仕方ないといえば仕方ないことではあるのですが、AndroidスマートフォンにiPhoneにフィーチャーフォン(ガラケー)にと、最近充電器の種類が多すぎる気がしていました。
それぞれに充電器が異なる上に、さらに同じAndroidスマートフォンの中でも細分化されていたりします。
そのため、家族でiPhoneとAndroidスマホとケータイをそれぞれ利用している場合には、充電器もそれぞれ準備しておく必要があり、家族で共有することもできません。
それでも、まだその三種類だけであれば、工夫して利用すればいい話ではあったのですが、ただこれが、Androidスマートフォンの充電端子としてUSB Type-Cが普及し始めたことで、ますますそのややこしさに拍車がかかりました。
もちろん、現在はちょうど過渡期であるとも言えるため、これがType-Cにやがて統合されてくれば嬉しいのですが、現時点でのドコモの充電器事情、特にAndroidスマホとiPhoneについて考えてみました。
ドコモのACアダプタの種類
ドコモのAndroidスマートフォンの充電器は、かなり変遷してきているので何がどう違うのかもよくわからないという人も多いと思います。
基本的にAndroidスマートフォンは、最近登場したUSB Type-Cになるまでは、ずっと端子の形状が同じだったため、基本的にはどの機種でも使える(差せる)ようなイメージだったのではないかと思います。
実際は、充電器によって急速充電ができたりできなかったり、そもそも充電自体対応していない機種があったりと細かい違いがあるのですが、実際に充電できないケースに遭遇した人以外は、ここはあまり認識されていないと思います。簡単にまとめてみます。
ACアダプタ03 | ACアダプタ04 | ACアダプタ05 |
Androidスマホ用 | Androidスマホ用 | Androidスマホ用 |
microUSB | microUSB | microUSB |
ACアダプタ06 | ACアダプタ07 | Lightningアダプタ |
Androidスマホ用 | Androidスマホ用 | iPhone用 |
USB Type-C | USB Type-C | Lightning端子 |
3ポートACアダプタ01 NEW |
Android/iPhone兼用 |
A to C/A to Lightning/C to C |
この他、フィーチャーフォン用として「ACアダプタ02」、Androidスマートフォン用で充電性能としてはACアダプタ04と同等の「ポータブルACアダプタ01 kuruko」、同タイプでiPhone用の「ポータブルACアダプタ01L kuruko」、自動車用充電器の「DCアダプタ」などがあります。
これだけあると、何がなんだかわからなくなりそうですね。
ドコモのACアダプタ03・04
ドコモのACアダプタでは、スマートフォン用として初の充電器として発売されたのはACアダプタ03で、この頃はiPhoneの充電器と同じように、アダプタ部とケーブル部が外れるようになっていました。
つまりケーブル部はそのままパソコンと接続するUSBケーブルとしても利用できたわけですね。
ちなみにこれ以前は、スマホ購入時に専用充電器が同梱されていたか、またはACアダプタ02、つまりフィーチャーフォン用の充電器の先端部分に変換アダプタを取り付けることで充電できるようにしていました。
ACアダプタ03の登場からスマートフォンには同梱の専用充電器がなくなっていきました。その当時はACアダプタ03があれば、わざわざUSBケーブルを買わなくてよかったのが非常に便利だと感じていました。
その分、進化型のACアダプタ04が発売され、ACアダプタ03が消えていったときには、どうして一体型にしてしまったんだろう・・・と感じたものです。
上の写真を見てわかる通り、ACアダプタ04は、アダプタ部とケーブル部が一体化しており、取り外しはできません。
充電性能自体は、対象機種に対してはACアダプタ03の1.25倍の速度で急速充電ができるという特徴もあり、非常に便利に使える充電器だっただけに、アダプタ部とケーブル部が一体になってしまったのは残念でした。
ですが、これ以後、ACアダプタはiPhoneのLightningアダプタとケーブルを除いて、一体型のものが主流となりました。
ドコモのACアダプタ05は何かと注意点が多い
続けて登場したのがACアダプタ05でした。現在もAndroidスマートフォンの充電器として販売されています。
こちらも残念ながらアダプタとケーブルの一体型でしたが、性能としては急速充電対応のACアダプタ04をさらに1.25倍の速さで充電ができるようになるという、急速のさらに急速充電を特徴としています。
