今まで、歴代Xperia、歴代ARROWS(arrows)について振り返ってきましたので、同じシリーズとして今回は、SHARPのAQUOSについて歴代機種を振り返ってみようと思います。
個人的に、Xperiaやarrows、そしてGalaxyと比較して、最も私が購入した機種が少ないのがAQUOSです。
そのため、詳細内容については抜けている点等もあると思いますが、ドコモで発売されたAQUOSについて、初期から振り返ってみようと思います。
知る人ぞ知る黎明期のSHARPスマホ
ドコモで初めて発売されたSHARPのスマートフォンは何か、と言われて正しく答えられる人はおそらくほとんど存在しないのではないかと思います。
ちなみに、同じ質問を自分自身に投げかけて私の脳裏に真っ先に浮かんだのは、LYNX 3D SH-03Cでした。
この機種は、比較的覚えている方もいらっしゃるのではないかと思います。このころはまだ、スマートフォンでは「AQUOS」ブランドは使われていなかったんですね。
SH-03Cは当時スマホ展開に出遅れていたauから同等機種のIS03が発売されたこともあり、比較的印象に残る機種だったのではないかと思います。おサイフケータイ、赤外線、ワンセグといったガラケー機能を搭載したAndroidスマートフォンでした。
しかし、この機種よりもさらに前、SHARP製のスマートフォンが実は発売されていました。
それが、LYNX SH-10Bです。
LYNXというスマートフォン
2010年7月23日 | LYNX | SH-10B | ドコモのSHARP初Androidスマホ |
2010年12月3日 | LYNX 3D | SH-03C | ワンセグ・赤外線・3D液晶搭載 |
LYNX SH-10Bのネットブック的なデザインは、いかにも初期に見られがちな「今後の方向性を模索している感」がよく出ていました。
実はこの機種、個人的に所有していたのですが、完全にそんな記憶もなくなってしまっていたくらい、印象が薄いです。実際利用していた期間もかなり短かったということもありますが、あまりまともに使わないまま飽きてしまいました。
結果、その後発売された前述のSH-03Cにおいて、SHARPのAndroidスマートフォンはようやくスタートを切ったような印象です。
当時、一体何を考えてLYNX SH-10Bを購入したのか覚えていないのですが、おそらく新規契約で一括0円とかMNP新規でキャッシュバックがあるとか、そういうパターンだったのではないかと思います。
ちなみにメイン端末としては初代Xperia SO-01Bをその頃利用していたので、ワンセグ・赤外線・おサイフケータイが搭載されたSC-03Cにはかなり興味をひかれた記憶がありますが、買い替えるには至りませんでした。
SC-03Cといえば他にも、覗き見防止のカラーベールビューにも対応しています。
この機能の流れをくむ覗き見防止機能は、2018年夏モデルのAQUOS R2において復活しています。
その辺り、SHARP製端末の系譜を感じるところです。ちなみにベールビューは、フィーチャーフォンの頃からSHARP端末には搭載されていました。まさに、「SHARPといえば」という機能の一つと言えるかもしれません。
「AQUOS」の登場と消え去った「3D」
2011年5月20日 | AQUOS PHONE | SH-12C |
2011年8月6日 | AQUOS PHONE f | SH-13C |
SH-03Cの後継機種であるSH-12Cにおいて、ドコモのスマートフォンとして初めての「AQUOS PHONE」というブランドが登場しました。
元々はSHARP製テレビのブランドだった「AQUOS」は、既にフィーチャーフォンの頃は「AQUOSケータイ」として利用されていたため、それをスマートフォンでも引き継いだ形です。
以降、2014年のAQUOS ZETA SH-04Fにおいて「PHONE」がなくなり「AQUOS」ブランドへと変更されるまで、「AQUOS PHONE」ブランドはずっと継続します。
ちなみにSH-12Cは当時としてはやや大型のスマートフォンで、SH-03Cの後継にあたるスマホでした。
この機種についても見て触って検討した覚えはあるのですが、とにかくこの時期のSHARPのスマートフォンは、どうしてもXperiaやGalaxyと比べて操作性が悪いと感じていたため、なかなか購入するには至りませんでした。
他にも、富士通のARROWSや既に撤退したNECのMEDIAS、この当時はまだブランド名も存在しなかったパナソニックのスマートフォン(のちELUGA・撤退)など、軒並み日本のメーカーはAndroidのスマートフォンの波に乗り遅れてしまっており、実際触ってみると操作性の差が明らかにわかるという状況で、とても購入する気にはなりませんでした。
FOMA時代のSHARPスマホ
2011年12月2日 | AQUOS PHONE | SH-01D |
2011年12月7日 | AQUOS PHONE Slider | SH-02D |
2012年2月14日 | Q-pot.Phone | SH-04D |
2012年3月23日 | AQUOS PHONE | SH-06D |
2012年6月29日 | エヴァンゲリオン | SH-06D NERV |
