私が格安SIMを勧め、実際に二年ほど利用している親戚に、スマホの調子が悪いから機種変更をしたい、という相談を受けました。
その親戚が利用していたのはドコモのGalaxyだったのですが、SIMロック解除をしなくても利用できるドコモ系MVNOの格安SIMをそのまま入れて使われていました。
さて、この環境でスマホの調子が悪くなった場合の機種変更には、どういう選択肢があるでしょうか。
一つは格安スマホを購入する方法。
一つはドコモのケータイ補償を利用する方法(格安SIMとは別に、ドコモの回線は音声プランのみでフィーチャーフォンにSIMカードを入れる形でそのまま維持され、その回線のケータイ補償対象端末がGalaxyでした)。
もう一つは、ドコモで機種変更を実施する方法です。
格安SIMを使っていただいたまではよかったものの、結局何か問題があると私のところに必ず話が持ち込まれてしまうので、「あぁ、これはなかなか大変だなぁ」と感じていました。
そのため、どうにかできないかと考えた結果、最終的に格安SIMからドコモに復帰する形でまとまりました。
昨今増えつつある、格安SIMからドコモ、という流れをたどったその内容をお伝えします。
格安スマホ/格安SIM利用時の機種変更は、基本的には格安スマホ
普通に考えると、格安スマホや格安SIMを利用している時点でドコモとの関係は切れているはずなので、次に機種変更を検討するとしたら、格安スマホで検討するしかないわけです。
しかし人によっては中国・台湾系メーカーの多い格安スマホに抵抗があったり、スペックにもそれなりにこだわりたい(=格安スマホでもそれなりのコストがかかる)と考えている人もいたりと、なかなか素直に格安スマホで機種変更はできない/したくない、という人もいたりします。
ちなみに私の親戚もこのケースだったので、そもそも格安SIMにする時点で格安スマホを勧めておらず、ドコモで利用していたGalaxyをそのまま利用する方法を案内したわけです。
元々利用していたドコモの回線も電話専用のプランに変更をして残したので、万が一Galaxyに問題が発生した場合にはケータイ補償サービスを利用することができるように、これも残しておきました。
そこで発生した今回の「調子が悪いので機種変更をしたい」という要望です。
実際は、せっかくケータイ補償を残しておいたのですから、これを利用してもらうのが一番手っ取り早かったりはします。
場合によっては同一機種がなく別の新しい機種になる可能性もあるわけですし、利用価値は十分あると思います。何しろそのために月額料金がかかるにもかかわらず補償を残しておいたのですから。
しかし残念なことに、その親戚の要望としては「機種変更をしたい」というものでした。
その一つの理由としては、電話とスマホの二台持ち(音声:ドコモ・ガラケー データ:格安SIM・Galaxy)になっている現状がやはり面倒なので、できることなら一台に戻したいということでした。
となると、ドコモを完全に解約して、データプランで利用している格安SIMを音声プランに変更し、なおかつ格安スマホをそのMVNOで購入する、という方法が浮上してきます。
ただ私は、この方法を勧めたくありませんでした。何故なら、この親戚の方は、このままでは必ずまた問題が発生すれば私に問い合わせを投げてくる、と確信したためです(元々私が格安SIMや二台持ちを勧めたせいなのですが・・・)。
格安SIMからドコモへの復帰プラン
今回のケースではドコモの契約が音声プランで残っていたため、この契約を活用しようと思いました。もし残っていなかったらMNP新規を選択したと思います。(※ただしドコモオンラインショップでは、ドコモ系MVNOからのMNP新規は対応していませんので、実店舗での手続きとなります)
しかし、そのままカケホーダイ&パケあえるのプランを採用すると、確実に現状の格安SIMでの料金より高くなってしまうわけです。
そこで一計を案じました。
親戚(私から見て三親等以内)であることを利用し、私自身のシェアグループに組み込んでしまおう、と考えたわけです。
さらに、スマホ端末を新しくしつつ料金を抑える、といえば、「あれ」しかありません。そう、docomo with(ドコモウィズ)です。→「docomo with(ドコモウィズ)は本当にお得なのか」
電池持ちがいい機種がいいという要望を受け、Galaxy Feelを勧めました。端末代金は格安スマホを購入する分と考えていただいて、ドコモオンラインショップで一括購入(機種変更)していただきました。これで手数料も0円、頭金含む総額も安く、ばっちり節約できました。→「ドコモオンラインショップでの機種変更/購入がリアル店舗より圧倒的有利な件」
電話はあまり利用しない人なので、カケホーダイライトを勧め、場合によってはシンプルプランもあると伝えました。
結果、料金はこうなりました。
1700円+300円+500円-1500円=1000円/月
(カケホーダイライト+spモード+シェアオプション-docomo with=合計金額)
もしシンプルプランにするなら、さらに720円安くなり、月額280円で完全に現状の格安SIMを利用したドコモ音声プランとの二台持ちよりも料金は安くなります。一応今後私に話が振られる可能性を減らすため、ケータイ補償サービスをつけました。→「外してはいけないケータイ補償」
現在、docomo with最新機種のケータイ補償料金は以前よりも安く設定されているのですが、Galaxy Feelは残念ながらケータイ補償料金が以前の料金のままなので月額500円かかります。今ならおそらく、2018年夏モデルのarrows Be F-04Kを勧めていたと思います。→「arrows Be F-04Kを実際見てきた感想・評価」
ちなみに新機種も含めたdocomo with対象機種比較はこちらを参考にどうぞ。→「docomo with対象機種比較」
