ドコモから、新機種夏モデル・Xperia 1 SO-03Lが2019年6月14日に発売されました。
今回も一番初めに全機種一通り触ってみた時の印象として、やはり性能面では圧倒的にGalaxyかHUAWEIかなぁ、と感じられたのですが、実際に発売されたXperia 1を、ゆっくり時間をかけて操作・検証してみたところ、また感じ方が全く違ってきました。
人気No.1で期待が非常に大きい新・Xperiaに機種変更してみた感想・評価について、解説していきます。
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Xperia 1 SO-03Lの外観レビュー
ドコモのXperia 1 SO-03の箱は、いつもの代わり映えしないドコモの箱です。ただ、Xperia 1自体が大きいので、箱も大きめです。
前モデルのXperia XZ3の箱よりも一回り大きいです。備品はいつも通り、3.5mmイヤホン変換・テレビアンテナケーブル SO01のみです。充電端子はUSB Type-C、ドコモの充電器「ACアダプタ 07」が対応しています。別売りです。
で、Xperia 1。早速電源を入れ、触ってみました。今回の第一印象としては、初めて見た時もそうでしたが、やはり、「長い!」というものでした。ネガティブな意味合いではなく、驚きを込めて、という感じです。
上の写真を見ていただいてわかる通り、女性の手で持つと長さがより際立ちます。
下部に充電端子があり、左にマイク、右にスピーカーがあります。
ディスプレイ右側に、上からボリュームキー、指紋センサー、電源キー、カメラキーがあります。指紋センサーは、Xperia XZ1以来、サイド部分に戻ってきましたが、電源キーとは切り離されています。
反対側のディスプレイ左側にはキーは一つもありません。
上部にSIMスロットがあり、microSDカードと同時に乗せるタイプになっています。ピンではなく、指で開閉可能です。
Xperia XZ3と並べてみました。横幅はほとんど変わらない印象ですが、とにかく縦が長いです。カラーはパープルですが、色味が写真ではやや青寄りに見えますね。実際はもう少し紫寄りです。角度や光の加減によっては青っぽくも見えます。Xperia XZ3のボルドーレッドと比べると、余計に青くみえます。
これだけ長いと持ちにくいのでは、と思われると思いますが、実際はそれほどでもないです。横幅がほとんど変わっていないせいかもしれません。むしろ、薄くなったという意味では好印象です。
ディスプレイもこれだけ大きくなりました。約6.5インチですね。
最新の、ドコモハイエンドモデルと並べてみました。Galaxy S10です。
こちらはAQUOS R3です。AQUOS R3は横幅がやや広めです。
最後にiPhone XSです。iPhone XSも決して小さいスマホではないのですが、Xperia 1と並べると小型機種に見えてしまいますね。
Xperia 1は世界初、21:9 CinemaWide 4K HDR OLEDディスプレイ
SONYフラッグシップモデル・Xperia 1(エクスペリア・ワン)最大の特徴は、世界初の21:9 CinemaWide 4K HDR OLEDディスプレイです。
横長の映画、シネマスコープサイズとほぼ同サイズのディスプレイで、ほぼ画面ぴったりでそうした映画を視聴することができるディスプレイとなっています。
ちなみに、Xperia XZ3のサイズは以下の通りです。
横幅はほぼ変わりませんが、縦が9mmも長いです。
ちなみに、現在ドコモで最大サイズのGalaxy Note9よりもさらに縦は5mm長いです。横は3mm短いので、Note9よりむしろ持ちやすいです。本当に細長いスマートフォンですが、インチ数で言うと、約6.5インチです。もうファブレットなのかスマホなのか、というサイズです。
デザインは写真を見るとわかる通り、背面が以前のようなフラットなデザインに戻されています。
曲線デザインはXperia XZ2ではやや不評でしたが、Xperia XZ3では薄型化に成功して人気を取り戻した感がありましたので、ここで戻すのはもったいないような気がしないでもないですが、個人的にはやはりXperiaはフラットな背面の方がカッコいいと思うので、これは嬉しい変更です。
「4K」スクリーンによるフルHDの4倍の精細なディスプレイ、「HDR OLED」モバイルスクリーンによる明瞭なコントラスト、「X1 for mobile」による優れた処理と描写によって、過去最高のXperia 1のディスプレイは成り立っています。
ちなみに、4K(1644×3840ピクセル)有機ELディスプレイのスマートフォンは世界初、ということです。
また、縦長のディスプレイはマルチタスクにも最適で、二つのウィンドウを同時に見るのにも適しています。
21:9マルチウィンドウで広がるXperia 1の使い勝手
Xperia 1の21:9ワイドディスプレイは、動画視聴の際のみならず、通常利用時にも活躍します。
例えば、気になっていたYoutube動画を見ながら友達とSNSをしたり、資料を確認しながらメールを打ったり、英語の記事を読みながら辞書アプリで調べたり、などなど2つのアプリを同時に操作することが可能な上に、画面が大きいために違和感なく同時利用が実現できてしまうというわけです。