2012年6月7日 | AQUOS PHONE st | SH-07D |
この時期のSHARPのスマートフォンには、他のメーカーと比べて強い個性がある機種が多かったように思います。
SH-01DとSH-06Dについては王道のフラッグシップモデルと考えていいと思いますが、SH-02Dはスマホのタッチパネルに慣れない人のためにハードキー(テンキー)を搭載したスマートフォンでした。
非常に珍しいタイプのスマホだったため、当時かなりドコモショップや家電量販店に通って操作性を確認してみた記憶があります。しかし残念ながら、非常に動作がもっさりとしたスマホで、正直「使い物にならない」と感じたものです。
ガラケーにもスマホにもなりきれない、なんとも中途半端な機種でした。
このハードキー搭載のスマホという試みが失敗した証拠に、その後同様の仕組みを採用したスマートフォンは発売されていません。
その後発売されたSH-04DとSH-06D NERVについては、それぞれ「Q-pot.」、「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションモデルです。遊び心があり特化した特徴を持つのでそれぞれのファンには大きな人気を集めましたが、一般ユーザーは手を出しにくい機種でした。
SH-07Dについては、数少ない小型のモデルであり、Xperia rayに近いかなりの小型端末で、とにかく大型ディスプレイを搭載した機種が苦手なユーザーに人気を集めました。
しかしいずれの端末も、操作性という意味ではまだまだ課題を抱えていました。
Xi(LTE)対応スマートフォンの登場
Xi機種投入はやや出遅れ
2012年6月29日 | AQUOS PHONE ZETA | SH-09D |
2012年8月30日 | AQUOS PHONE sv | SH-10D |
2012年10月5日 | AQUOS PHONE si | SH-01E |
2012年12月8日 | SH-01E Vivienne Westwood |
ドコモ初のXiスマートフォンとして発売されたのは、サムスン(Galaxy S2LTE)、富士通(ARROWS X LTE)、NEC(MEDIAS LTE)、LG(Optimus LTE)の4機種であり、SHARPからLTE(Xi)対応スマートフォンが発売されるのは、AQUOS PHONE ZETA SH-09Dまで半年以上も待たなければなりませんでした。
しかもクアルコムのチップ不足によって超短期、約一ヶ月で販売が終了するなどいわくつきの機種になってしまいましたが、ただ私はコツコツ通っていた販売店でこの機種を実際に触ってみて、これなら買いかも!と感じたのを覚えています。
理由は覚えていませんが、今までのSHARP端末とは、一味違う感覚があったのだと思います。残念ながらすぐに手に入らなくなってしまいましたが。
その後発売されたSH-10Dも、かなり真剣に購入を検討しました。
当時まだ珍しかったNOTTVに対応していたことも注目していた理由の一つですし(2016年にサービス終了)、それ以外にもベースになる機能全般が向上してきたと感じていたためです。
SH-01Eについては、久々の小型端末だったという点や、Vivienne Westwoodとのコラボモデルも発売されたことで、注目の機種でした。全体的にSHARPのスマートフォンの安定感が確実に増してきている、と感じていた時期でした。
しかし私はこのころはまだ、Galaxy S2LTEを利用していたので、やはりAQUOSを利用するまでには至りませんでした。
IGZO(イグゾー)の登場/ドコモのツートップ・iPhone登場の影響
2012年11月29日 | AQUOS PHONE ZETA | SH-02E |
2013年1月25日 | AQUOS PHONE EX | SH-04E |
2013年2月1日 | ジュニア | SH-05E |
SH-09Dにおいて、かなりSHARP製スマートフォンを見る目が変わってきていたところに発売されたIGZO搭載のSH-02Eは、もしかしたら今後またSHARPの時代が来るのではないだろうか、と感じさせるパワーがありました。
ただ、この後に発売されたSH-06Eでは、今までとドコモの方針がガラリと変わりました。
2013年夏モデルの時期です。
当時まだiPhoneの取り扱いがなかったドコモにおいて、Xperia A SO-04EとGalaxy S4 SC-04Eをツートップとして前面に押し出し、それ以外の機種が大きな影響を受ける事態となりました。
そして、XperiaとGalaxy(主にXperia)をこのタイミングで売れるだけ売っておいて、直後の2013年9月にはドコモとして初のiPhoneであるiPhone 5cとiPhone 5sの取り扱いを開始するなど、「iPhoneが出ると知っていたら買わなかった」と多くの不満が出た時期でもありました。
いずれにしてもiPhoneが登場したことで、ドコモユーザーの中でも大きなシェアがiPhoneへと移り、Androidスマートフォンを継続して使うのはXperiaやGalaxyのユーザー中心となり、私の中でもそれ以外のAndroidスマートフォンはしばらくの間存在感がかなり薄れてしまうことになりました。