急速充電対応機種を充電する際の速さは、体感でもかなり満足度が高いです。
ただこのACアダプタ05、発売されてしばらく、故障が非常に多い充電器としても有名でした。
それまでACアダプタの故障といえば、大体決まって先端の端子部分がなんらかの圧力で曲がって破損しているというのがお決まりパターンだったのですが、ACアダプタ05の登場によって、「充電器って破損以外でも故障することあるのね・・・」と認識を改めさせてくれた、ある種貴重な充電器でした。
最近は改善されてきているような気はしていますが、もし先端部分がまったく曲がっておらずどう見ても破損ではない状態で充電ができなくなるようであれば、スマホと保証書と一緒にドコモショップに持っていきましょう。(※スマホを持っていくのは、充電出来ない場合にスマホ側が故障している場合もあるため)
さらにもう一点、ACアダプタ05には大きな注意点があります。
それは、同じAndroidスマートフォンの中でも、急速充電に対応していないだけではなく、そもそもACアダプタ05では充電そのものができない機種がある、という点です。
つまり、今までのACアダプタ04では、急速充電は急速充電対応機種でなければできなかったのですが、急速充電非対応機種であっても、普通に充電することはできたわけです。そのため、購入時にわざわざ対応機種を確認する必要はなかったんですね。
これが、ACアダプタ05の場合、単純に充電自体できない機種が存在しているため、購入時には今利用している機種がそもそもACアダプタ05での充電に対応しているかをしっかり確認しないといけません。
実はこのトラブルは、ドコモショップや販売店で購入した場合にも報告されていたりするもので、ショップ店員の方の認識としても、まさか対応していない機種があるなんて、というところだったのではないでしょうか。お店での購入であっても、一言「この機種に対応していますか?」と聞いてみるといいかもしれません。
ちなみに、どういう機種が非対応になっているかというと、Xperia Z、Xperia Z1、Xperia Aなど、このあたりの時期のSONY・Xperiaが非対応の機種が多いです。この機種以前は非対応、という感じでもなくて、例えばもう使っている人は少数かもしれませんが、FOMAのころのXperia arcやacro、rayなどは充電可能なのです。
ほかのメーカーにも非対応機種はありますので、必ず購入前には確認を実施しましょう。
もしたまたま利用しているスマートフォンが非対応機種だった場合は、ACアダプタ04はもう販売されていないし、充電器がないじゃないか、と思われるかもしれませんが、そんな場合の対策としては「ポータブルACアダプタ01 kuruko」という充電器が販売されていますので、そちらを購入しましょう。
この充電器については、ACアダプタ04同様、ほとんどのスマートフォンで利用可能です。ただし、対象機種の確認は、やはり忘れず実施しましょう。
ポータブルACアダプタ01 kurukoには、類似品としてiPhone用の「ポータブルACアダプタ01L kuruko」がありますので、ここも間違って購入しないように注意する必要があります。「L」があるかないかの名称の違いです。「L」はおそらく「Lightning」のLではないかと思われます。
対象機種に関しては、それぞれドコモオンラインショップにて確認することができます。
ACアダプタ06からUSB Type-Cへ
ここまでのACアダプタは、03、04、05と、端子の形はすべて共通のmicroUSBだったのですが、ACアダプタ06からは、充電端子の物理的な形が変更となっています。つまり、形が違うので挿せません。
端子に上下の区別がないので、破損のリスクが低く今までよりも使い勝手も向上しています。
今後のAndroidスマートフォンは、すべてこのType-Cへと変わっていくと思われますが、現状まだ旧機種を利用している人も多いと思われますので、家族の間でそれぞれの対応機種を持っている場合などは充電器が別々に必要となるので、なかなか面倒です。
昔からそうですが、旧充電器から新充電器への移行期間は、何かと面倒なことも多いです。
ACアダプタ07/現在の標準充電器
現在ドコモで発売されているACアダプタで最も新しい充電器が、ACアダプタ07です。
対応はAndroidスマートフォンで、充電端子はACアダプタ06と同じUSB Type-Cです。
「端子が同じUSB Type-CならACアダプタ06でいいじゃん!」という声が聞こえてきそうですが、一点、今までとは大きな違いがあります。それは、ACアダプタ07は、USB Power Delivery(以下、USB PD)に対応した、という点です。