ただ、そのケータイ補償料金を含めても十分安く収まったわけです。
加えて、今後もし何か問題があったら、ドコモショップを案内することができるという形が出来上がりました。
もはやこの親戚にとって、格安SIMを利用する意味は皆無となりました。
格安SIMが必ずしも「正解」ではない
そもそも二年前からこの形にしておけばよかったんじゃないか、ということは重々承知しています。
しかしその当時、私はドコモのシェアパックを利用しておらず、格安SIMをまだメインで利用していたわけです。この形にしたくてもできなかったんですね。
まぁつまり何が言いたいのかというと、「格安SIM/格安スマホを無理して利用していても、実際に何らかのトラブルや機種の買い替えを検討する段階になって、自分自身のみの力で完全に手続きを完了できる人はまだまだ少ないのではないか」ということです。
結局、誰かに聞かないとわからない、という状態では、緊急時には本当に困ることになります。
だからこそ最近、「よくわからないけど格安SIMを使いたい」という人に出会った場合は、「安心して利用されたいのであれば、やはりドコモですね」と答えることがかなり増えました。誰も彼も格安SIMにすればいい、というものではないとつくづく感じています。
結局一周回って、ある程度スマホ周りの自己解決ができない場合には、ドコモが一番安心・便利なんですね。
関連記事:「ドコモから格安SIMにしてはいけない人とは」
シェアパックの重要性を痛感
今回、たまたま私がシェアパックを利用していたことで、親戚の回線をファミリー割引追加からのシェアグループ追加が実行できました。
当然、請求は別です。同一ファミリーグループ内、別請求グループになっています。新しく開始されたポイント共有グループも別です。
世帯が違うのでここは当然です。
しかし実際のところ、現在シェアパックを利用している方々の中で、同一世帯の外の別世帯とのシェアグループ共有がなされているかどうかはかなり微妙なところだと思います。
そして、この仕組みに気づくことができると、実はシェアグループを大きく拡大することができ、ドコモをより安価に利用することができるようになるのです。
もちろんシェアグループそれぞれの回線のデータ容量の利用量がどの程度なのかにもよりますが、シェアグループの回線数は多ければ多いほど、特にシェアパック分割請求オプションを利用する場合はオトクですし、親回線がシェアパック料金を負担する場合には子回線は劇的に安く利用が可能となります。
シェアパック分割請求オプションを利用しない場合にデータ容量の各回線の使い方が気になるなら、「データ量上限設定オプション」を利用すればいいので、容量の心配もありません。
逆のケースもあります。つまり、自分が単独でもし家族や親戚がシェアパックを利用していたら、そのシェアグループに飛び込んでしまえばいいのです。そうすることで、安心のドコモを利用しながら格安SIMと同等あるいはそれ以下の料金でのスマホ利用が実現してしまうのです。
意外に盲点で気づいていない人もいるかもしれませんので、家族まとめて回線利用を見直してみるといいかもしれません。
格安SIMからドコモへのMNPという逆の流れ
格安SIMの人気の波は既に一周回って、逆にドコモはじめ大手キャリアへ逆戻りする方々もチラホラ見えてきています。
大手キャリアを圧倒するほどの潮流になり切れない理由としては、ある程度使いこなせるユーザーの移動が完了したあと、第二波に乗って格安SIMに移ったはいいものの、定着できずそのまま返す波で戻って来る人たちが増えると同時に、第三波には乗りたくても乗れない人たちがまだまだ数多くいるためです。
加えて、未知の宝島と思われていた格安SIMという島の全貌が、時間とともに霧が晴れて視認できるようになりつつあり、ある種の「限界」を感じる人が増えたためとも考えらえます。
今までありそうでなかった、格安SIMからドコモへのMNP(番号ポータビリティ)も、昨今十分現実的になってきているのです。
格安SIMに多少なりとも慣れたユーザーが改めてドコモで新規契約する際に利用するしたい場所は、やはりドコモオンラインショップなのですが、ドコモオンラインショップはドコモ系MVNOからのMNP新規には対応していないので、この場合、ドコモショップなどリアル店舗での手続きとなります。
ただ、格安SIMで多少なりとも慣れたであろう、「ネットで完結する仕組み」をドコモに復帰後はドコモで最大限に活用し、なおかつ格安SIMではなかなか満足に利用できなかったであろうサポートの部分を、ドコモインフォメーションセンターという電話窓口やドコモオンラインショップの専用チャットを利用して、「誰かに聞きながら手続きを進める」という安心感と便利さを合わせて体感してもらえるといいのではないかと思います。
ドコモへの里帰り
かくして私の親戚は格安SIMからドコモへと正式に復帰しました。Galaxy Feelの使い心地と電池の持ちに満足して利用していただけているようです。
もし今後何かトラブルが発生しても、ドコモショップもありますしケータイ補償も使えますので、もはや何の心配もいりません。万が一私に連絡が来ても、そのように伝えるだけです。私が何かするよりも、ドコモショップに足を運んだ方が数倍早いのですから、これで私はその親戚のスマホ事情からお役御免です。
今もし、よくわからないのに格安スマホを検討している方や、逆に格安SIMを利用していて様々な不満が募っている方は、参考にしていただき、ドコモへの復帰も考えてみるといいのではないでしょうか。
よく考えたら私自身、最近は格安SIMからドコモへメインが完全に戻っていますので、「ドコモへの里帰りユーザー」です。
外に出て広い世界を見たなら、また広がった視野をもって故郷に帰るのもいいものです。