新しいスマートフォンに機種変更しようと考えた場合、どうしても必要になるのが元機から新機種へのデータのコピーやアプリの引継ぎ・再インストールなどです。
何よりこの作業が面倒で、機種変更時に毎回苦労しているという人も少なくないのではないでしょうか。
「自分はケータイやスマホには詳しくないから全部丸ごとやってもらいたい」と考えても、データやアプリ関連の作業に関してはドコモ・au・ソフトバンクなどのショップ窓口でも家電量販店でも、基本的に対応してくれません(※家電量販店は有料で対応してくれるところもあります)。
iPhoneの場合はAppleに持ち込むケースもあるかもしれませんが、その場合にもAppleではデータやアプリに関してはノータッチです。
大手キャリアやAppleがデータやアプリに関して対応してくれない理由としては、データは消去のリスクがあるということ、アプリについてはそもそも大手キャリアやAppleが提供しているわけではないため、詳細なマニュアルが存在しないということと、仮にキャリア側でやり方を調べたとしてもアプリ側の都合ですぐに作業工程が変わってしまう可能性もあり、100%の保証ができないことなどが理由として挙げられます。
この点、やむを得ない話であり、特にデータとアプリについてはユーザー側で把握し、引継ぎ方法は事前にチェックしておく必要があります。
もうずいぶん浸透してきているとは思いますが、これがスマートフォン・iPhoneの機種変更時の常識です。
とはいえ、データやアプリの引継ぎについての事前準備はなかなか面倒で、自分でやるにしてもやり方がわからないというケースも多いと思います。
ということで、そんなデータについての内容も含めた、機種変更前にやっておきたい事前準備をまとめてみました。
Androidスマートフォン購入時にも、iPhoneを購入する際にもいずれにしても必要となりますので、しっかり詳細をチェックしておきましょう。
※ahamo(アハモ)の事前準備はコチラ→「オンライン発行dポイントカードの設定・利用者情報登録/ahamo(アハモ)申し込み事前設定」
機種変更事前準備1/機種選び
まずは機種変更の大前提として、どの機種に替えたいのかを決める必要があります。
「この機種に替えたい!」という目当ての機種があるのなら問題ありませんが、「特に替えたい機種があるわけではないけれど、新しい機種にそろそろ変更したい」という場合に、機種選定が必要となります。
もちろん、「新機種についてよくわからないので、お店またはドコモインフォメーションセンターで話を聞きながら決めたい」という場合にはそれでもいいと思います。
その場合、あまりにも希望が漠然としていると機種選定をしてもらいにくくなるので、「どういう機能があった方がいいのか」「どういう機能がないと困るのか」「どんな色・デザインがいいのか」「価格はどこまで許容できるのか」「こだわりポイントはあるのか」など、ある程度のイメージは持っておくようにしましょう。
ここでしっかり自分の希望する機能をイメージできていないと、後から「この機能がないと困るのに、購入した機種にはその機能がついていなかった」ということになってしまいます。
そんなことになっても手続き後は後の祭りです。最低でもまた二年間は替えにくくなるため、完全に人任せにしたりせず、しっかり考えておきましょう。
店頭で手続きするよりもお得なドコモオンラインショップでの購入を考えている場合には、基本は自分で機種スペック等を確認したり価格を見たりしながら決めていく流れとなります。
どうしても自分ではわからない部分がある場合には、ドコモインフォメーションセンター(0120-800-000)に事前に問い合わせをしておくか、ドコモオンラインショップの公式チャットを利用して、質問をしながら購入手続きを進めたりすることもできます。→「ドコモオンラインショップでの機種変更がリアル店舗より圧倒的有利な件」
機種変更事前準備2/名義確認
ある程度の希望機種のイメージができたなら、契約名義がちゃんと自分の名義になっているのかを改めて確認しておきましょう。
普通は自分が使っているスマートフォンの契約名義は自分自身になっているはずなので問題ないと思いますが、問題があるケースとしては「使っているのは自分だけど契約名義は夫になっている」「昔、親に契約してもらったので、成人した今でも契約は親名義になっている」というようなケースです。
基本的に自分自身の契約名義になっている場合には、運転免許証があればほとんどのケースで受け付けできると思われますが、自分以外の誰かの契約になっている場合、機種変更手続きをする場合にその契約者の書類や委任状他、様々な書類が必要になる可能性が高いです。
契約が自分の契約ではない、という場合には必ず事前にどういう書類が必要なのかを確認しておくようにしましょう。