また、21:9マルチウィンドウは使い方も非常に簡単で、ホーム画面にあるアプリを起動して立ち上げることもできますし、サイドセンスから起動したり、Googleアシスタントを活用したりすることもできます。
「新しい機能は使い慣れないから結局使わない」という人も少なくないでしょうが、21:9マルチウィンドウは、起動が簡単なのですぐに使えて日常的な利用に昇華していくのもそう難しくないはずです。
Xperia 1を利用するなら是非活用したい機能の一つ、ということができます。
Xperia 1は、Xperia初のトリプルレンズカメラ搭載
今回、何よりXperia 1を見て真っ先に目を引かれるのは、やはり縦に3つ並んだ、トリプルレンズカメラです。
トリプルカメラ、と言えばドコモでは2018年夏モデルとして発売された、HUAWEI P20 Proの記憶が新しいところです。Galaxy S9+やNote9と並ぶカメラの性能の高さでした。→「HUAWEI P20 Proのトリプルカメラに大注目!」
Xperia 1のトリプルレンズカメラは、26mmの標準レンズ、52mmの望遠レンズ、16mmの超広角レンズを備えており、光学2倍ズームをはじめ、様々なシーンでの美しい写真の撮影を可能にしてくれます。また、1タップでそれぞれのカメラに切り替えることができるのでとても便利です。
それぞれのレンズが12MP(約1,200万画素)で、Xperia XZ3のメインカメラの19MP(約1,920万画素)からするとやや控えめな数字になりましたが、画素数だけで写真の美しさが決まるわけではないので、あまり気にしなくてもいいでしょう。実際撮り比べてみましたが、何の問題もないどころか、むしろ綺麗になっていました。
画像処理エンジンも新しく「BIONZ X」が採用され、他にもスマートフォンとしては世界初の「瞳AF」が採用されています。被写体の人の瞳にピントを合わせることで、ピントのずれのない写真を撮影してくれます。SONYのデジタル一眼「α(アルファ)」で培われた技術がそのままスマートフォンでも採用されたカタチです。
さらに、デュアルフォトダイオード技術を利用することで、暗い場所でのオートフォーカスの速さも向上しています。
ここが影響しているかはわかりませんが、実際に暗所でのシャッタースピードがXperia XZ3よりもワンテンポ早いです。
こんなXperiaを待っていた、と感じられたカメラ性能
さて、そんなXperia 1のトリプルレンズカメラですが、発売に合わせて、早速GalaxyやXperia XZ3と撮り比べながら性能を確認してみました。
まず結論として、非常にいいです。
正直、細かく比較すると、Galaxyにはまだ及ばないかな、と思います。例えば明るい場所で光が漏れすぎる(明るさを抑えると今度は人が暗くなる)とか、暗所ではもう少し明るくなってくれれば、など、まだ色々要望はあります。
ですが、比較しなければその差を感じられることはないでしょうし、十分すぎるほどきれいな写真が撮影できます。
Xperia XZ3と比較した場合、細かい部分の荒さがとれ、滑らかになった印象です。暗所でも明るさはそう変わりませんが、まとまり、落ち着いた感じの写真が撮影できるようになっていました。
また、トリプルレンズカメラによる超広角、望遠での撮影がとても便利で、撮影の幅が格段に広がりました。
実際に発売されてから、SIMを入れ替えて利用していますが、その超広角カメラが非常にいいです。やはり今までになかった構図で撮影できる、というのが楽しいですね。お気に入りです。
超広角は、例えば旅行に行ったりしたときなどでも、風景と人をまとめて画面に入れてしまいたい、というケースでもとても便利です。通常のカメラだと風景の広がりを一つの画面の中にまとめてしまうのがなかなか難しく、思っていたより迫力が伝わらない、ということもありましたが、超広角を利用すると、迫力ある風景をそのまま詰め込んでしまえるので、旅行に行くのも楽しくなります。
さらに、本当に今更ですが、過去のXperiaでも採用されていたクリエイティブエフェクトが、非常に使える面白い機能に進化していることに気づき、結構色々遊んでいます。単純に、大元の画質が向上しているので、進化しているように感じるだけかもしれませんが。
こういう機能は、サードパーティ製アプリを探せば意外に見つかるのかもしれませんが、初めから搭載されているとやはり嬉しいです。Galaxyでは撮れない写真が結構撮れたので、久しぶりにカメラにおけるXperiaのGalaxyに対する優位性を見た気がしました。
動画も、非常に綺麗です。例えば、お子様のイベントの動画を撮影したい、という方が仮に利用したとしても、十分耐えうる画質だと思います。非常に綺麗です。
まだまだ使いこなす、というところまではいきませんが、今後引き続き、色々と試してみようと思います。
高速CPUと6GBのRAMでハイパフォーマンスを実現しているが・・・
Xperia 1のCPUにはクアルコムのSnapdragon 855が採用され、RAMは6GB、ROMは64GBです。
この辺りの処理性能が高いと、価格も同時に跳ね上がるため、この時点でどう考えても価格が安いはずがない、という予感が漂っていましたが、その予想通り、実際の価格は103,032円と、10万円超えです。
処理性能は抜群によくても、高コストだとどうしても、新料金プラン・ギガホ/ギガライトという分離プランが今後メインになってくる状況で、手を出しにくくはなります。