では、USB PDって何なのか、ということですが、最大100Wの電力を送ることができる電力供給規格で、例えばスマホよりももっと電力が必要になるパソコンのような別の機器への充電も可能になる規格、ということです。
もちろんその場合、受給側の機器がUSB Type-Cに対応している必要があるため、今すぐ様々なシーンで利用可能、というわけにはいきませんが、今後利用の幅が広がってくるのは間違いないと思われるため、今から新しく充電器を購入するのであればACアダプタ07を購入する方がお得、というわけです。
もちろん、ACアダプタ06同様、急速充電にも対応しています。
ACアダプタ07の定格/仕様は以下の通りです。
入力 | AC100V~240V 50/60Hz 0.8A |
出力 | DC5.0V 3.0A/DC7.0V 3.0A DC9.0V 3.0A/DC12.0V 2.25A |
サイズ | 幅約400×高さ約78×厚さ約27mm (ケーブル、電源プラグ部は除く) |
ケーブル長 | 約1200mm |
質量 | 約105g |
3ポートACアダプタ01の登場
2019年、3ポートACアダプタ01が新しく登場しました。
ケーブルは別売りでACアダプタ部分のみなのですが、Aポートが2つ、Cポートが1つ、合計3ポートで最大3台を同時充電することができる充電器です。
使い方によっては非常に便利なので是非活用されてみてください。
詳細は以下記事にて解説しています。
関連記事:「ドコモの3ポートACアダプタ01が非常に便利だった話」
ポケットチャージャー04C/B
持ち運びが容易で、どこででもスマホを充電することができるポケットチャージャーは、2019年1月現在ポケットチャージャー04C/ポケットチャージャー04Bが最新です。
「C」と「B」の違いは何かと言うと、単純に入力端子が以前の機種に対応しているmicroUSB(B端子)という点です。自分の利用しているスマホの充電端子のタイプをしっかり確認して、間違って購入しないように注意してください。最新機種ならすべて「ポケットチャージャー04C」です。
容量としては6,200mAhなので、一般的なスマホで約2回分程度の充電が可能となっています。
特に外出時や緊急時、また災害時など停電時等にも活躍できるため、予備として一つ所有しておくと便利だと思います。
ポケットチャージャー05/10,000mAh
ポケットチャージャーに、さらに大容量タイプが登場しました。
今回はなんと、10,000mAhです。ポケットチャージャー04の2倍近く、一般的なスマホなら3回分程度の充電パワーがあります。
大きさがポケットチャージャー04よりも一回り大きく、重さもあるので、手軽に毎日持ち歩くにはあまりむいていないかもしれません。ただ、長期で旅行に行く際や、充電できる場所がなかなかないような際には活躍すると思います。
また、普段からしっかり充電しておけば、災害時など不測の事態が起こった際にも大活躍すること間違いなしです。防災アイテムの一つと考えて、一家に一台置いておいてもいいかもしれません。
さらにもう一点、大きな特徴として、C端子が入力だけでなく出力にも対応している、という点です。そのため、C to C、またはC to Lの充電も可能となっており、使い勝手の幅が広がりました。お勧めです。
種類の違うACアダプタが自宅に三つある
たとえばこういうケースがあります。
・父親:Xperia Z5 → ACアダプタ05 or 04
・母親:AQUOS R → ACアダプタ06 or 07
・子2:iPhone 7 → Lightningアダプタとケーブル
家族それぞれの利用端末の充電器が、すべて違うパターンです。父親用にACアダプタ05、母親用にACアダプタ06、子にはLightningアダプタとケーブル。
それぞれに予備充電器を1つずつ準備しておいたとしても、合計で6つも充電器が必要になります。
これがもし、家族で全部充電器が共通の機種を利用しているのであれば、せいぜい予備は1つか2つあれば足りるでしょうし、最悪合計2つくらい充電器があれば使いまわしもできます。
とにかく充電器の種類が多いと、利便性が著しく低下します。
私も個人的にiPhone 7 PlusとXperia X Performance、ZenFone 3などを利用していますが、すべて充電器が違うので、非常に不便です。
そんな時には、3ポートACアダプタ01が非常に便利に活用できますので、是非試されてみてください。
自動車運転中の充電・DCアダプタが徐々に不要になってきている
さらに充電器と言えば、気になる問題がもう一つ。
自家用車で出かける場合などに、車内で充電できる車載用充電器、DCアダプタについてです。