ドコモの場合、契約名義の確認は「My docomo」で行うことができますし、dアカウントとパスワードでログインすることができれば、ドコモオンラインショップではそのまま購入手続きを実施することができます。
機種変更事前準備3/料金プラン・価格確認
当然のことながら、機種変更する際には必ずスマートフォン/iPhoneの端末価格を確認しなければなりません。
本体総額はいくらなのか、割引がどれくらいなのか、一括支払いにするのか割賦を組んで分割払いにするのか、分割なら月いくらかかり窓口での支払額はいくらなのか、などなどです。
それに加えて、毎月の利用料金がいくらくらいになるのかも確認しておきましょう。
料金プランは現行のプランが何を利用しているかで、そのまま継続する可能性もありますし、変更になる可能性もあります。その点も含めて確認しておきたいところです。
もし、店頭で「今月限りの特別価格!」といわれた場合でも、本当にその価格が安いのか、ドコモオンラインショップの方が普通に安いのではないか、頭金含む総額、手数料、必要オプション等をしっかり確認して比較しておきましょう。
販売店では、赤字覚悟のよほどの特価を展開していない限り、基本的にはドコモオンラインショップがトータルで安いケースがほとんどです。
機種変更事前準備4/データのバックアップ
機種変更時に新しい機種に引き継がないと困るデータには何があるかを、まず考えます。
基本的には、電話帳、写真、メール等が考えられると思います。メールについては、「今はメールよりLINE!」という人がほとんどだと思いますが、LINEについては後述する「アプリ引継ぎ」の項で触れます。
電話帳、写真については、ドコモであればドコモバックアップアプリが提供されていますので、そのアプリを利用してmicroSDカードに保存すれば問題ありませんし、最近ではiPhone同様、クラウドの利用が主流になってきています。
メールは、ドコモメールを利用している場合には自動的にクラウド同期するため、そのままデータも同期します。GmailならGoogleアカウントとパスワードさえ忘れなければそのまま継続できます。
最近のドコモのXiスマートフォンは、「ドコモ電話帳」アプリがクラウド対応しているため、ある程度は電話帳も引継ぎ手続きする必要なく同期することが多くなっています。
写真についても、ドコモの「dフォト(旧フォトコレクション)」というサービスに無料で5GBまでのデータならクラウド同期してくれる「写真お預かり機能」があるため、積極的に利用しましょう。
関連記事:「dフォトを利用してみる」
注意点としては、ドコモのクラウドサービス(ドコモ電話帳やdフォトの写真お預かり機能など)はahamo(アハモ)に変更する場合には引継ぎされず削除されてしまうため、この場合には別の方法でバックアップを取っておくしかありません。
iPhoneの場合は、基本的にはiCloudにデータのバックアップが常時なされていれば問題ありませんが、そうでない場合にはiCloudに事前にバックアップをしておきます。
もしiCloudの容量が既にいっぱいの場合には、iTunesを利用してパソコンにバックアップしておくか、外部ストレージを利用してバックアップしておくかのいずれかの方法でデータを保存しておきます。→「iPhoneの容量が足りないので外部ストレージを購入してみた」
また、ドコモからもデータコピーアプリが提供されています。非常に便利で使い勝手もいいアプリなので、機種変更時のデータコピーに、是非活用してみましょう。→「ドコモ・データコピーアプリが超絶便利な件」
機種変更事前準備5/Googleアカウント・Apple ID確認
必ずしも設定しないといけないというわけではないのですが、アプリのダウンロードをするのであれば必須の設定が、Googleアカウント/Apple IDとそれぞれのパスワードです。
AndroidスマートフォンならGoogleアカウントとパスワード、iPhoneならApple IDとパスワードが必要となります。
基本的に、最初にスマホやiPhoneを購入した時に設定しているはずです。
少し前までは、特にApple IDのパスワードなどは、アプリダウンロード時などに定期的に入力が必要だったため、忘れにくい項目でしたが、最近はTouch IDやFace IDなどでパスワードを省略してしまうようになっているので、逆に要注意です。
Googleアカウントとパスワード同様、特別意識をしていなければ利用するシーンがないことにより忘れてしまう率が高くなってしまいます。
どうしても思い出すことができなければ、最悪改めてGoogleアカウント/Apple IDを作り直すことになる場合もあります。そうなると何かと手間なので、必ず事前に確認し、忘れないようにメモしておきましょう。
