2019年9月26日から、ドコモのスマホ決済サービス「d払い」に、チャージや送金、dポイントを送ることが可能なウォレット機能が追加されました。
このウォレット機能の追加によって、d払いの支払い方法に口座を設定することもできるようになりました。今までは、「電話料金合算払い」、「クレジットカード払い」のいずれかから選択しなければならなかったため、これからはさらに選択の幅が広がる形となります。
ただ、この「d払いの支払い方法に口座を設定」の部分は、非常に勘違いしやすい内容を含んでいます。この部分の誤解を解きほぐしていきます。
そしてさらに、今回はdポイントの送り方、受け取り方を実際に送りあって試してみましたので、その他ウォレット機能の詳細と合わせて解説していきます。
d払いアプリのウォレット機能には3つの新機能がある
ドコモのd払いアプリに新しく搭載されたウォレット機能には、大きく分けて3つの新機能があります。
1.d払いアプリ上で、チャージや送金が利用できる。
2.d払いの支払い方法に口座を設定し、キャッシュレス決済手段として利用可能に。
3.dポイントを1ポイント単位で送ることができる。
それぞれの提供開始日は2019年9月26日で、既に開始されています。
d払いアプリからの送金
d払いアプリからの送金機能は、「ドコモ口座」の一部機能をd払いアプリに追加することで実現している機能です。
利用手順としては、
・ウォレット内の「送金する」を選択
・送金元の名前と送金先情報を入力
・送金額を入力
・送金内容確認後に送金
という、非常に簡単な流れで送金を完了させることができます。
これだけ見ると非常に便利なようにも思えるのですが、ただ注意点もあります。
つまり、このd払いの送金機能、送金するといっても、そもそもどこからどこにお金が送られるのか、ということが、多くの方が気になる点ではないかと思います。
銀行など金融機関を登録しておけば、その銀行から自動的に相手の銀行に送金してくれるのでしょうか。銀行を登録しておらずdカードなどクレジットカードの登録のみでd払いを利用している場合には、どこから送金されるのでしょうか。
その答えは非常にカンタンで、ドコモ口座からドコモ口座へと送られる形となります。
そのため、そもそもドコモ口座に口座残高がチャージされていないと、送金をすることはできません。
というより、このd払いアプリの送金機能自体、ただ単にドコモ口座を意識させずにドコモ口座の送金機能が使えるようになった形、と認識するとわかりやすいと思います。
ドコモ口座へのチャージ方法に関しては、銀行口座から、セブン銀行ATMから、またはコンビニからの方法を選択することができますが、dカード含むクレジットカードからのチャージはできません。
この点、PayPayはクレジットチャージも可能でしたしオートチャージでもでき、なおかつポイントまで貯まるという意味で、d払い+ドコモ口座よりは使い勝手は非常にいいと言えます。
ドコモ口座は以前から、イマイチ存在意義が薄いというか、もう少しどうにかなればいいのに、という残念なところが非常に多いため、ちなみに私も使っていません。
手数料がかからず送金ができるのは確かに便利ではあるのですが、自分と相手、双方がドコモ口座を使っている、という条件はなかなか揃いにくいと考えられますので、送金する機会がかなり頻繁にある、ということでなければ、普通に銀行口座のインターネットバンキングから送金した方が多少手数料がかかったとしてもカンタンかもしれません。
以下、d払いアプリでの送金機能の利用条件です。
【ドコモ回線契約者】
・dアカウントの取得
・ドコモ回線を運転免許証や日本パスポートなど指定の書類で契約、またはウォレットに銀行口座を登録
【ドコモ回線契約者でない方】
・dアカウントの取得
・ウォレットに銀行口座を登録
【利用限度額】
20万円/月
利用シーンについてですが、例えば親から子への仕送り送金のような形が最も利用価値があるかなぁ、というところですが、ドコモ口座から銀行口座への払い出しの際には手数料がかかってしまうので、それなら最初から銀行口座から銀行口座への送金でいいのでは、と思ってしまうのが辛いところです。
まぁ、使い方に関しては、ユーザーそれぞれで色々と考えてみてもいいと思います。
dポイントを送る
私が「送金」よりもむしろ使えるのでは、と感じたのが、この「dポイントを送る」という機能です。
実は今まで、dポイントを回線から回線へ移行する方法は、ありそうでありませんでした。そのため、ポイント共有グループにしていない家族にポイントを使わせたいと思った場合、とりあえずポイント共有してしまう必要があったため、なかなかに面倒でした。
しかし、d払いアプリの「dポイントを送る」機能を使えば、いとも簡単に他の回線へ自分のdポイントを移すことができます。