以前は、自家用車を所有している人にとって欠かすことのできない重要アイテムだったのですが、最近の新車には初めからスマホの充電を意識したUSB端子が搭載されていたりするため、DCアダプタの重要度はグッと下がってきています。
将来的には完全にDCアダプタ自体、なくなってしまうと考えてもいいのかもしれません。
とはいえ、まだまだ世の中の自動車の多くがUSB端子を標準で搭載しているわけではないので、現時点ではまだまだDCアダプタの活躍の場はあります。
DCアダプタ05からは、本体をシガーソケットに取り付けた上で、USB端子を接続することでC端子でもLightning端子でも使えるというタイプに変化し、使い勝手が大きく向上しました。
USB端子を二つ備えていることで、同時にLightningケーブルとType-C端子の両方を利用する、ということができます。
それぞれにAndroid用、iPhone用と使い分けてもいいですし、両方をiPhone用のLightningケーブルにする、という使い方も可能です。
そんな、DCアダプタ05からさらに進化して登場したのが、DCアダプタ06です。
DCアダプタ05の良さを継承しながら、C端子を新たに搭載し、C to Cケーブルが同梱されています。
別にケーブルを購入する場合は、ドコモオンラインショップでも以下のようなケーブルが販売されています。
A to C、C to C、A to Lなど、端子やケーブルの長さなど種類が様々なので、間違って購入しないように注意しましょう。
DCアダプタ06の登場によって、ずいぶん車内での充電も便利になりました。
よく自家用車の中で充電する、という人は是非一つ用意しておきましょう。ドコモオンラインショップでも購入可能です。
スマホ/iPhone全体で規格を統一してくれれば・・
これだけ充電器の種類が増えてくると、業界内の事情はよくわかりませんが、ユーザー側の立場としては、スマホもiPhoneも含めて、充電端子の規格はすべて統一してくれれば楽なのに、と感じざるを得ないところです。
とはいえ、技術は常に進化していきますし、進化することでもっと便利な充電方式が生まれれば充電器が変わっていくのは、ある程度はやむを得ないと考えるしかないのかもしれません。
事実、ある一定期間を過ぎれば自然と全体的に統一されてはくるので、違和感もなくなりますしね。
ただ、またそのタイミングで新しい規格になったりもするわけですが・・・。その繰り返しです。
引き続きスマホ/iPhoneの充電器については、間違って購入してしまわないように、細心の注意を払いましょう。
番外編:ACアダプタの先端が曲がってしまう問題
急にスマホの充電ができなくなった、と思ったら、充電ケーブルの先端部分の端子が曲がっていた、という経験はないでしょうか?
大切に利用していても、ふとした拍子に曲がってしまったり、ということは意外にあるものです。
正常な状態 | 曲がってしまった状態 |
私自身、比較的丁寧に充電器を扱っているつもりなのですが、それでも結構曲がってしまった経験があるので、多少物を乱暴に扱う癖があるような人は、かなり頻繁に故障させてしまっている、という人もいるのかもしれません。
故障しても修理や交換ができるのならいいのですが、端子の曲がりは取り扱いに問題がありユーザー責となる「破損」扱いになるため、修理や交換は不可で、買い替え案内になります。そのため、端子が曲がるたび、買い替えの費用が必要になってしまうわけです。充電器も安くはないので、繰り返せば馬鹿にならない金額になります。
そうなるとやはり、不満に感じてしまうケースも出てきます。
「普通に使っているのにこんなに曲がるんだから、製造上の不備ではないか」。
まぁ、こう思いたくなる気持ちはよくわかります。私も曲げてしまった時は、「曲がってしまうような使い方、いつしたのかなぁ?」と不思議に感じるものです。自覚がないんですね。
しかしこの充電端子、そういう曲がりは当然想定されていて、正しく抜き差しをして問題がないか、何千回何万回と機械的に抜き差しする試験がちゃんと実施されているので、正しく利用している限り、そうそう曲がるはずはないのです。
つまり、やはり曲がってしまったら自分の利用を疑うしかありません。
充電端子をスマホに挿した状態で動かしたり落としたりすると、その衝撃で「てこの原理」で思わぬ負荷がかかり、一気に曲がってしまうのです。
とにかく充電器をスマホに挿している時は、安定した場所、引っかかったりしない場所に置いて、抜き差しも丁寧に実施するように注意するのが、充電器を長持ちさせるコツです。
よく曲げてしまうという方は、一度充電場所や方法を見直してみるといいかもしれません。