2013年5月24日 | AQUOS PHONE ZETA | SH-06E |
2013年6月21日 | AQUOS PHONE si | SH-07E |
2013年11月7日 | AQUOS PHONE ZETA | SH-01F |
2013年12月7日 | SH-01F DRAGON QUEST | |
2014年1月24日 | AQUOS PHONE EX | SH-02F |
2014年2月1日 | ジュニア2 | SH-03F |
この頃のスマートフォンは、SHARPに限らず全体的にスペックもかなり向上し、どれを選んでもそう間違いない性能を有する機種が増えてきました。
SH-01F DRAGON QUESTでは、人気ゲームドラゴンクエストとコラボしたり、SH-03Fではジュニアスマホ2も登場するなど、特徴的な機種もありました。
ただし、iPhoneの登場によって圧倒的劣勢になったAndroidスマートフォンの中でも、特別人気がある、という地位までは登れていませんでした。
CompactモデルのAQUOS
2014年5月23日 | AQUOS ZETA | SH-04F |
2014年5月29日 | Disney Mobile on docomo | SH-05F |
2014年11月14日 | AQUOS ZETA | SH-01G |
2014年11月20日 | Disney Mobile on docomo | SH-02G |
2015年5月28日 | AQUOS ZETA | SH-03G |
2015年6月19日 | AQUOS EVER | SH-04G |
2015年10月29日 | AQUOS ZETA | SH-01H |
2015年12月4日 | AQUOS Compact | SH-02H |
2016年6月10日 | AQUOS ZETA | SH-04H |
2016年11月4日 | AQUOS EVER | SH-02J |
ラインナップとしてはAQUOS ZETAシリーズが夏・冬と発売され続けたこの時期、全体として「販売」という意味ではかなり苦戦を強いられていた印象が強いです。
SH-04F、SH-01Gは横幅がかなり広いスマートフォンだったこともあり、女性にとっては持ちにくい印象があったでしょうし、デザイン的にも他社スマホと比較するとどうしても手に取りにくい印象がぬぐえなかったと思います。
一つ注目するとしたら、現在のAQUOS senseに繋がる、スペックを抑えて価格も安めに設定したAQUOS EVER・AQUOS compactがこの時期登場しています。
AQUOS R/AQUOS senseの登場
2017年7月7日 | AQUOS R | SH-03J |
2017年11月10日 | AQUOS sense | SH-01K |
2018年6月8日 | AQUOS R2 | SH-03K |
2018年? | AQUOS zero? | ? |
2018年? | AQUOS sense2? | ? |
2017年夏モデルとして登場したAQUOS Rは、それまでドコモ・au・ソフトバンクで完全に分散していたAQUOSブランドをすべて統合し、「R」という統一ブランドで再スタートしました。
そしてここで、AQUOSとしての流れは大きく変わった気がします。
全体としてのバランスが大きく向上したAQUOS Rに加えて、2017年-2018年冬春モデルでは、AQUOSとして初のdocomo with機種として発売されたAQUOS senseが大ヒットし、ついにSONY・Xperiaの牙城を崩し、2017年のAndroidスマートフォン販売数において、SHARPは1位を獲得するに至りました。
毎シーズンフラッグシップモデルを投入しているXperiaに対して、AQUOSはここ二年ほどは年間サイクルで、夏にフラッグシップモデル、冬は廉価版モデル(docomo with)という形で売り分けており、ラインナップ数自体は減りましたが戦略としてはズバリハマっているような気もします。
最近のスマートフォンは昔と比べて進化もかなり緩やかになってきていますので、毎シーズン投入しなくても、1年に1度力を入れた機種を発売すれば十分、ということかもしれません。事実iPhoneはずっと前からこのスタイルです。
2018-2019年冬春モデルではAQUOS senseの後継を期待
AQUOS senseは、Xperiaが持たない3万円台の廉価版モデルかつdocomo with対応ということで、一年間ずっと売れ続けています。
iPhone初め、スマートフォンが高額化する中において、貴重な廉価版モデルであり、年間サイクルを守るのであれば、この冬の新機種の発売は十分期待できるところだと思います。
近い価格帯でスペックアップした新機種の登場を待ちたいところです。
10月3日にSHARPから新機種が発表されています。その中で、AQUOS sense2、そしてAQUOS zero(アクオス・ゼロ)が登場しました。ドコモからの発売は現時点ではまだ未定ですが、かなり高い確率で発売されるのではないかと思われます。
ここにきて独自の存在感を発揮し始めているSHARP・AQUOS。
iPhone・Xperia・Galaxy以外の選択肢として、今後はAQUOSにも注目してみましょう。