機種変更事前準備6/アプリ引継ぎ
スマートフォンの機種変更時に最も手間がかかるのが、このアプリ引継ぎです。
なぜなら、アプリの引継ぎはそのアプリごとにやり方がまったく異なるためです。
それぞれのアプリでIDとパスワードを控えておいたりして、その上で引継ぎ作業を実施しなければなりません。
しかもそのマニュアルが共通して存在するわけではないので、そのアプリごとに引き継ぎ方法を確認して自分で実施する必要があるのです。
大手キャリアの窓口でも対応してくれない部分であるため、スマホ利用が苦手なユーザーにとっては一つの鬼門となる部分でもあります。
SNSアプリの引継ぎ(LINE/Twitter/Facebook/Instagram)
一般的に、最も多く利用されているアプリとしてはSNS関連アプリ、特にLINE、X(Twitter)、Facebook、Instagramが中心になると思いますが、これらの引継ぎも基本的には自己責任で実施する必要があります。
その都度これらのアプリをインストールし直し、設定するのはやや面倒には感じるものの、Twitter、Facebook、Instagramは、登録アドレスやパスワードさえしっかり覚えていれば、アプリをインストールし、ログインするだけで元の環境が完全に戻るので、引継ぎという引継ぎは必要なく、非常に簡単です。
LINEも、ただ「ともだち」との関係を引き継ぐだけなら、そう難しくはありません。問題はトークの履歴です。
iPhone同士、Android同士の機種変更の場合にはトークも含めて引継ぎをする方法がありますが、AndroidとiPhone間での機種変更なら、トークの引継ぎは不可能です。異なるOS間の機種変更の場合には、トークの引継ぎはあきらめましょう。
iPhone同士、またはAndroid同士の機種変更の場合、LINEの設定の「ヘルプ」→「トーク・通話・通知」→「トーク関連」→「トーク履歴のバックアップと復元方法」と辿り、iPhoneの場合とAndroidの場合の方法が記載されていますので、ここをしっかりチェックした上で手続きを実施しましょう。
iDのカード情報預入
アプリの引継ぎとは少し異なりますが、おサイフケータイの引継ぎも必要です。
dカード/dカード GOLDを利用しており、iDの設定をしている場合には、旧機種がAndroidスマートフォンであれば、iDアプリからカード情報預入を実施しておく必要があります。→「スマホでiD利用を完全解説」
預け入れが完了したら、機種変更後に新機種で預けたカード情報の受け取り手続きを実施すれば、そのまま引き続きiDが利用できるようになります。
ただこれは、あくまでAndroidからAndroidへの機種変更の場合で、AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidの場合には必要ありません。
プリペイド型電子マネーの引継ぎ
プリペイド型の電子マネーとしては、楽天EDY、Suica、nanacoあたりが、最も使われている方が多いと思います。
基本的にこれらの電子マネーのデータを引き継ぐ場合には、あらかじめ残高データを預ける作業をしておき、機種変更後に戻す手続きが必要となります。
専用アプリなどで「機種変更をする際には」どういう手続きをすればいいのか記載があると思いますので、それぞれのアプリや専用サイトで内容を確認しておきましょう。
機種変更で準備しておきたいIDパスワードまとめ
ドコモで機種変更をする際に準備しておきたいID/パスワードをまとめてみます。
ドコモ系のID/パスワードは、仮にわからなくなってもドコモで再設定をしてもらうことが可能ですが、それ以外のドコモが対応しない部分のID/パスワードがどちらかというとより重要となります。
ドコモが対応しない分、自分で把握しておかないと、そのまま引き継ぎできない可能性が高いです。しっかりメモをしておくようにしましょう。
ID/パスワード(ドコモ系) | ID/パスワード(ドコモ以外) |
NW暗証番号(4桁数字) | Googleアカウント/パスワード |
spモードパスワード(4桁数字) | Apple ID/パスワード |
dアカウント/パスワード | LINE登録アドレス/パスワード |
アプリパスワード | Facebook登録アドレス/パスワード |
dカード/dカード GOLD暗証番号 | Twitter ID/パスワード |
楽天やamazonなど、ショップ関係 | |
ゲームアプリのID/パスワード |
スマートフォンを利用していくと、とにかくIDパスワードが無数に出てきます。上記以外にも、様々なサービスを利用している人はもっともっとたくさんのIDパスワードを抱えているはずです。
