しない方がいい
もし既にdカード GOLDを所有しているとか、これから利用を検討しているという場合には、シェアパック5およびほかのシェアパックを利用している場合には、分割請求オプションは利用しない方がいいです。
なぜなら、dカード GOLDが紐づいている代表回線の利用金額がより大きくなった方が、ポイントがより多く貯まるからです。
分割請求オプションを利用すると代表回線の利用金額が減るため、ポイント付与が減ってしまうので非常にもったいないです。
dカード GOLDのポイント還元率は10%と非常に大きいので、できる限り代表回線に利用金額を集められるのであれば集めておいた方が効率がいいのです。
関連記事:「dカード GOLDは本当にお得なのか」
シェアパック5における月々サポート減額は撤廃された
2016年4月1日より開始された、「機種購入時にシェアパック5およびデータSパックを利用している場合、月々サポートが432円減額される」というシステムは、2017年4月3日で終了しています。
このシステムがあったために、せっかく安く利用できるはずのシェアパック5のメリットが半減してしまっていたわけですが、今から機種購入する場合にはシェアパック5を選択したとしても月々サポートが減額されることはありませんので安心して選択可能です。
ただし、該当機関に機種購入している人に限り、引き続きシェアパック5およびデータSパックを選択すると月々サポートが減額されてしまうため注意しましょう。
当初落とし穴も多かったシェアパック5ですが、概ね使いやすい方向へと進んできています。もともとあまり通信容量を必要としないユーザー向けに非常にお得なシェアパック5を、有効に活用していきましょう。