ドコモのファミリー割引・auの家族割は一体どこに消えたのか問題

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ひと昔前まえでは、「家族の割引」は、ケータイにおけるもっとも重要な割引サービスの一つでした。

ドコモではファミリー割引、auでは家族割と呼ばれます。

名前だけでなく、それぞれの「家族の割引」には細かい違いがあります。たとえば、auの場合には家族の中での「代表」という概念は特別ありませんが、ドコモの場合にはファミリーどころか一括請求、シェアパックなどにも「代表」という概念があり、これが非常にサービス内容を分かりにくくしている元だったりします。

私がドコモで手続きをするためにショップに足を運んでいた頃も、この「代表」の概念によって必要書類が足りず手続きができなかったりややこしくなったりと、色々苦い思い出があります。

一方で、auの場合は家族割関連の問題はほとんどなかったと記憶していますが、ドコモのように電話確認では手続きができず必ず委任状を書かされていたような記憶があります。

どちらも、最近はほとんどショップには足を運ばなくなったのでどう変わっているのかよくわかりませんが。
※ファミリー割引・家族割関連の手続きをする際は必ず事前に必要書類等を確認することをお勧めします。

 

それはともかくとして、ドコモやauにおける「家族の割引」最大のメリットは、長年「家族間通話無料」という特典でした。

いつの頃からこの家族間通話無料が始まったのかはもはや記憶があいまいですが、確か二年更新(二年縛り)が常識になっていくきっかけを作った、auの「My割(現在の「誰でも割」)」が始まったころからだったような気がします。

最も電話をする可能性が高い家族間での割引を少しでも安くするための割引であり、その当時のユーザーへの恩恵は計り知れないものがありました。

 

しかし、そんな大きなメリットを誇っていたはずのファミリー割引・家族割が、ここ数年完全に力を失っています。

その理由は単純明快、完全通話定額制プランであるドコモの「カケホーダイプラン」、auでは「カケホ」、ソフトバンクでは「スマ放題」が開始されたためです。

そんな中での「家族の割引」の現在について確認していきます。

ファミリー割引・家族割はまだ存在しているのか

実際のところ、完全通話定額制プランが開始されてしまったことで、ファミリー割引・家族割のメリットはほとんどなくなってしまいました。

そもそもドコモのファミリー割引やauの家族割は、「まだ存在しているのだろうか」という話にすらなってきます。存在意義自体が失われているのですから、それも最もな話です。

ただ、それぞれ割引サービスとしてはどちらもまだ存在してはいます。

名前としてはまだ存在しているものの、実質もはや形を成していない状態、というわけです。

現在メインの料金プランとなっているドコモの「カケホーダイ&パケあえる」や、auの「カケホとデジラ」において、「家族である」という事実によって割引に影響を及ぼすことはなくなってしまったのです。

かろうじてメリットを感じられるケースとしては、まだ完全通話定額制であるカケホーダイやカケホを利用していないケースか、もしくは5分以内通話無料のカケホーダイライトプランスーパーカケホを利用している場合などです。

本来5分以内が無料となるところ、ファミリー割引・家族割回線であれば5分を超えても通話無料となります。つまりはほとんど姿を消した家族間通話無料が、ここではかろうじてその姿を残しているわけです。

 

ファミリー割引・家族割の現在のメリットは

ファミリー割引・家族割の現在の姿としては、割引に影響することはほとんどなくなったものの、従来よりの役割以外にもう一つ、データ容量を分け合ったり贈りあったりする場合に影響を及ぼすようになりました。

つまり、ドコモにおいてはシェアパック、auにおいてはデータギフトがそれにあたります。

ドコモにおけるファミリー割引とは、同一シェアグループに参加するための前提条件、という扱いになっています。

auにおいても、家族割回線に対してのみ、余ったデータ容量をギフトすることができます。「家族割」ありきです。

「ファミリー割引や家族割には、今現在どういうメリットがあるのか」といわれた場合、真っ先にこたえられる内容としてはこの部分が有力かもしれません。

特にドコモの場合は、家族まるごとのユーザー獲得に力を入れているため、ファミリー割引のメリットを強調するための割引施策として「家族まとめて割」をずっと継続して実施していますし、ドコモ光dカード GOLDと絡めたシェアパックおよびウルトラシェアパックが最も有効に活用できるよう、工夫されています。

 

ファミリー割引・家族割の現時点でのデメリットは

存在意義の薄れたファミリー割引にデメリットが存在すれば、もはやそれだけで申込する気力すら失われそうな話ですが、特に現時点であからさまなデメリットは存在しません。

あえて言うなら、申込時の必要書類だったり手続きの手間くらいのもので、家族であるのならファミリー割引・家族割の申し込みをしておいて損をすることはありませんので、極力申し込みしておいた方がいいでしょう。

ファミリー割引・家族割があることで、シェアパックやデータギフトという可能性を広げることもできますしね。

 

ファミリーの回線上限が増えたドコモのなぜ

例えばドコモのファミリー割引の場合、もともと代表となる主回線契約者を中心とした3親等以内10回線までという制限が設けられていたのですが、割引適用がかなり限定されることになった結果、逆に申し込み回線数上限が拡大されています。

現在は最大20回線まで同一ファミリーグループに追加をすることができます。ちなみにauの場合は最大10回線のままです。

 

「割引もカケホーダイプランなら適用外で家族間通話無料もほとんど意味をなさないのに、なぜ今ドコモはファミリー回線数上限を上げるのか?」と不思議に思う人も多いことと思います。

これは私も当初意味がわかりませんでしたが、この措置はファミリー割引の構成回線として、タブレットやiPadなどのデータ専用回線がかなりの数を占めるようになったためと思われます。

タブレットなどをシェアパックに一緒に組み込むためには、ファミリーグループに追加する必要があります。となると、一気にファミリーグループ回線が増えてしまい、10回線には収まらないケースが増えてきた結果、と考えられます。

ドコモとしてはタブレットなどのデータ回線は増えれば増えるほどありがたいと考えていると思われるため、その追加を阻害するファミリー回線上限数を拡大したのは、ユーザー目線でありながらドコモ目線でもあるのかもしれません。

 

しかしこれをもって、もはやファミリー割引はファミリー割引として機能しているというよりも、データ容量のシェアに完全に特化してしまっているとも感じますね。

通話から通信へ、世の中の移り変わりを如実に感じられるポイントです。

今後、家族の在り方がまた少しずつ変わるとするなら、ファミリー割引・家族割もそれに合わせて少しずつ形を変えていくのかもしれません。