そしてその無数のIDパスワードのそれぞれが、セキュリティ上共通のものを使うことはお勧めできないという状況です。
さすがに覚えていられる量ではないので、必ずメモを取るなりして、IDパスワード関係はすべてまとめておくようにしましょう。
そうすることで、機種変更時の手間もずいぶん省けます。
機種変更で手続きに膨大な時間がかかる人は、これらの内容がまったくわからない、決まっていないという状況でショップ等に足を運んでしまったものと思われます。
機種変更の時間短縮には事前準備が必須です。
ある程度、自分でできることは自分で処理して、準備を万端にして出向くようにしたいところです。
事前準備・番外編:小学生以下の子供の保険証
番外編として、準備しておきたい項目を追加しておきます。
この項目には条件があります。小学生以下の子がいる場合、です。
すなわち、小学生以下の子供がいる場合、先日よりドコモは「ドコモ 子育て応援プログラム」を開始しています。
そのため、小学生以下の子供の保険証と、自分の免許証か保険証(住所一致)を準備していけば、同時に申し込みができます。
機種変更時でなくても申し込みは可能なので、特にほかの用事がなくても、まだ申し込みをしていない場合には早めに手続きに出向いた方がいいでしょう。
なお、以前はドコモショップでしか手続きができなかった子育て応援プログラムですが、現在はドコモの公式サイトからの申し込みが可能となっています。実際に申し込みをしてみた内容は別記事にて解説しています。→「ドコモの子育て応援プログラムをWEB申し込みしてみた」
子育て応援プログラムについての詳細はこちら→「子育て応援プログラムはお得なのか」
事前準備・番外編2:dカード/dカード GOLDによる一括支払い
機種変更は現在、割賦払いが一般的です。その理由としては、高額な端末代金を意識することなく購入できるという利点に加え、割賦にしても一括にしても金利等がかかわるわけではないというメリットも大きく影響しています。
しかし、実は一括払いの方がユーザー目線で考えた場合、若干ではあるもののお得になる方法があるのです。
それが、dカード/dカード GOLDを利用した翌月一括払いです。
これがなぜお得なのかというと、分割払いにした場合にはつくことがない、クレジット決済ポイントがつくからです。
dカード/dカード GOLDのショッピング利用時のポイント還元率は1%なので、これがそのまま付与されます。
10万円の端末を購入すれば、1000円分のポイントが付きます。
たかが1000円、されど1000円です。どちらにしても支払う必要のある金額なのですから、多少金銭的な余裕があるのであれば、ぜひdカード/dカード GOLDによる一括払いを利用したいところです。
そして同時に、ドコモオンラインショップをうまく活用しましょう。
そうすると、dカード GOLDを利用して一括購入した場合のポイント付与が通常の2倍になります。非常にお得です。10万円分の機種購入で2000円分のポイントがもらえます。
その他にも、ドコモオンラインショップでの購入は、頭金含む総額が安く、手数料も完全無料で、リアル店舗で購入するよりも非常にお得です。→「ドコモオンラインショップでの機種変更がリアル店舗より圧倒的有利な件」
事前準備・番外編3:ドコモ光の申し込みでdポイントをもらっておく
現在実施されているドコモ光の入会特典を活用することで、dポイント(期間・用途限定)をもらうことができます。
ただし、ドコモ光の場合、転用でも2週間ほど、新規なら開通までに一ヶ月程度時間もかかりますので、実際にdポイントがもらえるまでがやや時間がかかります。できるだけ早めに申し込みをしておき、機種変更に備えたいところです。
関連記事:「ドコモ光は本当にお得なのか」
事前準備・番外編4:後で必ず役に立つトラブル回避のための心構え
特にドコモショップや家電量販店で機種変更手続きをする場合、完全に相手任せで手続きを進めてしまうと、後日大きなトラブルになってしまうようなこともあります。
それはお互いの意思の疎通ができていなかったことで起こってしまうトラブルだったりするのですが、具体的に何がどう問題だったのかという原因は、後になってしまうとなかなか見えてこず、両者一歩も自分の主張を譲ることなく平行線で長く引きずってしまうようなこともあります。
そうした無用なトラブルを避けるために、機種変更に臨むにあたってここは押さえておきたいという重要なポイントがあります。ここまでしなくても、と感じる人もいるかもしれませんが、こうした対策が後々の憂いを取り除いてくれると考えれば、必ず実行するべきだと思います。
是非とも確認しておきましょう。
関連記事:「ドコモの機種変更ではこれを忘れてはいけない!後で必ず役に立つ重要ポイント」