プレゼントとして贈るのもよし、ポイント共有していない家族回線内でポイントの移行に利用するもよし、利用シーンはかなり広く想定できそうです。
ということで、実際にdポイントを自分の回線から自分の別回線に送ってみました。
まずはd払いアプリのトップページから、「dポイントを送る」を選択します。
続く画面で、QRコードを読み込むか、連絡先を指定するかを選ぶことができます。
QRコードを読み込む場合には、送り先のスマホが近くにあり、同じようにd払いアプリの「dポイントを送る」の中の「受け取る」を選ぶことで受け取り専用のQRコードを表示することができます。
受け取り側が遠隔地にいる場合には、同じ「受け取る」画面に、自分の「dポイントクラブ会員番号」と自分の氏名先頭2文字(カタカナ)が表示されていますので、これを相手に伝えればOKです。
dポイントを送る側が、QRコードではなく連絡先を指定して送りたい場合には、その送り先のdポイントクラブ会員番号と送り先の氏名先頭2文字(カタカナ)がわかればそのまま手続きを進められます。
送り先がドコモの回線を持っている場合には、dポイントクラブ会員番号ではなく、携帯電話番号で指定することもできます。こちらの方が非常に簡単ですが、逆に言えばドコモ回線がない他社の方の場合、dポイントクラブ会員番号は必須となります。
送るポイントは、1,000ポイント、5,000ポイント、10,000ポイントから選択することができます。
ちなみに、送る側の利用限度ポイントは、月あたり30,000ポイントです。受取側には上限はありません。送ってくれる人がいるなら上限なしでいくらでも受け取れます。
完了しました。非常に簡単でした。「送り先にdポイントが付き次第メールが届きます」とありますが、メールは全く届きませんでした。まぁ、ちゃんと届いたのでとりあえず気にしないことにします。時間としては、気が付いたら既に届いていたので、数分もかからないのではないかと思います。
この後、往復させる形で元の回線にdポイントを戻しました。回数制限はありませんし、何より送ること自体に手数料がかからないのがいいですね。
送る側の上限が月30,000ポイントというのがやや少ない気もしますが、普通はそれだけ貯まっていても持っている方だと思うので、そう問題はないと思います。
最後に利用条件を以下にまとめておきます。
【ドコモ回線契約者】
・dポイントクラブ会員であること。
【ドコモ回線契約者でない方】
・dポイントクラブ会員であること。
・dポイントクラブ会員情報の本人確認が完了していること。
d払いの支払い方法に口座を設定
実はこの項目は、非常にややこしく間違いやすい項目だったりします。
ドコモ公式のニュースリリースに「『d払い』の支払い方法に口座を設定し、キャッシュレス決済手段としてご利用可能」と記載があるのですが、これをそのまま受け取ると、d払いの支払い方法を銀行口座からの引き落としに設定できる、と受け取ってしまう可能性があります。しかしそうではありません。
「d払いの支払い方法に口座を設定」の意味するところは、「d払いの支払い方法にドコモ口座の口座残高からの支払いを設定」するという意味です。直で銀行口座から落ちるわけではありません。
そのため、d払いアプリで「口座払い」を設定しても銀行口座を設定するわけではなく、チャージ方法として「銀行口座から」「セブン銀行ATMから」「コンビニから」と選択する形となります。
ややこしいですね。
わかりやすく言い直します。d払いアプリの口座払いは、銀行口座などからドコモ口座へチャージをすることにより、そのチャージされた金額から支払いをする方法、というわけです。つまり形としてはドコモ口座からの即時払いですが、あらかじめチャージをしておくので、そういう意味では先払いのようなものでもあります。
確かに今までよりも支払い方法の選択肢は増えますが、基本的にこの「口座払い」を選択するメリットは皆無だと思うので、今まで通り電話料金合算払い、またはdポイントの2重取りができるdカードまたはdカード GOLDによる「クレジットカード払い」を選択しておけばいいのではないかと思います。
関連記事:「dカード GOLDは本当にお得なのか」
キャッシュレスによるポイント還元のためにd払いを最大活用したい
今回のd払いアプリへの機能追加は、全体としてはそう影響が大きい部分ではないかもしれませんが、個人単位でみると非常に便利に使えるようになった、と感じる方も少なくないと思いますので、自分の利用方法の中で有効に活用していきたいところです。
特に、dポイントを送る機能についてはかなり使えると思いますので、こういうことができるようになった、という点はとりあえず押さえておきたいところです。
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