これからは、今まで以上に性能が良ければそれでいい、というものでもなくなり、価格にもこだわっていかなければならないという、難しい状況になってきています。
とりあえず現状、スマホおかえしプログラムが適用されるため、2年後に機種返却することを前提にするなら、36回の分割で実質価格としては3分の2の価格になるため、これをどう考えるかにもよりますが、今の流れでは高くなることはあっても安くなる流れはほとんど考えにくいので、むしろ今のうちに手に入れておいた方がいいのかもしれません。→「ドコモのスマホおかえしプログラムの詳細内容を解説」
Xperia 1には「サイドセンス」も健在でより使いやすく
Xperia XZ3で初登場した「サイドセンス」は、Xperia 1にも搭載されています。
サイドセンスについては機能の特性上、実際に触ってみないとどれくらい使い勝手が向上したかはわかりにくいと思っており、実際に一番初めに体験させてもらった時には、操作性はかなりイマイチな印象でした。
ああ、今回も、サイドセンスは便利な反面使い勝手という点ではまだまだ改善の余地ありかなぁ、と思っていましたが、今回実際に発売された機種で改めてサイドセンスを試してみた結果、思っていた以上に快適に使えました。
久しぶりにXperia XZ3のサイドセンスも合わせて試してみたのですが、思っていたより普通に使えました。
私が慣れたのか、何らかのアップデートが入ったのかわかりませんが、サイドセンスは本当に試すたびに感想が変わります。なのでここは是非、それぞれに試してみていただきたいところです。
サイドセンスと指紋認証について、実際に試してみましたので、以下の動画も参考にされてください。
最後に正直な話をします。
Xperia 1にSIMを入れ替えてメインで実際に利用してみて数日、気づいてしまったんですが、「サイドセンスって、やっぱりないならないで問題ないな・・・」と。
無意識に利用を避けてしまうのは、やはり使いにくい、ということだと思います。Galaxyのエッジスクリーンは普通に使いますからね。
まぁ、個人的な好みの問題かもしれませんので、「サイドセンスメッチャ使ってるよ!」という方がいらっしゃったら、感想等教えていただけると幸いです。
より洗練されたデザインと復活した電源キー部の指紋センサー
前述したとおり、Xperia 1のデザインは、従来のXperiaのフラットな背面デザインに戻されています。
Xperia XZ2が登場した時にそれはそれは「フラットなデザインが良かった」と何度も主張した手前、なんとなく申し訳なさも感じますが、やっぱりXperiaはこちらのデザインの方が「らしい」と思います。
その影響か、指紋センサーは背面からXperia XZ1以前と同じサイド部分に戻ってきています。ただし、電源キーとは今回分けられています。
もちろん防水/防塵にも対応しており(IP65 / 68)、衝撃に強いCorning Gorilla Glass 6が利用されています。
充電端子は従来のUSB Type-Cが採用されており、ワイヤレス充電のQiには対応しなくなっています。
カラーはグローバルではブラック、パープル、ホワイト、グレーの4色展開ですが、ドコモではブラックとパープルのみです。「Xperiaといえば」、という固定ファンも多いパープルが復活しています。
いたるところに、Xperiaらしさが戻ってきた感がありますね。
新しくチャレンジしたXperiaもよかったのですが、この辺りは受け取り方次第です。
Xperia 1の主なスペック
Xperia 1の主なスペックを簡単にまとめておきます。
カラー | ブラック、パープル |
ディスプレイ | 21:9 CinemaWide 4K(1644×3840) HDR OLEDディスプレイ 6.5インチ |
カメラ | 12MP×12MP×12MP(標準×望遠×超広角) トリプルカメラ |
CPU | Snapdragon 855 |
RAM/ROM | 6GB/64GB |
電池容量 | 3200 mAh |
電池持ち時間 | 100時間 |
防水防塵 | 耐水性(IP65 / 68) |
サイズ | 167×72×8.2mm |
SIM | nano SIM(シングル) |
充電 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
生体認証 | 指紋 |
ドコモでの発売 | 6月14日 |
価格 | 103,032円 |
スマホおかえしプログラム | 対象 |
ほぼ隙のないスペックです。価格は確かに高いですが、買って後悔することはまずないと思われます。
電池持ち時間は約100時間、Xperia XZ3と同じ水準です。
Xperia 1は確実に買い
人気があるのはわかってはいましたが、今回実際に手に入れて使ってみて、2019年夏モデルの中でもトップクラスの性能であるのは間違いない、と思えました。
Xperia XZ3もかなり高評価だったのですが、さらにそれを上回ってきたのは間違いありません。
月々サポート・端末購入サポートがなくなってしまい、割引としては現時点でスマホおかえしプログラムを検討するしかない状況ですが、それすら今後なくなりかねない状況を考えると、今のうちに手に入れておくと今後数年安心できそうです。
この夏、間違いなくお勧めの一台です。